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281.日本映画(80-95年)

2012.02.11

竜二 1983

 
監督:川島透
脚本:金子正次

出演:金子正次
   永島瑛子
   北公次
   佐藤金造

本当にやくざが演じているんじゃないかと思うほどのやくざ映画。
そう思うほど、滑舌が悪かった。
今から思えば、すでに病気だったのだろう。

やくざの淡々とした日常を描き、暴力シーンはほとんどない。
脚本、主演の金子正次は上映期間中に病で亡くなる。
松田優作が死を看取ったという。
あらゆる面で劇的な佳作。


2009.07.09

ビューティフルドリーマー 1984 キティフィルム


監督・脚本 押井守

原作 高橋留美子

声優:
ラム:平野文
諸星あたる:古川登志夫
しのぶ:島津冴子
面堂:神谷明
テン:杉山佳寿子
サクラ:鷲尾真知子
メガネ:千葉繁
夢邪鬼:藤岡琢也

1981年から始まった、テレビアニメ「うる星やつら」の劇場版第二作である。
見た当時は、背筋が寒くなるほどの傑作だと思った。
宮崎駿作品なんか100年たっても敵わないと思っていた。
今から考えると大げさだったが、それでもやはり大傑作である。

学園祭前夜の慌ただしさに思い出がある人も多いだろう。
そんな夜が永遠に続いたとしたら、如何なるか?


DVDは日本語版よりリージョン1の英語版(日本語音声あり)の方が入手しやすい。
ただし、リージョンフリーのプレイヤーが必要である。

2009.01.04

まあだだよ 1993 大映





監督
黒澤明

原作
内田百閒 「ノラや」他

脚本
黒澤明

撮影
斎藤孝雄
上田正治

音楽
池辺晋一郎

出演:
松村達雄 (先生)
香川京子 (奥さん)
井川比佐志 (高山)
所ジョージ (甘木)
油井昌由樹 (桐山)
寺尾聰 (沢村)
小林亜星 (和尚)
日下武史 (主治医)


内田百閒先生は夏目漱石の門下生でドイツ文学者だった。
しかし昭和8年におきた法政大学騒動で先生は、関口存男(つぎお、ドイツ語接続法第Ⅱ式を発明したことで有名。)に学校から追放される。
そのとき法政の学生たちは「仰げば尊し」を歌って、先生を送った。
戦中、戦後も門下生たちは、文筆生活を送る先生を慕って、集まってくる。

古き良き時代を描いた、師弟愛を描いた作品だ。
じわっとした味わいがあり、我々が戦争で何をなくしたか教えてくれる。
教育者にこそ、ぜひ見てもらいたい。


名随筆「ノラや」のエピソードを上手く織り込んでいる。
またミュージカルではないかと言うほど、出演者がよく歌う。
松村達雄も所ジョージも歌っている。
内田百閒ファンはまさか、こんな風に映像化されるとは思わなかっただろう。

なお、内田百閒の法政大学騒動は昭和8年である。
某映画サイトには、昭和18年と誤記されている。


2009.01.01

八月の狂詩曲 1991 松竹


監督 黒澤明

原作 村田喜代子 「鍋の中」 芥川賞受賞

脚本 黒澤明

撮影  斎藤孝雄
上田正治

音楽 池辺晋一郎

出演:
村瀬幸子 (祖母・鉦)
井川比佐志 (忠雄)
根岸季衣 (町子)
大寶智子 (たみ)
伊崎充則 (信次郎)
吉岡秀隆 (縦男)
リチャード・ギア (クラーク)


映画の予告編で、リチャード・ギアが出てくるシーンばかり流れていたことを覚えている。
しかし実は、なかなか面白い反核映画だった。

主演は村瀬幸子、当時86歳の大女優だ。
日露戦争の真っ最中、1905年生まれ。
戦前は築地小劇場、戦中は俳優座設立に参加という生粋の演劇人だ。
戦後は老け役で映画やテレビに活躍の場を広げた。

阪妻主演、木下恵介監督の「破れ太鼓」(1949)では、桂木洋子を娘に持つ母親役で出演している。
同年の原節子主演の「お嬢さん乾杯」でもバーのマダム役で出ていた。



長崎の村に住む鉦の兄というハワイの大富豪・錫二郎が、不治の病にかかり、鉦に会いたいという。
しかし年老いた鉦は、その兄のことが思い出せない。
さらに原爆を落としたアメリカへのこだわりから、ハワイへ行くことに気が進まない。

代わりに鉦の長男の忠雄、長女の良江がハワイを訪れる。
そして、孫の縦男、たみ、みな子、信次郎は夏休みを鉦の家で過ごすことになった。
はじめは何もない田舎で退屈していた四人だったが、
鉦の昔話を聞いているうちに、原爆で夫を亡くした鉦の心情を理解する。

