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260.日本映画(独立系)

2006.11.06

飼育 1961 大宝

大江健三郎の芥川賞作品を大島渚が映画化した。
太平洋戦争の末期、黒人捕虜を巡る村での騒動を描く。

原作には、大江健三郎のインテリ意識が出ていて、読んでいて嫌になったと言う人がいる。

原作と映画はおよそ別物である。
安直な映画だと子供の童話にしそうだが、大島監督はそうしなかった。
原作での、ませた子供たちの視点から、映画では、ずるい大人たちの視点に置き変えている。
それが成功している。

大人たちは捕虜を殺した後、何事もなかったふうに決着を着けようとする。
子供たちはそれを見て何を思っただろう。


2004.11.12

蟹工船 1953 独立プロ

山村聡監督脚本、小林多喜二原作。

森川信、河野秋武、浜村純、木田三千雄、今成平九郎、花澤徳衛が搾取されるプロレタリアート。
平田未喜三、御橋公、山田巳之助が資本家の犬である。
他に山村聡、森雅之、中原早苗がちょい役で出演。

北洋漁業の蟹工船が函館から半年の予定で出航する。
蟹を捕ってその場で缶詰を作り、売りさばくのが仕事だ。
まだ季節は春だったが、海に出るとしけていて、遭難者が大勢でてしまった。
しかし現場監督は会社のノルマを果たすことしか考えておらず、見殺しにしてしまう。
これには作業員たちは団結して反抗した。
しかし駆逐艦初風がやってきて、首謀者は銃殺されてしまう。

船員の革命的反乱を描いた、エイゼンシュタインの「戦艦ポチョムキン」と同じようなテーマを扱う。
「蟹工船」は群衆劇になっていて、エイゼンシュタイン流のモンタージュ的な映像効果はあまり見られない。
アクションシーンはややスローだったが、演出ではなく、船上ロケであるため不安定になってスローに見えたのだろう。

こういう映画を見ていて、いつも思うが、現在ももこういう構図はある。
ドヤ街だけではない。
つまらない会社に入った新入社員はこういう目に遭うのだ。

ただし今はイヤなら、やめさせてもらえる。
でもやめたからと言って救われるだろうか?
この会社のどこがイヤか、この社会のどこがイヤか、自分の意見をぶつけてみたらいいのに。
思ったことを言ったらすっきりする。

2004.11.06

田園に死す(1974)ATG

寺山修司第二作にして傑作前衛恐山映画。

学ランで白塗りの高野浩幸(子供の頃の寺山)のシーンは有名だ。
本家の美しい嫁八千草薫から誘惑され、
菅貫太郎(大人になってからの寺山)と遭遇し、
フリークスのいるサーカス団と出会い、
父なし子を間引きした小野正子に力ずくで犯される。
かような思春期映画でもある。

日本的な不条理な世界に、つげ義治の「ねじ式」を思い出した。

でも青森県人って、どうして暗いのだろうか。
太宰治も真っ暗けだし、神経質や薬物中毒であることを露悪してしまう。
彼らはまた家族をいつも憎んでいる。
寺山の場合、憎む対象は母だ。
その辺が前衛映画のなかにどろどろしたものを生み付けている。


しかし僕らには高野浩幸と言えば、いくつになろうと「超人バロム1」ではないか。
「マッハロッドでブロロロロブロロロブロロロ」だぜ。
全編擬音語だらけで主題歌も名作の誉れが高い。
その二年後にこういう美味しい映画を撮っていたとは・・・。
この人、実は身長が低い。


2004.09.28

変奏曲 1976 ATG

中平康監督
浅井慎平撮影
五木寛之原作
麻生れい子佐藤亜土主演。
共演は松橋登、二谷英明(写真だけ)。


日本人の人妻(麻生れい子)が夫(二谷英明)の留守中パリで昔の恋人(佐藤亜土)に出会う。
彼は革命家だったが、長い間の逃走生活の間に不能になっていた。

二人は南仏コートダジュールに旅立つ。
彼女は夫の友人(松橋登)と外で立ったままセックスしたり、地元民のセックスを覗き見て楽しむ。
いろいろな体験ののち、旅先での最後の夜、とうとう元恋人と結ばれる。

