ブログの移転先

カテゴリー

ココログ検索


  • ラジオデイズ

    声と語りのダウンロードサイト!


  • Google
無料ブログはココログ
2016年11月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
フォト

ウェブページ

« 2004年5月 | トップページ | 2004年7月 »

2004年6月

2004.06.30

長屋紳士録 1947 日本

2002/12/10 Tue ☆☆☆
監督 小津安二郎
主演 飯田蝶子、笠智衆、青木放屁

占い師が子供を拾ってきた。
長屋の連中は結局、かあやんと呼ばれる後家に託す。
最初は面倒がって、木更津で子供を捨てようとした、かあやんだったが、ある朝目覚めると、子供がいなかった。
必死に探すかあやん。次第に情が移っていたのだ。
やがて子供は見つかり、かあやんと仲良く暮らすようになるが、、、

最後は父親が現れ、涙の別れというおきまりの筋だが、小津映画になると少し感じが違う。
道中は冷静にためておいて、最後に一気に泣かせる筋だな。

飯田蝶子の主演作は初めて見た。佳作。

麦秋 1951 日本

2002/12/15 Sun   ☆☆★
監督:小津安二郎
出演:原節子菅井一郎笠智衆、三宅邦子、杉村春子、東山千栄子


28の娘(原)に縁談話が来た。
相手は旧家の息子で40という。
兄(笠)は乗り気だが、母(東山)はいまいちの様子。
そのうえ、肝心の娘が、煮え切らない。
ある日、娘は兄の友人・謙吉の母親(杉村)と出会う。
「あなたのような娘さんにうちに来てもらえたら、どんなに嬉しかったか。」という一言で、あっさり謙吉との結婚を決意してしまう。
みんなは突然のことで大騒ぎだ。


男からすると、原節子の結婚の決意の仕方が、すごい。
昭和26年にして、女性が「決定する」世の中になったということか。
最後の奈良、麦の穂が垂れる麦秋のシーンも印象的。

昭和初期の大女優「原節子」 カラー映像

東京物語 1953 日本

2002/12/16 Mon   ☆☆☆☆
監督 小津安二郎
出演 笠智衆 東山千栄子 原節子 山村総 杉村春子 大坂志郎 東野栄治郎 中村伸郎


尾道の老夫婦(笠、東山)が東京で成功している子供たち(山村、杉村)を訪ねて上京した。
しかし東京の子供たちは、それぞれの生活があって、満足に相手をしてやれない。
唯一、戦死した次男の未亡人(原節子)だけが、暖かく迎えてくれる。
やがて老夫婦は尾道へ戻るが、急に妻の容態が悪化する。


今更なにもいえない名作
こんな映画に出られた俳優は幸せだ。

わずか49歳の笠智衆が、70歳の老人を名演。
また大根と言われ続けてきた原節子も好演。
笑っているカットは笑っているし、泣いているカットは泣いてばっかりいるし、不思議な演技だ。


シベリア超特急(完全版) 1996 日本

2002/12/17 Tue   ☆★
監督 水野晴郎
出演 水野晴郎 菊池孝典 かたせ梨乃 アガタ・モレシャン

1938年ヒットラーとの会見を終えてシベリア超特急に乗り込んだ山下大将(水野)。
しかしヨーロッパ各国のすねに傷ある連中が同乗していた。
山下大将に二重三重の殺人の罠が襲いかかる!


たしかに演出がクラシック映画のそれを使っているのが話題で、一部に受けたようだ。
でも脚本、配役ともにすごくショウもない映画だ(^^;)
評論家に監督は勤まらない。

シベリア超特急2 2001 日本

2002/12/20 Fri   ☆
監督 水野晴郎
出演 水野晴郎 淡島千景 草笛光子 加茂さくら 寺島しのぶ

嵐の夜、満州のホテルに一晩足止めを食らった山下将軍ご一行。
しかしその夜、殺人が起きて、山下将軍に疑いがかかる。

キャスティングに金は相当かかっている。
ロケにホテルを借りて、オリエント急行殺人事件の物まねだな。
宝塚の同窓会みたいな、おばちゃんばかり出てきて、演技合戦を見せられる。
さすがに、このメンバーでは、監督の手腕の振るいどころががなかったな(笑)


彼岸花 1958 日本

2002/12/21 Sat   ☆☆☆
監督 小津安二郎
出演 佐分利信 田中澄江 有馬稲子 佐田啓二 山本富士子 桑野みゆき


人の娘の結婚には理解を示す父親(佐分利)だが、自分の娘の結婚には理不尽な反対をしてしまう。
これに対して母(田中)と娘(有馬)が共闘して抵抗する。


松竹映画だが、知人の娘役・山本富士子が大映の看板を背負って魅力的な演技を見せている。
久我美子のシーンも楽しい。
一方、有馬稲子は見せ場がなくて損をしている。

映画自身は有馬の結婚式以後、少し長いような気がする。
それだけが残念。


秋日和 1960 日本

2002/12/21 Sat   ☆☆☆
監督 小津安二郎
出演 原節子 司葉子 岡田茉莉子 佐分利信 中村伸郎 北竜二


未亡人(原節子)は裁縫の教師をしながら娘(司葉子)と二人暮らしである。
娘に縁談話が持ち上がる。
亡夫の級友三人(佐分利、中村、北)は、娘を結婚させるにはまず母親から再婚させてしまおうと、画策するが、かえって話がこじれてしまう。
そして司葉子の友だち岡田茉莉子が怒って、佐分利信の会社に談判に乗り込む。


いつもながら小津映画の筋はワンパターンだが、女優がきれい
でも原節子は年を取ったなあ。
また、東宝の司葉子が主演している。
とても綺麗なんだけど、友達役の岡田茉莉子の方が目立っている。
さすが松竹。


秋刀魚の味 1962 日本

2002/12/21 Sat   ☆☆☆
監督 小津安二郎
出演 笠智衆 岩下志麻 佐田啓二 岡田茉莉子 東野英治郎


父(笠智衆)は妻を早く亡くしてから、娘(岩下)を便利に使いすぎたのではないか?と不安になった。
恩師(東野)の娘が同じような立場で、行かず後家になった様を見てからは、早く娘を嫁に出そうと考える。
ちょうど、娘には好きな人(吉田輝雄)がいた。
早速、息子(佐田)を介して縁談話を持っていく。
しかし吉田には「もう少し早く言ってくれれば気持ちも変わっていたのに。もう結婚相手を決めてしまった」と、断られてしまう。
父親は娘の落ち込む様子を見て、駆り立てられるように、次の縁談を進める・・・


小津監督の遺作
映画構想中に小津監督の母がなくなった。
それを反映してか、笠智衆のラスト・後ろ姿に寂しさが滲む。

さて、岩下志麻が非常に綺麗だ。
気が強そうで、それでいて和服中心で。

それから笠智衆が加東大介とバーに行くシーンも忘れられない。
マダム岸田今日子が印象的。


GO 2001 日本

2002/12/22 Sun   ☆☆☆★
監督 行定勲
出演 窪塚洋介 柴咲コウ 山崎努 大竹しのぶ


在日朝鮮人の杉原(窪塚)は民族系の中学を卒業後、日本人の高校へ通う青年。
朝鮮人の先輩や友人、そして父親(山崎)、母親(大竹)に囲まれ、ただなんとなく日々を送る。
ある日、杉原はパーティーで桜井(柴咲)という美少女と出会い、恋に落ちる。
彼は彼女に国籍のことを言えず、一人悩む。

2001年の日本アカデミー賞主演男優賞ほか各賞を総なめ。
なかなかテンポの良い映画だ。
在日朝鮮人と日本人の恋愛というテーマだが、全然重くない。

山崎、大竹、大杉漣、山本太郎、といった脇も締まっている。
とくに山崎努のボクシング姿は格好いい。


裸の島 1960 日本

2002/12/23 Mon   ☆☆
監督 新藤兼人
出演 殿山泰司 
   乙羽信子

モスクワ映画祭グランプリを取った、「無言映画」。
主人公一家は、全くせりふがない。


瀬戸内海の孤島に住む一家四人。父(殿山)と母(乙羽)は、農業を営む。
しかし島には水が無く、町から水を手に入れ、手こき船で運ぶ。
水はとても大切で、こぼしたりすると、父の鉄拳が飛ぶ。
季節は移りゆくが、夏のある日、長男が病気になる。
父は必死で町から医者を連れ帰るが・・・

渋い映画だ。
音はあるんだけど、声がない。
島の孤独感を出したのだろうが、今見ると、ちょっとわざとらしい気もする。

林光の音楽が印象的。

欲望という名の電車 1951 米国

2002/12/24 Tue   ☆☆
監督 エリア・カザン
出演 ヴィヴィアン・リー マーロン・ブランド キム・ハンター カール・マルデン


ブランチ(リー)は南部の良家のお嬢さんだった。
それが夫を亡くしてから、アルコール浸りの生活を続け、ついに文無しになり、妹の家に転がり込む。
妹(ハンター)は姉を暖かく迎えた。
妹の夫スタンレー(ブランド)は、お高く止まった義姉を嫌う。

ブランチは知人のミッチ(マルデン)と親密になる。
しかしスタンレーがブランチの秘密を暴露してしまい、ブランチの精神は崩壊してしまう。

何が評価されたのかわからないが、アカデミー主演女優賞をビビアン・リーが老け役で獲得してるし、助演女優賞をキム・ハンター、助演男優賞をカール・マルデンも取っている。

しかし今となっては、どうだろう。
映検の検閲にかかって、ずたずたになったフィルムも哀れだ。
プロダクションノートを見ると、テネシー・ウィリアムズ、エリア・カザンも映画化に当たって非常に苦労したらしい。

CSで見たが映画としてより、やはり舞台劇でみたい。



大いなる西部 1958 米国

2002/12/26 Thu   ☆☆☆
監督 ウィリアム・ワイラー
出演 グレゴリー・ペックジーン・シモンズ
キャロル・ベイカーチャールトン・ヘストン
バール・アイブズ、チャック・コナーズ

ウィリアム・ワイラー監督の風変わりな西部劇。


海の男だったマッケー(グレゴリー・ペック)は婚約者のパットを追って、テキサスの牧場までやってきた。
牧童頭テリル(チャールトン・ヘストン)もパットを愛していて、何かとマッケーと衝突する。

この地方は水のトラブルに巻き込まれていた。
テリル党とヘネシー派が激しく、川の水を争っている。
マッケーは鍵を握る女性ジュリー(ジーン・シモンズ)から、水利権を手に入れる。

そのことを知らないヘネシー派が彼女をさらう。
パットに別れを告げ、マッケーはヘネシーの村へ急ぐ。

主人公は目立つのが嫌いのため、誰も見ていないところで何事もやってしまうタイプ。
西部劇じゃ珍しいヒーロー像だ。
それが災いして彼女と分かれる羽目になった。

テーマ音楽は映画音楽としてよく演奏されていて有名だが、
月光の下の殴り合いのシーン(グレゴリー・ペックとチャールトン・ヘストン)には、BGMが付いてない。
それが実に格好良かった。

西部開拓史 1962 米国

2002/12/28 Sat   ☆
監督 ヘンリー・ハサウェイジョン・フォードジョージ・マーシャル
出演 キャロル・ベイカー デビー・レイノルズ 
ジェームズ・スチュアート グレゴリー・ペック 
ジョン・ウェイン ジョージ・ペパード 
ヘンリー・フォンダ

キャロル・ベイカーデビー・レイノルズの姉妹を軸に、その子供の代へと続く、西部開拓の年代記を、オールスターで描いた作品。
しかし、見せ場が最後の列車でのアクションシーンだけと、さびしい。
アカデミー賞は取ったが、MGMが金に物を言わせた感じ。

でも主役の中で、もっとも若いジョージ・ペパードは緊張しただろうなあ。

地球は女で回ってる 1997 米国

2002/12/28 Sat   ☆★
監督 ウッディ・アレン
出演 デミー・ムーアロビン・ウィリアムズエリザベス・シュー、エイミー・アーヴィング

ウッディ・アレンの別れた女房やら、間に子供の居る前々妻、他の男に走った恋人、長くつきあった風俗嬢たち。
いろいろな女性が次から次へと現れる。
一方、彼の作中人物も彼の中で動き出した。
どうやら、現実と空想がごちゃごちゃになってしまった。
彼は精神科医の元へ行く。

いつもながら、よくわからん作品だ。ニューヨーク人の笑いにはついていけん。

登場人物が多すぎる。
つまらない幕間狂言が多すぎる。

女優ではエリザベス・シューが好み。
エミー・アーヴィング(スピルバーグの元嫁さんで慰謝料がっぽり)を久々に見た。


ハリー・ポッターと賢者の石 2001 米国

2003/01/03 Fri   ☆☆
監督 クリス・コロンバス
出演 ダニエル・ラドクリフマギー・スミスアラン・リックマン

孤児ハリー・ポッターは11歳になったある日、魔法使いの学校に入学を許される。
ハリー・ポッターは胸躍らせて、学校に行く。
しかし巨大なトロールの出現を皮切りに、不気味な事件が・・・。


結末はお定まりのコースだったが、子供向けCG映画としては、よくできている。
あくまで小学校低学年だな。
こういう映画を見て、将来の映画少年が生まれればよかろう


ライアー 1997 米国

2003/01/03 Fri   ☆☆☆
監督 ジョナス・ペイト ジョシュ・ペイト
出演 ティム・ロス クリス・ペン マイケル・ルーカー レニー・ゼルヴィガー

嘘発見器についての心理劇。
取調室での登場人物は三人、それ以外は回想シーンが中心。

容疑者(ティム)が殺人の罪で捕まり、嘘発見器に掛けられる。
しかし、彼は刑事の裏の顔を知っていた。
被害者の娼婦と刑事の一人がトラブルを抱えていたことを暴露する。

心理ミステリ劇というアイデアはよかったが、最後のB級ホラーみたいなエンディングは、ちょっと???


2004.06.29

ランボー2怒りの脱出 1985 アメリカ

2001.12.14
久々にテレビで見たが、心から笑わせてもらった。
これほどまで、パロディのソースにされた作品は他にはないだろう。
後にコント番組やパロディムービーで何度もネタにされている。

今回、オリジナルを見直してみて、そのアクションの徹底振りに改めて感銘を受けた。
ランボーは、結局一発も打ち損じがなかった(笑)

この手のアクションは、10年一昔になってしまい、後に見直すと、あほくさくて白けるものだが、この作品に限っては、もはやコメディになっている。
そういう意味で、長生きする作品だ。
シルベスター・スタローン恐るべし・・・


小説家を見つけたら 2000 コロンビア

2001/12/15  Finding Forrester
監督:ガス・ヴァン・サント(「グッドウィルハンティング」)
出演:ショーン・コネリー、ロブ・ブラウン、Fマーリー・エイブラハムアンナ・パキンマット・デイモン

ガス・ヴァン・サント監督お得意のパターン。
将来に迷う天才少年と、過去をひきずって世間に背を向ける小父さんが出会って、お互いに刺激を与え合い、それぞれに成長して旅立っていくというお話。

ジャマール(ロブ・ブラウン)はブロンクスのバスケ少年。
しかし彼には小説を書くという、隠された才能があった。
たった一人、それを見抜いたのは、かつての大作家ウィリアム(Sコネリー)。
長い間、人目を避けて生きてきた彼は、ジャマールにだけ心を開いた。
二人の間に人種と年齢を超えた、友情が育まれる。
高校の国語教師クロフォード(FMエイブラハム)は、急に作文の腕を上げたジャマールを疑う。
黒人にそんな文才があるわけがないと思いこむ、クロフォードはジャマールの作文を剽窃であると訴えた。


原作は恐らくよい作品なのだろうが、監督の選択を誤った。
「グッドウィルハンティング」でも、盛り上がりの無い演出に疑問があったが、この映画も同様だ。
一層盛り上がらない、地味な脚本そのままに、平板な映画に終わってしまった。
ある意味では、原作、脚本を忠実に再現したと言えるだろう。
しかしそれだったら、映画である必要はない。
才能豊かな黒人に勇気を与え、ユダヤ人をやっつけると言う筋書きは、アメリカ人の一部に受ける要素はあるけれど、日本じゃ受けないだろう。

主演のロブ・ブラウンは、初映画出演にしては、なかなかの出来だ。
果たして今後は、どうだろう?
しっかり勉強しないと、これだけで終わっちゃうだろう。

アンナ・パッキンは、かなり成長して大人っぽくなってきた。
しかしナタリー・ポートマンとの差は大きい。

ショーン・コネリーは、共同プロデューサーも兼ねて、かなり熱が入ったようだ。
キャスティングにもオスカー俳優を揃えてかなり金を掛けたようだが、はたして回収できたのだろうか?

エンパイアレコード 1995 ワーナー

2001/12/16  Empire Records
監督:アラン・モイル
出演:アンソニー・ラバグリア、レニー・ゼルヴィガーリブ・タイラー

理想的なレコード店でのバイト達の一日を描いた作品。

バンド野郎のバイト先と言えば、楽器店かレコード店だろう。
エンパイアレコードは、一癖も二癖もある連中が、店長のジョー(Aラバグリア)を慕って集まる店。
売上の盗難や万引き、サイン会にヤクだ、セックスだと一日大騒ぎだ。
何事が起きても、万事つつがなく収めるジョーだった。
実は彼は、オーナーのリストラ命令に頭を痛めていた。

映画としては、大したことのない青春ものだが、若いレニー・ゼルヴィガーの歌うシーンは必見。
それから、リブ・タイラーのお色気シーンも少しある。

シャンプー台のむこうに 2001 UK

2001/12/17  Blow Dry, 2001, UK, ☆☆☆☆
監督:パディ・ブレスナック
脚本:サイモン・ビューフォイ
出演:アラン・リックマンナタリー・リチャードソンレイチェル・グリフィスジョシュ・ハートネットレイチェル・リー・クック

隠れた名作である。
日比谷シャンテシネで上映していたときは、前三列ほど空席だった。
日本でもカリスマ美容師が一時期、話題になったが、英国ではヘアドレッサー大会があるらしい。


主人公の理髪師フィル(Aリックマン)は、かつての全英チャンピオン。
モデルのサンドラ(Rグリフィス)に妻シェリー(Nリチャードソン)を寝取られて、競技生活から引退した。
今は成長した息子ブライアン(Jハートネット)と共に地元で散髪屋を営んでいる。

そんな二人の元へシェリーが現れた。
彼女は再びヘアドレッサー大会に出場しようと持ちかける。
実はシェリーは癌を患い、余命幾ばくもなかった。
家族一緒に戦って思い出を残したかったのだ。
フィルは断るが、ブライアンが恋人クリスティーナの父で大会の優勝候補のレイモンドに侮辱され、出場を決意する。

レイモンドは、汚い手を使い、次々とライバルを陥れていく。
あまりに汚いレイモンドに、ついにフィルも決意して、はさみを手にする。

コンテストシーンが中心だが、これがなかなかノリが良い。
BGMを使って、まるでスポーツの試合のようだ。
とくに最後のコンテストシーンは度肝を抜かれた。

アラン・リックマンは相変わらず渋い役どころだ。
レイチェル・グリフィスもナタリー・リチャードソンも本当のレズビアンじゃないかと、思わせるような好演。
しかし息子役のジョシュ・ハートネットは、こういう英国の名優に挟まれて、浮き上がった感じ。

レイチェル・リー・クックはCMでは小柄の細身に見えていたが、意外にぽっちゃりとしてグラマーだった。
父の八百長に関与していたのだが、反省の印に髪をばっさりと切る。
そのショートの方がずっと可愛らしかった。

がんばっていきまっしょい 1998 日本


製作:周防正行
監督・脚本:磯村一路
出演:田中麗奈真野きりな、中島朋子、森山良子、白竜


さわやか青春スポーツ映画である。


1976年、進学校に通う悦子(田中麗奈)は目的を持てず、空しさを感じていた。
そんなとき、ボートの楽しさを知った彼女は、学校に女子ボート部を設立する。
チームは初心者ばかりで、まっすぐ進むのも困難だった。
初めての新人戦で、最下位に沈んでしまう。

その試合の屈辱が、彼女らを奮起させる。
元日本選手権優勝コックス(中島朋子)をコーチとして招聘し、琵琶湖の朝日レガッタを目指す。

しかし、悦子の体に突然、異変が起きる。

最終予選の撮影(カメラワーク)は、なかなか素晴らしかった。
田中麗奈が小さい体で、病と闘いながら、歯を食いしばって、漕ぐ姿は心打たれる。
彼女はデビュー作品だったが、映画撮影の最中、どんどん演技力を身に付けていった。


チームメイト役の女の子たちが、子役として名をなした女優達だっただけに、
彼女は主役として重い責任を課せられた。
それにも関わらず、監督のハードな要求にも良く応えたと思う。


チームメートは、かなり上手な若手女優が演じていた。
しかし個々の演技力より、チームとしての演技が素晴らしかった。
とくに真野きりなが好演。


クリスマスキャロル 1970 UK

2001/12/19  Scrooge, 1970, UK, ☆☆☆★
監督:ロナルド・ニーム
出演:アルバート・フィニーアレック・ギネス、ケネス・モア

衛星をつけたら偶々やっていた。
ご存知、C・ディケンズの「クリスマスキャロル」の何度目かの映画化。

がりがり亡者の金貸しスクルージ氏が、一人さびしくクリスマスイブをすごしていると、三人の幽霊が現れる。
過去のクリスマスの亡霊、現代のクリスマスの亡霊、未来のクリスマスの亡霊だ。
亡霊に連れられて、幸せなクリスマスの様子を見せられたスクルージは、自分の人生を反省して、生まれ変わろうと決心する。


亡霊のシーンなどで、特撮や、SFXの走りを使っており(と言っても、当時の日本よりかなり遅れている)、またミュージカル仕立てになっているのが、嬉しい。
子供向けということだろう。
英国の大物がそろった映画で、アルバート・フィニーのスクルージは、「オリエント急行殺人事件」のエルキュール・ポワロと、よく似た演技だった。
とは言え、二枚目俳優で、あそこまで自分を崩して演技できる点は、さすが女王陛下の国の大俳優。

亡霊役のアレック・ギネスも良く見る重厚な演技ではなく、元コメディアンらしい、軽い演技で楽しませてくれる。
クリスマスの夜に家族団欒で見るには、ぴったりの映画。


レディ・イヴ 1941 パラマウント

2001/12/20  The Lady Eve
監督:プレストン・スタージェス(「サリバンの旅」)
出演:バーバラ・スタンウィックヘンリー・フォンダチャールズ・コバーン、ユージーン・パレット、ウィリアム・デマレスト

スクリューボールコメディの傑作。
ビール会社の御曹司と詐欺師の娘が出会う。
何だかんだと、いろいろあって最後はハッピーエンド。


チャールズ(Hフォンダ)は南米からの船旅で、ジーン(Bスタンウィック)と出会う。
瞬く間に恋に落ちる二人。
しかしジーンが詐欺師の娘であることを知ったとき、世間知らずのチャールズはジーンに別れを告げる。

プライドを傷つけられたジーンは、英国貴族イブに化けて彼の前に現れる。
すっかり騙されてしまったチャールズは再びイブに求婚する。
新婚初夜の寝台列車、興奮を隠しきれないチャールズに向かって、イブは次から次へと男性遍歴を告白する。
すっかり機嫌を悪くしたチャールズは、列車から飛び出してしまう。

この後、三段落ちがあるのだが、それは見てのお楽しみ。

あのヘンリー・フォンダが、ドリフ大爆笑並のドタバタコメディーで、体を張って笑いを取っているのは見物だ。
次から次へと、重たい物が頭の上に落ちてくる。

バーバラ・スタンウィックは映画「私は殺される」に主演した頃、もうおばさんだったが、
この作品の頃は、ちょうどピークのときか。
正直言って、好きなタイプではない。
でも、この映画に限っては、お話が進むにつれて、女の意地と愛情の板挟みになる姿が、とても可愛く見える。
脇役もくせ者だらけで、抱腹絶倒である。

スタージェス監督の最高傑作の一つと言って良いだろう。


グリーンマイル 1999 ワーナー

2001/12/21 The Green Mile
監督脚本:フランク・ダラボン(「ショーシャンクの空に」)
原作:スティーブン・キング(「ショーシャンクの空に」)
出演:トム・ハンクスマイケル・クラーク・ダンカン、デビッド・モース、ボニー・ハント、ジェームズ・クロムウェル、サム・ロックウェル

三時間もの「奇跡」映画だが、何とか間は保つ。
泣けるわけでもなく、笑えるわけでもないが、ちょっと不思議な気分を楽しめる。

1935年、ポール(Tハンクス)は刑務所の看守だ。
彼の担当は死刑囚。
今日も彼のもとへ新しい死刑囚がやってくる。
幼い姉妹を犯して殺した黒人ジョン(MCダンカン)。
しかしポールは、ジョンの人柄に触れて、彼が無実だと信じる。
ある日、ポールが病気で苦しんでいると、ジョンがポールの手を握った。
するとポールの痛みが消えてしまった。ジョンは奇跡のヒーラーだったのだ。

他にも、コネをかさに着る、嫌な看守の話や、刑務所長の奥さんの病気の話など、いくつかのエピソードが語られる。
しかしポールらの尽力にも関わらず、ジョンの死刑判決を覆すことはできなかった。
そして現代に話が移り、意外な落ちが用意されている。

果たして三時間映画にする必要があったのかは、疑問だ。
また若い看守をこらしめる話は、単なるいじめにしか見えなかった。
前作「ショーシャンクの空に」と似たような設定のお話だけに、やりにくいところがあったのではないか?

