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2007年4月

2007.04.30

足袋 松本清張 新潮CD

山崎務の朗読。

謡の女師匠と弟子の会社員が、深い仲になる。
それは、他の弟子や会社員の妻の知るところになって・・・

後期の作品なので、切れ味が薄い。
山崎の朗読は「愛犬」と比較すると、だいぶん安定している。
しかし好きな人とそうでない人が分かれる読み方だ。

GOLDEN☆BEST/ステージ101 ヤング青春の日々

ヤング101は、NHKの番組「ステージ101」(1970から1974)のコーラスチーム。
その二枚組ベスト盤だ。
「シングアウト」も二曲収録されている。

ヤング101には当時、田中星児や、太田裕美が在籍していた。
彼らは日本初の「ソフトロック」専門グループである。
ソフトロックと言っても人によって定義が違う。
僕はアメリカの「フィフスディメンジョン」から、日本のいずみたくシンガーズ、スクールメイツ(キャンディーズが在籍)へと繋がるコーラスグループをそうだと思っている。
これもズバリ、ソフトロックである。
もっともアメリカのソフトロックのコーラスは各個人の能力の高さで聴かせている。
日本の場合、みんなで力を合わせて、まとまっていく点が違うと思う。

彼らについては、Hotwax刊の「歌謡曲名曲名盤ガイド70」に詳しく載っている。

テーマソング「ヤッポン」は、懐かしい。
一枚目はオリジナル曲中心。
2枚目はカバー曲中心。
最後は、太田裕美のソロを並べている。
この手の音が好きな人には、堪えられない。
ちなみに僕は山田美也子のファンだった。



家紋 松本清張 新潮CD

女性の三大朗読家は、市原悦子、岸田今日子と奈良岡朋子である。
朗読の条件は、同性異性ともに、いくつかの声色を使い分けられること。
さらに、地の文(ナレーション)が読めること。
これらの要件を揃えているのは、この三人である。

その中でも最高峰をゆくのが、市原である。
癖は強いが、味もある。

この家紋は、その市原の朗読である。
北陸の寒村での既に時効になった、夫婦虐殺事件を遺された娘が追う。

滅多に殺人事件が無いところでは、たまにそう言うことがあっても迷宮入りになる。
浄土真宗本願寺派(うちの宗派だ。)の共同防衛本能が、犯人を隠してしまうのだ。
ひょんなことから曹洞宗のお寺で、解決の足がかりが見えてくる。

この作品派、初めて聞いただけでは、面白くも何ともない。
だいいち、市原の得意技である、男性の台詞が少ない。
女性の台詞も少ない。
ナレーションばかりだ。

しかし何度か聞いているうちに、噛めば噛むほど味が出てくる。
市原朗読「巻頭句の女」も最初は大した作品ではないと思った。
何度か聴くうちに、じわっとしみ出してくるものがある。
作品の魅力と言うより、市原の魅力で聞き込んでしまう。

ちなみに「家紋」は15年前、日テレで若村麻由美主演でドラマ化された。
おそらくクレームが付いて再放送不可能になった。
「日蓮宗系新新宗教の花嫁(現在未亡人)」が、真宗批判のドラマに主演していたとは奇遇である。

脚本家大野靖子は手直しして、3年前に岸本加世子で再ドラマ化している。
テレ東系で放送され、視聴率は同局の二時間ドラマで史上一位だったそうだ。
ちなみに岸本加世子は創価学会員である。

仏教界のドロドロを見るようだ。

(懐音堂から転載)

愛犬 松本清張 新潮CD

愛犬と暮らす独身女性が、ある男性の愛人となる。
そのことで見知らぬ男に脅迫される。
しかし愛犬が彼のことを知っていた。

山崎努の朗読である。
お世辞にもうまいとは、言えない。
朴訥とした感じが良いと言うかもしれないが、私はそうは思わない。

小説の最初の部分と、最後の部分のトーンが変わるのだ。
清張晩年の作品であり、出来もイマイチと思う。
動物の性質を利用した話など、いまどき珍しくもなかろう。

2007.04.29

パニック 開高健 新潮CD

開高健の出世作。
SF社会派小説で、肩の力を抜いた達人・橋爪功が読む。
この後、芥川賞を獲得する。


主人公は農林省山林課員。ある県庁に出向している。
ある年、ネズミの大発生を予測するが、上申書は上司に握りつぶされる。
春が来ると、いよいよネズミが大量発生した。
県民たちはパニックになる。
主人公は鼠害委員会の主力メンバーに持ち上げられ、ネズミの大群と戦うが、多勢に無勢である。
そのうち野党の知事攻撃もかさに掛かってきた。
ある日、主人公は県庁内でねずみ取りのイタチを購入して、ある汚職の証拠をつかむ。


ネズミのパニック映画はいくつかあった。
外国ものだが当然原作もあるのだろう。
ネズミというアイデアだけでは大したことはない。
しかしそこに官僚制を組み合わせた点が、日本らしくて、優れている。

