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210.松竹映画(戦前)

2012.12.26

有りがたうさん 1936 松竹蒲田

清水宏監督が全編ロケで撮った名作ロードムービー。
伊豆の踊子の逆コースを通って、下田から修善寺方面へ向かう乗り合いバスの一日を追ったお話。
海外でのタイトルは、Mr.Thank You というそうだ。
2.26事件の翌日に公開されたということだが、その通り、昭和大不況を背景にした映画でもある。


バスの運転手は道を譲ってもらうと「ありがとう」とよく通る声を掛けるので地元の人から「有りがたう」さんと親しまれている。
今日もバスはさまざまな人を乗せて出発する。
下田を離れる酌婦、東京へ売られていく娘とそれに付きそう母親、ひげを生やして紳士面の無尽勧誘員。
また道行く若い女に声を掛けられては、「有りがたう」さんはそのたびに車を止め話を聞いてやる。
前方不注意でガケから転落しそうになって乗客が肝を冷やしても、「とんだ軽業をお見せしちまいまして」といって車内を和ませてしまう。
そんな彼が気になるのは売られる娘の行く末である。


日本でトーキーが始まって数年でこの映画を作るなんて、日本人も捨てた物でない。

この作品では台詞が極端にゆっくり発音されてユーモラスな反面、当時の不況と朝鮮人労働問題もえぐり出している。
そもそも「有りがたう」という言葉がかえって、ギスギスした世の中を暗示している。
清水監督が子供扱いが上手なだけの監督ではなく、当時の小津安二郎監督同様にタイムリーだったことがよくわかる。

この映画を見てはじめて、上原謙がさわやかな好人物に見えた(笑)
これを見たら、いい人だなあと思ってしまう。
しかし戦後は化粧の濃い京本政樹のようなタイプになるのだ。
たとえば「晩菊」で杉村春子のかつての恋人で今は落ちぶれて無心に来る役だとか。

桑野通子はここでは汚れ役だったが、森永のスイートガールからダンサーを経て銀幕デビューまだ三年目である。
母に言わせると、彼女はプロポーションが抜群だったそうだ。
デビュー直後は清水監督に重用された。
いつ見ても明るく頭が良さそうな感じを受ける。


監督 清水宏
原作 川端康成
撮影・青木勇
音楽・堀内敬三

出演
上原謙
桑野通子
築地まゆみ
二葉かほる
水戸光子

2012.07.30

愛染かつら 総集編 1938~1939 松竹

映画は前編後編に分かれていて、当時の女工さんたちが休みの日に映画館で主題歌を合唱するほどの大ヒット。
この後、続編もある。
残念ながら現存するのは前後編をまとめた、総集編のみ。


高石かつ江は未亡人で子を姉の元に預け、看護婦として働く。
病院には子供がいることがばれると首になるので、伏せてある。
ある日、院長の息子の津村浩三が大学を出て、医師として病院に赴任する。
彼は高石の快活な様子に親しみをおぼえ、次第に愛情を感じ始める。
高石は津村の気持ちを喜ぶが、一方で子供があることを言えず、苦しむ。


長内美那子主演のドラマを60年代にリアルタイムで見ていて、最後は火事か災害が起きたと思うが、
映画では高石かつ江が歌手デビューを果たしてしまうと言う、凄い展開だった。

愛染かつらの木は大阪天王寺や上田市など何カ所かにある。


監督: 野村浩将
原作: 川口松太郎
脚色: 野田高梧
撮影: 高橋通夫
音楽: 万城目正
歌: 霧島昇 ミス・コロンビア

出演:
上原謙 津村浩三
田中絹代 高石かつ枝
藤野秀夫 父・保樹
葛城文子 母・清子
森川まさみ 妹・竹子
河村黎吉 伯父・春樹
吉川満子 姉・さだ枝
小島和子 娘・敏子
坂本武 吉川副院長
岡村文子 佐藤看護婦長
佐分利信 服部医学士
高杉早苗 服部の妹・美也子

2012.07.29

祇園の姉妹(きょうだい) 1936 松竹

オリジナル・エディションはすでに失われていて、現存する短縮版を見た。
したがって、編集のつながりが悪かった。

今月なくなった山田五十鈴は当時、19歳で映画女優として売り出し中。
この映画でも、新派出身の梅村蓉子相手にして十分に渡り合っていた。


姉梅吉は男に利用されいつも貧乏くじを引いてしまう年増芸者。
一方、妹おもちゃは、姉を反面教師として、男を手玉にとってのし上がろうとする若手芸妓。
姉は昔の旦那が破産したのを不憫に思い同居している。
妹はそんな姉が歯がゆくてならない。
呉服屋の番頭を利用しておいて、自分は主人の妾におさまる。
しかしあることから、おもちゃの運命はがらりと変わっていく。