トム・ハンクスはトム・クルーズと人気は二分するだろうが、クルーズと違う所は、何をやっても、演技が上手いと思われる所だな。
実は大して上手くもないと思うが。

オペラハット 1936 アメリカ

2001/12/22 "Mr Deeds goes to Town"
監督:フランク・キャプラ(アカデミー監督賞)
出演:ゲイリー・クーパージーン・アーサー、ジョージ・バンクロフト、ライオネル・スタンダー、ダグラス・ダンブリル

ヴァーモントの街のチューバ奏者ディーズ(Gクーパー)に突然、叔父の遺産がころがりこむ。
大都会NYに連れてこられたディーズは、新聞記者ベイブ(Gアーサー)が扮した貧しい娘にころりと騙され、記事にされてしまう。
ベイブは、いつのまにか純粋なディーズを愛してしまう。
しかし純粋なディーズはベイブの嘘を知り、彼女の弁解を受けようとしない。

都会の雰囲気に飲まれて、ディーズはすっかり鬱になった。
親類縁者は彼の財産を独占するため、彼を禁治産者に仕立て上げようと裁判を起こす。
そのとき、ベイブはすべてを捨てて、愛するディーズのために戦う。

前半は、田舎物が都会でずっこけるコメディー。
後半になると、田舎物は都会の魔物に取り付かれてしまい、じわじわ追い詰められていく。
これは理不尽な話で、観客は怒りを覚えるだろう。
最後になって主人公が復活して敵を撃退して、めでたく二人は結ばれる。

映画の基本公式そのもののような作品である。
でも面白い。

後に「スミス都へ行く」というジェームズ・スチュアート主役の映画を、フランク・キャプラは撮るが、両方とも似たようなタイプだ。
どっちもジーン・アーサーが相手役だった。
でもこの映画の方が好きだ。

ペイフォワード 2000 ワーナー

2001/12/23 
監督;ミミ・レダー
出演:ハーレイ・ジョエル・オスメントケヴィン・スペイシーヘレン・ハントアンジー・ディキンソン、ジェイ・モーア

つまらない。
夜中に起きだして見るほどのものではなかった「ペイフォワード」

子供(HJオスメント)が世の中を変える為に、あるアイデアを思いつく。
誰かに恩を受けたら、他の三人に恩を返せというもの。
でも世の中、そうはうまく行かない。
人のために何かをするには、勇気が必要。
彼は自分の勇気を試すために、喧嘩の仲裁に入り、刺されて死んでしまう。


世の中を変えるために、何かしなければいけないよ、というメッセージを込めたのだろう。
しかしメッセージがいくら立派でも、人の心に残る容器(映画)を作らない限り、それは伝わらない。
この監督の映画は夢や希望の欠片も無い。
子供の母親(Hハント)と障害をもつ教師(Kスペイシー)の間のロマンスを交えて、面白くしたつもりかもしれないが、痛々しさしかなかった。
オスカー俳優を二人揃えても、脚本も演出もよくない。

サリヴァンの旅 1942 パラマウント

2001/12/24 Sullivan's Travels
監督:プレストン・スタージェス
出演:ジョン・マックリー(「海外特派員」、「大平原」)、ヴェロニカ・レイク(「奥様は魔女」)、ロバート・ウォーウィック

日本ではほとんど公開されていないが、ハリウッドでは高い評価を得ている、プレストン・スタージェス監督の風刺コメディー。
IMDBでも84点もの高評価を得ているが、戦時中の作品のため、長く日本では公開されなかった。


コメディー監督のサリヴァン(J・マックリー)は、貧困に苦しむ人たちのために、社会派映画を作ろうと考える。
お坊ちゃん育ちで貧しさを知らない彼は、ぼろを着こんで貧しい人たちの中に入り、貧しさを体験しようとする。
しかしすぐ見つかって、連れ戻されてしまう始末。
ようやく貧民窟に入り込んだが、大金を持っている所を悪党に見つかる。
彼は悪党と格闘して、刑務所に放り込まれる。

前半はどたばたコメディーなんだけど、後半はかなり意味深なストーリー。
金持ちが貧乏人の真似をしても、貧乏人の気持ちなど、わかるわけがない。
しかし、彼らの心をつなぐものがあるとすれば、それは笑いだ。ということか。

マックリーの恋人で売れない女優役をヴェロニカ・レイクが演ずる。
和田慎二の漫画から出てきたような、とんでもないスーパー美人である。
悲しいかな、ブルックリン訛りが取れず、スターの座に長くとどまることはなかった。
スタージェスがプロデュースして、フランスのルネ・クレールに取らせた「奥様は魔女」が代表作だ。

ペリカン文書 1993 ワーナー

2001/12/25 The Pelican Brief
監督脚本:アラン・J・パクラ
原作:ジョン・グリシャム
出演:ジュリア・ロバーツデンゼル・ワシントン
サム・シェパードジョン・ハード
トニー・ゴルドウィン、ロバート・カルプ
スタンリー・トゥッチ、ヒューム・クローニン
ジョン・リスゴウ

最高裁判事暗殺事件と大統領の陰謀に関わるサスペンス映画。
二時間二十分の劇場サイズをはじめて見たが、やっぱり面白くなかった。

ジュリア・ロバーツがたまたま立てた、事件解決の仮説が大当たりで、そのために命を狙われる。
デンゼル・ワシントンは敏腕記者で、彼女を助け真相をつかむという筋。
ありきたりなんだから、アクションシーンで、面白がらせてくれなくてはダメ。

でもまったく陳腐。
グリシャム作品に多いことだが、脚本が良くない。
原作の筋を追いすぎて、間延びしている。
とくに小説では気が付かなかったミスを映画にしてみて、初めて気づくこともある。
実際は、根本的に作り直す必要があったと思われる。


アントニアの食卓 1995 オランダ

2001/12/26 
監督:マリーン・ゴリス
出演:ウィレッケ・アメルロイ、エルス・ドターマンス、フェーレ・ファン・オバーループ、ティルザ・レベスタイン

オランダ語の映画「アントニアの食卓」。
96年度のアカデミー外国語映画賞受賞作。
オランダの片田舎で強く生きた女性の半生を、美しい農村の自然を背景に、人々との交流を通して、暖かく描く。


アントニア(Wアメルロイ)は母の葬式のため、数十年ぶりに田舎に戻る。
彼女は私生児のダニエル(Eドターマンス)を連れていた。
田舎の人々の中傷にもめげず、彼女は母の農園を受け継ぎ、農作業に精を出す。
やがて彼女の開放的な性格が近所の人たちに受け入れられていく。

ある日、娘ダニエルは、仲良しのデイデイが実兄リップスに犯されているところにでくわし、リップスを刺してしまう。
しかし田舎なので、大事にならず、リップスは軍隊に送られ、デイデイはアントニアとともに暮らすようになる。
こうしてアントニアを頼ってくる人たちが加わって、いつのまにか大家族になってしまうのだ。
日曜の昼になるとアントニアの屋敷の庭では、楽しい昼食の様子が見られた。

ダニエルは実はレズビアンなのだが、子供をほしがる。
そこで母娘は都会へ出て、男アサリをする(笑)
ようやく見つけた金髪男の子種をしっかりもらって、ダニエルは田舎に戻る。
生まれたのは金髪の娘テレーザ(Vオヴァーループ)。
テレーザは数学と音楽の才能に恵まれ、めきめきと頭角を表す。

そんなある日、あのリップスが村に戻ってくる。
リップスは昔の恨みを晴らすため、テレーザを犯す。
復讐に燃えるアントニアは銃を手にした。

淡々と村の年代記を語っていく。
宗旨の違いのため結婚できなかった二人の話。
ショーペンハウエルとニーチェを愛し、引きこもった哲人の話。
いろいろなエピソードを経て、強い女アントニアも衰え、やがて死の床に着く。

しかしそれは、最初のシーン(アントニアの母の臨終)に戻ったことに過ぎない。
こうやって世の中はぐるぐる回っていくのだ。

哲人が一人さびしく自殺したのに対して、母であり祖母であり、曾祖母であるアントニアが家族に見守られながらあの世へ旅立つのは、女尊男卑だ。
しかし最後のシーンはちょっぴり、グッと来たよ。

アラビアのロレンス 1962 コロンビア

2001/12/27  Lawrence of Arabia
監督:デビッド・リーン
音楽:モーリス・ジャール
出演:ピーター・オトゥールアレック・ギネス
アンソニー・クインジャック・ホーキンス
オマー・シャリフアンソニー・クエイル
ホセ・フェラー

「アラビアのロレンス完全版」を見た。
実に三時間四十分だ。だらーと、長かった。
ロングの絵が多くて、テンポの遅い交響曲のようだ。
フレディ・ヤングの映す砂漠の自然は非常に美しいのだが、何度も繰り返されると、時間稼ぎに見えてしまった。

映画の舞台はご存知のように、第一次世界大戦のアラビア半島。

英国陸軍は枢軸国トルコを欧州から遠ざけるため、アラブを支援して、トルコを挟み撃ちにする作戦だ。
アラブお宅のロレンス中尉(Pオトゥール)は、アラブのファイサル王子(A・ギネス)に気に入られた。
王子の腹心アリ(O・シャリフ)とともに、トルコの占領する軍港アカバを背後から攻撃して占領する。
この武勇を認められたロレンスは、英国軍に砂漠でのゲリラ戦を任される。
トルコ軍の鉄道を次々と破壊して、砂漠の英雄に祭り上げられる。
しかしトルコ軍の基地に侵入した際、捕まってしまい、トルコ軍の将校に犯される。

ピーター・オトゥールはこれが初の主演作。
金髪でちょっとホモっぽい魅力がポイントだ。
なにせ、女の出てこない映画。
男同士の関係も何かしら、怪しいものを感じる。
そういう映画では、彼は適役だったのだろう。

当時エジプトの大スターだった、オマー・シャリフはこれが初の英語作品。
オスカーにノミネートまでされて、見事なハリウッドデビューを飾った。
この後、同じリーン監督のドクトル・ジバゴで主役に抜擢される。

アレック・ギネスのファイサル王子は大物感たっぷりだ。
どう見ても、アラブ人にしか見えなかった。

当時の短縮版はアカデミー賞を総なめにした映画だが、完全版はリズムが悪い。
畳み掛けるところがない。
IMDBでは非常に高い評価(史上24位)だが、短縮版の評価だろう。


ギャラクシークエスト 1999 アメリカ

2001/12/27 Galaxy Quest, Dream Works
監督:ディーン・パリソット
出演:ティム・アレンシガニー・ウィーバーアラン・リックマン、サム・ロックウェル、ミッシ・パイル

異色SFコメディー。
スタートレックのパロディと思ってもらえばいい。


「ギャラクシークエスト」は18年前の人気テレビドラマ。
いまだにクエスタリアンがアメリカ全土にいて、出演者たちはいまだにサイン会に引っ張りだこだ。
主演のタガード艦長を演じたジェイスン(ティム・アレン)は、不思議な連中に仕事を依頼された。
彼らは宇宙人サーミアン星人だった。
彼らは「ギャラクシークエスト」のファンで、しかもこのドラマをドキュメンタリーだと思っている。

彼らは、ドラマで使われていた宇宙船を真似して、本物を作っていた。
ところが隣の星に襲撃され、タガード艦長に助けを求めてきたのだ。
ジェイスンは意気に感じて、かつての共演者たちと戦闘に向かう。
敵は強力でジェイスンの宇宙船は故障してしまう。
ジェイスンは故障を修理するための物質があるという星に不時着するが・・・

スタートレックが、もし本当にあったら、どうなるか?という、パロディー満載の爆笑映画。
トレッキーはぜひごらんいただきたい。

ティム・アレンはアメリカのお笑いスター。
映画のキャリアはまだ浅いが、トイストーリーの「バズ」の声優で日本でも、声だけはよく知られている。
ドクタースポックにあたる、ドクターラザルス役のアラン・リックマンは、英国の名優だ。
スポックの耳ならぬ、ラザルスのとさかをつけて、「性格俳優がコスプレをすることに、悩んで壁にぶつかる」役を熱演してらっしゃる。

そしてご存知シガニー・ウィーバーだが、金髪に豊胸のマディソン中尉役。
正直言って、シガニー・ウィーバーに萌えたのは、最初のエイリアン以来だ(笑)
もう50歳、過ぎてるんだぜ。

続・猿の惑星 1970 20thFox, Beneath the Planet of Apes

2001/12/28  
監督:テッド・ポスト
出演:ジェームス・フランシスカス、リンダ・ハリスン、チャールトン・ヘストンキム・ハンター

フジテレビ系列でやってた。
前作が高い視聴率を取ったそうで、急に放映が決まったと解説の竹中直人が言っていた。
二匹目のどじょうに引っかかるやつがいるわけだ。(俺もかよ)

今回はテイラー飛行士(チャールトン・ヘストン)を探して、宇宙飛行士のブレント(Jフランシスカス)が猿の惑星に現れ、前作にも出ていたノヴァ(Lハリスン)とともにテイラーを探す旅に出る。
やがて、地底に潜った人類のなれの果てと遭遇して、猿対地底人の戦争に巻き込まれるという筋書き。
地底人は核兵器をお守りにして後生大事に持っている。

最後にどうなるかおわかりだろう。
この時代は、こういうサッドエンドの作品が多かった。
白人と黒人が争っていてはアメリカも終わりになるぞ、と言う教訓だ。

二匹目のどじょうらしく、予算も掛けていないし、何も見るところはない。
ティム・バートンもまさかパート2のリメイクまでは、取らないだろうな。

猿の惑星シリーズは白人(人類)対黒人(猿)の対決を寓話的に描いている。
そこに白人保守派のチャールトン・ヘストンを使うあたり、アメリカの度量の広さをうかがわせる。
あるいは彼は何も考えずに出演したのかも知れない。

リメイク版に話を移すと、1970年当時の白人対黒人の構図は今や(2001年)崩れているから、当時の本質的な部分まで誰もリメイク出来ない。
しかし不思議なことだが、やっぱり現代人はリメイクも見る。


リメイク版でエステラ・ウォーレンがやっていた役は、オリジナルではリンダ・ハリスンが演じている。
前作では、まったく口が利けない設定になっていたが、二作目でようやく口を聞ける。
このリンダはミス・アメリカで、20世紀フォックスの社長ザナックの御曹司と結婚していた。
完全な情実出演である。
この後エアポート'75にも出るが、離婚してからは泣かず飛ばず。
実はリメイクにエキストラとして出演していた。

猿の女性科学者ジーラ役はキム・ハンターが演じている。
映画「欲望という名の列車」などに出演していた演技派女優だ。
リメイクでは、ヘレナ・ボナム・カーターの役どころに近い。

我等の生涯の最良の年 1946 米国

2001/12/29 The Best Years of Our Lives
製作:サミュエル・ゴールドウィン
監督:ウィリアム・ワイラー
出演:マーナ・ロイ、フレデリック・マーチ、テレサ・ライトダナ・アンドリュースバージニア・メイヨ、ハロルド・ラッセル、キャシー・オドネル、ホーギー・カーマイケル

主人公は、戦争を終えて故郷へ帰還する飛行機で同席した、軍人三人である。
戦争が終わったにも関わらず、それぞれに問題を抱えている。
地方銀行の役員アル(Fマーチ)は元陸軍軍曹。
子供達は、父のいない間に大きく成長しており、家庭にいまさら自分の居場所があるのか、不安を感じている。
デパート勤務のフレッド(Dアンドリュース)は、新妻(Vメイヨ)とわずか二十日の新婚生活をすごしただけで出征した。
エースパイロットだった彼は友人機の墜落を目の前で見たトラウマから、精神を病み、社会生活に適応できなくなっている。
海軍の新兵ホーマー(Hラッセル)は、空母で、両手を失う事故に会い、自分の殻に閉じこもってしまう。

やがてフレッドは妻との関係がうまくいかず、アルの娘ペギー(Tライト)と出会って、恋に落ちてしまう。
許される関係ではなかった。
フレッドはペギーに別れを告げる。
ホーマーも恋人ウィルマ(Cオドネル)に別れようと伝えるが、ウィルマは現実と向き合って、一緒に生きていこうと、ホーマーを勇気付ける。

このホームドラマは、戦争が戦後社会に与える傷跡を深く印象付ける。
同時にフレッドとペギー、そしてホーマーとウィルマの関係に焦点を当てて、
ユーモアやロマンスで、未来への希望を与えてくれる。

本来は重いテーマなのに、撮り方ひとつで、こうもすがすがしくなるものなのか。
監督の手腕がすごい。
ベトナム「戦後」映画の「ディアハンター」や「7月4日に生まれて」と比べても、数段優る映画。

この映画で印象的なのは、アカデミー助演男優賞を獲った、ハロルド・ラッセル
彼は本物の傷病軍人で、両手がない素人だが、初映画で、見事にオスカーを物にしている。

他に、ホーマーの叔父で、相談相手のブッチを演ずる、ホーギー・カーマイケル
もちろん、「スターダスト」のシンガーソングライターだ。劇中でもピアノを披露している。

2004.06.28

少年期 1951 松竹

発達心理学の波多野勤子原作(ベストセラー)を木下恵介演出でお送りする。
脚色は木下恵介田中澄代の共同脚本だ。

田村秋子(母)、石浜朗(思春期の息子)が主演。
三国連太郎桜むつ子小林トシ子三好栄子が脇を固める。

---

時は戦時中。
父笠智衆はリベラリストの元大学教授。
東京で職を失い、長野へ疎開してきた。
息子一郎は最初は東京に残るが、教練の時間に先生に虐められ、さらに好きな先生が戦死する。

やがて母に呼び戻され、一郎は諏訪中学に転校する。
そこでも軍事教育がなされていた。
一郎は東京同様に虐められる。

父も警察や憲兵にマークされていた。
一郎はうすうす父が戦争反対者ではないか、と思う。
連隊長の不良息子も、ぶらぶらしてる父を怪しんで、一郎を虐める。

しかし戦争は終わる。いよいよリベラリストの時代がやってきた。
一郎も父が元気になって大喜び。
連隊長は割腹自殺し、その息子も一郎を道連れに死のうとする。

---

しかし戦時中の16歳は純粋だったのだなあ。
石浜朗はすぐ泣いたりしてオカマみたいだった。
これは木下演出の癖のようなものだが・・・


トライアルアンドエラー 1962 英国

ピーター・セラーズリチャ−ド・アッテンボローの実質的二人映画。
ピーター・セラーズ扮する弁護士と殺人犯リチャード・アッテンボローが裁判を前に熱心に弁護作戦をたてる。
実際の裁判では、ピーター・セラーズは一言も口を聞けなかった。
いよいよ死刑の日が近づく。


二人の芸達者が競演する裁判コメディー。
ジョン・モーティマーの戯曲をピエール・ルーヴが脚色している。
その脚本と演出(ジェームズ・ヒル「野生のエルザ」)が面白くない。
おそらく舞台劇としては面白かったのだろう。


DIVA 1981 仏

監督 : ジャン・ジャック・ベネックス
製作 : イレーヌ・シルベルマン
原作 : デラコルタ
脚色 : ジャン・ジャック・ベネックス / ジャン・ヴァン・アム
撮影 : フィリップ・ルスロ
音楽 : ウラジミール・コスマ

キャスト(役名)
ウィルヘルメニア・ウィギンズ・フェルナンデス(Cynthia Hawkins)
フレデリック・アンドレイ(Jules)
リシャール・ボーランジェ(Gorodish)
チュイ・アン・ルウ(Alba)
ジャック・ファブリ

オーディオ録音が事件に絡むという珍しい作品。
ジャン・ジャック・ベネックス監督の処女作である。


娼婦が組織を逃げようとして殺される。
彼女は僅かな隙をついて、郵便配達の自転車に秘密のテープを隠していた。
その郵便配達ジュールがオペラ歌手シンシアの海賊版マニアだったから、話はこんがらがる。
やがて組織からも警察からも追われるジュール。
一体自分は何故追われているのか、分からない。
彼はレコード屋で知り合ったアルバとその彼氏コロディッシュに助けられ、真相に近づく。

まあデビュー作としては及第点。
オペラがらみの映画と言うことで、フランス映画らしい、おしゃれな映画。
でももう一押しほしかった。


サラリーマン忠臣蔵、続サラリーマン忠臣蔵(1960,1961) 東宝

監督 : 杉江敏男
製作 : 藤本真澄
原案 : 井原康男
脚本 : 笠原良三
撮影 : 完倉泰一
音楽 : 神津善行

キャスト(役名)
森繁久彌 (大石良雄)
久慈あさみ (大石律子)
夏木陽介 (大石力)
池部良 (浅野卓巳)
新珠三千代 (芸者加代次)

赤穂産業の浅野社長は気が短い。
丸菱銀行の頭取をぶん殴って、カーっとしたまま、車で事故って死んでしまった。
頭取は赤穂産業の社長として乗り込み、大石専務は辞表を出す。

これだけの話。完全に前半だけ。
続きは続編だ。
三船や池辺良が出ていて、いつものサラリーマンシリーズとは違う。
オールスターの装いだ。

☆☆☆

で、その後半。
喜劇ではなく勧善懲悪ものだった。

キャスト(役名)
森繁久彌 (大石良雄)
久慈あさみ (大石律子)
夏木陽介 (大石力)
新珠三千代 (芸者加代次)
東野英治郎 (吉良剛之介)
加東大介 (小野寺十三郎)
有島一郎 (大野久兵衛)
三橋達也 (大野定五郎)
団令子 (大野小奈美)
小林桂樹 (寺岡平太郎)
宝田明 (早野寛平)
司葉子(早野軽子)
山茶花究 (伴内耕一)
三船敏郎 (桃井和雄)
志村喬 (角川本蔵)
草笛光子 (一文字才子)
左卜全 (天野義平)
南道郎 (肥後豊)
河津清三郎 (山鹿之行)
中島そのみ (堀部安子)


最後は吉良家討ち入りではなく、株主総会で吉良社長を解任してしまう。

前後半で大作を作ったが、はっきり言って、面白くない。
いつもの社長シリーズの小気味よさがない。
オールスター映画なのに、フランキー堺が出てない、三木のり平がいない。
淡島千景も出てない。


パーフェクト・ストーム 2000 米

監督 : ウォルフガング・ペーターゼン
製作 : ポーラ・ワインスタイン / ウォルフガング・ペーターゼン / ゲイル・カッツ
原作 : セバスチャン・ユンガー
脚本 : ビル・ウィトリフ
撮影 : ジョン・シール
音楽 : ジェームズ・ホーナー

キャスト(役名)
ジョージ・クルーニー(Captain Billy Tyne)
マーク・ウォールバーグ(Bobby Shatford)
ジョン・C・ライリー(Dale “Murph” Murphy)
ダイアン・レイン(Christina “Chris” Cotter)
ウィリアム・フィクナー(David “Sully” Sullivan)

ジョージ・クルーニーの船は、久々に大漁となるが、帰りに台風にあって遭難する。
そこからの苦難の物語だ。

沈没する話なら、感動させるように作ればいいのに。
受難曲になってしまった。
こんな作り方じゃ、当然ジョージ・クルーニーは助かると、観客は期待してしまう。
唖然呆然として、映画館を出たことだろう。


存在の耐えられない軽さ 1987 アメリカ

監督 : フィリップ・カウフマン
製作 : ソウル・ゼインツ
製作総指揮 : バーティル・オールソン
原作 : ミラン・クンデラ
脚本 :ジャン・クロード・カリエール
撮影 : スヴェン・ニクヴィスト

キャスト(役名)
ダニエル・デイ・ルイス(Tomas)
ジュリエット・ビノシュ(Tereza)
レナ・オリン(Sabina)
デレク・デリント (Franz)
エルランド・ヨセフソン(The_Ambassador)