母をハワイに連れて行くため、急遽、忠雄と良江が帰国した。
さらに、甥のクラークがハワイからやって来る。


原爆映画にありがちな、ショッキングな描写は全くない。
孫たちの視点で、じっくりと核について考えさせる。

新劇風であり、まるで文部省推薦映画のようである。
監督は、子供たちにも見て欲しかったのだろう。

それが、ラストの雷雨のシーンでひっくり返る。
見ていた子供たちは戸惑うことだろう。
でもずっと記憶に残るはずだ。


2008.12.29

夢 1990 黒澤プロ


監督・脚本 黒澤明

撮影 斎藤孝雄
   上田正治

音楽 池辺晋一郎

出演:
寺尾聰 (私)
倍賞美津子 (母)
原田美枝子 (雪女)
根岸季衣 (子供を抱いた女)
井川比佐志 (背広の男)

夏目漱石の「夢十夜」風に、黒澤明が描いた不思議な夢のアンソロジー。
とくに映像が美しい。

「日照り雨」
出演:倍賞美津子
少年と狐の嫁入り行列。

「桃畑」
出演:伊崎充則
切られてしまった桃の精の話。伊崎充則は上手だが、子供らしくないcoldsweats01

「雪あらし」
出演:寺尾聰、原田美枝子
雪山で遭難した「私」は雪女と出会う。

「トンネル」
出演:寺尾聰、頭師佳孝
抑留から帰国した私がトンネルを越えると、かつて戦死した部下たちが追ってくる。
黒澤明は徴兵逃れをしたらしく、負い目に感じていた。

「鴉」
出演:マーチン・スコセッシ、寺尾聰
「アルルのはね橋」の絵の中でゴッホと出会う。

「赤富士」
出演:井川比佐志、寺尾聰、根岸季衣
原発がメルトダウンして、富士山が真っ赤に溶けていく。

「鬼哭」
出演:いかりや長介、寺尾聰
“私"の前に鬼が現われる。彼は人間だったが、放射能で奇形化したのだ。

「水車のある村」
出演:笠智衆、寺尾聰
美しい水車村で老人と出会う。老人は年を取って死ぬことはめでたいことで、人間も自然の一部と説く。



この映画を見た誰かが、黒澤も老けたと言っていた。
私はそうは思わない。
黒澤明は変わらない。
見る側の我々が変わっただけである。




夢という形式のために、戯画化されて描かれている。
監督は絵コンテ的に、好き勝手に撮っている。
ゴッホ、円谷英二、中川信夫、ゴダールらに影響を受けている。

それでも見る方は、小難しく考えてしまい、本質を見失いがちである。
難しく考えることはない。
好きなものを好きに撮ってるだけだ。

素直に受け止めればよい。
素直でなければ、映画は分からないbleah


2008.11.17

女咲かせます 1987 松竹

監督 森崎東
脚本 森崎東、梶浦政男

出演:
松坂慶子 (石山豊代)
役所広司 (三枝高志)
川谷拓三 (大耳清十郎)
名古屋章 (富田銀三)
清川虹子 (熊井キン)
田中邦衛 (ワタ勝)

先日見た渥美清主演「白昼堂々」のリバイバル版。
女性映画の巨匠森崎東監督がメガホンを取る。

渥美清の前作は、準主役の藤岡琢也を引き立てすぎて、コメディーのうま味を殺していた。
この作品は、主演の松坂慶子を意外にも前作で桜京美が演じていたトヨヨに起用している。
さてどうなるかと期待したのだが、、、。

役所広司がごく当たり前の二枚目だったし、
泥棒映画=穴掘り映画というのも新味がなかった。

ただし、久々に松坂慶子の若々しい姿を見られたのは良かった。
昔はスマートで美人だったのだ。(今は、ふっくらしちゃったけれども。)

喜劇の演技も「蒲田行進曲」から変わってない。
当時は見飽きていたのだが、今では懐かしい。

そういう風に割り切ってみる分には、オススメ。

2005.01.22

青春デンデケデケデケ 1992 東映

ロックンロールにかけた高校三年間の青春記だ。
主役は松坂大輔そっくりな林泰文。サイドギターとボーカル担当である。
リードギターを弾く浅野忠信の出世作でもある。
他に大森嘉之、柴山智加、岸部一徳、根岸季衣、水島かおりなど。
大林宣彦監督だけでなく、石森史郎の脚本がよい。

