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2004年7月

2004.07.31

半落ち 2003 東映

半落ちは容疑者が完全ではないが自供をしている状態を言う。
こんな警察用語をタイトルに持ってくるだけで、胡散臭くて見る気はしなかった。

しかしDVDを家族が借りてきて、見なさいと言う。
思ってるほど酷い出来ではなかった。

介護問題がテーマだった。
後半は浅田次郎原作のような泣きの映画にすり替わっていた。


前半はあまり面白くなかった。
テレビの刑事ドラマの焼き直しのようで、刑事の柴田恭兵と言い、適材適所の配役だが、いかにもコテコテで浪花漫才のようだ。
少しは崩した配役を見たかった。

後半は裁判所のシーンになり、前半と大きく変わった。
まず、被害者原田美枝子の姉樹木希林の涙だった。
これで観客は泣く準備が出来たはずだ。

真打ちはもちろん被告寺尾聡である。
彼を検事伊原剛、弁護士國村準、裁判官吉岡秀隆という暑っくるしい三人が、寺尾の空白の二日間に迫る。

「骨髄移植で助かった子に会いに行っていたんだな。」と、立場の違う三人がそれぞれに尋ねて、何とか寺尾を減刑してやろうとする。
寺尾の答えはすべて「知らない。」であった。

やがて判決が下り寺尾は拘置所へ移送される。
寺尾が車窓のカーテンを開けると・・・

「結論」は二つに分裂している。
安楽死を認めない限り、これがひとつにまとまることはない。
しかし介護問題に関わる人たちの「感情」は、うまく一つの方向にまとめることができた。

殺す側になるのか、殺される側になるのか。将来どちらが先に壊れるのか。
夫婦とは、そこまで考えなければならないものなのだ。

結局(ややくさいけど)脚本は成功している。
監督・脚本の佐々部清は以前、日米合作のアルツハイマー映画「ユキエ」に関係していたから、こういうものは得意なのだろう。



それにしても國村準の嫁さんが高島礼子なのに、激しく違和感を感じたのは、私だけではあるまい。

2004.07.30

好人好日(1961) 松竹

日本では珍しい、数学者夫婦の愛をコミカルに描く作品。
(松竹風「ビューティフルマインド」)
松山善三が脚本を書いて、渋谷実が監督した。
前年に文化勲章を受けた岡潔がモデルかと思われる。


大仏様に話しかけるという、奇妙な癖を持つ岩下志麻は奈良市役所の同僚川津祐介と相思相愛の仲である。
まずは川津の姉乙羽信子が岩下の母淡島千景を訪ね、縁談をすすめることを確認した。
岩下の心配の種は父笠智衆である。
実は両親は実の親ではない。
それだけに父は娘と離れがたく思ってる。

一方、川津も世間体を大切にする祖母北林谷栄が、実の娘でないことで反対するのではないかと恐れている。
しかし二人とも一騒動あったが、最終的に結婚に賛成してくれる。

奈良の大学の数学教授である笠が文化勲章をもらうことになり、久しぶりに夫婦で上京した。
貧乏なので学生時代の下宿に泊まることにする。
授賞式は無事終わるが、その夜、泥棒の三木のり平が下宿に現れ、勲章を盗み出した。
おかげで笠夫妻は追いつめられていく。


カラー作品。
典型的松竹家庭喜劇である。
おそらく笠智衆をイメージして松山善三が書いた脚本だろう。

前半から岩下と川津が飛ばしてしまい、後半の三木のり平菅井一郎の絡みは、今ひとつ盛り上がりきらなかった。
後半はコミカルな芝居を避け、娘と両親のシリアスなお涙頂戴に持っていった方がまとまったのではないか?

岩下志麻は前年に映画デビューして、この年既に「あの波の果てまで」の主演になり、スターの座を射止めていた。
(1958年にNHK「バス通り裏」でデビュー。)
スマートでちょうどタレ目が一番可愛らしい時期だ。
岡田茉莉子小山明子有馬稲子も彼女の清新な魅力の前では吹っ飛んでしまった。
しかし彼女も松竹家庭劇の枠に押しつけられるのを嫌って、次第に真の女優として目ざめてゆく。

淡島千景もこの年は脂が乗りきっていた。
この映画では押さえた演技をしているが、そのときの方が彼女には存在感がある。
また自分の年齢より年上を演じたときが生き生きしている。
ただ、高峰三枝子(東京の女将役)を相手に笑ってる芝居は、何故か「この二人は仲が悪いんじゃないか」と思わせるものがあった(笑)


2004.07.29

三十六人の乗客 1957 東宝東京

有馬頼義の原作を井手雅人瀬川昌治の二人が脚色して、杉江敏男が演出した傑作。

警視庁のデカ小泉博淡路恵子と不倫旅行でスキーバスにのり草津へ向かう。
そこへ三人も射殺した強盗がバスに乗っていると、浦和署から密かに連絡が入る。
バスガイドの扇千景にだけ打ち明けて客の荷物を探ってもらうが、客の森川信塩沢ときは荷を勝手に覗いたとカンカンである。
「刑事が乗っている。」と大声で言いふらす多々良純や、重そうな鞄を抱える千秋実、早く車を出せとうるさく言う矢野宣、電話ボックスで小泉を見ていた中谷一郎、アベックでいちゃついている佐藤允など怪しい人物は何人かいる。
そもそも犯人はこのバスに乗っているのだろうか?

他に佐々木孝丸志村喬、堺左千夫、若山セツ子、天津敏、一ノ宮あつ子出演。

クレジットとあらすじ 

日本映画チャンネルでやたらと何度も放送される。
それだけ名作だと言うことだ。
前半の誰が犯人かわからないあたりもよかったが、
後半、犯人にばれないように、刑事のところまで伝言ゲームのように銃を回すシーンは、はらはらどきどきだった。

小泉博は元NHKのアナウンサーで映画界入りした。
名番組クイズグランプリの司会者でもあった。
この映画では愛人の前では優柔不断な男だが、刑事魂に火がつくと、誰にも止められなくなる役を好演している。
犯人と格闘し倒したあと、草津で妻若山セツ子が迎えに来てくれると、それまで肩を抱いていた淡路恵子には何も言わずあっさり別れてしまう。
でも淡路恵子とはまた寄りが戻ると思うな。

扇千景は客に虐められて泣いてばかりいるバスガイドだった。
目がくりっと大きくて、当時のあこがれの制服に身を包み、ほんとうに可愛らしい!
映画界入って三年ほど立ち、ようやく右も左もわかってきた頃だ。
撮影では案外ズケズケ言ってたんじゃないかな?
もう二年ほど働いて寿引退した。
しかしその後もテレビを中心に活躍を続け、昭和52年参議院初当選、2004年参議院議長に就任。
世渡りのうまい人だ。

当時はバンプ淡路恵子全盛で、良妻賢母型の若山セツ子じゃ敵わなかったようだ。
「野良犬」から数年で淡路も出世したものだ。
それと比べ若山は「青い山脈」以後、妹役が多く、そのうち主婦役が増えてきた。
前年、谷口千吉監督と離婚が成立し、元気がなかったようだ。

さらに佐藤允が若く、いい顔をしていた。
ビデオは出ていない。しかし文庫本が出ている。
三十六人の乗客光文社文庫

2004.07.28

愛は限りなく Dio Come Ti Amo(1966) イタリア

イタリアンポップス界の女王ジリオラ・チンクェッティが、演技に挑戦した作品である。
松田聖子映画というより、雪村いずみ映画という感じか?