ミラン・クンデラはチェコ(スロバキア)の作家である。
ミロシュ・フォアマン監督の師匠でもある。


1968年チェコ。トマシュは有能な脳外科医であり、しかも異常な精力家だ。
画家サビーネとつきあっていたが、他にもたくさんGFがいる。

田舎に出張した日、テレーザと出会う。
美人ではないが、情熱的な女性だ。
トマスはいつの間にか彼女と結婚してしまった。

しかしソ連軍が突如、プラハに攻め込んだ。(プラハの春)
ザビーネに次いでトマシュ、テレーザはジュネーブに逃げ出した。

自由の町へやってきて、トマシュは昔の悪い癖が出てしまう。

テレーザが、浮気亭主トマシュとの生活を「存在の耐えられない軽さ」だという。


作者は原作の冒頭、ニーチェの永劫回帰を持ち出して、
「もし永劫回帰が最大の重荷であるとすれば、われわれの人生というものはその状況の下では素晴らしい軽さとしてあらわれうるのである。」
と言っている。

どうやら実存主義映画らしいのだが、ヘア解禁映画だったから、主題に目が届かない(笑)。



にあんちゃん 1959年 日活

監督 : 今村昌平
原作 : 安本末子
脚色 : 池田一朗 / 今村昌平
企画 : 坂上静翁
撮影 : 姫田真佐久
音楽 : 黛敏郎

キャスト(役名)
長門裕之 (安本喜一)
松尾嘉代 (安本良子)
沖村武(安本高一、にあんちゃん)
前田暁子 (安本末子、末娘)
北林谷栄(坂田の婆)
穂積隆信 (桐野先生)
吉行和子 (堀かな子)

タイトルの意味は、あんちゃんの次の男の子だから、にあんちゃん。


男女男女の四人兄弟の父は炭坑夫をやっていたが、急になくなってしまう。
長男は長崎の工場に、長女も仕事を得て、家を出て行く。
残された「にあんちゃん」と末子は、辺見のおじさんの世話になる。
そのおじさんが坑内の事故で大けがをしてしまう。

ニアンチャンって、長男長門裕之の事かと思っていたが、次男のことだったのね。
主役は次男坊と末子だった。
吉行和子、穂積隆信、北林谷栄、小沢昭一と脇役も揃ってる。
とくに吉行和子は、最初誰だかわからなかったけれど、美人だった。

でも今村監督が本当にこういう子供映画を作りたかったんだろうか?
子供はこの映画を見ないだろう。

2004.06.27

ダイヤルM 1998 米

監督 : アンドリュー・デイヴィス
製作 : アーノルド・コペルソン / アン・コペルソン / ピーター・マクレガー・スコット / クリストファー・マンキーウィツ
原案 : フレデリック・ノット
脚本 : パトリック・スミス・ケリー
撮影 : ダリウス・ウォルスキー
音楽 : ジェームズ・ニュートン・ハワード

キャスト(役名)
マイケル・ダグラス(Steven Taylor)
グウィネス・パルトロウ(Emily Bradford)
ヴィーゴ・モーテンセン(David Shaw)
デイヴィッド・スーシェ(Det. Mohamed Karaman)
サリター・チョウドリー(Raquel Martinez)

ヒッチコック「ダイヤルMを廻せ」のリメイク版。

エミリーは金持ちで、デヴィッドと浮気をしてる。
それを夫のスチーブンにかぎつけられた。
スチーブンは破産し掛けていて、彼女を殺し遺産を狙っている。

スティーブンはデビッドに妻殺しの話を持ちかけるが、怖じ気づいたデビッドは友人に依頼する。
エミリーは、一人で夜自宅にいたところを男に襲われる。
しかしエミリーが振り回したアイスピックがたまたま男の首に刺さり、男は即死だ。
事件も正当防衛で処理される。
今度はデビッドがスチーブンを脅す。

オリジナルだとグレース・ケリーが犯人だと疑われて、見ている側は、はらはらどきどきしたものだ。
リメイクは全くサスペンスがなかった。
グウイネスは疑われないのだ。

デビッド・スーシェが刑事役で出ている。
名探偵ポワロと雰囲気が違った。

2004.06.25

椿三十郎 1962 東宝

黒澤明作品。「用心棒」の続編。
山本周五郎原作。
風来坊の三十郎は地方藩の若者どもと力を合わせ、幽閉されていた城代家老を救い、藩の政治を恣にしようとする大目付らを処断する。

ばったばったと人を切るシーンの割に、全体のトーンは和やか。
これは最初に救われた入江たか子小林桂樹のキャラクターだろう。

三船敏郎は相も変わらずヘタウマ演技だ。
と言うより映画自体がヘタウマだ。

藩の若者には、加山雄三田中邦衛土屋嘉男平田昭彦江原達怡久保明らだ。
大して個性は感じられず。
しかしだから三船のワンマンショーになる。
それでいいのだ。

悪役では仲代達也がライバル。
目付としてこの企みを仕組んだのは清水将夫
そして志村喬藤原釜足も一枚かんでいる。

まあ展開も音楽の「用心棒」そっくりで、二番煎じ狙いだ。
そしてその狙いが当たっているから、偉い!

2004.06.24

悪人志願 1960 松竹

名脚本家田村孟の唯一の監督作品。
松竹ヌーベルバーグのスター炎加世子主演。
渡辺文雄津川雅彦共演。
白黒映画である。


地方の小都市の、飯場が舞台だ。
県議の次男坊津川雅彦は、兄を心中事件で失っている。
その心中の生き残りが炎加世子だ。
津川は炎を憎み、嫌がらせを続ける。
一方、炎はどもりの作業員渡辺文雄と結ばれるが、心までは許さない。

実は津川も炎を愛していた。
炎がこの町を出て行くと言ったとき、津川はこの町に残ってくれと嘆願するが、断られる・・・

---

身内の心中相手を愛してしまう。
おしゃれな若者映画なら今でも通用する主題だが、
親父世代の俳優として見慣れた津川雅彦渡辺文雄がやっていると、
われわれの世代にとしては、少し違和感があった。

また、俳優全体にやる気を感じなかった。
いかにも「演技でアクションしてます」という感じだ。これも演出だろうか?

炎加世子は演出のせいか、大島渚監督「太陽の墓場」ほどのエネルギー感はなかった。
しかし演技力は若干向上していると思った。

津川雅彦の妹役月丘昌美は妙に大人っぽかった。と言うか、子どもらしさに欠ける。

監督田村孟は東大文学部卒、当時は松竹の社員であった。
大島渚監督の脚本を中心に、長谷川和彦監督の「青春の殺人者」、篠田正浩監督の「瀬戸内少年野球団」の脚本も手がける。
この映画だけでは監督として才能があるかどうか、わからないが、本人は二度とメガホンを取らなかった。


2004.06.23

ハメット 1982 米

フランシス・F・コッポラが総合プロデュースしてるが、やはりヴェンダース作品である。
監督の個性が出ている。

監督 : ヴィム・ヴェンダース
製作 : フレッド・ルース / ロナルド・コルビー / ドン・ゲスト
製作総指揮 : フランシス・フォード・コッポラ
原作 :ジョー・ゴアズ
脚本 : ロス・トーマス / デニス・オフラハティ
撮影 : ジョゼフ・バイロック / フィリップ・ラスロップ
音楽 : ジョン・バリー
美術 : ディーン・タブラリス

キャスト(役名)
フレデリック・フォレスト(Hammett)
ピーター・ボイル(Jimmy_Ryan)
マリル・ヘナー
ロイ・キニアー
エライシャ・クック


作家ダシール・ハメットは、探偵時代の先輩ライアンに、中国娘クリスタルの捜査を依頼される。
しかしライアンは何処かに消えてしまい、代わりにクリスタルが現れる。

実在の作家ダシール・ハメットが、彼の創造した探偵サム・スペードのような、ハードボイルド活劇を見せる。
筋書きは典型的なミステリ映画で、犯人は取り立てて意外ではない。

ヴィム・ヴェンダース監督は小津安二郎マニアのドイツ人監督だ。
ロード・ムービーは良いけれど、アメリカン・ハードボイルド映画はどうかと思われた。
しかしやはり巨匠だ。
どんな作品でも立派に撮ってしまう。

やや黄色っぽいカラーが、サンフランシスコのチャイナタウンの雰囲気を出している。
主役フレデリック・フォレストは本物のダシール・ハメットそっくりだ。



オールザキングズメン 1949 コロムビア

監督 : ロバート・ロッセン
製作 : ロバート・ロッセン
原作 : ロバート・ペン・ウォーレン
脚本 : ロバート・ロッセン
撮影 : バーネット・ガフィ
音楽 : モリス・W・ストロフ
キャスト(役名)
ブローデリック・クロウフォード(Willie_Strak)
マーセデス・マッケンブリッジ(Sadie_Burke)
ジョアン・ドルー(Anne_Stanton)
アン・シーモア(Lucy)
ジョン・デレク(Tom)

ド田舎の役所の会計係だったスタークは正義感の塊。
知事選にでてみないか、とそそのかされた。
出るには出たが勝つ見込みはなかった。
ところが、彼の演説は人の心を引きつける。
惜しくも次点に敗れるが、四年後再挑戦しついに知事になった。

彼を追い続けていた新聞記者ジャックは彼の志に惚れて、行動をともにする。
しかし知事になってからの彼の行動は、独裁的で敵も大勢作った。
ジャックの親戚たちも、スタークににらまれ、次々と潰されていく。
スタークは民衆の熱狂的な応援を受けながら、裏では汚職に手を汚す。

スタークが反知事派の判事を自殺に追い込んだ。
それをきっかけに、判事の甥っ子のスタントン医師は、妹がスタークの慰み者だったと知る。
彼はスターク暗殺を謀る。

意外とアメリカでは、政権交代があっさりと起きるのだなあ。

保守派の知事が敗れ、農民に支持基盤を持つ革新派の知事(民主党?)が生まれる。
農民の支持というのは形だけ。
農民に金を渡して集まってもらってるだけだ。
集会に来ない奴には、制裁が下る。

旧家の保守派は知事に嫌われ、職を追われて、没落する。
そこでのし上がってくるのが、得体の知れない奴らだ。
そう言うのが、知事の回りにごろごろ集まる。
お金、賄賂も動き出す。

実際はどうしようもない知事だったが、民主党だけあって、公共工事には熱心だ。
だからこのまま行けば、二選も確実だったろう。

民主党政治がいかに腐敗しているか、をうたってるわけだな。
当時はトルーマン大統領(民主)からアイゼンハワー(共和)への交代期だった。
共和党にとっては、よい宣伝になったんじゃないか?


ア・フュー・グッドメン 1992 米

監督 :ロブ・ライナー
製作 : デイヴィッド・ブラウン / ロブ・ライナー / アンドリュー・シェインマン
製作総指揮 :ウィリアム・S・ギルモア / レイチェル・フェファー
原作 : アーロン・ソーキン
脚本 : アーロン・ソーキン
撮影 : ロバート・リチャードソン
音楽 : マーク・シャイマン

キャスト(役名)
トム・クルーズ(Lt JG Daniel Kaffee)
ジャック・ニコルソン(Col Nathan R Jessep)
デミ・ムーア(Lt CdrJo Anne Galloway)
ケヴィン・ベーコン(Capt Jack Ross)
キーファー・サザーランド(Lt Jonathan Kendrick)

キューバの海兵隊基地で一等兵が殺された。
兵長によるいじめが原因らしい。
キャフィ中尉とギャロウエイ少佐が軍事法廷で弁護をすることになった。
彼らの捜査過程で、もっと上位の人間の関与の可能性が出てきた。
彼らは命令に答えただけではないか。

裁判が始まる。
基地の内部は口裏を合わせているため、弁護側に有利な証言は出てこない。
証言を約した、当時の参謀も自殺してしまう。
キャフィは最後の手段を執った。
師団長のジュセップ大佐の証人尋問だ。
彼こそが、この事件の黒幕に違いないのだ。

映画としては、まあ面白い方だ。
二回見ようとは思わないが。

刑事裁判ものだけど、軍絡みなのでいくつか普通の裁判と違う点がある。
そこが話を少し複雑にしている。

参謀の自殺だとか、大佐の鼻持ちならない態度とか、不自然さ(ご都合主義)が目に付いた。
とくに最後に大佐が自白するシーンは、監督が馬鹿じゃないかと思う。
俺なら最後まで真実を明らかにせずに終わらせる。
そうして初めて陪審の評決が生きてくるのだ。

でも軍関係の映画はこうじゃなきゃ、お許しが出ないのかな。
白黒はっきりつく、娯楽映画じゃなきゃ、オーケーが出ないのかも知れない。

トム・クルーズの一人称(弁護側)から裁判を見ている気になる。
ロブ・ライナーは「羅生門」を見てないのかいな。
自分で製作を買って出るほどの映画かなあ。

デミ・ムーアはただの引き立て役。
このころから、太っていた。
この映画に関しては金に釣られて出演したとしか思えない。
全然、綺麗に見えない。

検察官のケビン・ベーコンも冴えない。
ジャック・ニコルソンはベリースペシャル・ワンパターンの演技。
いつものようにトム・クルーズだけが目立つ、美味しい映画だった。



デッドゾーン 1983 カナダ

監督 :デイヴィッド・クロネンバーグ
製作 : デブラ・ヒル
製作総指揮 : ディノ・デ・ラウレンティス
原作 : スティーヴン・キング
脚色 : ジェフリー・ボーム
撮影 : マーク・アーウィン

キャスト(役名)
クリストファー・ウォーケン(Johnny Smith)
ブルック・アダムス(Sarah Bracknell)
トム・スケリット(Sheriff Bannerman)
ハーバート・ロム(Sam Weizak)
アンソニー・ザービ(Roger)

事故にあった青年は五年間昏睡して、目覚めたとき超能力者になっていた。
彼はアメリカを破滅に導こうとする、ある男を阻止するために、立ち上がる。

評判のいい映画だが、僕にはつまらなかった。
クリストファー・ウォーケンが超能力者なんて設定は、今から見ると陳腐でしかない。

クローネンバーグ監督は地味だ。
結局、本当のところは分からないという事なのだろう。
それなら黒沢明の「羅生門」で十分ではないか。

マーチン・シーンが悪い政治家役をやっていた。
左翼系の人は右派政治家役を演ずることが多い。

依頼人 1994 WB

監督 :ジョエル・シューマカー
製作 : アーノン・ミルチャン / スティーヴン・ルーサー
原作 : ジョン・グリシャム
脚本 : アキヴァ・ゴールドマン / ロバート・ゲッチェル
撮影 : トニー・ピアース・ロバーツ
音楽 : ハワード・ショア

キャスト(役名)
スーザン・サランドン(Reggie Love)
トミー・リー・ジョーンズ(Roy Foltrigg)
ブラッド・レンフロ(Mark Sway)
メアリー・ルイーズ・パーカー(Dianne Sway)
アンソニー・ラパグリア(Barry Muldanno)

幼い兄弟は、森で弁護士が自殺するところを見てしまう。
死の直前に弁護士は、兄マークにある秘密を明らかにした。
マフィアが、マークの身の回りをうろつきだした。
FBIもマークの証言が欲しい。
マークは1ドルを持って、暇そうな女弁護士レジーのもとに飛び込んだ。

マークは法廷で黙秘権を使い、収監される。
脱獄したマークは病院の母親と弟のもとに行き、再びマフィアに襲われる。

子役映画として見た場合、作品の出来はまあまあだ。
脚本としては、マフィアのくせに手際悪いのが印象的。
いくらでも皆殺しにする手はあったろう。

スーザン・サランドンはまあまあだった。
ブラッド・レンフロはいい男だが、これから悪くなりそう。
トミー・リー・ジョーンズは、あまり目立たない役だ。
こんな役なら、他の誰かでも良かっただろうに。


地獄の黙示録完全版 1979(2000) 米

監督 :フランシス・フォード・コッポラ
製作 :フランシス・フォード・コッポラ
脚本 : ジョン・ミリアス / フランシス・フォード・コッポラ
撮影 : ヴィットリオ・ストラーロ
音楽 : カーマイン・コッポラ / フランシス・フォード・コッポラ
美術 : ディーン・タブラリス
編集 : リチャード・マークス / ウォルター・マーチ / リサ・フラックマン / ジェリー・グリーンバーグ
衣装(デザイン) : デニス・M・フィル / ノーマン・バーザ / ジョージ・リトル / ラスター・ベイレス

キャスト(役名)
マーロン・ブランド(Colonel_Kurtz)
ロバート・デュヴァル(Lt._Colone_Kilgore)
マーティン・シーン(Captain_Willard)
フレデリック・フォレスト(Chef)
アルバート・ホール(Chief)

やはり格好いい映画だ。
ベトナムもので、一番だ。
前はカットだらけの映画をさらにカットした間抜けなテレビ版を見ている。
今回ノーカット版を見て、マジで凄い映画だと知った。

のっけからドアーズのBGMが格好いい。
途中ワルキューレ(ワーグナー)でベトコンを皆殺しにするあたりも凄い。
それを背景にサーフィンしてるところは最高!
結局ロードムービーだ。
川を上りながら色々な出会いがあり、カーツ大佐に近づくにつれ、カーツの心が読めてくる。
最後は昔も今も同じ話だったが、途中が抜けているとこうまで印象が変わるとは!

ハリソン・フォードはちょい役で出ていた。
今回、ボートに一緒に乗っていた下っ端がローレンス・フィッシュバーンだと知った。
全然、顔が違っていた。


101 1996 米

監督 : スティーブン・ヘレク
製作 : ジョン・ヒューズ / リカルド・メストレス
原作 : ドディ・スミス
脚本 : ジョン・ヒューズ
撮影 : エイドリアン・ビドル
音楽 : マイケル・ケイメン

配役
グレン・クロース(Cruella De Vil)
ジェフ・ダニエルズ(Roger)
ジョエリー・リチャードソン(Anita)
ジョーン・プローライト(Nanny)
ヒュー・ローリー(Jasper)

ディズニーのアニメ版は劇場に見に行くほど、好きだった。

この映画は101匹ワンちゃん大行進の実写版というふれこみだったが、期待はずれだった。

どうしたら、こんな紋切り型の実写映画になるのだろう。
悪者の二人組がどじを踏むあたり、ホームアローンの二番煎じにすぎない。

河 1951 米

羅生門とグランプリを分け合った名作映画。
画家ルノワールの息子ジャンが晩年アメリカに渡り、撮った作品である。

監督 : ジャン・ルノワール
製作 : ケネス・マケルドウニー
原作 : ルーマー・ゴッデン
脚色 : ルーマー・ゴッデン / ジャン・ルノワール
撮影 : クロード・ルノワール
キャスト(役名)
ノラ・スウィンバーン(The_Mother)
エズモンド・ナイト(The_Father)
アーサー・シールズ(Mr._John)
トーマス・E・ブリーン(Capt._John)
Suprova Mukerjee (Nan)
パトリシア・ウォルターズ(Harriet)
ラーダ(Melanie)
エイドリアン・コリ(Valerie)

インドに住む裕福な一家があった。
娘ハリエットは14歳、その友人バレリーは18歳、それからメラニーはインド人との混血娘。
仲良し三人娘の前に、アメリカ人の若い退役軍人ジョンが現れた。
彼は戦争で足を失っており、自国で同情されるのが耐えられず逃げてきた。
しかし、白人の若い男性のことが珍しい彼女らには、刺激的だった。

バレリーが年頃なので、派手にモーションを掛ける。
ジョンはエキゾチックなメラニーが気になる様子。
ハリエットは面白くない。

ハリエットの弟がコブラにかまれて死んでしまう。
ハリエットは自責の念を感じ、ガンジス川に身を投ずる。

一応アメリカ映画でありながら、日本映画のような、文学作品のような映画だ。
この脚本でもドラマチックに描こうと思えば、出来ないことではない。
でも、あえてそうしない。
地味で淡泊な演出、水墨画のような味わいだ

女の子もメラニー役の娘を除いて、かなりブスだ。
でも、それが面白い。

さすが巨匠ジャン・ルノワールである。


宮本武蔵(正・続・巌流島の決闘) 1954〜1956 東宝

監督 : 稲垣浩
製作 : 滝村和男
原作 : 吉川英治
脚本 : 若尾徳平 / 稲垣浩
撮影 : 安本淳
音楽 : 団伊玖磨

第一弾・宮本武蔵

キャスト(役名)
三船敏郎 (新免武蔵)
三國連太郎 (本位田又八)
尾上九朗右衛門 (宗彭沢庵)
水戸光子 (お甲)
岡田茉莉子 (朱実)
八千草薫 (お通)

東宝武蔵の第一弾。
三船敏郎は、黒澤映画以上に下手だった。
八千草薫はかなり控えめなお通さんだ。
水戸光子岡田茉莉子のお甲親子が良い味を出している。
又八役は後の東映武蔵で沢庵だった三国連太郎だ。

第二弾 続宮本武蔵

キャスト(役名)
三船敏郎 (宮本武蔵)
鶴田浩二 (佐々木小次郎)
堺左千夫 (本位田又八)
平田昭彦 (吉岡清十郎)
藤木悠 (吉岡伝七郎)
加東大介 (祇園藤次)
水島道太郎(宍戸梅軒)

第2部では苦悩する武蔵と吉岡清十郎が描かれている。
吉岡清十郎は平田昭彦が演じている。

又八が三国連太郎から堺左千夫に交代してる。
実は本位田又八の子孫と出会ったことがある。
某大学病院の看護婦だった。
まだ幼い顔をしていたが、すでにいい年だった。
未婚だが、男の兄弟がいないため、養子をとらされるそうだ。
このとき、ふと思った。
お甲は朱美と姉妹に間違えられたが、彼女のような童顔だったのではないか?

