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2004.06.22

大人の見る絵本 生まれてはみたけれど 1932 松竹蒲田

監督 小津安二郎
脚本 伏見晃
撮影 茂原英雄
出演 斎藤達雄
    菅原秀雄
    突貫小僧(青木富夫)
    吉川満子

郊外に越してきたサラリーマン一家。
2人の腕白兄弟は早速近所の悪ガキと喧嘩する。
引越し前はいちばんつよかった兄ちゃんも、ここでは苦戦だ。
しかし弟が酒屋のアンチャンをうまく利用して、敵を取った。

そんな元気な兄弟は、自分たちの父さんを世界で一番えらい人だと信じていた。
引っ越してきた近所には父さんの会社の重役が、住んでいる。
重役の家で8mm上映会が開催されて、二人も招かれる。
8mmに写る父さんは、上司の前で滑稽なゴマすり男でしかなかった。

家に帰ってから、父さんに毒づく二人。
とうとう父さんも怒って子供たちをぶつ。
でも父さんが一人酒を飲む後ろ姿は悲しそうだった。

翌朝、子供はずいぶんと大人になっていた。
たった一晩で彼らは、他人の立場を思いやる心を身につけた。
しかし父さんとしては、子供たちがわかってくれて、嬉しいような悲しいような複雑な気持ちだった。

---

この時代には長尺の1時間半映画。
それでも非常に軽妙なタッチですごく躍動感がある。

しかし内容はずっしりと重い。
父親のいたたまれない気持ちが痛いほど伝わる。
子供が主人公だが、子供の見る映画じゃない。
もちろん無声映画。

小津安二郎は子供の演出に関して天才的だ。
1932年時点でチャップリンより進んでいた。
次男坊の突貫小僧をはじめ、長男といい、そのライバルのガキ大将、金持ちの太郎くん、みんな強烈だ。
ハリウッド映画みたいな、わざとらしさは全くない。
世界的に評価されているのも納得だ。

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