筋は他愛もない。
水泳の選手としてスペインにやってきた、ジリオラはスペインの貴族を好きになった。
ナポリに戻ると、また公爵家に仕える庭師の娘としての日々が待っていた。
そこへスペイン貴族の彼が遊びに来たからまあ大変。
公爵が気を利かせて、彼女を自分の娘ということにしてくれたのだが。

若い頃のジリオラの美貌を初めて拝み、美声を聞いた。
顔はぽちゃっとして下ぶくれだった。
でも可愛らしい顔だった。スタイルもまずまず。
ただ歯並びが悪かった。

声の方はむちゃくちゃ若い。
今持ってるCDの声(年を取ってからの録音)と比べようもなかった。



2004.07.27

蜂の巣の子供たち(1948)東宝

「忘れられた巨匠」清水宏監督の戦後第一作。
全員素人で、しかも戦災孤児らを使って撮った。


下関駅で復員兵は戦災孤児たちと出会う。
浮浪児狩りを逃れた彼らは、身よりのない復員兵と同行して職を求め旅を続ける。
塩田や森林伐採に職を得た彼らは労働の喜びを感じていた。
しかしヨシ坊の体調が悪化する。
海を見れば治るはずだ、という言葉に仲間の子の一人がヨシ坊を背負って、山を登り海の見える頂に達するが・・・

クレジットとあらすじ


清水宏監督のトリビアは少し。
小津監督と同じ年生まれ(1903年生まれ)にも関わらず、生誕100年をごく一部で祝っただけの、「忘れられた巨匠」である。

若い頃からプログラムピクチャーを撮りまくっていたし、お金持ちだったので、戦後カラー映画の台頭と合わせて、60年代には映画から離れてしまった。
小津監督ほど人望はなかったが、清水監督も松竹にはじめは所属していたため、小津監督とは大の仲良しだった。
田中絹代の最初の夫である。


この映画の見所は、素人しかも現役戦災孤児を重用している点。
今でもアンゲロプーロス、キアロスタミ、チャン・イーモウ、ホウ・シャオシェンなど素人主体で撮る監督は多いが、清水監督はその先駆けだった。

子どもたちの台詞は完全な棒読みである。今どき学芸会でも見られない演技だ。
でもこの映画がセミドキュメンタリー形式を取ってるので、違和感は感じない。
テレビでよくある本人登場の再現ドラマのような感じだ。

さらに特筆すべきはキアロスタミに見られる、ロングショットを多用している。
長回しというほどではないのだが、ワンカメラで追えるところまで追っている。
復員兵が逃げた子どもたちを追って、畑のあぜ道を走ってるシーンを山の頂上から俯瞰で撮ってるところや、ヨシ坊を仲間が背負って山を登るシーンを隣の山から映している点が印象に残る。
でもクローズアップの切り替えも速く、そのときは度肝を抜かれる。
子供ってこういうときの演技は凄いなあ。
台詞を棒読みしていても、表情を決めなければならないところは決める。


子どもを動かすことが出来る監督が本当の巨匠だ。
その意味で清水監督は外国に紹介したら大喝采を浴びると思う。
これをわかってないのが日本人とは情けない。

蜂の巣の子供たち 

2004.07.26

泥の河 1981 木村プロ

宮本輝の原作(太宰治賞受賞)を
小栗康平が初めて演出した。
田村高廣、藤田弓子、加賀まりこ他出演。
キネ旬一位、日本アカデミー作品・監督賞、ブルーリボン作品賞、毎日映画作品賞、モスクワ映画祭銀賞。アカデミー賞外国映画部門ノミネート。


昭和31年、神武景気の頃。
うどん屋の一人息子信雄は9歳である。
ある日、橋で同じ年ごろの子どもと出会う。
キッちゃんというその子は母と姉と暮らす水上生活者だった・・・


おそらく梅雨時から天神さんまでの短い期間の物語だろう。
友達との出会いと別れ。誰でも心に引っかかるところのある話だ。


重森孝子の脚本のせいかもしれないが、小栗康平の演出も今見ると、いくつか疑問を感ずる。
(日本アカデミー監督賞にケチを付けるのも度胸がいる。)
過去の名監督と比べると、彼は子役の扱いがうまくなかったと思う。

モノクロ映画(西崎英雄撮影)だが、
モノクロにしたのは、昔っぽく撮りたかったからであろう。

しかし橋の様子は昭和31年のものではなかった。
最近の橋そのままだ。
従って、激しい違和感があった。
金を掛けられなかったから、橋のシーンだけ、田舎で撮り直すわけにはいかなかったのだろう。

その一方、出演陣は自主制作作品なのにバリバリに頑張っている。
彼らから実力を引き出す力を見ると、小栗康平監督もやはり巨匠の一人なのだろう。

大阪のローカル俳優さんたちも東京の大物との絡みに対して、存分に実力を発揮している。
とくに初音礼子には度肝を抜かれた。
最近下手くそな大阪弁を聞かされること(非大阪の関西人ほど、大阪弁が訛っている。)が多いが、
以前は大阪にもこういう生粋の役者さんがいたのだ。

田村高廣は年が行ってから息子に恵まれた甘い父親である。
しかし、天神祭の直前に蒸発したりして戦争に生き残ってしまった苦悩もあった。

加賀まりこが出てきたところで、この映画は少年の思い出(ファンタジー)だと気づいた。
あんな綺麗な水上生活者がいるわけがない(笑)
陸に上がってホステスでもして何不自由なく生活は出来るはずだ。
すべてが少年の主観で構成されていた。

NHKBSで見ているが、銀子チャンの風呂場のシーンの前に、父が子ときっちゃん相手に手品をしているシーンがある。
そこで既に風呂場のエコーがかかっていた。録音の問題だが何故だろう?

宮本輝は文章がうますぎる。
失業していた初期作品ですら綺麗な文章に感じる。
昔の貧乏私小説家と、豊かになり生活の不安もない今の万能作家の違いは大きい。
戦後派以降の作家は(一部の例外を除いて)生活感に乏しい。

後妻藤田弓子が病室の先妻八木昌子に詫びを入れるシーン。
しかし信雄の前では意地でもあんな事をやらないと思う。
私が信雄と同じ立場なので、母の気持ちはわかるつもりだ。


2004.07.25

真夜中のカーボーイ, 1969, USA

監督 ジョン・シュレジンジャー
脚本 W. ソルト
主演 ダスティン・ホフマン, ジョン・ヴォイト

ニューシネマの傑作だ。
でも、なぜ邦題が、「真夜中の”カー”ボーイ」なんだろう。

ジョン・ヴォイトはテキサスからNYに出てきて、男娼として一花あげようとしている。
足の悪いD.ホフマンは良いマネージャーを紹介すると言って、ヴォイトから金をせびる。
まんまとだまされたヴォイトだが、ホフマンはどん底の生活をしていて、彼を責められない。
やがて二人は奇妙な友情で結ばれていく。

サイケパーティに誘われたヴォイトに、美人客がつく。
ヴォイトもようやくNYで、足がかりをつかんだ。
しかしその頃には、ホフマンは病気でもう歩けなくなっていた。

ホフマンの悪い足と自分の足が重なる。
足の曲がり方がそっくりだ。

最後にフロリダへ旅立ち、その途中でホフマンは失禁した上、肺病で死ぬ。
哀れな死に方。

ニューシネマの頂点だったかもしれない。
アカデミー作品賞、監督賞、脚本賞獲得。


地上より永遠に 1953 米国

監督 フレッド・ジンネマン
出演 バート・ランカスター モンゴメリー・クリフト フランク・シナトラ デボラ・カー ドナ・リード アーネスト・ボーグナイン

パールハーバーもので、軍隊の腐敗を描く。

ワードン曹長(ランカスター)はハワイに駐留中。
上司の妻(デボラ・カー)との不倫に苦しんでいる。
ブリュイット上等兵(クリフト)はその上司らに虐められるも、酒場の女ロリン(ドナ・リード)と部屋を借り、ささやかな幸せに浸っている。
彼の親友マジオ(シナトラ)が軍曹(ボーグナイン)に虐待され死んだことで、ブリュイットの復讐心に火がつく。
彼の理解者ワードンにも押さえられるものではなかった。
時に1941年12月、日米開戦前夜である。