パリに帰ると、彼には組織の追っ手が掛かった。
彼は捕まり連れ去られた。
もう二度と会えないだろう。


goo:変奏曲

麻生れい子を久しぶりに見た。
彼女はバタ臭い顔つきのファッションモデルだが、ときどき(台詞はボー読みで)役者もやっていた。
昔は週刊プレイボーイや平凡パンチにしょっちゅう出てたんだが、1976年当時でピークは過ぎていた。
だからこそ脱ぎっぷりはよかった。
最近は京都にいるとか。

浅井慎平のキャメラだが、ぼかしが多く、見せ場は少なかったと思う。
のちにタモリ主演の「キッドナップブルース」でも監督・撮影を担当している。

佐藤亜土って人はよく知らないのだが、演劇畑の人かな。
鹿賀丈史に似ている。低音だけどよく通る声で学芸会になりかけた映画をぐいっと引き締めていた。

「月曜日のユカ」「狂った果実」「あいつと私」で知られる中平康監督、晩年の作品だ。
しかし2004年現在、DVDにはなっていない。。
純文学なぞに接近した中平康はあまり好かれていないのか。

池田満州男監督の映画「エーゲ海に捧ぐ」を思い出した。
主役比較なら、俺は麻生れい子を取る。


2004.08.14

市川馬五郎一座顛末記 浮草日記(1955) 独立映画

山本薩夫監督のプロダクションと俳優座の共同製作。
興業主に搾取される芸人一座が炭坑町のストライキに出くわし、労働組合とふれあううちに労働者意識に目ざめる。

クレジットとあらすじ

☆ネタバレ注意

「浮草・・」と言うから、松竹の旅芸人映画だと思っていたが、共産党映画だった。昭和30年にもなって、まだこんなことをやっていたのか。
「もう戦後ではない」と言われた31年まであと一年である。

労働者はみんないい人だ。資本家は悪い人だ。
そういうステレオタイプの見方に、この作者は何の疑いも持たない。 でもこれは軍国主義と大して変わりがないのではないか?

東野英治郎が座頭、松本克平が幹部、
江幡高志が女房に逃げられる情けない芸人、花沢徳衛も芸人仲間である。
浜田寅彦が労組の幹部、小沢昭一、井上昭文は労組の若手。
ここまでがいい人だ。
おそらくマルクスレーニン主義の勉強会に毎晩通っているのではないか(笑)

一方、悪い方は小沢栄が悪い興業主、中谷一郎がその子分、
高橋昌也が仲間の女房に手を出したり、興業主に可愛がられる二枚目と、はっきり色分けが出来る。
子供でもわかるようになってる。
この分かりやすい構造を見たら、よい子のみんなは疑って掛かりましょう(笑)
こういう芝居がリアリズムだと思ってたのだろうか?


主役の津島恵子がとても綺麗だった。色気を感じた。
彼女は孤児であり親方に拾われ育てられる役だ。
松竹映画のお嬢様役より、こういう威勢が良い方が彼女は綺麗に見える。

菅原謙二が入れ墨を背負う芸人で津島恵子の恋人役。
大映所属のまま出演していたが、彼は俳優座養成所から大映に進み、のちに新派に移った。
俳優座の面々とは顔見知りだから選ばれたか。

最後に「聞け万国の労働者」を歌いながら労組の若手・仲代達也と握手するシーンが笑える。
他にものちに東映でお姫様にまでなった岩崎加根子がブスな田舎娘の役で出てくる。

三池炭坑など、首切り=ストライキという時代があったとは今の子供は信じまい。
どうしてリストラでストライキをしないのか、今や誰も不思議に思わなくなった時代だ。
それもこれも社会党と共産党がだらしないから。