佐々木小次郎役には鶴田浩二が登場した。
この小次郎は相当面白くなりそうだ。

女優では、朱美役の岡田茉莉子が頑張っている。
映画音楽は東映の比ではない。完全に東宝の勝ち。

第三弾 宮本武蔵・決闘巌流島

撮影 : 山田一夫

キャスト(役名)
三船敏郎 (宮本武蔵)
鶴田浩二 (佐々木小次郎)
八千草薫 (お通)
岡田茉莉子 (朱美)
上田吉二郎(阿巌法師)
志村喬 (長岡佐渡)
佐々木孝丸(岩間角兵衛)
瑳峨三智子 (娘お光)

宮本武蔵第三部にいたって、佐々木小次郎がフィーチャーされている。


小次郎と武蔵と決闘の日が決まるが、折り悪くその日、小次郎の細川家への士官が決まり、武蔵は小次郎に一年の間を取って再び相まみえようと、一旦別れる。

武蔵は祖国にお通と落ちついた。
この田圃を耕しているところを、祇園藤氏の陰謀で焼き討ちを掛けられるが、賊は成敗する。

そしていよいよ一年が経った。
二人はそれぞれの思いを抱き小倉に出向いた。

東映の「宮本武蔵」は冗長だ。
それと比べてコンパクトな東宝作品を推す。

鶴田・小次郎の方が少し美味しかった。
三船・武蔵は相変わらずって感じ。

上田吉二郎は、内山信二そっくりだったな。
あの高笑いを彼もマスターすれば、長くこの世界にいられるぞ。


2004.06.22

事件記者 1959 日活

監督 : 山崎徳次郎
原作 : 島田一男
脚色 : 西島大 / 山口純一郎 / 若林一郎
企画 : 岩井金男
撮影 : 松橋梅夫

永井智雄(相沢(東京日報))
大森義夫(八田(東京日報))
原保美 (長谷部(東京日報))
滝田裕介(伊那(東京日報))
園井啓介 (山崎(東京日報))
綾川香 (浅野(東京日報))
沢本忠雄 (菅(東京日報))
高城淳一 (浦瀬(中央日々))
相原巨典 (桑原(中央日々))
山田吾一 (岩見(中央日々))
外野村晋 (熊田(新日本))
内田良平 (荒木(新日本))
森島富美子 (光子)
清水将夫(西郷)
久松晃 (松本)
二本柳寛 (捜査一課長)
宍戸錠(藤本)
野呂圭介 (小倉)
深江章喜 (立見)

新宿ヤクザの親分が撃たれた。
縄張り争いしていた、ライバルの六本木ヤクザが疑われる。

真犯人は別のところにいた。
彼はひそかに麻薬の横取りを狙っていたのだ。

しかし事態は思いもつかぬ方向に進む。
麻薬が狙撃犯以外の人物によって盗まれた。

「事件記者」は本来、昭和33年から41年まで放送されたNHKのドラマであり、
それを中編映画化したものが、この作品だ。

警視庁の記者クラブを中心にスクープ合戦に血道を上げる、新聞各社の様子を描いている。

さすがドラマと同じ出演陣だけあって、メンバーが凄い上に、チームワークが最高。
宍戸錠野呂啓介をゲストに起用しているのも厚みを加えている。
現代のテレビドラマでは、考えられないような作りだ。

恋愛専科 Rome adventure  1962 WB

監督 : デルマー・デイヴス
製作 : デルマー・デイヴス
原作 : アーヴィング・ファインマン
脚本 : デルマー・デイヴス
撮影 : チャールズ・ロートン・ジュニア
音楽 : マックス・スタイナー
配役:
トロイ・ドナヒュー(Don_Porter)
スザンヌ・プレシェット(Prudence_Bell)
アンジー・ディッキンソン(Lyda)
ロッサノ・ブラッツィ(Roberto_Orlandi)
コンスタンス・フォード(Daisy)

典型的なイタリア観光案内映画。
ローマだけでなく、ミラノも美しい。

うぶなスザンナ・プレシェットがトロイ・ドナヒューと一緒に旅行に出ることになり、いろいろあって結ばれる。
しかし昔の彼女アンジー・ディッキンソンが出てきて、二人の仲に割り込む。
スザンナはロッサノ・ブラッチに慰めてもらおうと体を投げ出す。

昔見たときはスザンナ・プレシェットはもっと派手な遊び人だと思い込んでいた。
意外に堅いので拍子抜け。
アンジー・ディキンソンは「リオブラボー」のときがおばさんだったし、今回はあまり美人には見えなかった。
ロッサノ・ブラッツィは相変わらずのいいイタリア紳士だった。


東京の女 1933 松竹蒲田

〔監督・原作〕小津安二郎
〔出演〕岡田嘉子、江川宇礼雄、田中絹代、奈良真養 ほか

東京のアパートで暮らす貧しい姉弟のお話。
弟は姉に学資を出してもらって大学に通っている。
姉は昼はタイピスト、夜は大学関係のアルバイトをしているはずだった。
やがて弟は恋人から姉の秘密を打ち明けられる。

---

細かい描写が印象的な室内心理劇。
部屋一面に壁紙、和服も柄物オンパレード。
完全に欧米映画の影響を受けている。
原作のエルンスト・シュワルツは小津のペンネーム。
言い忘れたが、無声映画である。


洋装の岡田嘉子ももちろんだが、和服姿の岡田嘉子もやたらとバタ臭い。
当時の女優としては希有な存在だったのではないか。

実はこの映画は検閲されていて、岡田嘉子が共産党のスパイをやってることが、ぼかされている。
ただ酒場女をやってたわけじゃない。
党があってのことなのだ。
実際、1933年ナチスが政権を取り、それに呼応するかのように、日本は国際連盟から脱退した。
後年、映画の設定のように岡田はソ連に亡命している。

恋人役の田中絹代はぽっちゃりして、二重あごだった。
ちょっとショック。
服装はというと、和風も和風、べたべたの大和撫子だ。
伊豆の踊子を演じていた頃だから、まだ幼さが残っていた。

大人の見る絵本 生まれてはみたけれど 1932 松竹蒲田

監督 小津安二郎
脚本 伏見晃
撮影 茂原英雄
出演 斎藤達雄
    菅原秀雄
    突貫小僧(青木富夫)
    吉川満子

郊外に越してきたサラリーマン一家。
2人の腕白兄弟は早速近所の悪ガキと喧嘩する。
引越し前はいちばんつよかった兄ちゃんも、ここでは苦戦だ。
しかし弟が酒屋のアンチャンをうまく利用して、敵を取った。

そんな元気な兄弟は、自分たちの父さんを世界で一番えらい人だと信じていた。
引っ越してきた近所には父さんの会社の重役が、住んでいる。
重役の家で8mm上映会が開催されて、二人も招かれる。
8mmに写る父さんは、上司の前で滑稽なゴマすり男でしかなかった。

家に帰ってから、父さんに毒づく二人。
とうとう父さんも怒って子供たちをぶつ。
でも父さんが一人酒を飲む後ろ姿は悲しそうだった。

翌朝、子供はずいぶんと大人になっていた。
たった一晩で彼らは、他人の立場を思いやる心を身につけた。
しかし父さんとしては、子供たちがわかってくれて、嬉しいような悲しいような複雑な気持ちだった。

---

この時代には長尺の1時間半映画。
それでも非常に軽妙なタッチですごく躍動感がある。

しかし内容はずっしりと重い。
父親のいたたまれない気持ちが痛いほど伝わる。
子供が主人公だが、子供の見る映画じゃない。
もちろん無声映画。

小津安二郎は子供の演出に関して天才的だ。
1932年時点でチャップリンより進んでいた。
次男坊の突貫小僧をはじめ、長男といい、そのライバルのガキ大将、金持ちの太郎くん、みんな強烈だ。
ハリウッド映画みたいな、わざとらしさは全くない。
世界的に評価されているのも納得だ。

ハーヴェイ 1950 Universal

製作: ユニヴァーサル・スタジオ ジョン・ベック
監督: ヘンリー・コスター (『オーケストラの少女』)
原作: メリイ・チェイス (ピューリッツアー文学賞)
脚本: メリイ・チェイス オスカー・ブロドニー
撮影: ウィリアム・ダニエルズ
音楽: フランク・スキナー
出演: ジェームズ・スチュワート ジョセフィン・ハル(アカデミー助演女優賞) ペギー・ダウ チャールズ・ドレイク セシル・ケラウェイ ヴィクトリア・ホーン


傑作映画である。
特に脚本が素晴らしい。
「サンセット大通り」のおかげでオスカーは逃したが、個人的には映画史に残る脚本だと思う。
非常にわかりやすい英語だった。


祖母の遺産でのんびりと暮らすエルウッド。
アル中の彼は巨大空想ウサギ、ハーヴェイを連れ回っていた。
弟の奇怪な行動を恐れた姉のヴィータは、エルウッドを精神病院に入れようとする。

病院の医師や看護婦はエルウッドの純真な人柄に夢中となり、老院長も巨大ウサギを見るようになってしまう。

うさぎハーヴェイは、かぶってたはずの穴空き帽子と、絵の中だけでしか現れない。

ファンタジーと考えることもできるのだが、実は酷いアルコール中毒の話である。
オチに関係するが、精神病院の○○もアル中だった。

アルコールが切れたら、禁断症状が出るし、アル中が進んで病状が悪くなることもある。
だから見終わって、楽しかった面白かったでは済まない。

でも人生への含蓄が深い作品だ。
ある人はエルウッドは現実の人生が見えていない、でも理想的な人生が見えるのだ。といった。
アルコールを介してそう言うモノが見えるのなら、アル中も良いものかも知れない。


ユニヴァーサル映画は「ハーヴェイ」の舞台で主役を演じたジェイムズ・スチュワートに対して『ウィンチェスター銃’73』へ出演させるついでに『ハーヴェィ』も映画化すると約した。
ついでで作った、この「ハーヴェイ」だが、素晴らしい映画に仕上がっている。
スチュアートのおっとり味も生かされた。

細身で猫顔のペギー・ダウが好みのタイプだった。
伊東美咲みたいだ。
しかし映画数本で寿引退したようだ。実に惜しい。


オーロラの彼方に Frequency 2000 米

(監督・製作)グレゴリー・ホブリット
(撮影監督)アラー・キヴィロ
(脚本・製作)トビー・エメリッヒ

(出演)
デニス・クエイド(フランク)
ジム・カヴィーゼル(ジョン)
エリザベス・ミッチェル(ジュリア)
アンドレ・ブラウワー(サッチ)
ノアー・エメリッヒ(ゴード)

NYにオーロラが出現し、メッツのWS出場にクイーンズ中の人々が熱狂した1969年10月。
6歳のジョンの周りには、いつも愛と笑い声があふれていた。
そのような日々は、消防士である父の殉職によって終わりを告げる。

それから30年、 NYの空に再びオーロラが輝いた。
その日、無線機から若き父の声が聞こえてきた……。
「父さん、明日反対側に逃げるんだ!」

父が火事の現場で助かってから、歴史の歯車が狂いだした。
身近な殺人の被害者の数が増えている。
それは父が助かったせいだ。
父は責任を感じ犯人を捕まえに行くが、逆に容疑者に仕立てられる。


堂々と歴史を書き換えてしまう、いい加減さがアメリカだ。
最後のシーンは馬鹿馬鹿しくて笑ってしまった。

とはいえ、アマチュア無線に久々に光を当てた画期的作品だ。
久しぶりに機材に火を入れた人も多かったろう。

久しぶりにデニス・クエイドを見た。
メグ・ライアンと別れて、少しやる気を出しているようだ。

砂漠の鬼将軍 The Desert Fox 1951 20cFox

Directed by Henry Hathaway
Writing credits Nunnally Johnson
cast:
James Mason .... Field Marshal Erwin Rommel
Cedric Hardwicke .... Dr. Karl Strolin, Lord Mayor of Stuttgart
Jessica Tandy .... Frau Lucie Marie Rommel
Luther Adler .... Adolf Hitler
Everett Sloane .... Gen. Wilhelm Burgdorf
Leo G. Carroll .... Field Marshal Gerd von Rundstedt

砂漠の狐といわれたロンメル将軍がヒットラーに疎まれ毒殺されるまでの物語。
インド軍の中佐でロンメルの捕虜になった経験がある人が、戦後独自に取材した作品を映画化した。


ドイツのアフリカ司令官ロンメル元帥(ジェームズ・メイスン)は、砂漠で大いに英モントゴメリー将軍を苦しめた。
1942年頃から次第に軍勢が悪化し、エル・アラメイン総攻撃にたまらず徹退した。
このとき撤退を嫌ったヒットラーとの間で遺恨が残ったようだ。

ベルリンに戻ったロンメルに、シュトゥットガルト市長シュトローリン(セドリック・ハードウィック)はヒットラー暗殺を要請する。
1943年の暮れ、ロンメルはフランスの防備線を視察した。
列車高射砲などヒットラー好みの時代錯誤な重厚長大兵器にうんざりさせられる。
彼はついにヒトラー暗殺計画に加担することを決意する。

ロンメルがなぜ英雄になったか?
彼は僻地アフリカでしか戦っていない。
そのアフリカへはSS(親衛隊)が来ておらず、捕虜の取り扱いが適正だったようだ。
独軍と親衛隊の不仲は「ナバロンの要塞」でも有名だ。

砂漠の戦闘をふんだんに使ってくれるかと思ったが、意外に政治色の強い映画だった。
ベルリンでのシーンが多かった。

これを見る限り、早い時期からヒットラーはフセインのように気が狂っていたことになる。
ルントシュテットなど、ヒットラーのことを、ぼろかすに言っている。

しかし現実にはヒットラー個人の問題だけではあるまい。
ヒットラーの取り巻き連中の悪行をもっと描いて欲しかった。

ロンメルの妻を演ずるジェシカ・タンディは、当時重要でない役が多かったようだ。
大学生程度の息子がいる役だったが、「旅愁」よりは美人だった。
しかし、年取ってからおばあちゃんになった時の方が、はるかにきれいになったと思う。


学生ロマンス 若き日 1929 松竹蒲田

監督 ................  小津安二郎
脚色 ................  伏見晁
原作 ................  伏見晁
撮影 ................  茂原英雄
配役    
学生・渡辺敏 ................  結城一郎
学生・山本秋一 ................  斎藤達雄
千恵子 ................  松井潤子
千恵子の伯母 ................  飯田蝶子

主人公は早稲田大学に通うチャランポランな遊び人。
下宿を立ち退く約束をするが、次の間借り人に美人が現れる。
翌日、美人が荷物を持ってくるが、遊び人はまだ引越しを終えていない。
これをきっかけに彼女をナンパしてるのだ。

結局、部屋を追い出された遊び人は、親友の家に居候となる。
実はこの親友のGFが、例の美人だ。

二人は美人と赤倉にスキーに出かける。
遊び人はスキーが上手だが、親友はスキー下手。
遊び人は猛烈にアタックする。
親友も徹底抗戦の構えだ。

ところが、漁夫の利と言おうか、そのGFは他の男を気に入った様子で、二人とも振られてしまった。

---

1時間40分の長編映画。
当時の学生は、今と変わらずチャランポランでだらしなかったのだな。
親にせびるが、金を出してもらえないと、勉強道具を売り飛ばすなんて、今もある話だ。
コメディだが、チャップリンの影響が出ていると思われるところもあった。


東京キッド 1950 松竹

「右のポッケにゃ夢がある。左のポッケにゃチューインガム。」
夢を見失った時代に大人たちも美空ひばりの歌声に勇気づけられた。
最後はほろ苦い味がするコメディー。

美空ひばり川田晴久主演
堺駿二
花菱アチャコ榎本健一を脇に回してひばりちゃん大活躍だ。
斉藤寅次郎監督作品。

母を亡くしたひばりは高杉妙子(戦前の東宝女優)に引き取られるが、高杉は交通事故でなくなる。
高杉は死ぬ直前にひばりを川田晴久に託す。
初めはひばりを疎ましく思っていた川田だが、次第に情が移ってしまう。
二人は盛り場で歌って生計を立てた。

ひばりの父は大金持ちの花菱アチャコだった。
我が子会いたさに彼はひばりをさらおうとする。
また近くに住む占い師榎本健一が、賞金欲しさに、再び彼女をさらおうとするが、
堺駿二らの活躍で難を逃れるのだった。

しかし管理人坂本武が花菱アチャコの本当の気持ちを知ってしまう。
ひばりとアチャコをもう一度引き会わせようと川田に話して聞かせるのだった。
そこで川田と坂本は一芝居打つ・・・

筋は他愛もない。
出演者では、西條鮎子が美しい。
若く背も高くスタイルもダイナマイトボディーだ。
1950年に松竹でデビューし、すぐスターダムを上り詰める。52年からは東映で活躍した。



2004.06.21

悲しき口笛 1949 松竹

美空ひばりの第一回主演作品。
澤井一郎津島恵子原保美大坂志郎を引き立て役にして実質的主役の座に立つのは若干10歳の小娘だ。
彼らもこんな映画がいつまでも記念碑的映画として上映されると考えていなかっただろう。
申し訳ないが津島恵子を見るたびに美空ひばりのお姉ちゃんに見えてしまう。


スリル、サスペンスあり、横浜の当時の乱れた風俗もよくわかるような、あぶないところも一杯出てきて、
それでいて最後は横浜の浮浪者が協力して外国に売られ掛けた津島恵子を救出して悪党徳大寺信を引捕まえる。
ひばりが「悲しき口笛」を歌うと行方不明になっていた兄原保美と出会い、大団円だ。


ひばりは第一回主演作から物怖じせず、リズム感も抜群だ。
途中、ブギウギを歌っていたが、あの場面が笠置シズ子の逆鱗に触れたのかな?

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD27195/index.html

にごりえ 1953 松竹

昭和28年のキネマ旬報ベストテン一位作品。
2位 「東京物語」、3位 「雨月物語」を敵に回しての一位だけに値打ちがある。
ちなみに4位以下も「煙突の見える場所」、「あにいもうと」、「日本の悲劇」、「ひめゆりの塔」、「雁」と傑作揃いである。

第一話 十三夜
婚家を飛び出した丹阿弥谷津子
娘を諫めて夫の元へ返す父三津田健
しかし最後に谷津子が幼い頃芥川比呂志にあこがれていた。
しかし偶然乗り合わせた、うらぶれていた車夫が芥川だった。
昔話もそこそこに谷津子と車夫は別れる。

丹阿弥谷津子が主演を張ってる映画ははじめて見た。
芥川比呂志はこの映画ではジェラール・フィリップそっくりだ。
とてもいい男だった。

第二話 大つごもり
この作品がオムニバスの中でもっとも面白かった。
久我美子はお金持ちの下女。
女将さん長岡輝子に借金を頼むが断られ、むしゃくしゃして金を盗む。
一方、ぶらりと女将となさぬ仲の長男仲谷昇が現れる。
その夜、女将さんが金を入れた引き出しを開けると・・・
いったい何が起きたのか?
犯人は誰なのか?最後までわからない。

第三話 にごりえ
「菊の井」の人気女郎淡島千景と、今はうらぶれた布団屋の宮口精二の心中話だ。
山村聡は客として淡島千景の悩みを親身になって聞いてやるが、命までは助けられなかった。


淡島千景の魅力爆発。
杉村春子は夫宮口をすっかり追いつめてしまう悪役。
宮口精二は女房に責められどうしで人生にバイバイしたくなったのだな。

最初の作品はほろ苦い恋心を思い出す話。
二番目はブラックユーモアだが、盗人になってしまった久我美子の今後が非常に不安。
三作目は無理心中ものだ。あとになるほど、救いがない。
今井正監督も戦後の楽天主義から、次第に変わってきた。

また今井監督は明治の昔に目を向けてもらいたいなどと言ったそうだが、一話と三話については今も昔も変わらない話だと思う。

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD23880/index.html


素晴らしき放浪者 1932 仏

主役を演じたミシェル・シモンの演技は、映画史上に残るもの。
【監督】ジャン・ルノワール 
【出演】ミシェル・シモン,セヴェリーヌ・レルシンスカ,シャルル・グランバル,マルセル・エイニア 

本屋の主人が、川に身投げしたブーデュを救いあげた。
自由に生きる放浪者ブーデュにとって、主人のおせっかいは迷惑千万なだけだった。

見ていてシモンの芝居は、印象的だったが、同時に腹が立って仕方なかった。
いつも酔っぱらいで、だらしがない。
しかもブルジョアの生活をいつの間にか破壊してゆく。


しかし、この芝居はどこかで見たことがある。
NHK人形劇「プリンプリン物語」のシドロ・モドロの背の高い方だ!
ちょっと甘ったれで、歯がゆい感じがそうだ。
作者はフランス映画から取ったのだな。
巨匠ルノワールも変わった映画を撮ったモノだ。


スポイラーズ The Spoilers 1942 Univerasal

タイトル画面ではマレーネ・ディートリッヒランドルフ・スコットジョン・ウェインの順番だったが、
ジョン・ウェインが事実上の主役である。

Directed by Ray Enright
Writing credits  Rex Beach
Cast :
Marlene Dietrich .... Cherry Malotte
Randolph Scott .... McNamara
John Wayne .... Glennister
Margaret Lindsay .... Helen Chester
Harry Carey .... Dextry

西部劇。
舞台はゴールドラッシュに沸くアラスカ。


当時は採掘権を巡って争いが絶えなかった。
そこで判事が来ることになったが、これがなんと偽物だ。
偽判事はグレニスタ(ジョン・ウェイン)を陥れて、彼の採掘権を奪おうと策略を練っている。

金の採掘権を監督するコミッショナー・マクナマラ(ランドルフ・スコット)は、グレニスタの恋人で酒場を経営するチェリー(M.ディートリッヒ)に近づく。
グレニスタには、偽判事の娘が色仕掛けを仕掛ける。
グレニスタは、すっかりよろめいてしまう。

ちょうど真ん中あたりまで、誰が悪者か、わからなかった。
だから意外性があって、楽しめた。
西部劇も単純な勧善懲悪とは限らない。


ランドルフ・スコットって言うのは、ゲイリー・クーパーの顔をもっと涼しくした、おじさんだ。
もしかしたら、良い人の役かと思ったが、結局、悪党だった。
ランドルフ・スコットマレーネ・ディートリッヒが見ている前でジョン・ウェインと延々と殴り合いをして、最後は力尽きて倒れる。

マレーネ・ディートリッヒはアラスカのような田舎なら、ドイツ訛りも気にならない。

ジョン・ウェインが女たらしだったので、悪役ではないかと疑ってしまった。
しかしジョン・ウェインはやはり正義の味方が似合う。

頭上の敵機 12 o'clock high 1950 20CFox

監督 : ヘンリー・キング
製作 : ダリル・F・ザナック
原作 : バーン・レイ・ジュニア / サイ・バートレット
脚本 : サイ・バートレット / バーン・レイ・ジュニア
撮影 : レオン・シャムロイ
音楽 :アルフレッド・ニューマン

キャスト(役名)
グレゴリー・ペック(Br._General_Savage)
ヒュー・マーロウ(Lt._Col._Ben_Gately)
ゲイリー・メリル(Col._Davenport)
ミラード・ミッチェル(General_Pritchard)
ディーン・ジャガー(Maj._Stovall)


アメリカ空軍はイギリスの基地から、直接ドイツ本土の白昼爆撃を目指している。
将軍は指揮官を更迭させ、サヴェージ准将に直接指揮を執らせる。

サヴェージはスパルタだが、基本をきちんと守って、パイロットの欠点を叩き直していく。
はじめは反感を抱いていた部下も、次第にサヴェージのやり方を理解するようになる。

いよいよドイツ本土爆撃だ。
しかしドイツの戦闘機による仰撃が激しく、次々と仲間を失う。

ラストは、グレゴリー・ペックが病気で出撃を休んでしまう。
すっかり拍子抜けしてしまった。
あれはないだろう。

戦争映画に関わらず、盛り上がりに欠けた。
終戦から5年も経って、戦争を客観的に見ることができると言うことかな。


赤と黒 le rouge et le noir 1954 仏

ジェラール・フィリップ作品を見ているが、それは女優陣が揃ってるから。年増のダニエル・ダリューがこの作品のマドンナだ。アントネラ・ルアルディは出番が少なく、貫禄的に言ってもダニエル・ダリューの敵ではない。

監督 : クロード・オータン・ララ
原作 : スタンダール
脚色 : ジャン・オーランシュ / ピエール・ボスト
撮影 : ミシェル・ケルベ
音楽 : ルネ・クロエレック
ダニエル・ダリュー(Mme. de R\8f\a1\a5nal)
ジェラール・フィリップ(Julien Sor\8f\a1\a5l)
アントネラ・ルアルディ(Mathilde de la M\8f\a1\ccle)
アントワーヌ・バルペトレ(Abb\8f\a1\a5 Pirard)
アンドレ・ブリュノ(Abb\8f\a1\a5 Chelan)

ジュリアンは大工の子。ナポレオン以降の、身分社会に戻ったフランスにおいてはいかんともしがたい。しかし彼は才能豊かな野心家で、赤(軍人)と黒(僧侶)を目指している。
ジュリアンは僧侶の修行をしながら、ド・レアナル家で家庭教師のバイトをする。ド・レアナル夫人は絶世の美女だった。二人は会ったときから、お互いに悪からず思っていた。そしてある夜、とうとうジュリアンは夫人の寝間に忍び込み、情を通ずる。
しかし、人の口に戸は立てられないモノ。密告の書状が絶え間なくやってくる。そして夫人の娘が倒れて、夫人は罪を犯しているから神が罰を下したのだと考える。やがて二人の仲は終わりになる。
ジュリアンは当初から考えていた神学校に行くが、なかなか回りとなじめない。唯一心を許していた司教も巴里へ転任すると言う。ジュリアンもこの機会に思いきって巴里へ出ることにした。
巴里では軍法律家の助手として雇われる。回りから身分の低さをなにかと強調され、面白くない。しかし、主人の娘がジュリアンに惚れているようだ。いつもの手練手管で娘を口説き落とし、主人に結婚を迫った。まんまとうまくいきそうだった。
主人はド・レアナル夫人にジュリアンの身分を照会した。しかし教会は出世するジュリアンのことが面白くない。教会は夫人に手紙を無理矢理書かせ、ジュリアンの婚約をぶちこわしたのだ。
怒ったジュリアンは教会にいた夫人の姿を見つけ、ピストルで撃つ。幸い急所は外れたが、ジュリアンは有罪となり、断頭台の露と消えた。

イーストマンカラー作品。ダニエルダリューの美しさを楽しむ作品だ。母性を持った女の色気、可愛らしさ。
一方、ルアルディは妹的存在だ。キャピキャピしてる。結局、男は母性を取る。

スタンダールはこの作品を1830年頃書いている。軍人から外交官に転身して、小説を書き始めた。王制復古時代の若者は何かしらエネルギーの向く先を求めていた。もう少し我慢しておけば、何度も革命があったのに。

ケンタッキー魂 The Fighting Kentuckian 1949 Republic(米)

監督 : ジョージ・ワグナー
製作 : ジョン・ウェイン
脚本 : ジョージ・ワグナー
ジョン・ウェイン(ブリーン)
ヴェラ・ラルストン(フローレット)
オリヴァー・ハーディー(ウィリー)
フィリップ・ドーン(ジェロー)
マリー・ウィンザー(アン)

ナポレオン軍の一団はウォータールーの戦いで敗れ、アメリカへ亡命し、1817年にアラバマへ定住した。
その地での地元のヤクザとの土地争いを描いた開拓活劇である。
ケンタッキーの兵士であったブリーンが活躍して、ナポレオン軍の将軍の娘フローレットをモノにする。