アカデミー賞8部門独占だが、何故取ったのかわからない。
アメリカ人はパールハーバーものが好きだ。

ランカスターとカーが愛し合うようになるシーケンスも、あっけなくてよくわからない。
リードも、酒場女は似合わない。

ボクシングシーンのクリフトも、ロングショットが変だ。
こういう映画が賞を取ったこと自体が、アメリカの体質を表している。

2003春LD鑑賞


マルコムX 1992 USA

監督 スパイク・リー
出演 デンゼル・ワシントン、アンジェラ・バセット スパイク・リー

3時間20分もの長い映画だが、最後まで楽しめた。
でも少し前半が冗長かな。

学校で図抜けた成績だったのに、コックにしかなれなかったリトル(ワシントン)はやがてヤクザの道に入ってしまう。
刑務所に入ったリトルはそこでイライジャ・ムハマドの教えに出会い、出所後、入信する。
名はマルコムと改めた。
そこでも弁舌の巧みさでマスコミの注目を集めるが、教団のねたみを買い、独立を余儀なくされる。
イスラムの聖地メッカを訪問した彼は、反白人主義から、協調路線に転換した。

夜中、黒づくめで同士と共に行進するシーンが、もっとも美しい。

デンゼル・ワシントンはマルコムX本人に似ていた。
無理に似せる必要はなかったんじゃないか。

歴史的には、マルコムの一生がよくわかった。
「路傍の石」とよく似た出だしだったが、その後はドラマチック。
最後は協調路線を目指したが、過激派に暗殺される。

ばりばりのメジャー映画なので、スパイク・リーの演出はいつものインディーズ・タッチとは、全く違う。
違和感があった。


千と千尋の神隠し、2001、日本

監督 宮崎駿
声優 柊瑠美 (荻野千尋)入野自由 (ハク)夏木マリ (湯婆婆、銭婆)菅原文太 (釜爺)


相当年上の子どもじゃないと、この話は難しい。
10歳以下の子では泣いてしまうだろう。
それにしても、宮崎駿監督の世界観はよくわかった(笑)


蛙たちが、神様に奉仕する世界の話。
魔女が温泉宿を開いており、異形のものたちは、そこで何らかの仕事をさせてもらわないと、食べられてしまう。
父母を豚にされた千尋も、この世界に紛れ込んで、この温泉宿で働くことに。
そして、いろんな事件を通して、一つずつ解決して、大人になっていく。

DVDで赤みがかる問題があったが、病院のテレビは緑にチューニングしてるのか(笑)
気にはならなかった。
もののけ姫と比べるとテーマはやや軽い。しかしエンターテイメント性は向上している。

2002年秋入院中にDVDで鑑賞。

東京マリーゴールド、2001、日本

味の素ほんだし30周年記念。
CFの裏にこんなドラマがあった!

名匠市川準監督。
田中麗奈、小澤征悦主演のちょっと悲しいメロドラマ。


田中麗奈が合コンで知り合ったエリートの小沢には、恋人がいる。
彼女は一年の約束で留学に行ってしまった。
麗奈はその間、彼とつきあうことにした。
しかし期限が近づくにつれて、麗奈は次第に心のバランスを失っていき、やがて修羅場を迎える。

田中麗奈は、薄化粧でラブシーンにも挑戦した。
ずいぶん大人の役だが、違和感はほとんど無い。
彼女のさみしさ、虚しさがよく出ていた。

相手の小澤征悦(指揮者小沢征爾の息子)もいい味を出してる。
仕事には熱心だが、女に対してだらしない風は、いまどきのありがちな男だ。
母役の樹木希林も、CFと同じ役だが、存在感があった。

タイトルは、マリーゴールド=一年草、一年しか花をさかせない花の意。

2002年秋入院中にDVD鑑賞。

はつ恋、2000、日本

監督 篠原哲雄
主演 田中麗奈原田美枝子、平田満、真田広之


母(原田)が病気に倒れた。
サトカ(田中)は、母と初恋の人(真田)を会わせて、元気づけようとする。
その初恋のひとは、失業中の身。
何とか体裁を整えようとサトカは尽力するが、父にバレてしまう、、、

コメディ風だが、実は悲しいお話。
主人公は母の人生に触れ、一つ大人になる。

田中麗奈を見たかったのだが、何より綺麗な映像だったし、母役の原田美枝子はやっぱり凄い。

2002夏入院中DVDで鑑賞

ロックユー、2001,米

監督 : ブライアン・ヘルゲランド
脚本 : ブライアン・ヘルゲランド
出演 ヒース・レジャー(William)ルーファス・スェール(Count Adhemar)シャニン・ソサモン(Jocelyn)ポール・ベタニー(Chaucer)ローラ・フレイザー(Kate)

中世の騎士もの。
平民の子が身分を隠して、馬上槍試合のトーナメントで、各地の予選を勝ちあがる。
しかし、ロンドンの世界選手権で、ライバルに身分を暴露されてしまい、死刑を宣告される。

BGMがロックであり、今風の時代劇だ。のりがいい。
「カンタベリー物語」のジョフリー・チョーサーとかエドワード黒太子など、世界史で聞いた名前も出てくる。
「グラディエイター」よりはるかに明るい。

手作り感覚もあって、新しい時代のポップ時代劇か?
本当の題名は「騎士物語 A knight's tale」 
これをクイーンの「ロックユー」と名付けたのは日本側の企画の勝利だ。

ヒース・レジャーはこれからさぞ活躍するかと思ったが、意外に作品に恵まれていないようだ。

2002年夏入院中DVD鑑賞

ヒース・レジャーは、のちに「ブロークバック・マウンテン」(2006年アカデミー監督賞)に主演した。
これからというとき、2008年薬物中毒で急死した。

山の郵便配達 2000 中国

出演: トン・ルゥジュン, リィウ・イェ
監督: フォ・ジェンチイ

中国は、山間部に住む少数民族のために郵便配達を行っているが、いまだに道も通っていないため、徒歩で運ぶ。
息子は引退する父の跡を継ぎ、郵便配達員になった。
初仕事の日、父は息子に引継ぎがてら、担当の各地を連れて行く。
息子は初めての旅や、初めて出会う人々に驚くことばかり。そして次第に、父の仕事への思い、家族に対する思いを知るのだ。

1999年に中国アカデミー賞最優秀作品賞・主演男優賞を受賞した。
じんわりと、いい作品だ。ほろっと来るね。
風景もド田舎ばかりで、実に美しい。

2002夏入院中dvd鑑賞

ベティ・サイズモア、1999、米

監督ニール・ラビュート
主演レニー・ゼルウィガー、モーガン・フリーマン

夫を殺されたショックで、テレビ俳優の演じる役柄が自分の恋人だと信じる女と、盗まれた麻薬を探す殺し屋の、とんまな追いかけっこを描く。

殺人シーンは残酷だが、他はげらげら笑える。
モーガン・フリーマンのコメディな演技も珍しい。
レニー・ゼルウィガーの演技力からすると、物足りなく感じた。

2002夏入院中鑑賞


デンジャラス・ビューティー、2000、米

監督:ドナルド・ペトリー
主演:サンドラ・ブロックマイケル・ケインキャンディス・バーゲン 、ベンジャミン・ブラット

ミスコンテストに、FBI捜査官サンドラ・ブロックが、潜入捜査する。
しかもミスコン出場者に化けるため、マイケル・ケインのエステで大変身を遂げる。
しかし、ドジは変らず、爆笑につぐ爆笑。
でもそんな姿がかえって審査員には好評で、どんどん勝ち進むことになる。

内容はないが、笑えるのだ。
DVDの値段は安いし、コストパフォーマンスは高い。

2002夏入院中DVD鑑賞

ショコラ、2000、米

監督: ラッセ・ハルストレム
主演:ジュリエット・ビノシュ、レナ・オリン、ジョニー・デンチ、レスリー・キャロン、キャリー・アン・モス、ジョニー・デップ

旅から旅の女チョコレート職人がフランスのある村へやって来る。
村の人々とトラブルをおこしながらも、徐々に村人の中に溶け込み、そのチョコレートとともに、愛されるまでの、ファンタジー童話。

ラッセ・ハルストロムはアメリカに移ってから、次第に大作を撮るようになって、スウェーデン時代の味わいがなくなってきたと思っていた。
しかし、この映画は、思ったより面白かった。