2004.08.06

竜馬暗殺(1974) ATG

坂本龍馬中岡慎太郎とともに暗殺されるまでの三日間を描く。
廣島三部作でブレークして、今や日本の巨匠になった黒木和雄の監督作品。
清水邦夫田辺泰志が脚本を書いている。
独特の安っぽいけど凄いモノクロ撮影は田村正毅(三里塚シリーズ、タンポポ、萌の朱雀)。


大政奉還が終わり、新政府での主導権争いが激しさを増した。
無血革命論者の竜馬(原田芳雄)は刺客を逃れて近江屋に身を隠す。
隣の質屋にとらわれている幡(中川梨恵)と懇ろになるが、
彼女の弟右太(松田優作)は薩摩藩から竜馬を討つために送り込まれた刺客だった。
しかし何故か彼は竜馬が切れない。
竜馬もこの男右太が気に入ってしまう。

竜馬が幡と寝てる最中に武闘派陸援隊の中岡慎太郎(石橋蓮司)が竜馬の命を狙いに来た。
しかし隣にいるとは知らず、引き返す。

世は「ええじゃないか」運動の嵐だ。
竜馬は奇抜なメイクをして、踊る「ええじゃないか」の連中に紛れて、右太を連れて中岡を訪ねる…

原田芳雄のふんどし姿が脳裏にこびりつく。
当時、新しい竜馬像を見せてくれた。
この竜馬がその後のスタンダードになったと言えよう。
石橋蓮司の中岡慎太郎役もいい。
ケケケと笑う中川梨恵も良い味を出している。

時代は既に1974年だが、台詞はまだ全共闘世代だ。
明治維新では、侍という無産階級が内ゲバで血を流していた。
のちに学生という無産階級が内ゲバを起こしたことと繋がってる。
「ええじゃないか」も今から見るとデモだった。

映画では謎の多い竜馬暗殺犯人について、薩摩謀殺説を取りあげている。
中村半次郎が主犯だ。
しかし最近の多数説は京都見廻組だろう。

黒木和雄監督作品集

2004.07.26

泥の河 1981 木村プロ

宮本輝の原作(太宰治賞受賞)を
小栗康平が初めて演出した。
田村高廣、藤田弓子、加賀まりこ他出演。
キネ旬一位、日本アカデミー作品・監督賞、ブルーリボン作品賞、毎日映画作品賞、モスクワ映画祭銀賞。アカデミー賞外国映画部門ノミネート。


昭和31年、神武景気の頃。
うどん屋の一人息子信雄は9歳である。
ある日、橋で同じ年ごろの子どもと出会う。
キッちゃんというその子は母と姉と暮らす水上生活者だった・・・


おそらく梅雨時から天神さんまでの短い期間の物語だろう。
友達との出会いと別れ。誰でも心に引っかかるところのある話だ。


重森孝子の脚本のせいかもしれないが、小栗康平の演出も今見ると、いくつか疑問を感ずる。
(日本アカデミー監督賞にケチを付けるのも度胸がいる。)
過去の名監督と比べると、彼は子役の扱いがうまくなかったと思う。

モノクロ映画(西崎英雄撮影)だが、
モノクロにしたのは、昔っぽく撮りたかったからであろう。

しかし橋の様子は昭和31年のものではなかった。
最近の橋そのままだ。
従って、激しい違和感があった。
金を掛けられなかったから、橋のシーンだけ、田舎で撮り直すわけにはいかなかったのだろう。

その一方、出演陣は自主制作作品なのにバリバリに頑張っている。
彼らから実力を引き出す力を見ると、小栗康平監督もやはり巨匠の一人なのだろう。

大阪のローカル俳優さんたちも東京の大物との絡みに対して、存分に実力を発揮している。
とくに初音礼子には度肝を抜かれた。
最近下手くそな大阪弁を聞かされること(非大阪の関西人ほど、大阪弁が訛っている。)が多いが、
以前は大阪にもこういう生粋の役者さんがいたのだ。

田村高廣は年が行ってから息子に恵まれた甘い父親である。
しかし、天神祭の直前に蒸発したりして戦争に生き残ってしまった苦悩もあった。

加賀まりこが出てきたところで、この映画は少年の思い出(ファンタジー)だと気づいた。
あんな綺麗な水上生活者がいるわけがない(笑)
陸に上がってホステスでもして何不自由なく生活は出来るはずだ。
すべてが少年の主観で構成されていた。

NHKBSで見ているが、銀子チャンの風呂場のシーンの前に、父が子ときっちゃん相手に手品をしているシーンがある。
そこで既に風呂場のエコーがかかっていた。録音の問題だが何故だろう?