アメリカがナポレオン軍の残党に土地を分けてあげたのは、歴史上の事実だそうだ。
泣いたのは、実はインディアンだった。


主演はジョン・ウェイン、ヴェラ・ラルストンに、極楽コンビのひとりオリヴァー・ハーディー
監督・脚本ジョージ・ワグナー。
Jウエインが製作も担当。

主役のヴェラ・ラルストンは妙に色っぽかった。
さらにマリー・ウィンザーという女優は、淡島千景に似ていて、役どころもそっくり。

しかし戦後のジョン・ウェイン映画にしては、やや雑な作りだった。


2004.06.20

あいつと私 1961 日活

豪華なメンバーを揃えた中で、芦川いづみの美貌がピークを迎えた作品。
石原裕次郎はスキー事故から復帰後の第一作であった。


石原裕次郎は自由奔放な家庭に育ち、ショートカットの締まり屋芦川いづみは真面目な家庭に育ち、
お互いの育った環境の違いに戸惑いながら、しだいに心を通わせていく。


親友の小沢昭一笹森礼子の結婚式に出る。
今ならその後は二次会で合コンなのだが、
当時の学生は国会議事堂前の安保反対運動に参加していた。

今どきの学生の情けないことよ。
多国籍軍参加のデモ一つしない。


高田敏江が女性陣では目立っていた。
昔から良妻賢母を絵に描いたような人だった。
笹森礼子は出番が少なかったが、浅丘ルリ子似の美人である。
中原早苗渡辺美佐子も本来主役級だが、裕次郎映画では脇を固めている。

石原裕次郎の両親は、宮口精二がガリガリ、轟夕起子はブクブクだ。
二人とも役作りしたのだろう。
どちらも単純なようで複雑な役である。

芦川家では、妹がセーラー服の吉永小百合ちゃんだ。

もう一人忘れてはならない。
芦川いづみのおばあちゃんを演じた、大女優細川ちか子だ。
大女優さんも日活青春路線では、甲高い声を作ってコミカルなおばあちゃん役を演じている。


主題歌は作詞谷川俊太郎石原裕次郎が歌っている。
のちの日本テレビ青春ドラマ主題歌を彷彿とさせる作品だ。

監督 中平康
脚本 池田一朗 中平康
原作 石坂洋次郎
主題歌作詞 谷川俊太郎

石原裕次郎 (主人公黒川三郎)
芦川いづみ (恋人、浅田けい子)◎
宮口精二 (主人公の父、黒川甲吉)
轟夕起子 (主人公の母、モトコ・桜井)
小沢昭一 (主人公の親友、金沢正太)
伊藤孝雄 (主人公の学友、日高健伍)
中原早苗 (けい子の親友、野溝あさ子)
高田敏江 (けい子の親友、磯村由里子)○
吉行和子 (けい子の学友、元村貞子)
笹森礼子 (けい子の学友、加山さと子)▲
清水将夫 (けい子の父、浅田金吾)
高野由美 (けい子の母、浅田まさ子)
吉永小百合 (けい子の妹、浅田ゆみ子)
細川ちか子 (けい子のおばあちゃん)
滝沢修 (謎のホテル王、阿川正男)

2004.06.19

メイム 1974 WB

監督 : ジーン・サックス
製作 : ロバート・フライヤー /ジェームス・クレッソン
原作 : パトリック・デニス
脚本 : ポール・ジンデル
撮影 : フィリップ・ラスロップ
音楽 : ジェリー・ハーマン
配役
ルシル・ボール(Mame)
ロバート・プレストン(Beauregard)
ベアトリス・アーサー(Vera)
ジェーン・コンネル(Agnes_Gocch)
カービー・ファーロング(Young Patrick)

テレビ番組「ルーシー・ショー」で一世を風靡した、ルシル・ボールが主演。
結果的に自身も高齢がたたり、共演者にも恵まれず、大失敗に終わり、最後の映画出演となった。
1974年にミュージカルを作ろうというのが無茶だったのだろう。

オリジナルは大ヒット・ブロードウェイ・ミュージカル。
一度ミュージカルとして、映画化されたが、これが2度目の映画化。


父親に死別した少年パトリック(カーリー・ファーロング)は、ニューヨークに住むメイム叔母さん(ルシル・ボール)に可愛がられる。
叔母さんは自由闊達でチョット変わりモノだった。
彼女だけでなく、家庭教師アグネス(ジェーン・コンネル)も召使いイトー(ジョージ・チャン)も、どこか常識はずれ。

メイムは西部の大金持ち、バーンサイド(ロバート・プレストン)にひと目ぼれされ、結婚する。
しかし旅の事故から、夫は命を落とす。

西部から帰ってきた、傷心の叔母さんを待っていたのは、青年に成長したパトリック(ブルース・デイヴィソン)とアグネスだった。
メイムはデートしたことがないと言う、アグネスにお化粧をしてやり、町へ送り出した。
だが、アグネスはててなしごを宿して、帰ってきた。

この映画はとくに編集がダメだな。
話が飛躍しすぎる。



コックと泥棒、その妻と愛人(1989) 英

監督 : ピーター・グリーナウェイ
製作 : キース・カサンダー
脚本 : ピーター・グリーナウェイ
撮影 : サッシャ・ヴィエルニー
音楽 : マイケル・ナイマン
編集 : ジョン・ウィルソン

キャスト(役名)
リシャール・ボーランジェ(Richard)
マイケル・ガンボン(Albert Spica)
ヘレン・ミレン(Georgina Spica)
アラン・ハワード(Michael)
ティム・ロス(Mitchell)

レストランのオーナーはギャングだった。
毎日、妻と手下を連れて自分の店に食べに来ている。
ある日、妻はユダヤ人の学者と知り合い、愛し合うようになった。
シェフのおかげで食事の合間、逢瀬を重ねた。
しかし、やがて夫の知るところとなり、学者は無惨に殺される。
怒りに震える妻は、復讐を誓った。

アンチ・グルメ映画。
ラストシーンがグロテスクと言われていたが、大したことはない。

ヘレン・ミレンは大胆演技で出ずっぱりだ。
もういい年なんだけどねえ(笑)

アンブレイカブル 2000 米

監督 : M.Night Shyamalan
製作 : M.Night Shyamalan / Barry Mendel / Sam Mercer
製作総指揮 : Gary Barber / Roger Birnbaum
脚本 : M.Night Shyamalan
撮影 : Eduardo Serra
キャスト(役名)
ブルース・ウィリス(David Dunn)
サミュエル・エル・ジャクソン(Elijah Price)
ロビン・ライト・ペン(Audrey Dunn)
スペンサー・クラーク(Joseph Dunn)
シャーリーン・ウッダード(Elijah's Mother)

案の定、柳の下にドジョウは2匹いない。
詰らない映画だった。


列車衝突事故が起こった。
たった一人生き残ったのは、スタジアムの警備員デヴィッド(ブルース・ウィリス)。
そんな彼にメッセージが送られる。
送り主のイライジャ(サミュエル・L・ジャクソン)を訪ねると、彼はデイヴィッドの正体を語り始めた。
イライジャは特定のタンパク質が不足する難病である。
とすれば、必ず正反対の肉体の人間が存在するはず。
それがデビッドであり、スーパーヒーローに違いないというのだ。
そしてデヴィッドは、暴漢に襲われている、ある家族を救出する。

どういう風に落とすのかと、思ったら一番酷いオチだった。
ブルース・ウィリスも子役も「シックスセンス」の二番煎じ丸出しの役柄でした。

ウホッホ探検隊 1986 日本

スタッフ
監督 : 根岸吉太郎
製作 : 岡田裕 / 宮坂進 / 波多腰晋二
プロデューサー : 山本勉 / 横山宗喜
原作 : 干刈あがた
脚本 : 森田芳光
キャスト(役名)
十朱幸代 (榎本登起子,母)
田中邦衛 (榎本和也、父)
村上雅俊 (榎本太郎、長男)
本山真二 (榎本次郎、次男)
藤真利子 (美際良子、愛人)
時任三郎 (カメラマン、母の仕事の同僚)
斉藤慶子 (定岡みどり)
陣内孝則 (定岡勉)
柴田恭兵 (景浦選手)
加藤治子 (坂崎くに子)

確かこの年のキネマ旬報上位にランクされた映画。
しかし面白くなかった。


田中邦衛は単身赴任のインテリ親父。
十朱幸代が奥さんでキャリアウーマン。
子供が男の子ばかり二人。

夫は会社で女を作った。
妻に離婚してくれと言う。
愛人(藤)を交えて三人で会った。
愛人は見るからに子供だった。
夫は間に立って戸惑っていたが、愛人と離れられないようだった。

子供には何も言っていないが、苛立ってきている。
うすうす感づいているようだ。
子供に離婚を打ち明けるが、彼らは大いに苦しむ。
しかし彼らなりに乗り越えたようだ。妻は離婚届を提出する。
しばらくして元夫から子供たちと会いたいと言ってきた。

十朱幸代以外は、誰も役に合っていない。
脚本に真実みがないから、子役も生きてこない。
田中邦衛もインテリの役はダメ。
愛人の藤真利子の演技はいいけれど、台詞に共感するところがない。
離婚劇の割に最後にオチがあるが、そう明るく終わって良いのだろうか?

妻として女として 1961 東宝

成瀬巳喜男監督作品。
井出俊郎松山善三が共同脚本。
カラー作品である。


高峰秀子森雅之の「浮雲」コンビで、17年間続いた愛人関係の崩壊を描く。
正妻は淡島千景
正妻の子どもとして育てられた娘、息子が実は○○だったというオチだ。


高峰秀子と淡島千景は最初のうちは平穏な関係を保っていたが、
高峰と森雅之との別れ話が持ち上がり、手切れ金のことで正妻と愛人がついに激突する。

森雅之は、二人の強烈な女の間でおろおろして、
ついにはどちらが良いか、子どもに聞いてみようよ、と言い出す。

このときの彼が面白い。
どろどろしているんだが、何故か笑ってしまう。
けれども最近テレビで見られるようなコミカルな演技をしているわけではない。
妻と愛人に挟まれる夫をやらせたら、彼が一番だ。


淡島千景は脂が乗りきっている。
仇のような愛人の子を自分の子として育てる、複雑な女心を実に達者に表現した。

ただ最後はあきらめが良すぎるように感じた。
今のドラマなら、育ての母親はもっと強いだろう。
40年違うと母心も違うのかなあ?


中北千枝子(プロデューサー田中友幸の妻)は淡島千景の身内で相談相手の役。
この映画では妙に存在感があった。

もっとも好きな場面は、高峰秀子が森雅之との別れ話を、
友人の淡路恵子藤間紫関千恵子丹阿弥谷津子と相談するところだ。
五人も大女優が揃うと、実に楽しい。
こういうシーンは小津監督の得意技と思っていたが、成瀬監督もやるものだ。


2004.06.18

愛情物語 The Eddie Duchin Story 1956 Columbia(米)

名ピアニストエディ・デューチンの伝記映画。

ルーマニア移民の子エディ・デューチンはボストンのマサチューセッツ薬科大を出ながら、ピアノへの夢が捨てられず、バンドリーダー・レオ・ライスマンの門を叩く。
一度は追い出されたが、裕福なマージョリー・オルリクス嬢の口添えで仕事にありつく。

バンドピアニストになったエディーは順風満帆である。
初めてウォズワース家にパーティーで招かれる。
しかしウォズワース夫人は彼を単なるピアニストとして呼んだのだった。
ふてくされてピアノを引くエディー。
マージョリーはそんな彼の横に座り、慰めるのだった。

やがてエディーはマージョリーと結婚し、自分のオケを持つに至る。
初めての子の出産と同時に、妻は死んでしまう。
エディーは傷心のあまり、生まれた子供ピーターに会おうとはしない。
五年もNYから離れて地方暮らしの毎日。
マネージャーに請われて会いに行くが、親子の会話は弾まない。

やがて戦争が始まり、エディーは海軍に志願する。
終戦後、戦場に残されたピアノを日本の汚い子どもとともに弾いてみた。
ピーターと親子でデュエット出来れば、どんなに楽しいかと、考える。

帰国後のエディーは、まっすぐピーターのもとへ帰る。

ジョージ・シドニー監督
サミュエル・A・テーラー脚色

グレン・ミラーやベニー・グッドマン同様の音楽映画。
アメリカ人はこういう音楽映画の作り方がうまい。
ありふれた筋書きなんだけど、何度も見てしまい何度も泣いてしまう。

タイロン・パワーカーメン・キャバレロのアフレコだったが、
ピアノを弾く演技としては、最高級だった。
キム・ノバクはメイクが弱くて、印象度が低い。眉毛の感じかな。

ヴィクトリア・ショーはオードリーのような声だが、顔は全く違う。
オーストラリア人だそうだ。
キム・ノバクとどっちが良いと言われたら、この映画ではヴィクトリア・ショーを取ります。

でもこの映画はピアノ演技も含めて、タイロン・パワーの映画だ。

2004.06.17

反逆児 1961 東映

伊藤大輔の監督脚本で徳川信康の一代記を中村錦之助の主演でお送りする。

徳川信康家康の長男である。
築山殿(今川の血を引き信長を恨んでいる)の陰謀(武田軍と結んで織田家を攻めようと企んだ)に連座させられ、処刑された。

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD20501/index.html

新東宝の美女北沢典子は東映へ移籍後の作品である。
クレジットでは四番目だったが、大した役ではなかった。
信康の爺やの娘役で色っぽいところは皆無。
しかし眼がパチクリとして麗しかった。
東映の女優どもを蹴散らせていた。

見せ場はいくつかある。
文学座の重鎮杉村春子(築山殿)と俳優座の若手岩崎加根子(徳姫)が嫁姑として対決するシーン。
徳姫が高笑いで場を収めたようだったが、築山殿は信康の愛人お信乃(桜町弘子)を連れてきて正妻の嫉妬心を煽る。
かつての大映スター喜多川千鶴も徳姫お付きの小侍従の役で活躍。
築山殿が武田と通じていると言う噂を流し、信康に折檻される。


信長は月形龍之介、秀吉は原健策、家康は佐野周二、どれも年を取りすぎて目立たない。
この頃の中村錦之助は一人で芝居をしていた。
この芝居を見て錦チャン素敵と思うファンも当時は多かったんだろう。


お付きの小兵に亡くなった河原崎長一郎が出ていた。
芝居は勉強中という感じだった。

伊藤大輔演出では何カ所か時代劇のフォーマットから外れ、70年代の映画っぽい場面があった。
伊福部昭音楽も非常に効果的。

淑女と髭 1931 松竹蒲田

監督 ................  小津安二郎
脚色 ................  北村小松
配役    
岡島喜一 ................  岡田時彦
タイピスト広子 ................  川崎弘子
その母 ................  飯田蝶子
不良モダンガール ................  伊達里子

(無声映画)

岡島は髭をもじゃもじゃ生やしていて見た目の通り滅法強いのだが、女の子に全くもてない。
それじゃあと、髭を落として、ようやくホテルの就職試験に通った。
その途端に以前危ないところを救ったことがある娘、男爵家の令嬢、さらには不良女までが、彼にアプローチしてくる。

不良女はしつこくつきまとい、彼の部屋に泊まり込む。
しかし彼女にも色々悩みがあるようだ。

そこへ男爵家の人たちが訪れてきて、不良女とばったり出会ってしまう。
そんなわけで、男爵家との縁談は破談になってしまった。

助けてやった娘が訪れてくるが、そのとき岡島は眠っていた。
そして娘は横にいた不良女に驚きもせず、岡島が目覚めるのをじっと待っていた。
やがて目覚めた彼は、即座に娘と結婚を決めた。
不良女も改心して真面目に生きることを誓ってくれた。

---

岡田茉莉子の父時彦の主演作。
茉莉子が1,2歳ぐらいの時なくなったから、本人は父のことを覚えてない。
しかし小津は岡田茉莉子を使うたびに、喜劇俳優の娘だからと、コメディカルな役をあてた。

作品としては大したことはない。小津監督いよいよ迷ってる風だ。


ウォール街 Wall street 1987 20cFox

監督 : オリヴァー・ストーン
製作 : エドワード・R・プレスマン
脚本 : オリヴァー・ストーン / スタンリー・ワイザー
キャスト(役名)
チャーリー・シーン(Bud_Fox)
マイケル・ダグラス(Gordon_Gekko)アカデミー主演男優賞
マーティン・シーン(Carl_Fox)
テレンス・スタンプ(Sir_Larry_Wildman)
ショーン・ヤング(Kate_Gekko)
ダリル・ハンナ(Darien_Taylar)


若い証券マン・バド(チャーリー・シーン)はブルースター航空で働く父(マーティン・シーン)から会社の経営状況を聞き出し、それを大富豪ゲッコーに流す。
ゲッコーは、バドが流したインサイダー情報を利用して莫大な利益を得る。

ブルースター社にゲッコーの傀儡政権ができる。
ゲッコーはさらに組合を懐柔しようとしたが、バドの父は拒否する。
父は心労のために倒れてしまう。
バドは父の復讐のため、ゲッコーのライバル・ワイルドマン(テレンス・スタンプ)と交渉する。

思えば当時アメリカはどん底の不景気で、ジャパン・アズ・ナンバーワンの時代だった。
台詞にもそのことが伺える。
アメリカは自信を失っていた。

そんな不況下でも、アメリカは資本家が強い。
当時は株主が絶対で、労組は黙ってる時代だった。

ゲッコーは、そう言う時代に現れた乗っ取り屋だ。
会社を買って細切れにして売り尽くす。

日本でもアメリカ企業が倒産した日本企業を買収すると、そうなると信じられていた。
実際には、そこまで露骨な事は出来なかった。
そう言う風説が流布したのは、この映画の影響も大きい。


この映画でマイケル・ダグラスがアカデミー賞を取ったことからもわかるように、すでにヤッピー信仰は始まっていたと思われる。
オリバー・ストーン監督は、労組・民主党寄りの立場だが、それでも田舎の労働者階級よりNYのヤッピーの味方をしてるような気がする。

親父マーティン・シーンは実にうまい。
それと比べると、息子チャーリー・シーンは、まだまだだった。



ブッチャー・ボーイ The Butcher Boy (1997) アイルランド

監督:ニール・ジョーダン (ベルリン映画祭銀熊賞)
製作:Neil Jordan/Redmond Morris/Stephen Woolley
脚本:Patrick McCabe/Neil Jordan
原作:Patrick McCabe
音楽:Elliot Goldenthal
撮影:Adrian Biddle
キャスト:
Eamonn Owens .... Francie Brady
Stephen Rea .... Benny Brady (Francieの父・アル中の元ミュージシャン)
Aisling O'Sullivan .... Annie Brady (Francieの母・精神不安定)
Ian Hart .... Alo (Francieの叔父・ロンドンで働いている)

Fiona Shaw .... Mrs Nugent (意地悪なおばさん)
Andrew Fullerton .... Phillip Nugent(Mrs Nugentの息子)
John Olohan .... Mr Nugent

Alan Boyle .... Joe Purcell (Francieの親友)
Ardal O'Hanlon .... Mr Purcell (Joeの父)


1960年代初頭、核戦争の恐怖が間近に迫ってきたアイルランド。

12歳のフランシーは、飲んだくれの父親と自殺未遂を繰り返す母親と一緒に暮している。
クリスマスの夜、両親の諍いに嫌気がさしたフランシーは、ひとりダブリンへ出かける。
しかし帰ってみると、母が自殺していた。

実際の生活が悲惨になるにつれ、彼の空想はとめどもなく広がる。
核爆弾が破裂して、宇宙人がやってくるのではないか?
歯止めが掛からなくなったフランシーは、高慢ちきなニュージェント夫人の家で、居間にウンコをする。
フランシーは更正施設に収容されてしまった。
出所した彼は、街の肉屋で働き始める。

少年の心の空想が妄想に代わり、ぶち切れていく様をブラック・コメディで描いた作品。
日本では、酒鬼薔薇事件とのからみで劇場公開されず。
でも残酷シーンはこの映画で見る限り大したこと無かった。

彼がフランシーみたいな経路を通ったか不明だが、子供の心って大体こんなモノなのだ。
友達を奪われたという気持ちが孤独感、喪失感に繋がり、最後に暴発する。

加害者となる少年はちょっとおかしいところがあるが、可愛い点もあり、腕白なところも好ましく思われる。
だから、みんなは、どうしてあの子があんなことを?と言うのだ。

英語の字幕で見たが、はやくて3分の1ほどしか理解できず。
歌手のシニード・オコナーがマリア様役で出てきた。
(フランシーはマリア様と話が出来る!)


ハバナ Havana 1990 Universal

監督 : シドニー・ポラック
製作 :シドニー・ポラック / リチャード・ロス
製作総指揮 : ロナルド・L・シュワリー
原案 : ジュディス・ラスコー
脚本 : ジュディス・ラスコー / デイヴィッド・レイフィール
撮影 : オーウェン・ロイズマン
音楽 : デーヴ・グルーシン
配役
ロバート・レッドフォード(Jack_Weil)
レナ・オリン(Bobby_Duran)
アラン・アーキン(Joe_Volpi)
トマス・ミリアン(Menocal)
ダニエル・デイヴィス(Marion_Chigwell)
ラウル・ジュリア(Arturo Duran) (uncredited)

シドニー・ポラック監督がお気に入りのレッドフォードと組んでキューバを舞台にしたお話。
革命前夜、アメリカ人ギャンブラーと革命家の妻との恋を描く。


ジャックはギャンブラー。
きな臭いキューバで最後の大勝負を望んでる。
そこに現れた美しいボビー。革命家の妻である。
ジャックはその美しさが忘れられない。

ある日キューバ軍がボビーの夫を殺し、妻ボビーも幽閉している事が新聞に載った。
ジャックはコネを使い、ボビーを助け出す。
一旦ボビーは仲間を助けるために戦地に赴くが、ジャックもその後を追う。
ボビーは追いかけてきたジャックと結ばれる。

しかし夫は生きていた。キューバ軍に人質として捕まっていたのだ。
ジャックはボビーを愛するあまり、ボビーをこれ以上悲しませたくない。
彼は一世一代の賭に出た。

レナ・オリンは相変わらず綺麗だ。
ちょうどこのころがピークか。
オードリー・ヘップバーンに面影が似ている。

ロバート・レッドフォードは相変わらずの役。
良いけど、もう年なんだし、無理はそろそろやめたほうが良いんじゃないか?
シドニーの映画らしく、カジノと荒野、それに戦場という感じだった。

ラウル・ジュニアはクレジットされていなかったが、夫役で重要な人だ。

革命の最中もアメリカ人は、脳天気にキューバへ行って遊んでたものだな。

アニーホール Annie Hall 1977 United Artist

監督 : ウディ・アレン
製作 : チャールズ・H・ジョフィ
製作総指揮 : ロバート・グリーンハット
脚本 : ウディ・アレン / マーシャル・ブリックマン (アカデミー脚本賞)
撮影 : ゴードン・ウィリス
配役:
ウディ・アレン(Alvy)
ダイアン・キートン(Annie)アカデミー主演女優賞
トニー・ロバーツ(Rob)
キャロル・ケイン(Allison)
ポール・サイモン(Tony)


いつものようにウッディ・アレンのセックス自慢が延々と続く。
最後は逃げた女を追いかけてNYからLAまで飛んでいく。
そして振られる。
今から見ると、ワンパターンだ。

ウッディ・アレンの映画が好きな人にはたまらないんだろう。
この年「アニーホール」はアカデミー賞を取った。
NY映画に対する評価が最高潮になったこともあろう。

でも一時的にNY映画の評価は高まったが、それほどのものだろうか?
その後のスパイク・リーら黒人映画はどうか?
正当な評価を受けているとは思えない。


コクーン Cocoon 1985  20cFox

監督 : ロン・ハワード
製作 : リチャード・D・ザナック / デイヴィッド・ブラウン / リリー・フィニー・ザナック
原作 : デイヴィッド・サパーステイン
脚色 : トム・ベネデク
撮影 : ドン・ピーターマン
SFX : インダストリアル・ライト・アンド・マジック(アカデミー特撮賞)
キャスト(役名)
ドン・アメチ(Art_Selwyn)アカデミー助演男優賞
ウィルフォード・ブリムリー(Ben_Luckett)後にザ・ファームの警備主任役を好演
ヒューム・クローニン(Joe_Finley)
ジェシカ・タンディ(Alma_Finley)
ターニー・ウェルチ(Kitty)

フロリダの養老院に住む老人、アート(ドン・アメチ)、ベン(ウィルフォード・ブリムリー)、ジョー(ヒューム・クローニン)は近所の家に忍び込んでプールで泳ぐのを楽しみにしていた。

一方、ジャック(スティーヴ・グーテンバーグ)は、釣り船マンタV世号の船長。
ウォルター(ブライアン・デネヒー)とキティ(ターニャ・ウェルチ)、フィルスベリー(タイロン・パワー・ジュニア)らが彼の船を借りたいと言ってきた。
彼らが海に潜って拾ったモノは、巨大な繭だった。

3人の老人が再びプールに忍び込むと、プールにはその繭(コクーン)が沈んでいた。
彼らはプールで泳ぐうちに、若さが戻ってくるのを感じた。
繭には不思議な力があった。

ロン・ハワードの最高傑作映画。
この人は話題作を手がけているが、なかなか良い映画にならない。
アベレージヒッターだ。
でもこの映画と「バックドラフト」は凄い。

ラストで誰が地上に残って、誰が旅立つか、というところは、どこかで聞いたような話だった。
(例、大林宣彦「あした」)
日本のSFなら、あちらの世界へ行く人間より、こちらの世界に残る人間の方が多い。