ただし、閉鎖的なフランスのカトリックを、プロテスタントの連中が笑いものにしている感は否めない。

2002夏入院中DVD鑑賞

恋は嵐のように、1999,米

監督:ブロンウェン・ヒューズ
主演:サンドラ・ブロック、ベン・アフレック

自分の結婚式に向う男と、別れた息子に会いに行く母親。
妙なことから、同行することになった二人。
始めは、いがみ合っていた二人だが、やがて彼は、彼女の奔放さに惹かれてしまう。

最後の結婚式場でどういう結末が用意されているか、お楽しみ。
どんでん返しがある。

しかし、彼の最終判断も、なんとなくわかるような気がするな。
僕も看護婦などにうつつを抜かしてはいけないのだ(^^;

2002夏入院中DVD鑑賞

アメリ 2001 仏

出演: オドレイ・トトゥ, マチュー・カソヴィッツ
監督: ジャン=ピエール・ジュネ

友達と遊んだことが無かった娘が、人とのつながりの大切さに気づき、やがて彼氏が出来るまで。

というと、感動編のようだが、実はくすくす笑いたくなるような、覗き見的な作品。
単館ロードショーされていて、いつ行っても満員だったが、みんなが楽しめる作品じゃない。
好きな人は絶対すきになる。
テンポはかなり良い。友人はサントラも買っていた。

それより、主役のオドレイ・トトゥが、美人なのには驚いた。

2002夏、入院中DVD鑑賞

あの子を探して、中国、1999

チャン・イーモウ監督得意の学校モノ。

田舎の小学校教師の老母が危篤のため、急遽代用教員に採用された13歳(笑)の娘ウェイ。
子供達は年の差の無いウェイをなめてしまい、授業にならない。
ウェイもはじめから先生などやる気はない。
ところが子供の一人が都会へ出稼ぎに行ったきり、行方不明になる。
そこから、知人のない大都会での、ウエイの子供探しの旅が始まる。

この作品は子供中心であり、演出家の本領発揮だ。
小津監督にしろ、演出のうまい人は子どもの扱いもうまい。

泣ける作品の筈だったが、子供の演技が非常に面白かった。

2002夏DVD鑑賞

2001年宇宙の旅 1968 MGM

ウルトラマンジャミラを思い出した。
ウルトラマンとほぼ同時に製作され始めている。
上映はSFXの完成を待ったため、1968年である。

監督 スタンリー・キューブリック
脚本 アーサー・C・クラーク、スタンリー・キューブリック
出演 ケア・ダレー 
ゲーリー・ロックウッド 
ウィリアム・シルベスター
アカデミー賞特殊視覚効果賞獲得。

ニューシネマを先取りしたような、カルト作品である。

三つのモノリスの話だ。
最初のそれは原始時代、類人猿が見つける。
ついで2001年、月面で第二のモノリスが見つかる。
これは木星から強烈な電波照射を受けている。
人類は木星にこの謎を解く鍵があると思い、ディスカバリー号でボウマン艦長たちを向かわせる。
しかしディスカバリーの搭載コンピューターHALに異変が生じた。

学生時代当時、人工知能のブームだった。
この映画のリバイバルブームが起きた頃、情報科学専攻の友人たちが「HALこそが未来のコンピューターだ」と、やかましかったのを思い出す。


原作で、(ボーマンが変身した)スターチャイルドは、地球を取り囲んでいた核ミサイル衛星を破壊する。
映画は、キューブリックが意識的に謎めいた作り方(説明を最小にする)をしたおかげで、わかりにくくなった。
映画の結末は原作の結末と実は同じだ。

でもそれからあとは、どうなるのか?
あの格好のまま、地上に降りるのか(笑)
そしてジャミラになるのか。

この映画自体は当時のドラッグ・サイケ文化にも影響を受けている。
また監督は、(神としての)宇宙人の存在を信じていたようだ。
キューブリックは筋金入りの無神論者だった。
無神論者にとっての神とは、宇宙人をさすそうだ。



オクラホマ! 1955 20cFox

監督 フレッド・ジンネマン
出演 ゴードン・マクレー シャーリー・ジョーンズ エディ・アルバート ロッド・スタイガー シャーロット・グリーンウッド グロリア・グラハム

ロジャース+ハマースタインのミュージカルを、名匠ジンネマンが演出。
55年のアカデミー・ミュージカル映画音楽賞を獲得。

カーリー(ゴードン・マクレー)とローリー(シャーリー・ジョーンズ)は心の奥では相思相愛なのだが、会うといつも喧嘩ばかり。
今日は祭りというのにローリーの機嫌が悪い。
とうとうジャッド(ロッド・スタイガー)と一緒に出かけると言い出した。
しかし、ジャッドには誰にも告げていない過去があった。
前の農場で火を付けて逃げていたのだ。

この映画は、牧童と農民の争いというエピソードを交えて、ややサスペンス風味に味付けされている。
出来は同じ20世紀フォックス作品「回転木馬」より一枚上だ。

シャーリー・ジョーンズのデビュー作である。
二作目の「回転木馬」ほどは、あか抜けていなかった。
でもそれが、また可愛らしい。

ロッド・スタイガーの歌のシーンは意外だった。

しかしグロリア・グラハムという女優が、収穫だった。

ベニスに死す 1971 イタリア

監督 ルキノ・ビスコンティ
出演 ダーク・ボガード、ビヨルン・アンドルセン、シルバーノ・マンガーノ

マーラーに模した老作曲家が、ベニスで少年愛に走りそうになる話。
若く綺麗な少年に比べ、老いさらばえた作曲家は醜く、思いを伝えることもなく、死んでいく。

それまでノーマルだった彼が死を目前にしてゲイに走ったが、男ってそういうものなのか?
男を40年以上やってるが、知らなかった(笑)

ビスコンティにとっては、マーラーの美しい音楽が少年愛に通ずるものとして聞こえたのだろうか?
交響曲5番は耽美的に演奏すれば、そう聞こえなくもない。
また交響曲4番の葬送行進曲のような、死をイメージするところがゲイに重なるのかな。
芸術家ってのは、美しいものには、何でも手を出したがるってことか。

トーマス・マンの原作では、主人公は作曲家ではなく、老小説家だった。

●2003/02/05 Wed  

裁かれるジャンヌ 1928 フランス

監督 カール・ドライヤー
出演 ルイーズ・ファルコネッティ

ジャンヌ・ダルクの最後の一日を描く。
彼女が法廷での司法取引を断り、死刑を選んだのは何故か?

映像面、ことにクローズアップの多用で映画史に残る。
でも今から考えるとクローズアップを使いすぎているのではないか(笑)

米国の無声映画(この年からアカデミー賞が始まり、「つばさ」が作品賞、「第七天国」が監督賞、主演女優賞、脚色賞を獲得している。)と比べると、ストーリーは物足りない。

●2003/02/06 Thu  LDで観賞。

ワイルドバンチ(1969) Warner

映画「ダンディー少佐」でハリウッドを干された、サム・ペキンパー監督が久々にメガホンを取った作品。
相変わらずペキンパー節は健在である。
同じ西部劇でも、ジョン・フォード節のファンには耐えられないだろう。

既にニューシネマ時代に入っているので、ペキンパー監督としてもド派手な殺戮・暴力シーンは取りやすかったのだろう。
ただ、アメリカでは評価は高くなかったようだ。

主役はウィリアム・ホールデン(Pike)、
その相棒アーネスト・ボーグナイン(Dutch)、
仲間Warren Oates ウォーレン・オーツ(Lyle_Gorch)、
仲間その2Ben Johnson ベン・ジョンソン(Tector_Gerch)
ホールデンを狙う賞金稼ぎ ロバート・ライアン(Thornton)、
最後に笑う爺 エドモンド・オブライエン(Sykes)。

そして例によって数多くの人が死ぬ。殆ど皆殺しだ。

ウォーレン・オーツが格好良かった。
はじめはチンピラ役かなと思わせて、好色で、頭も悪くなく、次第に存在感が大きくなっていく。
「ガルシアの首」では主演も張っている。

