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2004.08.06

天国と地獄 1963 東宝

2003/10/11(Sat) 22:20
製作   田中友幸 菊島隆三
監督   黒澤明
脚本   小国英雄 菊島隆三 久板栄二郎 黒澤明
原作   エド・マクベイン 「キングの身代金」
撮影   中井朝一 斎藤孝雄
音楽   佐藤勝

配役 :   
権藤金吾   三船敏郎
戸倉警部   仲代達矢
権藤の妻伶子   香川京子
権藤の秘書河西   三橋達也
捜査本部長   志村喬
竹内   山崎努

会社の乗っ取りを画策する重役権藤の元に、誘拐犯から電話が掛かる。
彼の一粒種の子供を誘拐したという。
しかしそれは人違いで、運転手の子供だった。
権藤は大事な金を他人の子供のために使えないと、ごねる。

しかし最後は断腸の思いで会社のことを諦め、金を出すことにした。
金を詰める鞄に細工をする段になって、権藤は昔取った杵柄で腕をふるう。
この金を誘拐犯に渡せば、再び職人時代に逆戻りだった。

特急電車に乗り込んだ権藤に誘拐犯から連絡が入る。
「鉄橋の袂で、子供を見せるから、金の入った鞄を車外に捨てろ。」
身代金は持ち去られたが、子供は無事帰ってきた。
警察は何とか犯人の写真と8ミリを撮った。

いまや時の人になった権藤だが、一方、債権者に追われる毎日でもあった。
警察では捜査会議が行われている。
犯人への手がかりがわずかながら集まり始めていた。

子供は、自分が誘拐されていた場所が江ノ電沿いだと気づく。
しかしそこには二人の男女の死体が。
 
焼却所から美しいピンクの煙が出てきた。
警察が例の鞄に仕込んだトリックだった。主犯が動き出した。

三船は下手だと言った人がいるが、下手じゃなきゃ、こんな凄い芝居はできない。
泣かせるところはいっぱいあった。

仲代達也は巧いが、見せ場としては可もなく不可もなく。
デビュー作の山崎努は下手じゃないけど、巧くもない。
少なくとも現代とは違う、若い芝居だ。

この映画での捜査会議の絵が好きだ。
色々な映画で捜査会議は取り上げられているが、「天国と地獄」のそれは中でも秀逸である。


戦後、貧しいだけの日本から脱却し、貧富の差が現れた。
高台の家に対する平民の複雑な感情。
クーラーのある家、ない家の差も大きい。

しかし医者なら頭使って、金儲けすれば良かったのに。
医者が大きなリスクを背負い、こういう犯罪を犯す感覚がわからない。
まあ要するに気違いだったのだろうな。

昭和38年頃の横浜の風俗として、ヘロイン窟があったんだなあ。
何か19世紀末、シャーロック・ホームズのロンドンみたいだ。

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コメント

この映画の最大の失敗は、特急運転席から撮影するところで、なぜ捜査側は「高速度撮影」つまりスローモーションで撮影しなかったのかと疑問と不満を述べたい。そうする事によって更に状況(風景は無論、被疑者状況、逃亡用車両の状況)が良く分かるはずだ。少々フィルム撮影の経験者(私でさえ)なら考える手法で珍しい技法ではないのに。つまり白鳥が水面から飛び立つ際にスローで撮れば水滴から何から何までディテールが良く分かる、あれと同じだ。巨匠も弘法の筆の誤りあるんだな。

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