理想主義国のアメリカだと、そうはいかない。
派手なSFXを見せておきながら、最後だけ現実主義的な結末を迎えるのは、違和感がある。


往年の二枚目スター・ドン・アメチの奮闘は主演男優賞モノだと思うのだが、助演男優賞でも獲れて良かった。
ヒューム・クローニンが浮気をしてジェシカ・タンディ(劇中でも実生活と同様に夫婦)を怒らせるシーンは実話っぽかった。



コーリャ愛のプラハ 1996 チェコ

監督 : ヤン・スウィエジャーク
製作 : エリック・エイブラハム
原案 : パヴェル・タウセック
脚本 : ズデニェク・スヴェジャーク
撮影 : ウラジミール・スムットニー

配役
ズデニェク・スヴェジャーク(Frantisek Louka)
アンジェイ・チャリモン(Kolja)
リブシェ・サフランコヴァ (Klara)
オンジェイ・ヴェトフィ(Mr. Broz)
ステラ・ザーズヴァルコヴァー(mother)

1988年ビロード革命直前のプラハ。
ロウカ(ズディニェク・スビエジャーク)は初老貧乏独身チェリストである。
かつては有名だったが、今は身を持ち崩しチャランポランに葬式の伴奏者をやってる。
亭主持ちの歌手クララが、たまに寝てくれるが、いい加減な生活だ。

ある日友人ブロスが彼に偽装結婚を持ちかけた。
相手はチェコの身分証明書が欲しいロシア女ナディズダである。
しかしナディズダは結婚式の直後、5歳の子コーリャ(アンドレイ・ハリモン)を置き去りにして、西ドイツの男の元に逃げてしまう。

コーリャの出現でロウカの生活は一変。
はじめはロシアのガキを早く追い出したい、鬱陶しいと思ったロウカだが、次第に情が移っていく。
その一方、コーリャの母はロシア嫌いで預かってくれないわ、秘密警察からは呼び出しはかかるわと御難続き。
福祉局に追われ彼はコーリャとともに逃げる。
そんな折り。ベルリンの壁が崩壊。
プラハでも民主化運動が高まりを見せる。
ビロード革命である。
今は一つになったドイツとの交通も回復し、母ナディズダがコーリャを空港まで迎えに来た。
さよなら、コーリャ。
髄膜炎になりかけたとき、徹夜で看病したのはこの俺だ。
ロウカはそう言ってるようだった。

長く亡命生活をしていたクーベリック(本人)が帰国して、「わが祖国」を祖国チェコスロバキアの大衆の前で演奏した。
そのコンサート、首席チェリストの席にはロウカが座っていた。

ロウカが情が移るまで少し時間が掛かったが50分ぐらい進んでからは、父親の顔になった。
しかし母親が迎えに来たら、あっさり別れてしまう。
これが30代の父親なら粘るところだが、50代の親父は照れがあるから、粘らない。
しかし父親としての自覚はこのとき既に目覚めていた。
独身主義者の心の中に何かが生まれた。

それにしても、クーベリックのコンサートはチェコ人にとって本当に大切なものだったのだな。
監督はチェコの俊英。主役は監督の父親で作家でもある。

この映画を見て、小津の「長屋紳士録」を思い出した。
ロウカと飯田蝶子の違いを見ていて、日本と外国の差または父と母の差を思い知った。
クールなロウカと怒りっぽい蝶子、でもどんな人の心も掴んでしまう子供の笑顔は凄い。


バッファロー'66 1998 米

監督 : Vincent Gallo
脚本 : Vincent Gallo / Alison Bagnall
撮影 : Lance Acord
キャスト(役名)
ヴィンセント・ガロ(Billy Brown)
クリスティーナ・リッチ(Layla)
アンジェリカ・ヒューストン(Janet Brown)
ベン・ギャザラ(Jimmy Brown)
ケヴィン・コーリガン(Goon)

刑務所を出たばかりの男ビリーがダンス教室の女の子レイラを誘拐した。
ところが彼女は何故か協力的。
ビリーがたまらず立ち小便をしている間も待っていてくれる。
どうやら彼女の母性本能をくすぐられたらしい。

ビリーは長い間留守にしていた実家に、結婚したと言って、帰る。
レイラはうまく家族と話を合わせてくれた。
ビリーはレイラを連れて、馴染みのボーリング場へ行く。
そこのロッカーにはビリーのGFの写真が貼ってあった。
喫茶店で休んでいると、その女が恋人とともに現れる。

当時の日本映画がそうだったように、どこかスタイリッシュな作品。
四人で座ってる机を一人が座っているはずの位置にカメラを持ってきて撮ったり、マルチスクリーンがあるし、ボーリング場のダンスシーンも印象的。

ただ、所詮は流行でしかない。
今さら見ても、さして楽しいモノではなかった。


誰が私を裁くのか 1951 大映

山村聡がスナックで薬を盛られ、犯人の乙羽信子は逮捕される。
裁判で犯人の告白が始まる。
乙羽信子は夫が出征したまま行方不明。
彼を思いきるために想い出の箱根へ旅に出た。
しかし雷雨の炭焼き小屋で伊豆肇と出会い、一夜の間違いを起こしてしまう。

山村聡は生きていた。
彼女はあのことを黙っているつもりだった。
しかし伊豆肇があの夜に起きた殺人事件の容疑者として逮捕される。
彼女は悩み、ついに夫に告白する。
しかし夫は裁判で証言するならば、お前と別れると言う。
妻は一層悩むが、ついに証言台に立つ。

夫も愛人に関千恵子を囲っていた。
そのことを知り、妻は家を出る。
一方、伊豆肇もその夜のことがばれて婚約者沢村晶子と別れる羽目になる。
今度は伊豆肇乙羽信子を責める。
夫は妻の勤めるスナックへ押し寄せる。
酔った彼女はついに夫を殺し、自分も死のうと決意するのだった。

監督 谷口千吉
脚本 新藤兼人
音楽 伊福部昭

後の八千草薫の旦那が演出して、後の乙羽信子の旦那が脚本を書いた倒叙もの。
男の身勝手を批判しているが、山村聡のことはいさ知らず、伊豆肇に関しては気の毒な話だ。
乙羽信子が好きで抱かれたではないか。あれで据え膳食わねば男の恥である。

乙羽信子は他の女優と違う。
若い頃から、ちょっとした表情が光る人だ。
一方、台詞回しはさほどうまくないと思う。
宝塚風味が一生抜けなかった。

しかし何より根性が違うと思う。
沢村晶子利根はる恵は好きなタイプの女優だが、残念ながら、女優根性が彼女とは比べようがない。
乙羽信子は主役を張る顔をしている。

おばちゃん女優では夏川静江がスナックのママ役、
瀧花久子が姑役で出ている。
映画の古さを感ずる場所はいくつかあったが、
何より驚いたのは殿山泰司の毛がふさふさしていた。

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD27303/index.html

2004.06.15

カバーガール Cover Girl 1944 Columbia

リタ・ヘイワースジーン・ケリーの顔合わせだ。
ちょうど前作でフレッド・アステアと競演したばかりなので比較がしやすい。

監督 : チャールズ・ヴィダー
製作 : アーサー・シュワルツ
脚本 : ヴァージニア・ヴァン・アップ
撮影 : ルドルフ・マテ
音楽 : ジェローム・カーン
音楽監督 : モリス・W・ストロフ
作詞 : アイラ・ガーシュウィン

キャスト(役名)
ジーン・ケリー(Dunny)
リタ・ヘイワース(Rusty)
フィル・シルヴァース(Genius)
オットー・クルーガー(Codair)
リー・ボウマン(Noel)


場末のダンサー・ラステイは彼女は振り付け師ダニーと恋仲だった。
彼女が雑誌のキャンペンガールに採用される。
人気者になったラスティに、今度は大劇場から声が掛かる。
ダニーはラスティを場末から大劇場に送りだし、彼女は大成功を収める。

彼女は久々に昔出ていた場末の劇場にやってきた。
店は閉まっていた。
ラステイがいなくなった後、不入りで辞めてしまったという。

大劇場主は失意のラスティにプロポーズする。
ダニーが土佐回りから帰ってきた日が、ラステイの結婚式の日だった。

これはカラー作品だ。
カラー映画のリタ・ヘイワースは美人ではない。
あれだけ白黒では美人だったのに、カラーのメイクはなってない。
脚は綺麗だが、華奢である。
ジーン・ケリーの肉体的なバレエには付いていけない。
フレッド・アステアの華麗なダンスと組ませた方が正解だ。
アカデミーミュージカル音楽賞受賞作品。


東京暮色 1957 松竹

小津にしては暗い作品。
監督 : 小津安二郎
脚本 : 野田高梧 / 小津安二郎
企画 : 山内静夫
撮影 : 厚田雄春

キャスト(役名)
笠智衆 (杉山周吉)
有馬稲子 (杉山明子)
信欣三 (沼田康雄)
原節子 (沼田孝子)
森教子 (沼田道子)

筋はここを参照。
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD27510/index.html

音楽も最後の笠智衆の着替えの様子も、いつもの小津映画とかわらないが、
この作品はとても暗い
暗い映画なのにいつもの音楽を流しているのは、頑固と言おうか。
ホームドラマは万能だ。
いつものセットを生かして悲劇を撮ることもできる。

この映画は自分にとっては他人事ではなかった。
今の若い人がこの映画を「リアリティがない」というかも知れない。
堕胎した娘が世をはかなんで自殺するなんてあるわけない、と言うだろう。
しかし確実にあの時代の若者はこういう立場におかれ、あるモノは姉のように一切母を無視し、ある者は妹のように自殺したのである。
妹からしたら、父の実の子ではないと母に言ってもらった方が良かったのだ。
父の実の子だったために、父の顔を潰しては、生きていられなかったのだ。


突貫小僧 1929 松竹蒲田

監督 小津安二郎
配役    
人撰ひ文吉 ................  斎藤達雄
鐵坊 ................  青木富夫 (突貫小僧)
親分権寅 ................  坂本武

人さらいが子供を誘拐するが、その子が腕白者で手に負えず、再び家に連れ戻すまで。

15分程度の短編。
子役の突貫小僧の魅力爆発か?
でも作品としては大したこと無い。


エア・フォース・ワン 1997 米

監督 : ヴォルフガング・ペーターゼン
製作 :ヴォルフガング・ペーターゼン / ゲイル・カッツ / ジョン・シェスタック /アーミァン・バーンスタイン
脚本 : アンドリュー・ダブル・マーロー
撮影 : ミハエル・バルハウス
SFX : リチャード・エドランド
音楽 : ジェリー・ゴールドスミス
配役
ハリソン・フォード(President James Marshall)
ゲイリー・オールドマン(Ivan Korshunov)
グレン・クロース(Vice President Kathryn Bennett)
ウェンディ・クルーソン(Grace Marshall)
ポール・ギルフォイル(Chief of Staff Lloyd Shepherd)
ウィリアム・H・メイシー(Major Caldwell Liesel Matthews)
リーセル・マシューズ(Alice Marshall)
ディーン・ストックウェル(Defense Secretary Walter Dean)
サンダー・バークレイ(Agent Gibbs)

一年に一回は、テレ朝でやってる。
SFXが大したことがない。
良い俳優は大勢出てるけれど、持ち味を生かしていない。
国威高揚映画でしかない。
批評したら、メタ糞言える。

でも日本人が見ると、その逆の効果が目立つな。
こんなことになるってことは、アメリカがよほど悪いことをしていたんだろう。
そう考えるのが自然だ。
最後、大統領が助かるシーンでは正義ではなく、悪が勝った感が強い。
とくにイラク戦後、この映画の見方は、アメリカでも変わってきてるだろう。


バルザック情熱の生涯(後編) 1999 フランス

昨日の続き。

晩年のバルザックは、ようやく母離れできた。
離ればなれの生活を続けていた、ハンスカ夫人が亡夫の遺産相続についに成功し、ロシアでの二人の生活が始まった。
しかし、バルザックにも最後の時が近づいていた。
若い頃からの甘い物好きが祟って、重い糖尿病を患っていた。
二人は結婚式をあげて、フランスへ帰国し、彼はすぐ死の床につく。
最後は妻と母に看取られ、ついにバルザックのライフワーク「人間喜劇」は91編で終焉を迎える。


フランスのテレビも作りが雑だ。
ビクトル・ユーゴーが狂言回しだったが、いつでもどこでも現れて、都合が良すぎる。

日本人はフランス映画女優が好きだが、テレビで見る女優はきれいではない。
フィルムの力を今さらながら思い知らされた。

ドパルデューの二つに割れた鼻はこしらえ物だろう。
バルザックの鼻が曲がっていたのだろう。

バルザック情熱の生涯(前編) 1999 フランステレビ

監督 ジョゼ・ダヤン Josee Dayan
脚本 ディディエ・ドゥコワン Didier Decoin
制作総指揮 エディット・カーヌル Edith Colnel
撮影 ウィリー・スタッセン Willy Stassen
音楽 ブリュノ・クーレ Bruno Coulais

オノレ・ド・バルザック ジェラール・ドパルデュー (声:村井国夫)
バルザックの母 ジャンヌ・モロー (声:佐々木すみ江)
エーヴ・ハンスカ伯爵夫人 ファニー・アルダン (声:萩尾みどり)
ロール・ベルニー夫人 ヴィルナ・リージ (声:山本陽子)
ダブランテス公爵夫人 カーチャ・リーマン (声:山下智子)
ヴィクトル−・ユゴー ゲルト・ヴォス (声:菅野菜保之)

バルザックの半生を、彼にまつわる女性立ちの彩りを添えてお送りする、三時間ドラマの前編。
バルザックの人となりはあまり知らなかったので、勉強させてもらった。

母の愛情に飢えたため、女を取っ替えひっかえしたわけだ。
最初から上流階級に出入りしていて、スタンダールの「赤と黒」のような苦悩は抱かなかったようだ。
途中から小説も売れ出して、さらにその売上を上回る支出で豪勢な生活を楽しみ、借金取りには追われ、その上コーヒーが大好きだった。
後半ではおそらく糖尿病の話題が出るだろう。
それもこれも母親に愛されなかったせいというわけだ。

ダブランテス公爵夫人役のカーチャ・リーマンは、「バンディッツ」に出てた背の高いお姉さんだろう。
ベルニ夫人の声をやっていたのは、山本陽子。
吹替は意外に上手だった。

ヤマカシ 2001 フランス

原題はYamakasi Les Samourais des temps modernes。これも武士道ブームの一つかな?

監督 : アリエル・ゼイトゥン
製作 : ディディエ・オアラウ 
製作総指揮 :ヴィルジニー・シラ
原案 : シャルル・ペリエール / リュック・ベッソン
脚本 : リュック・ベッソン / ジュリアン・セリ / フィリップ・リヨン
撮影 : フィリップ・ピフトー
音楽 : ジョーイスター・アンド・ディージェイ・スパンク
美術 : フレデリック・アンド・キャロリーヌ・デュリュ / フレッド・アンド・フレッド・ラピエール
衣装(デザイン) : オリヴィエ・ベロワ

キャスト(役名)
チョウ・ベル・ディン(Baseball)
ウイリアムス・ベル(L'Aragnee)
マリク・ディウフ(La Blette)
ヤン・ノウトゥラ(Zicmu)
ギレイン・ヌグバ・ボイェケ(Rocket)


フランス映画界(とくにリュック・ベッソン一派)はアメリカの真似をして、フランス映画に客を呼び込んでいる。
若い監督の映画の教科書はアメリカのそれなのだ。
若いフランス人の観客はフランス語で見る映画を楽しむことが出来て、喜んでいるようだが、吹き替えを見る外国人はアメリカ映画もフランス映画も無いから、こういうアメリカ映画的なフランス映画は取り立てて珍しくもない。
非常に詰まらない。
おそらく最初の数分間は派手なアクションシーンで客を引きつけたはずだから、面白かったんだろうけれど、残念ながらそこは見損ねた。

若い主役連中は良く動くけれどそれだけ。
下手くそだ。
もう少し演技経験のある連中を使うべきだ。


銀河鉄道の夜 1985 日本(アニメ)

監督 杉井ギサブロー
プロデューサー原正人 / 田代敦巳
原作 宮澤賢治
原案ますむらひろし
脚本別役実
キャスト(役名)
田中真弓 (ジョバンニ)
坂本千夏 (カラパネルラ)
中原香織 (かおり)
金田龍之介 (先生)


ジョバンニの唯一の友達はカンパネルラだが、最近はあまり口を聞かない。
星祭りの夜、ジョバンニは病気の母親の牛乳をとりに行くため、一人で町はずれを歩いていた。
突然、巨大な機関車が停車していた。
ジョバンニが乗り込むと、汽車は銀河へと走り出した。
汽車にはカムパネルラも乗っていた。
「僕達、どこまでも一緒に行こうね」とジョバンニは言う。

銀河という夢の世界、でも夜汽車の持つ暗い雰囲気。
闇がどんどん増幅していく。

岩手県で夜汽車に乗った事がある。
あれはまさしく銀河鉄道だった。
まわりの人が話している言葉が分からなかった(笑)


アニメにしたのは良かったが、宮沢賢治の世界観を描ききれていなかった。
それに、どうしても「銀河鉄道999」と比較してしまう。
田中真弓の声は特徴が強くすぎて、この後何を演じても、ジョバンニに聞こえてしまう。


カンパネルラは最後にジョバンニと遊びたかった。
でも闇の世界は広がっていく。
「もう僕行かなくっちゃ、さようなら、ジョバンニ。」

太陽の墓場 1960 松竹

セックスする時が最高よ」を流行語にした女優炎加世子が主演。
大島渚監督作品。
脚本は石堂淑朗大島渚の共同脚本。
当時劇場でヒットして、大島ファンには評価が高い作品だ。
ドヤ街というテーマから見て、プログラムピクチャーとは思えない。
監督の希望はかなり通ったのではないか?
しかも出演者の多彩さを見ると、松竹の城戸四郎社長も大盤振る舞いしたと考えられる。

炎加世子は良いとして、佐々木功はどうだったのか?
佐々木功はリーゼント歌手としては人気者だったし、まあ「御法度」でも松田龍平を抜擢した人だから、案外監督の指名かもしれない。
彼は演技に関しては問題ありだったが、カメラワークでうまく撮ってた。
二人はともに映画デビュー間無しだった。

出演者が素人臭い演技をするのは、後の大島作品でも見られた。
しかし最後のクライマックスに至る重要な場面で、羅生門綱五郎の台詞が聞き取れない。
どうしてNGにならなかったのか?

なぜ釜ヶ崎萩ノ茶屋)を舞台に選んだのかも、わからない。
下手な大阪弁は関西人には聞くに堪えない。
東京の山谷でも良かったはずだ。

東映は今井正監督で「純愛物語」を撮っているではないか。
60年安保との対称性(学生運動とドヤ街のギャップ)をフィーチャーしたいがために、大阪に舞台を持っていったのであろうか?

東京では派手な学生運動があるけれど、大阪ではみんな毎日の生活に必死だ。
若者がここから抜け出そうとして派手なことをやろうとしても、周りに足を引っ張られるのが落ち。
下手すれば翌朝川に浮かんでいる。

どっちにしろこの映画の完成で松竹上層部大島渚の思惑の食い違いがあったはず。
それが同年の「日本の夜と霧」、三日で上映打ち切り事件に繋がると勝手に思っている。

炎加世子松竹ヌーベルバーグのマドンナの一人。
上半身背中ヌードポスターなど扇情的なキャラクターで、演技云々ではない何かを持った人だ。
芸能界から離れてどうしたんだろう。

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD23154/index.html

釜ヶ崎についてはここ。
http://www.npokama.org/

良くも集めた曲者俳優の皆さん・・・みんな汗かいてた
津川雅彦 (信栄会の若き親分・信)
炎加世子 (花子、地下血液銀行の元締め)
佐々木功 (若い信栄会チンピラ武)
戸浦六宏 (信栄会のナンバー2・マサ)
川津祐介 (信栄会ヤス、内紛で殺される)
伴淳三郎 (寄せ松、花子の父)
渡辺文雄 (三国人・寄せ平)
藤原釜足 (戸籍を売ったバタ助)
北林谷栄 (バタ助の女房ちか、今回は色っぽい役だ)
小沢栄太郎 (軍人上がりの動乱屋、剃り込みが入った小沢栄太郎を初めて見た)
小池朝雄 (戸籍の売人・色目鏡、動乱屋と組む)
羅生門 (戸籍を売られた大男)
浜村純 (もぐりの医師・村田吾郎)
佐藤慶 (本職の医師坂口、次第に悪の道に入っていく)
清水元 (大浜組の親分)
永井一郎 (ヤリ、波平さんの声優として有名。俳優しているのを初めて見た)
小松方正 (ルンペン)
田中邦衛 (追われて腕の骨を折る泥棒)
富永ユキ (犯された女学生、後に武に復讐に来て失敗し殺される)
左卜全 (バタ屋=廃品回収業者)


2004.06.14

みれん 1963 東宝

池内淳子が30歳になり、よろめき映画に出演していた頃の作品である。
と言っても、この映画の中ではよろめいていない。
よろめき後の女のドラマである。
愛人に走って家庭を崩壊させて、失うものが何もなくなった女が、
でも最後は自立して再び立ち上がるまでを描いている。

松山善三の脚本は誰が監督していても松山善三が書いているとわかるのが凄い。
当然、細君の高峰秀子をイメージして描いたであろう。

しかし高峰秀子にやらせるのは、年齢的に難しい。
そこで池内淳子の抜擢となるのだが、彼女がまた素晴らしい。
若い頃の華やかさが無く、中堅の熟れた色気がある。
演技も仲谷昇仲代達也岸田今日子を相手に回して十分互角いや互角以上に渡り合っている。
映画の演技としては、満点だと思う。

松山善三の脚本は愛人池内淳子の一人称的な見方をしている。
となると、最後は何らかの結論が欲しくなる。
しかしラストが若干弱く感じた。
別れるのか、別れないのか、どっちつかずだ。
実際の瀬戸内寂聴は作家である愛人と元の愛人との間を行ったり来たりして、そのうちに元の愛人が非業の死を遂げ、出家する。

池内淳子三越のデパートガールだったのを新東宝に引き抜かれ、
すぐ人気女優になったが、これからと言うところで寿退社
しかしすぐ離婚復職。
その後大蔵貢時代の新東宝で苦労し、新東宝倒産と同時に東宝へ移籍。
当時はよろめき女優だったが、
のちに「女と味噌汁」だとか、テレビのお母さん役で活躍している。
最近は舞台慣れしてしまい、演技が大げさになってしまった。

池内淳子横山道代に似ている。
しかし演技力に関しては池内淳子が格上だ。
1960年に「花嫁吸血魔」という新東宝のカルト名作に出て、何も怖いものがなくなったのだろう。
(全身毛むくじゃらの怪人蝙蝠女に扮して結婚前の男女を襲うのだ。)

それはさておき、この「みれん」は知る人ぞ知る佳作である。
決して100点満点の映画ではないが、池内淳子の演技だけでも観る価値がある。

監督千葉泰樹
脚本松山善三
原作瀬戸内晴美(「夏の終り」)
出演池内淳子(主人公知子)
  仲谷昇(愛人小杉慎吾)
  仲代達也(若いツバメ、木下涼太)
  乙羽信子(本郷の大家さん)
  西村晃(飲み屋の嫌な奴)
  山岡久乃(その連れ)
  岸田今日子(小杉の妻、声の出演)

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD21208/index.html

新東宝の名作「花嫁吸血魔」については以下のサイトが詳しい。
http://home.catv.ne.jp/nn/kotatu/jmov/1999_02/990214.html
http://www5b.biglobe.ne.jp/~madison/worst/vamp/hanayome.html


2004.06.13

マリリンに逢いたい 1988 松竹富士

お犬様は偉大である。
人間に芸が無くても、お犬様だけで立派に映画一本成立させてしまう。
シロがいくら精力絶倫でも、あれだけの距離泳いだあとに、全速力で走ることなど出来るわけはないが、そんなことどうでも良くなる。
またシロは海から出てきた途端に、毛がふさふさになっていた。
人間だったら、ドライヤーでしばらく乾かさなければならないが、シロはさすが沖縄の犬と言おうか。
(でもこいつは東京生まれではなかったか?)