ベン・ジョンソンは少し頭が足りない役だ。
ファンには、ちょっともの足りなかったかも。
「ラストショー」でオスカーを取る二年前だ。

エドモンド・オブライエンも「裸足の伯爵夫人」でアカデミー助演男優賞を得ている。

男優には金を掛ける。
この辺がマカロニウェスタンと違う。


七人の侍(1954) 東宝


黒沢明時代劇の最高傑作。
村の人々と七人の侍の交流を描く前半と、野武士との死闘を描く後半に別れていて、
村人がどんどん強くなり立派な戦力になる過程を描いた作品である。
ジョン・スタージェス監督のハリウッド映画「荒野の七人」のオリジナルである。

クレジットとあらすじ

作品については何を今さらであろう。
これほど教科書的な映画もない。

ここでは津島恵子に注目する。
男の格好をして男の目を欺いているが、木村功の目だけはだませなかった。
やがて愛し合うようになるのだが、津島恵子ときに30歳である。
若い頃のやさしく涼しげな目元ではなく、情熱的なメイクだった。
まるで和泉雅子のようだった。
木村功より年上の役だろうな。
ラストでは木村のことを尻に敷く未来が見えている。
彼女のイメージチェンジにはぴったりの役だ。

島崎雪子もちょい役(土屋嘉男の女房役)で出てきた。
だが、黒澤監督が女優をちゃんと扱わない点は嫌いだ。


2004.07.23

女の中にいる他人(1966)東宝

小林桂樹は美しい妻新珠三千代と母長岡輝子
幼い息子と娘に囲まれ郊外の一軒家を持って、何不自由ない生活。
しかし裏では親友三橋達也の妻若林映子とのSMプレイを楽しんでいる顔もあった。

その若林映子が殺された。
三橋達也草笛光子から妻が小林桂樹と一緒に歩いていたことを聞かされ、疑惑を抱く。
停電の晩、小林は新珠に浮気をしていたが、殺人事件とは関係がないと告げる。
新珠は浮気のことは許すから、もうあの話は忘れてと言う。

しかし小林の体調はすぐれず、転地療養に出る。
療養最後の日、新珠を呼んだ彼はすべてを告白する。
実は彼が犯人だったのだ。
新珠は子どもたちのためにも隠し通してくれ、と言う。

その後小林は三橋の家を訪れ、すべてを打ち明ける。
三橋は驚いたが、子どもたちのために黙っていろ、と言ってくれる。
しかし良心の呵責は日に日に大きくなり・・・

クレジットとあらすじ

小林桂樹新珠三千代といえば、岡本喜八監督「江分利満氏の優雅な生活」コンビだが、
この映画は成瀬巳喜男監督のサスペンスもの。

モノクロ映画だが、ちょっとしたサスペンスシーンで白黒は生きただろう。
しかしビデオ録画では白が浮いていた。

林光の音楽もクライマックスが現代音楽風でまずまず。
原作はエドワード・アタイヤの「細い線」、井出俊郎が脚色している。

しかしどうして新珠三千代が嫁さんなのに、浮気しなければならないのだろう?
清楚で愛おしくて、俺だったら絶対に浮気はしないぞ。
どうしてこんなに可愛い嫁さんがいて、他の女を抱けようか?


2004.07.22

黒の試走車(1962) 大映

大映の「黒」シリーズ第一弾。
梶山季之の原作を増村保造が映画化。
のちの「黒」シリーズは川崎敬三や宇津井健が主演したこともあったが、やはり「黒」のシリーズといえば、田宮二郎かな。

しかしこの作品では真の主演は高松英郎だと思う。
高松が付け狙い最後に倒す強敵が、関東軍上がりの菅井一郎だ。
田宮二郎は二人の死闘の傍観者に過ぎないと思う。


タイガー自動車は、路上で試走を行うが、車は横転し炎上する。
しかもタイガー自動車の企画部長高松英郎はライバル・大和自動車にその情報をスパイされていることを知る。

逆に高松は大和自動車の新車情報をスパイしようと企てる。
しかし大和自動車にはベテラン企画本部長菅井一郎がおり、一筋縄で情報を取れない。
仕事の鬼であった、企画部員田宮二郎は恋人叶順子を菅井に抱かせて、彼が入浴している最中に新車の価格情報を盗み出させる。
しかし田宮は自分のやってることに次第に疑問を抱きはじめた。

タイガーの新車はついに発売され、好調な売れ行きだ。
そこへ業界紙の上田吉次郎がとんでもない情報を持って飛び込んできた…


他に出演は船越英二

クレジットとあらすじ

関東軍特務機関上がりのベテラン菅井一郎に、おそらく終戦時下士官ぐらいの高松英郎がスパイ合戦を挑み、最終的に決定的勝利を収める。
高松英郎が業界でもナンバー1のスパイになったわけだ。
多分出征しなかった田宮二郎はそんな汚い産業スパイの世界が嫌になったのだろう。


昔の会社がバイタリティを持っていた時代の話だ。
モーレツ社員、会社人間、今から考えるとすべてが遠い昔話だ。
でもこういう時代はあったのだ。
元軍人が企業戦士として戦っていた時代。
彼らは完全に企業に帰属していた。
これが高度成長時代なのだ。

そんな高度成長時代も団塊の世代が幅を利かせ始めて、いつの間にか終焉を迎える。
この映画のような形で会社に帰属している連中なんて絶滅して久しい。

昔のモーレツ社員が企画部員の名で産業スパイをしてたことは想像に難くない。
軍隊的な要素は、どの会社にもあった。
大きな産業スパイ事件も有名コンピュータ会社がIBM相手にやって以来、聞かなくなった。

一方70年代以降、公害トラブルのもみ消しなど、企業とアングラ業界との癒着がすすみ、企業舎弟がはびこっている。
他社の情報が欲しい場合、社員を動かすより、企業舎弟にスパイのアウトソーシングした方が効率が良いのではないか。

今では総務関係部員がそういう企業舎弟の窓口代わりになっている。
こんなことをやるためにこの会社に入ったわけではないぞ!と言いながら、毎日嫌な仕事を押しつけられているのだろう。


叶順子ちゃんはいつもながら暗い女をやらせたら、大映じゃ右に出るものはいない。
魅力的だ。
顔じゃなくて、全身から醸し出す雰囲気が魅力的。
松竹の炎加世子と比べて良いかわからないが、炎加世子は何かしでかすかわからない魅力だ。
しかし叶順子はアンニュイなんだな。
言われない限り自分から動こうとしない。それも魅力。



トラ・トラ・トラ!(1970)20世紀フォックス

「トラ・トラ・トラ!」を見直してみると、攻撃シーンは案外30年後の「パールハーバー」そのまんまだな。
この10年前の「地上より永遠に」でも変わらない。
そして外交交渉シーンはルーズベルトの陰謀説寄りだ。
昨今の情報公開によって、ますますその考え方がアメリカで力を持っている。
この映画は、このような太平洋戦争観によって作られた。

しかし日本人からすればこういった歴史観は歪んでいる。
日本軍は真珠湾を攻撃して、その次はどうするつもりだったのか?
その次は?そしてその次は?
1年で休戦、講和へと進むつもりなら、何故そのような道のりを選択しなかったのか?
戦術ばかり考えて戦略が全然見えないのが日本人の悪癖である。
状況判断が出来ない民族なのだ。


役者はオールスター映画なので細切れで登場し、誰が誰の役かわからなくなる。
マーティン・バルサムジェイスン・ロバーヅのコンビは「大統領の陰謀」の新聞社編集長・副編集長のコンビだったのではないかな。
まあ、この映画もルーズベルト大統領の陰謀といえなくもない。

他にエドワード・アンドリューズリチャード・アンダーソンジョセフ・コットンなども出ていた。
オールスター戦争映画にしては俳優に力が入ってないなと思った。


それと引き替え、日本の俳優陣は凄い。
山村聡(山本五十六)三橋達也(源田実)田村高広(渕田中佐)東野英治郎(南雲忠一中将)島田正吾(野村駐米大使)千田是也(近衛前首相)内田朝男(東条首相)。
しかし彼らが何に動かされているのか、アメリカ人にはわかっただろうか?
また現代の日本人にもわかっただろうか?