宮本輝は文章がうますぎる。
失業していた初期作品ですら綺麗な文章に感じる。
昔の貧乏私小説家と、豊かになり生活の不安もない今の万能作家の違いは大きい。
戦後派以降の作家は(一部の例外を除いて)生活感に乏しい。

後妻藤田弓子が病室の先妻八木昌子に詫びを入れるシーン。
しかし信雄の前では意地でもあんな事をやらないと思う。
私が信雄と同じ立場なので、母の気持ちはわかるつもりだ。


2004.07.19

真昼の暗黒 1956 独立映画

昭和31年度キネマ旬報グランプリ作品。
巨匠今井正と脚本家橋本忍の黄金コンビが、
実際にあった冤罪事件(八海事件 やかいじけん)を取りあげた問題作。
既存の映画会社では取れないのでインディーズを利用した。

☆ネタバレ注意

松山照夫は老夫婦を強殺し、警察でも自白した。
警察は単独犯ではないとの見込みから、草薙幸二郎矢野宣、他二名も逮捕して、
拷問を加え、自白を強要し、共同正犯として起訴する。

下級審は松山だけ無期懲役、他の四人は死刑の判決が下った。
早速弁護側、検察ともに控訴した。

高裁では緻密な証拠調べが行われ、当地の駐在がアリバイの証人になる事がわかった。
その駐在下元勉は証言を二転三転させ、最後は「警察へ提出した上申書に間違いございません。」と偽証するのだった。
草薙幸二郎の内縁の妻・左幸子もその晩一緒にいたことを証言したが、取りあげられなかった。
左幸子は結局、草薙と別れて他の男と結婚する。

内藤武敏弁護士には検察の矛盾を突けば、この裁判は勝てると思った。
犯罪時間が余りに短すぎるのである。
全員が被害者宅へ走りながら、押し込みの相談をしている。
なたでめった打ちにしたことになっている、主犯草薙の衣類に血痕が全くなかった。
盗んだ金銭の配分が全くナンセンスで、松山が全体の半分を取ったことになる。

しかし菅井一郎内藤武敏弁護士の努力の甲斐なく、高裁でも有罪判決が出た。
草薙と母飯田蝶子は面会するが、何も言えない。
母はいたたまれず、出てゆく。
その後ろ姿を追って、「まだ最高裁判所がある。」と草薙は叫ぶ。

クレジットとあらすじ

八海事件

まだ事件が終ってない時点で、映画にした意味はよくわかる。
今井正としては、この裁判が馬鹿馬鹿しかったんだ。
警察が得点稼ぎで犯人の数を水増していることは誰の目にも明らかである。
世間に訴えて、警察や検察の横暴を明らかにするつもりだったのだ。


原作者であり弁護士でもある正木ひろしは戦前からのやり手弁護士。
地裁の判決が馬鹿馬鹿しかったので、この本を出した。
それに対して裁判官も反論の書を上梓する騒ぎになり、検察もメンツを潰され後には引けなくなった。

最高裁は差し戻し判決、高裁では無罪判決、最高裁で再び差し戻し判決、再度高裁で有罪判決。
そして最高裁で無罪判決がようやく出た。
その間、警察と検察のメンツのためだけに証人を呼んで、偽証罪で起訴したりしている。