上映当時、友人が見に行って、ほめていたので、僕もGFと見に行きたかったのだが、結局見に行けなかった。
でも見に行かなくて良かった(笑)

加藤昌也は今は好きな俳優だが、デビュー当時はお世辞にも上手とは言えない。
この演技じゃ、どんな女の人も好きになってくれないだろう。
ここは単なる根暗演技ではなく、影のような部分を表現しなければならなかった。

安田成美は、男をその気にさせるものを持っている。
どこにでもいそうな女の子なのに、でもどこにもいないのだ。
しかし演技はワンパターンだ。
結婚してからもこの壁を乗り越えていない。

他では兄役三浦友和がよく頑張って芝居を引き締めていた。

でも民宿が焼けたあと、安田成美の衣装はどこから出てきたのか?
ずいぶん可愛い服ばかり生き残った。

こうやってみると、脚本は穴ばかり開いている。

平良とみと、ここで逢っていたのだ。
「ちゅらさん」や「ナビイの恋」のおばあちゃん役で本土でも有名になったが、
それ以前にこの映画で既に逢っていた。

荻野目洋子ちゃんの主題歌「Dear〜コバルトの彼方へ」も懐かしかった。
′91 OGINOME COLLECTIONに含まれている。

2004.06.11

34丁目の奇蹟 Miracle on 34th Street 1947 20cFox

クリスマスの定番映画。リバイバルも多し。

監督: ジョージ・シートン 
製作: ウィリアム・パールバーグ 
原作: ヴァレンタイン・デイヴィス 
脚本: ジョージ・シートン  アカデミー脚本賞
撮影: チャールズ・クラーク 
音楽: アルフレッド・ニューマン 

出演: エドマンド・グウェン アカデミー助演男優賞
モーリン・オハラ 
ジョン・ペイン 
ナタリー・ウッド  子役
セルマ・リッター 


ハートウォーミングな傑作映画。笑いあり涙ありだ。

サンタがいるかいないか、最後まで結論をぼやかしているのがイイ。

クリングルってサンタではないような気がする。
ただの老人ホームの爺さんという気がする。やはり妄想狂だろう。
しかしそれを法廷で、サンタだと言い張ってしまうことが凄い。

何年か前にカラライズされて、色が付いてしまった。
どうもカラライズってのは、品がなくっていけない。

ジョージ・シートンはアカデミー脚色賞を獲得した。
子役のナタリー・ウッドは面影はあったけど、大して可愛くもなかった。
その母親のキャリアウーマン・モーリン・オハラの方が良かった。

それから、この映画は我らがセルマ・リッターがデビュー映画です。

朗らかに歩め 1930 松竹蒲田

【監督】小津安二郎
【出演】高田稔
川崎弘子
松園延子
伊達里子
坂本武 ほか

アメリカ映画の影響が色濃くうかがえる作品。

タイピストをしている清純な娘に“ ナイフの謙”と呼ばれるヤクザの若者が恋をした。
そんな彼が彼女と結ばれることを夢見て、必死に更生を図るという物語。


俯瞰撮影や移動ショットなどさまざまな技巧を駆使して、モダンな雰囲気の作品に仕上げている。

しかし小津にしては筋はありきたりだった。アメリカ映画の物まねで終わっている気がした。

殺人者に罠をかけろ 1958 仏

ジャン・ギャバンメグレ警部もの。

監督 ジャン・ドラノワ (「田園交響楽」)
出演 ジャン・ギャバン
ジャン・ドザイー
アニー・ジラルド ★
オリヴィエ・ユスノー

モンマルトルで五件の連続婦女殺人事件が発生した。被害者に共通点も見つからない、そんな動機の見えない犯行に捜査は難航。だがパリ警視庁のメグレ(ジャン・ギャバン)は、犯人が何かメッセージを伝えようとしていると感じる。そしてモンマルトル一帯に捜査網を敷き、おとり捜査を仕掛ける。婦人警官が襲われ服のボタンを現場に落としていった。このボタンから犯人が割れる。

原作本はシリーズ通算75作目に当たる、『メグレ罠を張る』。インポでマザコンの馬鹿息子を母は可愛くて仕方がない。そんな馬鹿息子にも嫁さんが来たが、インポなんだから嫁は浮気する。その腹いせで夫が凶行にでるわけだ。メグレは相当早い時期からわかっていたようだ。精神的に追いつめて、落としたと思った瞬間、妻が罪滅ぼしに夫の真似をして、女を殺し捜査攪乱する。

アニー・ジラルドはまだ大きな役が付かない頃だ。ジュリエッタ・マッシーナみたいな顔だったが、さすがに性格俳優として出てきそうな顔してた。



三大怪獣 地球最大の決戦(1964) 東宝

ゴジララドンモスラそしてキングギドラだあああ!!

監督 : 本多猪四郎
製作 : 田中友幸
脚本 : 関沢新一
撮影 : 小泉一
特撮監督 : 円谷英二
音楽 : 伊福部昭

キャスト(役名)
夏木陽介(進藤)
小泉博 (村井)
星由里子 (直子) ○
若林映子 (サルノ王女)○
ザ・ピーナッツ伊藤エミ (小美人)
ザ・ピーナッツ伊藤ユミ (小美人)
志村喬 (塚本博士)
伊藤久哉 (黒眼鏡)
平田昭彦 (沖田課長)
佐原健二 (金巻班長)


日本にゴジララドンが現れ、箱根で大げんか。
さらに宇宙からキングギドラが日本に攻め込んでくる。
INFANT島の小美人二人組はモスラを呼び「ともにギドラと戦おう。」と、ゴジラとラドンを説得に掛かる。
ついに説得が成功しそうになるが、最後のところで決裂。
モスラだけが果敢にギドラに闘いを挑む。

それを見たゴジラとラドンは、チビだけに地球を任しておけるかと加勢するのだった。
ラドンがモスラをオンブする攻撃が凄い。
すっかり繭だらけになったキングギドラは大宇宙に退散するのだった。

星由里子がきれいだが、ショートなので最初は誰かわからなかった。
若林映子(アキコ)は海外映画の経験も豊富であり、ここでもある国のお姫様を演じる。
それが飛行機爆破事故に巻き込まれ、金星人になっちゃった。
最後のシーン、若林が元の王女に戻りSP夏木陽介に感謝を述べるあたりローマの休日のぱくりである。



禁断の木の実 1952 仏

フェルナンデルフランソワーズ・アルヌールの顔合わせでお送りする、ほろ苦ラブストーリー
監督 : アンリ・ヴェルヌイユ
製作 :エーレス・ダギアール
原作 :ジョルジュ・シムノン
脚本 : ジャック・コンパネーズ
脚色 : ジャック・コンパネーズ / ジャン・マンス / アンリ・ヴェルヌイユ

キャスト(役名)
フェルナンデル(Dr. Charles Pellegrin)
フランソワーズ・アルヌール(Martine)
クロード・ノリエ(Armande)
シルヴィー(Pellegrin's mother)
レイモン・ペルグラン(Octave)

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD12631/index.html


日本でも圧倒的な人気を誇るフランソワーズ・アルヌール。この映画ではまだ幼さが残る容姿だった。真面目な医師をたらし込む若い女の役だ。直ぐブラジャー姿になる気前の良さが、好まれたのだろう。
フェルナンデルも名優だ。最後のワンカットを見せる映画。

大砂塵 Johnny Guitar 1954 Republic(米)

監督 : ニコラス・レイ
原作 :ロイ・チャンスラー
脚色 : フィリップ・ヨーダン
撮影 : ハリー・ストラドリング
音楽 : ヴィクター・ヤング
歌 : ペギー・リー / ヴィクター・ヤング

キャスト(役名)
ジョーン・クロフォード(Vienna)
スターリング・ヘイドン(Johnny_Guitar)
マーセデス・マッケンブリッジ(Emma_Small)
スコット・ブラディ(Dancin'Kid)
ウォード・ボンド(John_McIvers)


ジョニー・ギターはビエンナに誘われ、はるばるアリゾナのカジノにやってきた。
そこへ、エマとマーカイバー、保安官が血相変えてやってくる。
エマの父親で銀行家のスモールが殺された。
エマはダンシングキッドが犯人に違いないから、彼らを引き渡せと言う。
しかし証拠もないのに引き渡せないと、ビエンナは断る。

ちょうどそこへダンシングキッド一味が現れる。
キッドは保安官と一触即発になりそうだ。

オスカー女優ジョーン・クロフォード、マーセデス・マッケンブリッジ(オールザキングスマンで助演女優賞)の二人は壮絶に戦っていた。

マッケンブリッジは好きな男に振られたら殺してしまう激情型。
田舎物であることにコンプレックスを持っている。

クロフォードは昔のようにヒロインを演じてた。
前半はニコラスレイの指示に従わず、好き勝手にやってたと思われる。
ただ、カラー映画だけに見苦しいところがあった。

全般的に奇怪な一作だ。
いったい最初の事件の犯人はどうなったんだ。
マーカイバーさんは、どうして心変わりしちゃったのか?

救いはペギー・リーの主題歌「ジョニー・ギター」だ。
この映画のおかげで人気に火がついたとか。


エロス+虐殺 1970 ATG(日本)

監督 : 吉田喜重
製作 : 吉田喜重 / 曽志崎信二
脚本 : 山田正弘 / 吉田喜重
撮影 : 長谷川元吉
音楽 : 一柳慧
配役:
岡田茉莉子 (伊藤野枝)
細川俊之 (大杉栄)
楠侑子(正岡逸子)○
高橋悦史 (辻潤)
稲野和子 (平賀哀鳥)
八木昌子 (堀保子)
新橋耐子(代千代子)
松枝錦治 (堺利彦)
伊井利子 (束帯永子)◎
原田大二郎 (和田究)
川辺久造 (畝間満)


現代(1969)に生きる永子は売春をして、警察に目を付けられる。
和田はそんな永子を愛しているが、彼女を抱く気にならない。
和田との対話を通して、彼女は大正五年・大杉栄刃傷事件に関わっていく。

社会主義運動が行き詰まりを見せ始めた大正五年、大杉は所有関係の基本は男女関係だとか何だかんだと理屈を付けて、恋愛に逃げ込んだ。
しかし彼は、複数の女性を同時に愛していた。
伊藤野栄正岡逸子である。

二人は雑誌「青鞜」の編集者で先輩後輩の関係にあった。
正岡は若い伊藤に対して、強いライバル心を燃やし、大杉を自分だけの物にしようと考え、刺してしまう。
幸い、大杉は助かるが、後に関東大震災の騒動で伊藤とともに軍部・甘粕正彦に虐殺されるのだった。

学生運動が行き詰まりを見せていた時代と、社会主義運動が行き詰まった大正時代のアナロジーから、この映画は作られたのだろう。
物とのつながり以前に、人同士のつながりが大切なのだ。
土地だ、資本だという以前に、恋愛を考える必要がある。

しかし、所有について、男女の考え方は根本的に違う。
男はより多く所有したがるし、女はたったひとりの男を完全に所有しなければ気が済まない。
そこで社会主義は根本的に行き詰まってくる。
赤軍派がこの時代の後、出てくるが、それらの破綻も予想できた。

永子役の伊井利子は殆ど裸のシーンばかり。
岡田茉莉子よりずっと存在感があったが、この映画の後あまり活躍はしなかった。
残念である。

また、この映画は全員実名を使っているため、遺族から訴訟を起こされたことでも有名。



彼女だけが知っている 1960 松竹

一連の松竹犯罪映画の一つ。
初期松竹ヌーベルバーグでもある。
小山明子のまだ青い魅力が炸裂!
今度は明子ちゃんが連続レイプ犯の毒牙に掛かる。
そのレイプ犯は父や恋人の刑事が追っている男だった。

筋書きはgooで見てもらうことにして、
配役は笠智衆が刑事の父、
水戸光子はやさしい母、
渡辺文雄は刑事の下っ端で明子の婚約者。

笠智衆にサスペンスや警察ものは不向きだ。
水戸光子は当時、日本の代表的母になってたと思う。
渡辺文雄は先輩の高橋治監督に可愛がられていた。
捜査一課長に松本克平
とくに鑑識課長三井弘次は良かった。
酔っぱらいのシーンはなかったけど。


高橋治監督(東大文学部卒)
田村孟脚本(デビュー作だから、個性は出ていない。)
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD28455/index.html


ワルツ・オブ・ザ・トレアドールズ 1962 英国

ピーター・セラーズ主演の将軍物コメディ

監督ジョン・ギラーミン
脚本ウォルフ・マンコビッツ

ピーター・セラーズ Gen. Leo Fitzjohn
ダニー・ロビン Ghislaine (ヒッチコック「トパーズ」の主演女優)
マーガレット・レイトン Emily Fitzjohn
ジョン・フレイザー Lt. Robert Finch
シリル・キューザック Dr. Grogan

退役将軍レオは、かつての恋人ジレーヌと出会った。
17年前、二人は舞踏会の夜に出会った。
そのとき流れていたのが、「闘牛士のワルツ」である。

17年後、彼は彼女と再会して、興奮する。
ところが、妻が自殺騒ぎを起こしたり、軍隊の連中がやって来たりで、彼は思いを遂げられない。
彼女は彼と別れてパリへの列車に乗ると、フィンチ中尉に求愛される。

げらげら笑う作品ではないが、ピーター・セラーズがでっぷり腹が出た老将軍に扮して、ファンにはマストの作品。
シリル・キューザックが、老医師に扮して良い味を出している。
ダニー・ロビンは既におばさんだった。
マーガレット・レイトンはグレン・クローズみたいな顔をしてる。

2004.06.09

アナスタシア 1997 20cFox(米)

20世紀フォックスのアニメ作品。

監督ドン・ブルース / ゲイリー・ゴールドマン
製作ドン・ブルース / ゲイリー・ゴールドマン
脚本 スーザン・ゴーシエ / ノニ・ホワイト / ボブ・ツディカー / ブルース・グラハム
音楽デイヴィッド・ニューマン

イングリッド・バーグマンの名作をFOXがアニメ化。
ラスプーチンの呪いの部分のみが、アニメで付け加わった。

ライブアクションっぽい、人体の動きだった。
ディズニーのぱくりだろう。
顔はきついが、今風だな。
話が進むにつれ、親近感が湧いてくる。
声はメグ・ライアンジョン・キューザックがやっているが、日本の吹き替え声優で聞いた。
まあまあだ。

サン・フィアクル殺人事件 1959 フランス

ジャン・ギャバンメグレ警部もの。

監督 : ジャン・ドラノワ
製作 : クロード・オースール
原作 : ジョルジュ・シムノン
脚本 : ロドルフ・モーリス・アルロー / ミシェル・オーディアール / ジャン・ドラノワ
撮影 : ルイ・パージュ
音楽 : ジャン・プロドロミデス

ジャン・ギャバン(Maigret)
ヴァランティーヌ・テシエ(Madame_St._Fiacre)
ミシェル・オークレール(Maurice)
ロベール・イルシュ(Sabatier)
ポール・フランクール(Gautier)

メグレ警部の目の前で伯爵夫人が心臓麻痺で死ぬ。彼女は脅迫されており、殺人の可能性があった。まず息子の伯爵と、秘書が疑われる。しかしミサ教典の中から、息子の死亡記事が出てきた。それは誤報だったが、事情を知らない母親はこれを読んでショック死したのだ。犯人は神父だろうか?

意外な犯人だった。そんなことで人が死ぬかよと思うが、謎解きとしては、まあまあ。
しかし早くから神父を容疑者リストから除外したのは、事件を詰まらなくしている。フランスじゃ、教会を犯人扱いするのはルール違反なのだろう。

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD11039/index.html

太陽に灼かれて 1994 ロシア

スターリンの大粛清を描いた話。

監督 : ニキータ・ミハルコフ アカデミー賞外国語映画賞
製作 : ニキータ・ミハルコフ / ミシェル・セイドゥー
製作総指揮 : ジャン・ルイ・ピエル 他
脚本 : ニキータ・ミハルコフ / ルスタム・イブラギムベーコフ
撮影 : ヴィレン・カルータ
キャスト:
ニキータ・ミハルコフ(Serguei Petrovitch Kotov)
インゲボルガ・ダプコウナイテ(Maroussia Kotov)
オレグ・メシーコフ(Dimitri)
ナージャ・ミハルコフ(Nadia Kotov)


牧歌的に始まり、田舎の風景は共産圏らしくなかった。
田舎ではスターリンの恐怖政治の影響はまだ感じられなかったのだろう。
しかし悲劇的な結末に収斂していく。

ニキータ・ミハルコフ監督自身と娘のナージャを出演させて、自己満足風だが、何故かカンヌやオスカーでは巨匠の映画は人気があり、賞をもらっている。
ロシアの自由化のせいだろうか?

2004.06.08

突入せよ!あさま山荘事件(2002)東映

警察庁の御用映画なんて大したこと無いかと思っていたが、これが意外に面白かった。

監督 : 原田眞人
製作 : 佐藤雅夫 / 谷徳彦 / 熊坂光 / 椎名保
原作 : 佐々淳行
脚色 : 原田眞人

役所広司 (佐々淳行)
宇崎竜童 (宇田川信一)
伊武雅刀 (野間本部長)
串田和美 (丸山参事官)
山路和弘 (石川警視正)
矢島健一 (大久保第九機動隊長)
豊原功補 (内田第二機動隊長)
遊人 (後田巡査)
藤田まこと (後藤田長官)
天海祐希 (佐々幸子)
篠井英介 (兵頭参事官)


あさま山荘に赤軍派が侵入し、人質一名とって閉じこもった。
対してはじめは長野県警が主体になって動こうとする。
しかしやることなすこと、うまくいかず、警察庁長官後藤田は切れる。
以後、警察庁と警視庁は全権を掌握する。

膠着状態が続き、もう人質も限界だ。
佐々は鉄球を使った突入作戦を思いつく。
ついに本部長から作戦のマスコミ発表があった。翌日朝から突入開始だ。
当日突入するも、第二機動隊は隊長、副隊長が撃たれ、全く機能しなくなる。

民間人1人、警官2名が死んだあさま山荘事件の警察の側だけから見た話だ。
警察庁、長野県警、警視庁のセクショナリズムが面白かった。
自分は民間人だがそれでも、あるあるある、と言う感じだった。
盾を持って突っ込まされた機動隊員の気持ちも身につまされた。

俳優は色々面白い人を使っている。
串田和美山路和弘他、当時の学生運動と近い立場の舞台人。
この人たちを体制派に使ったことで、味がでてる。

原田眞人という監督、アメリカ帰りでプログラムピクチャーばかり撮る人だと思っていたが、それにしてもなかなかやってくれる。

マークスの山 1995 松竹

高村薫の直木賞受賞作。
原作と比べて、くどさはないが、映画の出来は???。
R指定
監督 : 崔洋一
製作 : 中川滋弘 / 宮下昌幸 / 大脇一寛
プロデューサー : 田沢連二
原作 : 高村薫
脚色 : 丸山昇一 / 崔洋一
配役:
中井貴一 (合田雄一郎)
萩原聖人 (水沢裕之)
名取裕子 (高木真知子)
小林稔侍 (林原雄三)
萩原流行 (須崎靖邦)
岸部一徳 (木原郁夫)

暴力団員が殺される。
凶器は鋭く尖ったものだが、何か不明。
続いて法務省の刑事部長が同じ凶器で殺される。
合田刑事は林原弁護士が恐喝を受けているのではないかと疑う。
彼は二人とつながりがあった。


さすがR指定だ。
のっけから萩原聖人と菅原のホモシーンだ。
シャブ中の女がヘア解禁を突破して性器あわやのシーンあり、
名取裕子もいい年なのに、脱ぎまくり。

しかし回想シーンの作りが甘い。
小林稔治の若い頃が豊原功補じゃあ、似てないよ。
ここが致命傷か?
現代に戻ってからの小林と萩原の殺し合いのシーンは迫力があった。

映画には合田と加納検事との特殊な関係は出てこない。
また水沢の二重性格ぶりがぼんやりとしか描かれていない。
これは殺人動機に繋がる重要な点なんだけどな。
見ていて何故殺さねばならないか、ぴんと来なかった。

模倣犯 2002 東宝

宮部みゆきの原作、このミス2002年度1位の小説だ。
しかしこの映画は酷い作品だった。
監督 : 森田芳光
プロデューサー : 本間英行
原作 : 宮部みゆき
脚色 : 森田芳光
撮影 : 北信康
音楽 : 大島ミチル
配役:
中居正広 (網川浩一(ピース))
山崎努 (有馬義男)
藤井隆 (高井和明)
津田寛治 (栗橋浩美)
木村佳乃 (前畑滋子)
寺脇康文 (前畑昭二)
伊東美咲(古川鞠子)


男があやまって女を殺してしまう。
友人のピースは木を隠すには森を作ればいい、と言う。
別荘に女性を片っ端から誘拐してきて、ライブ中継で殺す。
日本中は大騒ぎになる。
そして、最後の殺人中継の行われた晩、自動車事故で二人の容疑者と1人の被害者が死ぬ。

これで事件は終わったのか?いや終わってないという者があった。
二人の容疑者の同級生だった網川だ。
彼はテレビに出てきて、自説を展開し一躍テレビの寵児となる。

宮部みゆきの作品がもともと長い上に、映画化するには無理な素材だ。
失敗すべくして失敗した作品という感じがする。
どうしてもっと映画化の容易なものを選ばないのか。
真面目にやろうとするならば、R21指定付けなきゃ無理だ。
出演した伊東美咲も消したい過去になっただろう。

ただ津田寛治の演技だけ、印象に残った。


そして誰もいなくなった And There Were None 1945 20cFox

アガサ・クリスティーの名作ミステリ小説をルネ・クレールの名演出でお送りする。

僕はクラシック探偵映画なら、ハードボイルドであろうが犯人探しであろうが、何でも好きな人間である。
それにしてもこの映画は楽しかった!