日本のシーケンスははじめは黒澤明が演出することになっていたので、脚本にも手を入れている。
しかし黒沢は降板して、舛田利雄深作欣二に引き継いだ。
日活・東映連合軍になったのだ。
しかしトーンは東映だな。



2004.07.19

真昼の暗黒 1956 独立映画

昭和31年度キネマ旬報グランプリ作品。
巨匠今井正と脚本家橋本忍の黄金コンビが、
実際にあった冤罪事件(八海事件 やかいじけん)を取りあげた問題作。
既存の映画会社では取れないのでインディーズを利用した。

☆ネタバレ注意

松山照夫は老夫婦を強殺し、警察でも自白した。
警察は単独犯ではないとの見込みから、草薙幸二郎矢野宣、他二名も逮捕して、
拷問を加え、自白を強要し、共同正犯として起訴する。

下級審は松山だけ無期懲役、他の四人は死刑の判決が下った。
早速弁護側、検察ともに控訴した。

高裁では緻密な証拠調べが行われ、当地の駐在がアリバイの証人になる事がわかった。
その駐在下元勉は証言を二転三転させ、最後は「警察へ提出した上申書に間違いございません。」と偽証するのだった。
草薙幸二郎の内縁の妻・左幸子もその晩一緒にいたことを証言したが、取りあげられなかった。
左幸子は結局、草薙と別れて他の男と結婚する。

内藤武敏弁護士には検察の矛盾を突けば、この裁判は勝てると思った。
犯罪時間が余りに短すぎるのである。
全員が被害者宅へ走りながら、押し込みの相談をしている。
なたでめった打ちにしたことになっている、主犯草薙の衣類に血痕が全くなかった。
盗んだ金銭の配分が全くナンセンスで、松山が全体の半分を取ったことになる。

しかし菅井一郎内藤武敏弁護士の努力の甲斐なく、高裁でも有罪判決が出た。
草薙と母飯田蝶子は面会するが、何も言えない。
母はいたたまれず、出てゆく。
その後ろ姿を追って、「まだ最高裁判所がある。」と草薙は叫ぶ。

クレジットとあらすじ

八海事件

まだ事件が終ってない時点で、映画にした意味はよくわかる。
今井正としては、この裁判が馬鹿馬鹿しかったんだ。
警察が得点稼ぎで犯人の数を水増していることは誰の目にも明らかである。
世間に訴えて、警察や検察の横暴を明らかにするつもりだったのだ。


原作者であり弁護士でもある正木ひろしは戦前からのやり手弁護士。
地裁の判決が馬鹿馬鹿しかったので、この本を出した。
それに対して裁判官も反論の書を上梓する騒ぎになり、検察もメンツを潰され後には引けなくなった。

最高裁は差し戻し判決、高裁では無罪判決、最高裁で再び差し戻し判決、再度高裁で有罪判決。
そして最高裁で無罪判決がようやく出た。
その間、警察と検察のメンツのためだけに証人を呼んで、偽証罪で起訴したりしている。

実際に判決が確定し四人が自由の身になったのは昭和43年である。
映画から12年もかかっている。

どうして映画を作って、なおこれほどまで長い時間がかかってしまったのか?
当然、無能な警察の見込み捜査を黙認して、まともな捜査を行わなかった検察に第一の責任がある。
証拠が自白以外にない裁判なんか今どき維持できるわけがない。
しかし昔はそれを意地でも維持した。
昔の裁判とは、かようにいい加減なものだった。

また弁護士正木ひろしのやり方も問題があった。
検察上層部を刺激して必要以上に抵抗を受けた。
(残された母親たちは心労も大きかったと思う。)

でもさすが今井正橋本忍だ。
こんな猟奇的犯罪映画でも、笑える場面をいくつも用意している。
そして誰もが無罪を信じていたとき、判事は有罪と判決を下す。
一転して場面は深刻になる。
これぞ映画だという作りだ。


俳優では松山照夫が印象的だった。
罪もない仲間を売ることで自分の死刑を免れる。
人に罪を被せて平気でいる。
裁判中は死んだような目、精気のない目で虚空を眺めている。
松山照夫渾身の演技だと思う。
(この人は、今では時代劇の悪役専門だ。)

被告の母親役の北林谷栄飯田蝶子夏川静代も良かった。
草薙幸二郎の主演作は初めて見た。
名バイプレーヤー矢野宣もこれがデビュー作。

日本の裁判制度がいかにいい加減だったか、しっかり覚えておかなければならない。
また警察は都合の悪いことを隠すことも忘れてはならない。



2004.07.18

青春の殺人者 1976 ATG

たった二本の映画で日本映画史に名を残す長谷川和彦監督作品。
田村孟が久々に脚本を書いている。
1969年、千葉県市原市で起きた事件を中上健二が小説にしたものを長谷川が映画化した。

当時の千葉県は成田空港問題があり、高校生らの学生運動が盛んだった。
そういった一人、水谷豊は卒業後も、職を持たずブラブラしている。
父親内田良平は自分の土地にスナックを建てしばらくの間、息子にやらせる。
軌道に乗ったら、息子を追い出して自分でやる気だ。

しかし息子は近所の片耳が聞こえない女原田美枝子を連れ込んで、楽しくやってる。
父親は息子を自宅に呼び戻し女と別れろと諭すが、喧嘩になる。
気がつくと息子は父親を刺し殺していた。
市原悦子はその様を見て動転し、分けのわからないことを言っていたが、ついに無理心中を覚悟して、息子に刃を向ける。
格闘の末、再び立ち上がったのは息子だった。

両親の死体は風呂場に隠し、スナックへ戻った。
店は客で盛り上がっていたが、全員追い返し、憂さ晴らしに女を抱こうとする。
そのとき、高校時代の旧友(江藤潤、桃井かおり、地井武男)が店にやってきた。
結婚式の打ち合わせをする約束だったのだ・・・

2時間フルバージョンのデラックス版と聞いていたが、オリジナルをカットした部分もいくつかあったようだ。
それにしても市原悦子が刺し殺されるシーンは、本当に痛そうだったなあ。
よほど急所をつかないと刺殺も悲惨だ。


「太陽を盗んだ男」と比較してこの映画が違う点は、最初にすべての原因を明らかにしてしまうこと。
母親市原悦子の態度を通して、息子水谷豊がいかに甘ったれた子どもであったかが、わかる。

両親は子どもを手元から離さない。
母親はひたすら甘やかし、父親は息子に与えては、また取り戻す。
それに対して、息子の感情は今にも爆発しそうだった。
そして「あのとき」破裂したのだ。


しかし、映画が終わってからの余韻を感じなかった。

太陽を盗んだ男」の場合、
まさか沢田研二が生き残るとは思わなかったため、
終わってからの虚脱感は酷いものだった。
警察に逮捕されるか、死ぬか、いずれにせよそういう形で終わるだろうと思っていたら、
最後に「父親」を象徴する菅原文太を殺してしまい沢田は生き残るのだから、
見ていて無間地獄へ堕ちたかのように救いがなかった。


印象に残った役者は、脱ぎっぷりが良かった原田美枝子である。
まだデビュー間なしで台詞も棒読みだったが、そんなことどうでも良くなる胸の形だった。

ゴダイゴのデビュー盤のプロモーションと提携している。
これが絶妙だった。
まだ西遊記のポップス路線でなく、遅れてきたポップロック、フラワージェネレーション、プログレと言おうか、独特のサウンドがマッチしていた。


2004.07.17

忘れえぬ慕情 1956 松竹

ジャン・マレー(ファントム危機一髪、美女と野獣)を挟んでダニエル・ダリュー岸恵子が見せる女の対決。
その岸恵子と、この作品が縁で結婚するイヴ・シャンピ監督作品。
当時やたらとフランス・日本合作の映画が撮られた、その中の一本である。