妹に天罰が下るのは結構だが、姉には幸せになって欲しかった。
しかし溝口作品はクールでリアリズムである。

1956年に木暮実千代主演でリメイクされているし、新藤兼人原作、深作欣二監督によるオマージュ作品「おもちゃ」(1999)が作られている。

監督 溝口健二
脚本 依田義賢
撮影 三木稔

出演者:
山田五十鈴
梅村蓉子
志賀廼家弁慶
進藤英太郎

2012.07.27

風の中の子供 1937 松竹

清水宏の辛口子供劇。

明るい四人家族がいた。
兄弟は賢兄愚弟タイプでどちらも近所の人気者。
しかしある日、父が私文書偽造で逮捕され、一家離散の憂き目を見る。

主演は弟役の爆弾小僧。
この頃は○○小僧が大勢いて誰が誰だかよくおぼえられない。
吉川満子が子供の前で心配顔を決して見せない母親を好演。


監督:清水宏
原作:坪田譲治
脚色:斎藤良輔
音楽:伊藤宣二

出演:
父親:河村黎吉
母親:吉川満子
善太:葉山正雄
三平:爆弾小僧
おぢさん:坂本武

2009.11.15

按摩と女 1938 松竹

監督:清水宏
脚本:清水宏
撮影:斎藤正夫

配役:
謎の女 高峰三枝子
徳市      徳大寺伸
福市      日守新一
研一      爆弾小僧(天才子役)
大村真太郎   佐分利信
宿屋主人     坂本武

按摩の徳市、福市が温泉場に今年もやってきた。
盲人特有の、鋭い勘を二人は持っていた。
ついて早々、東京から来たらしい女が徳市に按摩を依頼する。
徳市は女の香りに淡い恋心を抱く。
その旅館で盗難が発生する。
徳市は女こそが真犯人だと直観する。


巨匠清水宏の快作。
主人公徳市は盲目でありながら勘が良すぎるが故に、最後に失敗して女に去られてしまう。

高峰三枝子全盛期の作品で、彼女の魅力爆発である。


按摩と女PV(2:20まで広告、2:20から予告編)

2004.08.31

非常線の女 1933 松竹蒲田

監督:小津安二郎
原案:ゼームス槇
脚色:池田忠雄
出演:
田中絹代 岡譲二 水久保澄子 三井秀夫 逢初夢子

ギャングの岡譲二が堅気の女水久保澄子に一目惚れ。
譲二の情婦田中絹代は怒って一悶着起こす。
そして水久保澄子の弟三井秀夫が窃盗を犯して、姉は岡譲二に泣きついてくる。

戦前の小津サイレント作品。
アメリカの影響を受けた時代のものだが、その中でも出来の良い作品だと思う。

それにしても田中絹代の洋装には笑ってしまう。
ベルトの位置が非常に高くて、ヒップの位置とかけ離れているのだ。
若い頃の田中は小さくて下ぶくれで、少し卓球の福原愛ちゃんに似ている。
この年は「伊豆の踊子」にも主演していて、アイドル路線を突っ走っていた。
ちなみに23歳でもうバツイチだったんだけど。

戦後の金田一耕助、明智小五郎俳優岡譲二は戦前もダンディな役だった。

準主役水久保澄子は和服で決めていた。
今なら鶴田真由系かな。

三井秀夫(弘次)は屈折気味の学生役。

逢初夢子は田中の同僚でちょい役だった。
のちに戦前の新興キネマに移り、バリバリの主役を張る。

2004.08.11

一人息子 1936 松竹

2003/10/13(Mon) 21:30

小津安二郎監督の初トーキー。
のっけから涙を絞る展開だった。

長野1923年。
子供が学校へ行きたいと言うが、母親(飯田蝶子)は怒りだす。
母親は夫に先立たれ女工さんとなり、貧しい家計をやりくりしていた。
しかし母親は一晩掛けて考え直し、子供を東京の学校に送り出す。

12年後、母親は上京する。
立派になった息子の姿を見に行くためだ。
しかし息子は勝手に結婚してしまい、子供まで生まれていた。
しかも夜学の教師を務めていて、貧乏な生活である。
母親の思惑は大きく外れてしまった。
そんなとき、隣の子供が馬に蹴られて病院に運び込まれる・・・


一種の東京物語なのだ。
かの大名作と比較すると、息子の側に情があって、良かったと思う。
息子はいささか東京の毒気の前にスポイルされているため、やる気を失っているように感じられる。
しかしまだ若いんだし、息子は自分なりに人生を切り開いていくだろう。