演出が牧歌的なのだ。
当時の英米人監督なら、たとえばヒッチコックのようにスリルだサスペンスだとなる。
フランス人ルネ・クレールは妙に暖かな映画にしている。
凄まじい連続殺人事件が起きるというのに(笑)

鍵穴の両方から覗き合うなど隣室同士で互いに疑いあっている様は、大監督が撮っているとは思わせない。実にべたな手法だ(笑)
そういえば、「奥様は魔女」(1942、ルネ・クレール監督、フレデリック・マーチ、ヴェロニカ・レイク主演)もべただった。

最後では、原作と違う大どんでん返しが用意されている。
探偵小説としてこのエンディングはブーイングものだが、映画としてはこんなところだろう。
この流れで原作通りのエンディングというのは、かえって変だ。

しかし一番犯人ではないと思われる人間こそ真犯人だという、探偵映画の鉄則は守っている。

監督
ルネ・クレール(アメリカ時代の最後の作品)
脚本
ダドリー・ニコルズ
出演 
バリー・フィッツジェラルド(前年に「我が道を往く」でアカデミー助演男優賞。他に「裸の町」主演)
ウォルター・ヒューストン(1948年「黄金」でアカデミー助演男優賞。ジョン・ヒューストンの父、アンジェリカ・ヒューストンの祖父。)
ルイス・ヘイワード(のちにテレビで活躍。)
ジューン・デュプレ(「バグダッドの盗賊」1940年版のお姫様。白黒映画になるとイメージが変わる。)


2004.06.07

モスラ対ゴジラ 1964 東宝

もうすっかり大人になった、星由里子はやはり美人だ。
小美人(ザ・ピーナッツ)もお約束通り、登場。
モスラの母親を日本に連れてきてゴジラと戦わせる。

監督 : 本多猪四郎
製作 : 田中友幸
脚本 : 関沢新一 (後の大作詞家)
撮影 : 小泉一
特撮監督 : 円谷英二
音楽 : 伊福部昭
配役:
宝田明 (酒井市郎)
星由里子 (中西純子)
小泉博 (三浦博士)
藤木悠 (中村二郎)
田島義文(熊山)
小美人 (ザ・ピーナッツ)

謎の卵が海岸に漂着する。
漁民からこれを手に入れた興業主は見せ物にして一儲けを企む。
しかし卵の正体はモスラだった。
INFANT島の小美人が卵を返してくれと訴えるが、強欲な興業主は話を聞き入れない。
突然ゴジラが現れる。
モスラの親が日本にやってきて、ゴジラと戦うが、命尽きる。
しかし卵がふ化した。双子だった。モスラは連係プレーでゴジラを撃退する。

INFANT島の連中が日本相手に原爆実験のことを責めていた。
アメリカのしたことをどうして日本が怒られるのだ?わからん。

星由里子はもちろん綺麗だが、彼女の魅力を存分に楽しむには怪獣映画より若大将シリーズがよい。



銀座カンカン娘 1949 新東宝

監督 : 島耕二
製作 : 青柳信雄
脚本 : 中田晴康 / 山本嘉次郎
撮影 : 三村明
音楽 : 服部良一
配役:
灰田勝彦 (武助)
古今亭志ん生 (新笑)
浦辺粂子 (おだい)
笠置シヅ子 (お春)
高峰秀子(お秋)
服部早苗 (ヒヨ子)
岸井明 (白井哲夫)


秋子(高峰)と春子(笠置)は志ん生宅に居候している。
志ん生に立ち退き請求が掛かっていると聞き、白井(岸井明)と組み銀座で流しのバイトをする。
評判が良く、10万円ぐらいは数日でできた。
これで志ん生は、たちのかなくて済む。

武助(灰田勝彦)がリストラされてしょげて帰ってきた。
秋子と春子と白井は武助を入れて、再び流しに出る。
しかし銀座をなわばりにしているヤクザが襲いかかる。


新東宝ミュージカルである。
他社と比較すると、こなれていないが、そう言うB級なところが魅力的。

高峰秀子笠置シズ子の豪華組合せである。
銀座カンカン娘の歌詞は3番までかと思っていたが、4番もあった。

灰田勝彦のハワイアン風銀座カンカン娘もあり、笠置シズ子のジャングルブギーも凄い。
挙げ句の果てに古今亭志ん生の落語まで聞けちゃうっていうんだから、言うこと無えじゃねえか。
岸井明が歩くたびに家具が落ちるギャグはどこかで見たことがあるなあ。


ちなみに当時、高峰秀子は道ならぬ恋愛をしていたらしい。
演技の端々にも女らしさがかいま見える。
さらに彼女は笠置シズ子のショーにも熱を上げていて、滅多にのらない電車に乗って、
日劇まで彼女のショーを見に行ったそうだ。



人間 1962 近代映画

野上彌生子の原作小説「海神丸」を新藤兼人の監督脚本でお送りする。
武田泰淳の「ひかりごけ」と並び称せられる、海洋飢餓小説である。


殿山泰司乙羽信子佐藤慶、船頭山本圭の実質的四人芝居。
海上で遭難して30日、飢えと乾きで頭がおかしくなり、ついに殺人が起きる・・・
犯人たちは法の裁きを受ける前に神仏の裁きを受けるのだった。


船長の甥っ子山本圭は殆どデビュー作かな。
強烈な作品にあたった。
佐藤慶も出世作だ。
佐藤慶といい仲になる、未亡人の乙羽信子はまだ色気も残ってたと思うが、おばちゃん役を熱演。
船長の殿山泰司はいつもマイペースだ。

音楽は林光だ。
ミュートの聞いたトランペットで、ジャズ調になっている。
途中、金比羅様(観世栄男)が現れるシーンは、能楽が掛かっている。
同年の「しとやかな獣」(川島雄三監督)と関係があるのか?
(同映画では能楽をバックに浜田ゆう子がツイストを踊る場面が有名。脚本はやはり新藤兼人。)


すずかけの散歩道 (1959) 東宝

石坂洋次郎のNHK放送劇を堀川弘通が演出した。
1時間12分の短い作品だ。

司葉子が、えもいわれぬ美しさである。
彼女のキャリアの中でもピークではないかと思われる。
役柄もぴたりだ。
「青い山脈」の島崎雪子先生役でも司は主演しているが、この映画のようなキャリアウーマンがもっとも似合っている。

杉葉子青山京子津島恵子が彼女の引き立て役。
また、星由里子が子役で出演してるのも注目だ。
司葉子と星由里子って、我々にとっては同世代に見えるが、この映画を見るとはっきり世代差があることがわかる。

森雅之が司葉子の上司役で出演、ロマンスグレーの編集長役で、司とあぶない関係に落ちる。
笠智衆は松竹映画の同様に、義理の兄貴役だ。
賀原夏子が笠の妻、司の姉の役だが、好演。

しかし大勢つきあっていながら、どいつもこいつも寸止めになっちゃう。
誰もセックスをしないのだ。
今から考えると、異様に見える。
石坂洋次郎文学の限界かな。

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD26068/index.html

司葉子は「秋日和」より遙かに美しい。これだけは確かだ。

2004.06.06

風の中の牝鶏 1948 松竹

小津安二郎作品だが、妙にリアリズム志向で小津らしくない作品。
監督 : 小津安二郎
製作 : 久保光三
脚本 : 斎藤良輔 / 小津安二郎
撮影 : 厚田雄春
配役:
佐野周二 (夫、雨宮修一)
田中絹代 (妻、雨宮時子)
三宅邦子 (井田秋子)
笠智衆(佐竹)
村田知英子 (織江)

時子は子供の治療代ほしさに一夜の誤りを犯す。
やがて夫の修一が復員してくるが、秘密がばれて夫婦仲はしっくり来ない。
修一は時子が働きに出たという店に行った。
女が来た。身の上話を聞いた。金だけおいて、女を抱かずに店を出た。
二日ぶりに家に戻った。
しかしまた夫婦喧嘩である。
修一ともみ合ううち時子は階段から落ちてしまう。
時子が階段をヘイヘイの体で上がっていったとき、修一はもうあのことは忘れようと言った。

これも進駐軍のプログラムピクチャーなのかな?
男女同権時代の映画だ。

田中絹代が珍しく色っぽく見えた。
いつもはいいおばさん役ばかりなのに。

佐野周二は木下作品(「お嬢さん乾杯」)と違い、小津作品では良い役には恵まれたことはない。
この映画でも、しじゅう機嫌の悪そうな顔ばかりしている。

また三宅邦子が田中絹代の友人を演じている。
いつもの兄嫁姿(小津作品では兄嫁になることが多い。)と違い、別人のようだった。

村田知英子が悪魔のように主人公をそそのかす役で登場する。

現金に体を張れ 1955 アメリカ

巨匠スタンリー・キューブリックが監督・脚本でお送りするクライムストーリー。
「ジョニーギター」のスターリング・ヘイドン主演。
そしてあの人が登場。
監督 : Stanley Kubrick
製作 : James B. Harris
原作 : Lionel White
脚本 : Stanley Kubrick

Sterling Hayden (Johnny_Clay)
Coleen Gray (Fay)
Vince Edwards (Val_Cannon)
Jay C. Flippen (Marvin_Unger)
Marie Windsor (Sherry_Peatty)

ジョニーは競馬場の売上金強奪をねらっている。
仲間は4人、警官と競馬場関係者、資本を出してくれる金持ちだ。
さらにバーで暴れて騒ぎを起こしてくれる乱暴者と、ライフルで走ってる馬を射殺する狙撃手を雇う。

レースの最中に騒ぎを起こし、本命馬を撃ち殺し、売上が全額戻ってくるところをジョニーが頂くわけだ。
しかも金は一旦職員用ロッカーに保管して警官がモーテルに移す手はず。
それをジョニーが回収して、みんなに分配するのだ。

金の持ち出しまでうまくいった。
しかしジョニーは渋滞に巻き込まれてしまう。
そのころ待ち合わせ場所では、残りのメンバーが既に集合していた。
そこにギャングたちが襲う。
結局同士討ちになり、瀕死の重傷を負いながら馬券係だけが自宅にたどり着いた。
自宅にはギャングに計画を漏らした妻がいた。
馬券係は妻を撃ち自分も倒れる。

スターリング・ヘイドンは、「大砂塵」の怪演もさめやらぬうちに、今度はキューブリック作品だ。
体があるから主役は張れるが、典型的B級役者である。


キューブリック監督としても映画二作目で、お金のかかる人は使えない。
しかし脚本はしっかりしていた。
時間を重ねて登場人物の行動を追いかけてゆくシーンは、さすがにキューブリックだ。
ただし、カメラワークで目立ったところはなかった。

ビンセント・エドワード(「ベン・ケーシー」の主演)は最後に死んじゃう役だった。
名前は大きく出ていたが、少ししか見せ場はなかった。

春の目ざめ 1947 東宝

「青い山脈」同様、進駐軍が作らせた青春プログラムピクチャー(大量生産映画)の一つだろうが、一応これでも、巨匠成瀬巳喜男の作品。

セーラー服の久我美子が若い!
下ぶくれのポッチャリ顔で登場。
ほくろもさほど目立たず、可愛らしい。

村瀬幸子や志村喬、飯田蝶子らが脇を固める。
また近藤広が学生服で登場。
いつもはギャングの悪役でしか見てないので、青春スターしているとは意外だった。
(「青い山脈」の伊豆肇のようなものだ。)

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD26897/index.html

安宅家の人々 1952 大映

吉屋信子の原作を、水木洋子が脚色し、「警察日記」などの久松静児が演出した作品。
「百万ドルのえくぼ」だった頃の乙羽信子が大活躍。
三橋達也も金をせびる馬鹿息子の役を好演。
船越英二が白痴の領主を演ずる。
撮影は高橋通夫、音楽は古關裕而。

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD23428/index.html

派手なことは全くない映画。
一人で安宅家を切り盛りしている姉と、実の姉のように慕う弟嫁のお話だ。
田中絹代の主演作だが、いつものように堪え忍んでいるだけで、彼女だけでは見せ場に乏しい。
その点、乙羽信子は若く美しいが、既にただのアイドル女優ではなかった。
花はあったし、演技力もあった。
彼女に救われた。
最後の場面は、まだ弟が一悶着付ければ、そう簡単には解決しないと思われるのだが意外にあっさりと終わってしまう。
映画の構成(水木脚本)としては若干物足りなかった。


三橋達也は、十津川警部役や無国籍映画での活躍が思い出されるが、僕としては小悪党のイメージが強い。
「洲崎パラダイス赤信号」のようなだらしない男、つまり女の紐の役や「サラリーマン忠臣蔵」の女の腐った奴とかも印象深い。


2004.06.05

淑女は何を忘れたか 1937 松竹

監督 小津安二郎
脚本:伏見晁・ゼームス槇
出演
栗島すみ子
斎藤達雄
桑野通子
佐野周二
坂本武
飯田蝶子

親戚の家に遊びに来た浪花娘の騒動記。
色々すったかもんだか起こしても、最後は松竹映画らしく丸く収める。


浪花娘の役を桑野通子が演じている。
彼女の演技は生き生きしていて、全然嫌みがない。
全身華だらけ。
スターの貫禄を感じさせる。

長生きしていたら、松竹のトップ女優、
「高峰秀子」それ以上になっていなだろう。
実に惜しい人を亡くした。

娘(桑野みゆき)も親のよしみで何度か小津作品に出ている。
でも母親とは似てもにつかない感じだった。


宮廷料理人ヴァテール 2000 仏英

<スタッフ>
監督:ローランド・ジョフィ
脚本:ジャンヌ・ラブリュヌ
音楽:エンニオ・モリコーネ
製作総指揮:アラン・ゴールドマン

<キャスト>
フランソワ・ヴァテール:ジェラール・ドパルデュー
アンヌ・ド・モントージエ:ユマ・サーマン
ローザン候爵:ティム・ロス
コンデ大公:ジュリアン・グラヴァー


イギリスのお金が入っているので英語版だ。
フランスものなのだから、フランス語で吹き替えて欲しかった。
ティム・ロスの悪役はパターンになっちゃったな。
ユマ・サーマンは大して美人とは思わないのだが、どうして人気があるのだろう。
「キルビル」のおかげで、日本ではとくに凄い人気だけど。

料理映画ってのは、どの国にもあるものだが、美味しそうだと感じたことがない。

お嬢さん乾杯 1949 松竹

良い映画だ。
木下恵介監督、
新藤兼人脚本、
原節子主演。

佐野周二の名演が光る。
佐田啓二も若々しく、二人とも小津作品よりのってる。
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD27119/index.html

見たバージョンは、この解説と最後の場面で違う。
最後は駅へ急ぐ原節子佐田啓二が車で送っていくところで終わっていた。
どちらがディレクターズカットだろうか?

後のユニオン映画(テレビの制作会社)の原型のような映画。
お嬢様と成り上がり社長の恋の物語だ。
ホームドラマで佐野周二佐田啓二は光る。
シリアスな映画と違い、演技が生き生きしてる。

一方、原節子はこの映画の場合、非常に難しい役だ。
財産目当てに婚約して、表情を無理に作って、婚約者である佐野周二と接している。
それが最後に大どんでん返しになる。

新藤兼人のシナリオは今さらながらうまいなあと、あきれている。
原節子佐野周二が去って初めて本心に気づくあたりは絶品である。
それまではうじうじと過去の男のことを思い出して、佐野周二のことなど好きではない、お金のために結婚するのだと肩肘張っていた。
最後は泣けちゃう。

しかしその気づきの場面での原節子の演技に対する、木下監督の演出には納得いかなかった。
手を口元に持っていく演技だが、意味がわからなかった。
もっとも当時としては、また華族の人にはそれが自然だったのかもしれない。

村瀬幸子がバーのマダムで好演。
名前は知らないが、原の祖母役で出ていた人も良かった。
品の良い婆さんで罪の意識もないだが、口を開くたびに成り上がりの佐野周二の胸に突き刺さるような一言を言うのだ。
原の母親役・東山千栄子は意外と目立ってなかった。


ダンディー少佐 1964 コロンビア米

ペキンパー監督が予算オーバーのため、ハリウッドを5年ほど干された曰く付きの作品。

監督 : Sam Peckinpah
製作 : Jerry Bresler
原作 : Harry Julian Fink
脚本 : Harry Julian Fink / Oscar Saul / Sam Peckinpah
撮影 : Sam Leavitt
音楽 : Daniele Amfitheatrof
歌 : ミッチ・ミラー合唱団

Charlton Heston (Dundee)
Richard Harris (Tyreen)
Jim Hutton (Graham)
James Coburn (Potts)
Michael Anderson Jr. (Ryan)


南北戦争末期、北軍の中隊がアパッチに全滅させられる。
友人を失った、北軍のダンディー少佐は復讐を誓う。
少佐は南軍の捕虜を大量に抱えている。
南軍の将校はタイリン中尉で、かつてはダンディーと同じ士官学校で学んだが、南軍に身を投じていた。
彼らに恩赦を与える条件で、ダンディーはタイリンら南軍の兵士を連れて出発する。

アパッチは奇襲をかけて、ダンディーは戦力の3分の1を失う。
ダンディーは補給のため、何とメキシコ駐在のフランス軍を襲い、食料・武器を奪う。
今度はフランス軍がダンディー達を追う展開になってしまう。

最初は南北両軍力を合わせて、アパッチ狩りの話かと思いきや、途中からフランスとの戦いになる。

最初の1時間ほどは、南北両軍が呉越同舟して、とても面白かった。

しかし、お決まりのお色気シーンのあたりから、面白くなくなった。
このシーンは、プロデューサーの差し金かと思う。
この当たりから監督もやる気をなくしている。

予算を使うだけ使っておいて、最後は尻すぼみの感有り。

リチャード・ハリスが美味しい役だ。
南軍の将校だがチャールトン・ヘストンよりずっと格好良かった。

ジェームズ・コバーンは意外と見せ場が少なかった。
監督かプロデューサーのせいでカットされたんだろう。


2004.06.04

音楽 1972 ATG(日本)

三島由紀夫を映像化した増村保造作品。
東大法学部同級生コンビ(と言っても当時すでに三島はこの世にいなかった。)が送るカルト名作だ。


麗子は音楽が聞こえないと訴える。
精神科医師の汐見はこの患者に強い興味を持つ。
彼の治療を受ける過程で、麗子は「男性と交わっても感じない」と打ち明ける。

麗子は娘の頃、許嫁の男に犯されたのが原因ではないかと考えていた。
汐見医師は彼女に連想法を施す。
彼女の夢にはハサミが出てきた。
時には男性的な牛の耳として、時には女性の脚として。

彼女は江上という男とつきあっているが、やはり感じない。
旅に出た彼女は、通りすがりの不能の男をホテルに誘う。
彼女は相手が不能だと安心して感じるのだ。
しかしそれを見て男も、不能が直ってしまい、麗子を犯す。

麗子は疲れ果てて、再び汐見医師の元に向かう。
そして5年前の兄との異常な夜のことを語る。
兄の愛人が見ている前で、兄に犯されたのだ。
思わずハサミを握りしめたが、使えなかった。

汐見は麗子に兄の元へ行こうと誘う。
もう一度兄と会って呪縛を解いてもらうのだ。


強烈なブラザーコンプレックスの話。
音楽の話が本当かウソか、わからなかったが、不感症が精神的要因からくることはあり得る。
とくに最初の一発が強烈な場合は、ありそうな話だ。

黒沢のり子はこの当時は東宝所属だった。
見た目のように、実に濃い女優さんだ。
後に、にっかつで「人妻集団暴行致死事件」(1978) を撮った。

細川俊之は精神科医の役が嵌っていた。
モロボシダンこと森嗣浩司にとっては代表作。

しかし今時ハサミを夢に見るフロイト的患者はいるのだろうか。


goo:音楽

死者との結婚 1960 松竹

小山明子の魅力爆発の映画だ。
ウィリアム・アイリッシュの原作を田村孟高橋治が脚色し、
高橋治が監督した作品である。
時は松竹ヌーベルバーグ
出演者はクールな演技を見せる。
当時、小山明子は演技に開眼したと評判だったそうだ。

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD23058/


小山明子は男に捨てられ、身ごもった子どもと共に死のうと思っていた。
保科夫妻が彼女を励ましたが、事故でその二人がぽっくりと死んでしまう。
夫妻はアメリカで結婚したため、夫の両親(斉藤達雄東山千栄子)は妻の顔を知らない。

小山明子は妻になりすまして保科家に潜り込む。
次男の渡辺文雄は疑いを抱いて、探りを入れる。
彼女も罪の意識におののく。
しかし、やがて次男とも和解する。

ある日、高野真二が現れる。
彼こそは小山明子の過去を知る男だ。
高野は彼女を恐喝し、婚姻届に判子を押させる。
次に小山明子が彼のもとを訪れたとき、高野は死んでいた。
いったい誰が・・・

四国の話だが、もちろんヌーベルバーグだから標準語で会話をしている。
リアリズムとはほど遠い。
暗い日活映画という感じがしないでも無いが、とくに台詞の暗さが松竹ヌーベルバーグ独自の味わいだろう。

田村孟はさすがに日活の脚本家とは違う。
若い頃の作品は台詞を短くして、ぶっつり言い切ってしまう雰囲気が魅力だ。
(この後、日活にも移るんだけど。)

音楽は前田憲男。
当時としては格好いいジャズ調だ。

小山明子はすこぶる美人である。
オードリー・ヘップバーン(A型)スタイルの服を着こなし、実にイカしてる。
でも眉を高く描いているのか、まぶたが重そうだ。

渡辺文雄小山明子をひたすら待って耐える男の役。
でも最後はやっぱり振られる。
東大出のくせに情けない(笑)
いつもは悪代官など脇を固める高野真二が、珍しく被害者役を演じていた。

こんな良い映画なのにビデオが見あたらない。
原作はこちら。


2004.06.03

憎いあンちくしょう 1962 日活

日活の大傑作である。
浅丘ルリ子がこんなに綺麗だなんて知らなかった。

監督 : 蔵原惟繕
脚本 : 山田信夫
企画 : 水の江滝子
撮影 : 間宮義雄
音楽 : 黛敏郎
配役:
石原裕次郎(北大作)
浅丘ルリ子 (榊田典子)
芦川いづみ (井川美子)
小池朝雄 (小坂敏夫)
長門裕之 (一郎ちゃん)

「ヒューマニズムを理解できるドライバーを求む。」
こんな新聞広告が、テレビの人気者北大作の番組でとりあげられた。
依頼人の美子は医師の敏夫と二年も文通を続けているが、彼のもとへ中古車を届けて欲しいという。
敏夫は九州の片田舎に勤務していて、彼女とは二年も会ってない。

大作は意気に感じて「僕が運びます!」と宣言する。
彼は番組をすっぽかし、中古車を運転しはじめた。
驚いたマネージャー典子は、ジャガーで追った。

典子は馬鹿なことは辞めて、仕事に戻って欲しいと懇願する。
しかし大作の決心は変わらない。

典子は大作と愛し合っていた。
しかし典子は「ある瞬間」がくるまで、体を許さないという約束をかわしていた。

ジープは九州路へ。
山道で、雨の中ジャガーは谷底に転落するが、典子はあわやのところで大作に助けられる。

村で大作を待っていた敏夫はぎこちない表情だった。
やがて美子もテレビ局に連れられてやってきたが、ぎこちないのだ。

典子は二人に叫ぶ。
「そんなの愛じゃない。」
ついに大作と典子に、「ある瞬間」がやってきたのだ。

日活アクション全盛期に撮った珍しい青春もの。カルト的名作だ。
人気スターがスケジュールに追われる毎日から逃避し、ボロジープではるばる1500キロ。
道中は今なら高速を乗り継いで行くところだが、当時は砂利道もあり、酷かったようだ。
撮影時期が雨期と重なり、道悪の中、浅丘ルリ子も実際にジャガーを運転していた。
耐久車レースでも厳しい道行きだ。


典子は美しいが、なまじ仕事が出来るばかりに、大作との間はさめていった。
一緒にいるのに、触っちゃいけないだとか、キスしちゃダメとか、束縛が強すぎる。
それで大作は逃げ出した。
ほんとうの愛を知るために。

典子は当初テレビクルーを連れ、この道中記をドキュメンタリーにしようと考えたが、
テレビマンが途中で撤収しちゃって、失敗。
それでも追いかける典子。
やがて仕事を忘れて、純粋に大作を追いかけ始めた。


浅丘ルリ子はほんとうはきれいな人だ。
後のがりがりになった姿と全然違う。
前半は下着姿を二度も披露してセクシームードたっぷりだった。
しかし後半は涙涙、嗚咽の連続、そうまでして男についていく姿を熱演している。

そしてルリ子が叫んだ「そんなの愛じゃない。」には、感動した。鳥肌が立った。

2004.06.02

バグダッドの盗賊 1940 英

監督 : Ludwig Berger / Michael Powell
製作 : Alexander Korda
原作 : Lajos Biro
脚本 : Miles Maleson
撮影 : Georges Perinal

Conrad Veidt (Jaffar)
Sabu (Abu)
June Duprez (Princess)
John Justin (Ahmad)
Rex Ingram (Djinni)

バグダッド王アーマッドは宰相ジャファル(実は魔法使い)のたくらみで投獄される。
「バグダッドの盗賊」(アブウ少年)に助けられ南の港町バスラへ。
そこで彼は絶世の美女(と言う設定)と出会う。
アーマッド王はたちまちその姫と恋に落ちる。

そこにもジャファルが来て、嫌がる姫と婚約する。
しかもジャファルの魔法で王は盲目にされ、アブウは犬にされる。
姫は船で連れ出され、愛するアーマッド王の魔法を解くためジャファルに身を委ねる。
元に戻った王とアブウは姫を追うが、難破して、アブウだけ海岸に漂着した。

彼は巨人ジニーに出会い、千里眼が隠されているという寺へ。
見事千里眼を盗み出したアブウは、王を見つけることが出来た。
王は、巨人にのって宮殿にかけつけたが、捕えられる。
千里眼で見ていたアブウは、千里眼を岩に投げつけた。すると・・・

アラビアンナイトもの。
ダグラス・フェアバンクスの名作無声映画をリバイバルしたものらしい。

イギリスお得意の色彩映画。
ご存じパウエル・バーガーのコンビだ。
当時はどういう世代がこの映画を楽しんでいたのだろうか?
もうじきドイツからミサイルが飛んで来るというのに。

王様お姫様はイラク人という設定だが、もちろん俳優は白人。
サブウは名前からして印度系かな。
でもこの時期の英国映画は、なぜか発音に癖を感じない。

2003年12月31日(水)  No.84

2004.06.01

大いなる遺産 1997 20cFox

監督 : Alfonso Cuaron
製作 : Art Linson
原作 : Charles Dickens
脚本 : Mitch Glazer
撮影 : Emmanuel Lubezki
音楽 : Patrick Doyle

Ethan Hawke (Finnegan Bell)
Gwyneth Paltrow (Estella)
Hank Azaria (Walter Plane)
Anne Bancroft (Ms. Nora Diggers Dinsmoor)
Robert De Niro (Prisoner)

チャールズ・ディケンズの名作を翻案。

場所はフロリダ、脱獄犯と一時過ごしたことのあるフィン少年は金持ちのディンスモア未亡人に可愛がられるようになった。
彼女の美しい姪、エステラと会うのが楽しみだ。
やがて成長しエステラはパリへ留学し、フィンは貧しい漁師になった。
ところが数年後フィンは謎の支援者のおかげでNYへ向かった。
絵の個展を開くためだ。
彼には絵の才能があったのだ。
フィンはディンスモアがスポンサーに違いないと思う。

デビッド・リーン監督の作品より台詞はわかりやすい。
でも映画としてドラマチックな部分が欠けている。
もう少し暗い部分があった方が良いのではないか?
フロリダは明るすぎるぞ。

グウィネス・パルトロウはお色気があるかと思いながら、肝心なところでぼかす。ちょっと欲求不満。
イーサン・ホークは、いつもの「とっつあんぼうや」の役どころだ。
ロバート・デニーロもそういえば出てるなあ、という程度。
なぜか印象に残らない。
デニーロも最近(いや、いつものことか)芝居がワンパターンだ。

2003年12月31日(水)  No.85

« 2004年5月 | トップページ | 2004年7月 »