はじめは、よくある「日本を勘違いしている映画」かと思った。
しかしなかなかどうして、最後の災害シーンのスペクタクルまでしっかり見せる映画だった。


ジャン・マレーは三菱造船長崎(現在の三菱重工業長崎)の雇われ技師。
フランスから二年の契約で来ている。
彼は山村聡の紹介で呉服屋を営む岸恵子と逢い、愛し合うようになった。
しかしダニエル・ダリューがパリから長崎にやってくる。
彼女は作家で、しかも昔のマレーの恋人だった。


岸恵子ファンはジャン・マレーが相手役と知り、安心してこの映画の製作を心待ちにしたことだろう。
何しろジャン・マレージャン・コクトーの恋人だったから、女に手は出すまいと思っていたのだ。
それがよりによって監督のイヴ・シャンピに口説かれているとは、皮肉なものだ。

イヴ・シャンピはもともと医者でインテリだ。
同僚はノーベル賞を取った。
その上、本人はレジスタンスの英雄である。
これでは日本男子も敵わない。
しかしイヴ・シャンピは寡作家であり、他の作品は見たことがない。
1975年に二人は離婚している。

---ネタバレ---


当時新婚の松山善三が全体の構成と日本語の台詞を考え、
イヴ・シャンピ監督がフランス語の台詞を補ったと思われる。
しかし若干、構成にご都合主義のところが見られた。
ダニエル・ダリューが台風が来ているのに、造船所へ遊びに行くシーンだ。
そしてジャン・マレーを街へ引っ張り出し、○○○が死ぬシーンに間に合わせる。
ちょっと都合が良すぎると思った。

イヴ・シャンピは最後の台風シーンを本物以上に描いている。
フランスには台風はない。
また長崎でも、家が次から次へと倒壊する台風は滅多にないはずだ。
あるいは戦災で仮住居だったため、壊れやすかったかも知れない。
ゴジラの逆襲のように家をなぎ倒していたが、それが見る側の緊張感を高めた。

そして翌日台風一過で晴れ上がった中を人々は町の再建のために立ち上がる。
原爆でやられようと、台風でやられようと、長崎人は負けない。と言うところでほろりと来る。


カルトな場面はダニエル・ダリューが着物を着て和髪のカツラをかぶり、日本舞踊を舞うシーンだ。
あの「赤と黒」のフランスの大女優がこんなことをやるとは思わなかった。

ダニエル・ダリュー岸恵子の衝突場面では、
ダリューは8分ぐらいの力しか出しておらず、岸は120%出しているにも関わらず、
ダリューの3馬身差し切り勝ちという感じ。
彼女はもう若くはなかったのだが(当時39歳)重厚さで圧倒する。
さらに10年後「ロシュフォールの恋人たち」でその衰えぬ美貌にあっと言わされ、さらにそれから40年近くたった2002年、「8人の女たち」で、ベルリン映画祭銀熊賞を取っている。
現在、世界でもっとも美しい90歳ではないだろうか?


ゲルト・フレーベが日本に永住するフランス語教師役で出演している。
和服姿で日本屋敷に住む。
彼こそはのちに、007「ゴールドフィンガー」でタイトルロールを演じた悪漢である。
しかもドイツ人である。どうして彼がフランス語教師なのか?
彼の妻をもと宝塚スター浅茅しのぶが演じている。
他に若い日の野添ひとみ岸恵子の妹役で出演。


邦題は「慕情」Love is a many splendored thing.に因んだものだろう。
東洋の恋人と死に別れる話だからだ。
しかし仏題は「Typhon Sur Nagasaki」
長崎の台風とは何と色気のないことか(笑)

この時代のカラー映画にありがちだが、保存状態が良くない。
録音も悪い。
しかしこれ以上は悪くしてもらいたくない。
残しておく値打ちのある映画だ。

波止場 1954 米コロムビア

エリア・カザン監督作品。
脚本はバッド・シュールバーグ。


マーロン・ブランドはボクサーだった。今は波止場のヤクザリー・J・コッブのやっかいになっている。

ヤクザは沖仲士の給料の上前をはねている。
そのことを警察に訴えられるのをおそれ、若い沖仲仕ジョーイを暗殺する。
神父カール・マルデンが立ち上がり、ジョーイの遺志を継ごうとする。
しかし結局、神父も暗殺される。

マーロン・ブランドは女子大生エヴァー・マリー・セイントと恋仲になる。
彼女はジョーイの妹だった。
ブランドは彼女から証言を求められ悩む。
ブランドの兄ロッド・スタイガーも殺され、ついに意を決してブランドは法廷に立つ。

この作品はバリバリの社会主義映画だ。
共和党のアイゼンハワー大統領時代への反動であった。

沖仲士は自治組織を持たず、ヤクザ組織であっても、ないよりあった方がマシと考えていた。
しかしラストでマーロン・ブランドが体力を振り絞って倉庫まで歩いて戻ったとき、ヤクザではない新しい組織の誕生を感じた。
労働組合だ。

日本でも港湾はヤクザ組織が牛耳っていたが、その部分も次第に小さくなった。
労働組合のおかげで、賃金が高水準にとどまり港湾競争力は低下している。
自分で自分の首を絞めているようだ。


エバー・マリー・セイントはこの作品のように若い頃が魅力的だと思う。
「北北西に進路を取れ」のころは、ベテラン女優で貫録が出てきたが、初々しさはなかった。

マーロン・ブランドは先頃亡くなったが、晩年は何を言ってるかわからない映画が多い。
若さ溢れる、この映画の台詞は聞き取りやすかった。

アカデミー主演男優賞(マーロン・ブランド)、助演女優賞(エバー・マリー・セイント)、監督賞、作品賞ほか合計8部門独占である。



2004.07.16

けんかえれじい(1966) 日活

昭和初期の旧制中学を舞台に喧嘩に明け暮れる青春を描いた。
高橋英樹浅野順子主演。
新藤兼人が脚本を書いている。


高橋英樹は岡山二中で配属将校佐野浅夫の逆鱗に触れてしまい、先輩川津祐介、愛しの浅野順子とも離れて、ただ一人で会津若松の喜多方中学に転校する。

しかし今度は会津中学の白虎隊から付け狙われる。
決闘の場は会津鶴ヶ城。
多勢に無勢で高橋英樹ら喜多方中学有志は囚われの身になるが・・・

クレジットとあらすじ

鈴木清順監督の天才ぶりを遺憾なく発揮した初期傑作。
昭和40年代に入っても未だ白黒映画である。
録音が非常に聞きにくかったが、編集は大変面白かった。
ヨーロッパ映画を見ているようだった。
日本ではまだこういう大胆なカット割りは少なかったと思う。

鈴木清順と今村昌平は同じ日活で監督デビューもあまり変わらない。
今村はすでに評価は高く、この年小沢昭一主演で「エロ事師たち」を取っている。
ドキュメンタリータッチでねばっとした作風が今村の持ち味。
カンヌ映画祭でも二度グランプリを獲得している。
それと比べて、鈴木は一年四本ぐらいのペースでプログラムピクチャーを10年ほど取っていた。
でもその作品群の評価は非常に高い。
そして清純美学を結晶させたような「ツィゴイネルワイゼン」を撮り、日本アカデミー賞に輝く。

鈴木はこのように泉鏡花的世界へ入っていったが、外人にはわかりにくかったのではないか。
一方、今村の湿度感覚は独特だ。
これをヨーロッパ人は日本的と感じたのだろう。


浅野順子はgooによるとこの作品しか映画出演はないようだ。
クレジットにクラウン所属とあったから、歌手なのかな。
と思ったら、何とアイドル歌手で現大橋巨泉夫人だとさ。
テレビドラマDBでも二作品しかない。
好みのタイプではなかったが、結構印象に残った。
大橋巨泉の嫁さんになるぐらいだから、ただ者ではあるまい。

また高橋英樹の父親役恩田清二郎がよかった。
理想的な父親だ。
戦前から映画には出ていたが、テレビに出たため、一時期映画界を離れていた。
この映画が最後の作品であり、テレビもこの年以来出演はない。