実際に判決が確定し四人が自由の身になったのは昭和43年である。
映画から12年もかかっている。

どうして映画を作って、なおこれほどまで長い時間がかかってしまったのか?
当然、無能な警察の見込み捜査を黙認して、まともな捜査を行わなかった検察に第一の責任がある。
証拠が自白以外にない裁判なんか今どき維持できるわけがない。
しかし昔はそれを意地でも維持した。
昔の裁判とは、かようにいい加減なものだった。

また弁護士正木ひろしのやり方も問題があった。
検察上層部を刺激して必要以上に抵抗を受けた。
(残された母親たちは心労も大きかったと思う。)

でもさすが今井正橋本忍だ。
こんな猟奇的犯罪映画でも、笑える場面をいくつも用意している。
そして誰もが無罪を信じていたとき、判事は有罪と判決を下す。
一転して場面は深刻になる。
これぞ映画だという作りだ。


俳優では松山照夫が印象的だった。
罪もない仲間を売ることで自分の死刑を免れる。
人に罪を被せて平気でいる。
裁判中は死んだような目、精気のない目で虚空を眺めている。
松山照夫渾身の演技だと思う。
(この人は、今では時代劇の悪役専門だ。)

被告の母親役の北林谷栄飯田蝶子夏川静代も良かった。
草薙幸二郎の主演作は初めて見た。
名バイプレーヤー矢野宣もこれがデビュー作。

日本の裁判制度がいかにいい加減だったか、しっかり覚えておかなければならない。
また警察は都合の悪いことを隠すことも忘れてはならない。



2004.07.18

青春の殺人者 1976 ATG

たった二本の映画で日本映画史に名を残す長谷川和彦監督作品。
田村孟が久々に脚本を書いている。
1969年、千葉県市原市で起きた事件を中上健二が小説にしたものを長谷川が映画化した。

当時の千葉県は成田空港問題があり、高校生らの学生運動が盛んだった。
そういった一人、水谷豊は卒業後も、職を持たずブラブラしている。
父親内田良平は自分の土地にスナックを建てしばらくの間、息子にやらせる。
軌道に乗ったら、息子を追い出して自分でやる気だ。

しかし息子は近所の片耳が聞こえない女原田美枝子を連れ込んで、楽しくやってる。
父親は息子を自宅に呼び戻し女と別れろと諭すが、喧嘩になる。
気がつくと息子は父親を刺し殺していた。
市原悦子はその様を見て動転し、分けのわからないことを言っていたが、ついに無理心中を覚悟して、息子に刃を向ける。
格闘の末、再び立ち上がったのは息子だった。

両親の死体は風呂場に隠し、スナックへ戻った。
店は客で盛り上がっていたが、全員追い返し、憂さ晴らしに女を抱こうとする。
そのとき、高校時代の旧友(江藤潤、桃井かおり、地井武男)が店にやってきた。
結婚式の打ち合わせをする約束だったのだ・・・

2時間フルバージョンのデラックス版と聞いていたが、オリジナルをカットした部分もいくつかあったようだ。
それにしても市原悦子が刺し殺されるシーンは、本当に痛そうだったなあ。
よほど急所をつかないと刺殺も悲惨だ。


「太陽を盗んだ男」と比較してこの映画が違う点は、最初にすべての原因を明らかにしてしまうこと。
母親市原悦子の態度を通して、息子水谷豊がいかに甘ったれた子どもであったかが、わかる。

両親は子どもを手元から離さない。
母親はひたすら甘やかし、父親は息子に与えては、また取り戻す。
それに対して、息子の感情は今にも爆発しそうだった。
そして「あのとき」破裂したのだ。


しかし、映画が終わってからの余韻を感じなかった。

太陽を盗んだ男」の場合、
まさか沢田研二が生き残るとは思わなかったため、
終わってからの虚脱感は酷いものだった。
警察に逮捕されるか、死ぬか、いずれにせよそういう形で終わるだろうと思っていたら、
最後に「父親」を象徴する菅原文太を殺してしまい沢田は生き残るのだから、
見ていて無間地獄へ堕ちたかのように救いがなかった。