母親も世間体を気にしているが、子供が幸福なら良いじゃないか。
おそらくわかってくれるだろう。


2004.06.22

東京の女 1933 松竹蒲田

〔監督・原作〕小津安二郎
〔出演〕岡田嘉子、江川宇礼雄、田中絹代、奈良真養 ほか

東京のアパートで暮らす貧しい姉弟のお話。
弟は姉に学資を出してもらって大学に通っている。
姉は昼はタイピスト、夜は大学関係のアルバイトをしているはずだった。
やがて弟は恋人から姉の秘密を打ち明けられる。

---

細かい描写が印象的な室内心理劇。
部屋一面に壁紙、和服も柄物オンパレード。
完全に欧米映画の影響を受けている。
原作のエルンスト・シュワルツは小津のペンネーム。
言い忘れたが、無声映画である。


洋装の岡田嘉子ももちろんだが、和服姿の岡田嘉子もやたらとバタ臭い。
当時の女優としては希有な存在だったのではないか。

実はこの映画は検閲されていて、岡田嘉子が共産党のスパイをやってることが、ぼかされている。
ただ酒場女をやってたわけじゃない。
党があってのことなのだ。
実際、1933年ナチスが政権を取り、それに呼応するかのように、日本は国際連盟から脱退した。
後年、映画の設定のように岡田はソ連に亡命している。

恋人役の田中絹代はぽっちゃりして、二重あごだった。
ちょっとショック。
服装はというと、和風も和風、べたべたの大和撫子だ。
伊豆の踊子を演じていた頃だから、まだ幼さが残っていた。

大人の見る絵本 生まれてはみたけれど 1932 松竹蒲田

監督 小津安二郎
脚本 伏見晃
撮影 茂原英雄
出演 斎藤達雄
    菅原秀雄
    突貫小僧(青木富夫)
    吉川満子

郊外に越してきたサラリーマン一家。
2人の腕白兄弟は早速近所の悪ガキと喧嘩する。
引越し前はいちばんつよかった兄ちゃんも、ここでは苦戦だ。
しかし弟が酒屋のアンチャンをうまく利用して、敵を取った。

そんな元気な兄弟は、自分たちの父さんを世界で一番えらい人だと信じていた。
引っ越してきた近所には父さんの会社の重役が、住んでいる。
重役の家で8mm上映会が開催されて、二人も招かれる。
8mmに写る父さんは、上司の前で滑稽なゴマすり男でしかなかった。

家に帰ってから、父さんに毒づく二人。
とうとう父さんも怒って子供たちをぶつ。
でも父さんが一人酒を飲む後ろ姿は悲しそうだった。

翌朝、子供はずいぶんと大人になっていた。
たった一晩で彼らは、他人の立場を思いやる心を身につけた。
しかし父さんとしては、子供たちがわかってくれて、嬉しいような悲しいような複雑な気持ちだった。

---

この時代には長尺の1時間半映画。
それでも非常に軽妙なタッチですごく躍動感がある。

しかし内容はずっしりと重い。
父親のいたたまれない気持ちが痛いほど伝わる。
子供が主人公だが、子供の見る映画じゃない。
もちろん無声映画。

小津安二郎は子供の演出に関して天才的だ。
1932年時点でチャップリンより進んでいた。
次男坊の突貫小僧をはじめ、長男といい、そのライバルのガキ大将、金持ちの太郎くん、みんな強烈だ。
ハリウッド映画みたいな、わざとらしさは全くない。
世界的に評価されているのも納得だ。

学生ロマンス 若き日 1929 松竹蒲田

監督 ................  小津安二郎
脚色 ................  伏見晁
原作 ................  伏見晁
撮影 ................  茂原英雄
配役    
学生・渡辺敏 ................  結城一郎
学生・山本秋一 ................  斎藤達雄
千恵子 ................  松井潤子
千恵子の伯母 ................  飯田蝶子

主人公は早稲田大学に通うチャランポランな遊び人。
下宿を立ち退く約束をするが、次の間借り人に美人が現れる。
翌日、美人が荷物を持ってくるが、遊び人はまだ引越しを終えていない。
これをきっかけに彼女をナンパしてるのだ。

結局、部屋を追い出された遊び人は、親友の家に居候となる。
実はこの親友のGFが、例の美人だ。

二人は美人と赤倉にスキーに出かける。
遊び人はスキーが上手だが、親友はスキー下手。
遊び人は猛烈にアタックする。
親友も徹底抗戦の構えだ。

ところが、漁夫の利と言おうか、そのGFは他の男を気に入った様子で、二人とも振られてしまった。

---

1時間40分の長編映画。
当時の学生は、今と変わらずチャランポランでだらしなかったのだな。
親にせびるが、金を出してもらえないと、勉強道具を売り飛ばすなんて、今もある話だ。
コメディだが、チャップリンの影響が出ていると思われるところもあった。


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