女子高生の演技もよかった。
本当に監督の女の子の育て方はうまい。
どの子にも印象が残って、自分の甘酸っぱい思い出を呼び戻してくれる。

原作は芦原すなおの直木賞受賞作。
青春物では定評のある人だ。
「青春デンデケデケデケ」の舞台化も実に11年上演が続いて、昨年終了したそうだ。

暖かい、いい映画だ。みんなに見せてやりたいと思った。


2004.08.20

桜の園(1990, 日本)

日本を代表する中原俊監督(「12人の怒れる日本人」、「歯科医」)の傑作映画、
90年のキネマ旬報邦画一位。
原作は吉田秋生の漫画である。


今年も桜が咲き誇る中、同じように創立記念日がやってくる。
女子高校の演劇部は創立記念日に毎年、チェーホフの「桜の園」を上演する習わしだった。
上演前日に演劇部の杉山(つみきみほ)が喫煙して補導され、「桜の園」が上演できるかどうか、職員室で激論が戦わされてる。
主演の倉田(白鳥靖代)は体調が悪く、公演が中止になれば良いと思っている。
そんな倉田を部長の志水(中島ひろ子)は一人気遣う。
顧問の里美先生(岡本舞)は生徒達にまったく期待されていなかったが、涙ながらの主張でなんとか上演できることになる。
そんな中で、志水部長は杉山に「志水さんは倉田さんのことが好きなんでしょ」と見抜かれる。

作品では当時の女子校三年生の微妙な心の移ろいを巧みに描き出している。
女子校というものを知らない男性は、覗き見しているような気になる。
なかなか興味深い作品だった。


少数の上手な俳優を使い、音楽はショパン、天気は晴、桜が風に散っていく。
日本的な美の世界を映画の中で見事に表現している。

耳をすませば(1995, 日本)

スタジオジブリのアニメ作品。
宮崎駿は脚本とプロデュースに徹して、近藤喜文が監督している。
中学生の思春期を描いたハートフルな作品。


中学三年生の雫(声:本名陽子)は、共働きの両親と大学生の姉の四人家族で暮らしている。
父は図書館の司書で、雫も図書館で物語を読むのが大好きだ。
そしていつか自分も素敵な物語を書きたいと思っているが、
いまは毎日の学校で友人との生活が楽しい。
最近雫が図書館で借りる本すべての図書カードに聖司という男の名前が記されていた。
自分と同じ本を読む聖司という男に雫は興味を抱く。

15歳のこどもが恋を知り、将来に悩み、そして前向きに生きていくお話。
出てくるのは素朴で純粋な中学生だが、今時こんな奴いないぞ(笑)
スタジオジブリの作品はどこかノスタルジックだ。
逆に言えばいまどきのこどもは可愛そうだな。

スタジオジブリ作品は、素人声優を多用して、どこか紙芝居の朗読的な雰囲気を出す。
トトロでも父親役に糸井重里を起用していたが、
今回も雫の父親に立花隆を起用する荒技を披露している。
他にも母親役は室井滋を起用していた。
この辺がテレビのアニメとは違う異空間を創り出すのに一役買っている。

ガメラ 大怪獣空中決戦 (1995, 日本)

95年度キネマ旬報邦画第六位入選作品。
歌謡曲評論家(笑)兼映画監督の金子修介が演出。

では、一体どこが第六位なのか?
これじゃあ第七位の立場はどうなるのか?
この年は邦画が五本しか無かったと言うことにしておこう。

東宝のゴジラが、マンネリ化してしまい、95年のゴジラ対デストロイアで一旦休止に入った。
同年のガメラのこの復活第一作は新鮮さもあり、不安な社会情勢の下、子供たちに受けたようだ。
しかも既に大映は徳間書店の傘下に入っており、日本テレビが配給に加わったというメディアミックスも効果があった。


五島列島でギャオスの子供が見つかる。
時を同じくして東シナ海で海中を移動する大型生物が発見される。
ギャオスの親を福岡ドームにおびき出し、捕獲作戦が実行されるが、
海中から姿を現した大型生物(正体はガメラ)に襲われ、親鳥を逃がしてしまう。
ガメラは自衛隊の集中砲火で傷つき、海深く消えてしまった。
東上したギャオスは、次々と街を襲い人間を食べて、巨大化する。

ゴジラの場合は敵怪獣がキングギドラなのだが、これはどうしても凶悪性に乏しい。
ところがガメラのライバル、ギャオスの場合は、さほど大きいわけでもなく、人間を食べるシーンなどで、怖さを演出することが可能だ。

この程度の作品なら、五歳の男の子は、もう怖がらずに観ることはできるし、筋も大方、理解できるようだ。
なお旧ガメラシリーズに出ていた本郷功次郎と、ゴジラシリーズに出ていた久保明が特別出演している。

主役を張るのは、伊原剛と、中山忍である。
忍ちゃんは実物を見かけた事があるが、演技が上手になった。

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