印象に残った役者は、脱ぎっぷりが良かった原田美枝子である。
まだデビュー間なしで台詞も棒読みだったが、そんなことどうでも良くなる胸の形だった。

ゴダイゴのデビュー盤のプロモーションと提携している。
これが絶妙だった。
まだ西遊記のポップス路線でなく、遅れてきたポップロック、フラワージェネレーション、プログレと言おうか、独特のサウンドがマッチしていた。


2004.06.30

裸の島 1960 日本

2002/12/23 Mon   ☆☆
監督 新藤兼人
出演 殿山泰司 
   乙羽信子

モスクワ映画祭グランプリを取った、「無言映画」。
主人公一家は、全くせりふがない。


瀬戸内海の孤島に住む一家四人。父(殿山)と母(乙羽)は、農業を営む。
しかし島には水が無く、町から水を手に入れ、手こき船で運ぶ。
水はとても大切で、こぼしたりすると、父の鉄拳が飛ぶ。
季節は移りゆくが、夏のある日、長男が病気になる。
父は必死で町から医者を連れ帰るが・・・

渋い映画だ。
音はあるんだけど、声がない。
島の孤独感を出したのだろうが、今見ると、ちょっとわざとらしい気もする。

林光の音楽が印象的。

その他のカテゴリー

210.松竹映画(戦前) | 211.松竹(46〜59年) | 212.松竹(60〜79年) | 213.松竹(戦後小津作品) | 220.東宝映画(戦前) | 221.東宝(46〜59年) | 222.東宝(60〜79年) | 223.東宝(戦後黒沢作品) | 224.東宝(戦後成瀬作品) | 225.新東宝映画 | 230.日活映画 | 240.大映(~59年) | 241.大映(60年~71年) | 250.東映映画 | 260.日本映画(独立系) | 281.日本映画(80-95年) | 282.日本映画(96-99年) | 283.日本映画(00年代) | 310.アメリカ映画(戦前) | 320.アメリカ映画(46〜49年) | 321.アメリカ映画(50~54年) | 322.アメリカ映画(55~59年) | 330.アメリカ映画(60年代) | 340.アメリカ映画(70年代) | 360.アメリカ映画(80年代) | 361.アメリカ映画(90-93年) | 362.アメリカ映画(94-95年) | 363.アメリカ映画(96-98年) | 364.アメリカ映画(99年) | 365.アメリカ映画(00年) | 366.アメリカ映画(01-02年) | 367.アメリカ映画(03-09年) | 368.アメリカ映画(10年代) | 420.イギリス映画(~69年) | 421.イギリス映画(70年~) | 430.フランス映画(〜69年) | 431.フランス映画(70年〜) | 440.イタリア映画 | 450.ヨーロッパ映画 | 490.中国・台湾・韓国映画 | 499.その他の国々の映画 | 510.スタンダード音楽 | 520.オールディーズ | 530.ポップス70年代 | 540.ポップス80年以降 | 550.ロック | 600.アメリカ音楽 | 630.ラテン音楽 | 670.ヨーロッパ音楽 | 700.クラシック音楽 | 750.現代音楽 | 790.サウンドトラック | 800.歌謡曲演歌 | 910.ミステリ(国内文学) | 911.ミステリ(海外文学) | 912.ミステリ(国内ドラマ) | 913.ミステリ(米ドラマ) | 914.ミステリ(英ドラマ) | 920.シャーロック・ホームズ | 930.ミス・マープル | 940.エルキュール・ポワロ | 945.アガサ・クリスティ | 950.エラリー・クイーン | 970.アイドル60年代 | 971.アイドル70年代 | 972.アイドル80年代 | 999.落語、浪曲、講談 | ☆オーディオドラマ | ☆朗読 | ☆朗読(ミステリ) | ☆朗読(時代劇) | アニメ・コミック | ギャンブル | ゲーム | スポーツ | ニュース | パソコン・インターネット | ラジオ・オーディオ | 学問・資格 | 心と体 | 映画・テレビ | 書籍・雑誌 | 書籍(作文) | 書籍(映画・音楽) | 音楽