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2004.06.04

音楽 1972 ATG(日本)

三島由紀夫を映像化した増村保造作品。
東大法学部同級生コンビ(と言っても当時すでに三島はこの世にいなかった。)が送るカルト名作だ。


麗子は音楽が聞こえないと訴える。
精神科医師の汐見はこの患者に強い興味を持つ。
彼の治療を受ける過程で、麗子は「男性と交わっても感じない」と打ち明ける。

麗子は娘の頃、許嫁の男に犯されたのが原因ではないかと考えていた。
汐見医師は彼女に連想法を施す。
彼女の夢にはハサミが出てきた。
時には男性的な牛の耳として、時には女性の脚として。

彼女は江上という男とつきあっているが、やはり感じない。
旅に出た彼女は、通りすがりの不能の男をホテルに誘う。
彼女は相手が不能だと安心して感じるのだ。
しかしそれを見て男も、不能が直ってしまい、麗子を犯す。

麗子は疲れ果てて、再び汐見医師の元に向かう。
そして5年前の兄との異常な夜のことを語る。
兄の愛人が見ている前で、兄に犯されたのだ。
思わずハサミを握りしめたが、使えなかった。

汐見は麗子に兄の元へ行こうと誘う。
もう一度兄と会って呪縛を解いてもらうのだ。


強烈なブラザーコンプレックスの話。
音楽の話が本当かウソか、わからなかったが、不感症が精神的要因からくることはあり得る。
とくに最初の一発が強烈な場合は、ありそうな話だ。

黒沢のり子はこの当時は東宝所属だった。
見た目のように、実に濃い女優さんだ。
後に、にっかつで「人妻集団暴行致死事件」(1978) を撮った。

細川俊之は精神科医の役が嵌っていた。
モロボシダンこと森嗣浩司にとっては代表作。

しかし今時ハサミを夢に見るフロイト的患者はいるのだろうか。


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