2004.07.15

リアリティ・バイツ 1993 米国

ウィノナ・ライダーイーサン・ホークが主演。
イーサンの恋敵を演じた才人ベン・スティーラーが初めて監督もやった。
ダニー・デビートが製作の一員に加わっている。


有名大学を卒業した仲間四人は、社会人になってからも仲がよい。
その中の一人イーサンは天才だったが、職を転々として落ち着かない。
ウィノナもテレビ局に勤めるが、豊かな才能があだになって、首になる。

ウィノナがテレビマン・ベンとつきあいはじめた。
ウィノナもイーサンの事が気になっていたが、大人のベンに頼りがいを感じる。

しかしウィノナの映像作品をベンの仲間がズタズタに編集したことから、ウィノナはイーサンに抱かれる。
お互いの思いが通じた初めての夜だった。

翌朝、ウィノナが目が覚めると、イーサンは身支度してこそこそと出ていくところだ。
二人の関係はもうこれきりなのか?
彼女は彼のライブに出かけるのだが、そこへ彼の父が危篤という連絡が入る。

題は「現実は厳しい」という意味。
90年代のジェネレーションXを取りあげている。
日本で言えば80年代の新人類だろう。

しかしこの映画はジェネレーションXに限らない、永遠の青春ドラマだ。
お互いに心の内で憎からず思っているのに、結ばれない。
それがひょんなきっかけから、結ばれるが、その後も素直になりきれず、なかなか前に進まない。

この映画を過大評価した時代もあったが、今見ると、新鮮だとは思えない。
時代設定が古くなったのではない。
見ている自分が古くなったのだ。


現実逃避のとっちゃん坊やイーサン・ホークは、最後に大人になる覚悟が出来たのか?
スーツ姿で出てきたときは、真面目に生きる気かなと思ったが、ラストではまた自分らしいラフなスタイルに戻っている。
この調子では、この二人はいずれ別れるだろう。
青春の輝きはいつか終わるものだ。

イーサン・ホークは妻夫木聡と同様に、いつまでも学生役が似合う俳優だ。
でもいずれ年を取って、それが弱点になる。

他にジャニーヌ・ギャロファロ(Vickie Miner役)、スティーヴ・ザーン(Sammy Gray役)が好演。

2004.07.12

ブラック・レイン 1989 パラマウント

劇場版ビデオを見るのは初めてである。
バブルの頂点にあったとき、日本のヤクザが海外進出を始めていた。
それにちなんで、こういう映画も作られたのだ。

あの頃はアメリカの不動産を買い漁る日本に対して、アメリカ人が敵意向きだしにしていた時代。
古き良き時代じゃないかなあ(笑)

お話はNYPDのマイケル・ダグラスがヤクザの松田優作を日本に強制送還中に脱走され、大阪府警高倉健と協力して、頭の固い警察の制止を振り切り、松田優作を再び逮捕するまで。

松田優作の演技が、何とも言えず悲しかった
般若のイメージかなあ。あんな顔を作って演技する人じゃなかったのに。
リドリー・スコット監督は酷いことをするよ。
台詞を聞いていても、まるで頭は悪そうな役だった。
組の偽札の原盤を盗んで、引き替えに俺にハワイの島をくれ、という。
設定に重みがない。

もし癌がわかっていたのならば、静かな余韻を残す芝居を見せて欲しかった。
リドリー・スコットにしてみれば、松田優作は東洋人俳優であり、ブルースも歌えて、器用な存在だということで、カリカチュアライズした役どころにしたんだろう。

相手役がマイケル・ダグラスアンディ・ガルシアだから辛抱したんだ。
あるいは切れるだけの体力も既になかったのかも知れない。

アンデイ・ガルシア高倉健がデュエットする場面では、松田優作も飛び入りで歌って欲しかった。

若山富三郎の英語の台詞は吹き替えだったな。
高倉健だけが、健さんらしい役どころを与えられていた。
ケイト・キャップショーってインディージョーンズに出ていたおばさんだ。

ロケ地は大阪で、しかも俺のいた東部地区ではなく西部地区や南港あたりの、繁栄の裏側にあるものを重点的に選んでいる。
小野みゆきがホステスの格好のまま、商店街に入っていく姿は、今では異様なのだが、バブル当時は果してどうだったのか?
鉄工所(コンビナート?)へもたやすく移動してしまい違和感を感じた。
また最後の親分衆の密会の場所が段々畑である。
これが日本かあ?中国じゃねえのか、と思ってしまった。
田んぼで「七人の侍」のパロディやるぐらいの智慧はなかったか?

リドリー・スコット「ブレイドランナー」「グラディエイター」などの作品で知られ独特の色彩感覚を持つ演出家だ。
ただ、日本人には通じにくい。
香港人にはぴったりだろう。


題名は「黒い雨」、井伏鱒二の名作と同じである。
若山富三郎が被災者だったわけだ。
しかしこの題は日本人には面白くない。


2004.07.07

恋の野球拳 こういう具合にしやしゃんせ(1955)大映

主演は船越英二と当時新人の穂高のり子だが、
船越の父親役・潮万太郎の熱演に注目だ。
実際、野球拳のシーンだとか野球の試合だとか、一生懸命やってるのが素人目にわかるのだ。
四十過ぎても決して手を抜いていない。
喜劇には本質的に向いていないと思うのだが。大映の脇役に欠かせない人である。

社長役の岡村文子のキャラも気に入った。
顔は大阪のおばさん役者に多いタイプだが、それに加えて品がある。

川崎敬三とくっつく芸者役の伏見和子だが、かなりの美人だし、格からすると穂高のり子の役をやるべきだと思う。
何故かこの映画では新人に主役を譲り、自分は脇役に収まっている。

穂高のり子の主演作は他に見たことがない。
ブスではないんだが、花のないタイプかも知れない。
でも犯人の妻役なんかぴたりだと思う。

主題歌「恋の野球拳」は楠トシエ
オリジナルは大正13年に作られた。
のちに昭和28年全国的にヒットし、この映画の製作に結び付いている。
昭和44年、コント55号の「裏番組をブッ飛ばせ!」でリバイバルしたのはご存じの通り。

http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD24383/index.html

2004.07.06

娘の願ひは唯一つ 1939 東宝

高峰秀子は先生に薦められ、女学校を受験する。
しかし父渡辺篤と母清川虹子の貧乏所帯では学費を出せそうにない。
だから受験に失敗してくれと神仏に祈る始末。
しかし娘は堂々一番で合格する。
親の心痛を知って、秀子は辞退しようとする。
一方、受験発表から戻らない高峰秀子を父母は探し回る。

監督はプログラムピクチャーが得意な斉藤寅次郎
脚本は小国英雄

高峰秀子は子役だから、主役はあくまで渡辺篤だった。
コメディアンとしては当時光っていた。

また清川虹子と隣の主婦沢村貞子のやりとりが面白い。
そう考えると高峰秀子の見せ場は少なかった。

JMDB

ジュニア 1994 米国

「ツインズ」のスタッフ・キャストが再集結。

監督アイヴァン・ライトマン(「ツインズ」)
脚本 ケヴィン・ウェイド / クリス・コンラッド
出演
アーノルド・シュワルツネッガー
エマ・トンプソン
ダニー・デビート
フランク・ランジェラ
パメラ・リード

シュワルツネッガーのコメディはたいがい見ているが、何故かこの作品は見落としていた。

男が出産するというSFだ。
コメディのはずなんだが、出産シーンに妙に感動してしまう。
いつか男も女と同じように出産する時代は必ず来るだろう。そう確信する。
禁断の果実を食べたような気がする映画だ。


エマ・トンプソンは(アカデミー脚本賞を取っている)才人だが、コメディは下手みたいだった。


2004.07.02

おもひでぽろぽろ 1991 東宝

ジブリ映画。
今話題になっている今井美樹と柳葉敏郎が主演、高畑勲が演出。


人生の壁を感じたOLが、夏休みに田舎の親戚をたずねる。
そこで出会ったトシオと親しくなる。
彼女には、五年生の時の思い出がトラウマのように襲いかかってくる。
トシオはそんな彼女の良き理解者となった。
やがて二人の縁談話が持ち上がる。

昔のことばかり思い出している女って、俺と気が合いそうだ。
お友達で十分だけど。

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