開高健は「巨人と玩具」、「片隅の迷路」しか映画化されていない。
「パニック」や芥川賞受賞作「裸の王様」も映像化して欲しかった。

朗読は、女の声色は全く不要な男声劇である。
TBSラジオドラマで「鬼平犯科帳」を語っていた橋爪には、得意中の得意だ。
官僚社会の複雑な人間関係を演じさせたら、この人の右に出るのは難しい。

開高健が生態系の崩壊を予言して、それを同世代の石原慎太郎がカラス駆除しているのは奇遇である。

(再掲示)
原作:

二階 松本清張 新潮CD

有川博の朗読である。
「張込み」と違って、主人公が女なので、少し違和感がある。
渋い声を出す男の俳優は、女の声色が苦手だ。

印刷所の主人は長く患い、いまは自宅の2階で休んでいる。
妻は印刷の仕事で手が放せないので、派出看護婦を夫に付ける。
自分より器量の悪い女である。
しかし、なぜか妻は不安を覚える。

昭和52年2月に東芝日曜劇場でドラマ化されている。
十朱幸代が妻役で、山口崇が夫役だ。
誰が看護婦役だったか思い出せない。
渡辺美佐子だったか?
神保共子というのもありそうだ。

山口百恵ヒット全曲集 SONY, SACD 4.1CH

簡易な5.1chシステム307PM−1のエイジング14日目。
オリジナルは、SQ方式の4CHサラウンドLPだった。
百恵ちゃん、唯一の4CHレコードだ。
製作はデビューの翌年、1974年である。
これよりあとの百恵ちゃんのLPレコードは何枚か持っていたが、これは持ってなかった。
何しろ、SQマトリックスの鳴る装置は持ってなかった。
また、この時代の百恵ちゃんは、「性典歌手」といわれ、「真面目な」小学生がレコードを買う雰囲気ではなかった。


オリジナルは5枚目のLPだった。
「ひと夏の経験」までのシングル5曲と、アルバム曲やB面も加えたベスト編成の全12曲だ。

1曲目「青い果実」から音がでかい!
もともと音は良くなかったのに、欲張ってリマスタリングしてるようだ。
「青い果実」と「としごろ」は、SACD 2CH の収録である。

3曲目「禁じられた遊び」から、4CH録音はスタート。
思い出した。こう言う感じだ。
ストリングスが何故か、リアスピーカーにいるのだ。
時にはブラスもそこにいる。
いかにも無理やり4CHにしましたって感じで、目が回ってしまう。
歌謡曲の4CHは、こういうものだった。


初期の百恵シングルは、だいたい作詞千家和也、作曲都倉俊一、編曲馬飼野康二コンビだ。
アルバムでは、シングルでお目にかからない作詞家との組み合わせがあり、それなりに楽しい。

「放課後」という曲は、有馬三恵子の詩である。
南沙織のような世界を作れるか、楽しみだったが、当時は歌い切れなかった。

「教室を出たら大人」は、なかにし礼の作詞だ。
百恵ちゃんは、それなりにこなしているんだけど、なにか物足りない。

「まぶしい視線」は、安井かずみ作詞・穂口雄右作曲編曲。
歌詞の方はサビで繰り返すだけで平凡なのだが、キーがあってなくて歌手は苦労している。
穂口は音域の広い人だから、山口百恵に関しては、編曲に専念した方が良い。


百恵ちゃんは決して美人ではなく、さほどファンではなかった。
しかし愁いを含んだ表情があり、色気を感じた。
今のホリプロに、こういう子はいない。


2007.04.28

雨上がる 山本周五郎 新潮CD

寺尾聰が、横山秀男原作の映画「半落ち」で、日本アカデミー賞主演男優賞を二度目の受賞をした。
彼が、その前回に主演男優賞をとったのが、この「雨上がる」である。
脚本は黒澤明だった。

主人公は剣の達人である。
生き方が不器用であり、いまだに浪々の身だ。
木賃宿で雨に降られて、長居を余儀なくされる。
するとひょんなことから、藩主の教育係に推挙される。
主人公は大喜びだが、妻女は頭から信用しない。


日下武史(劇団四季)の朗読。
この人は、もう70を過ぎているのだが、実にうまい。
しかも早口である。
おかげで、普通の朗読者ならCD一枚で収まらないような、まったりとした長い作品を楽に読んでいる。

女の声色もいい。
映画で原田美枝子がやっていた夜鷹の役を、粋に演じている。

男役も、この人が読むと歯切れがいい。
これは映画では感じられなかったことだ。

原作は、理想的な夫婦の話である。


元女優・桂木洋子さん死去

これもショッキングな訃報だ。
故黛敏郎の奥さんで元女優の桂木洋子(松竹)がなくなった。
戦後を代表するカワイコちゃん女優である。

やや垂れ目で、今でいうと伊藤麻衣子を数倍美人にした顔だ。
元女優の黛住恵さん死去していた

しかし三日前に死亡広告が出ていながら、新聞社は気付かなかったのか?
そんな風で果して新聞社に映画賞を主宰することが出来ようか?

木下監督の「破れ太鼓」が出世作かな。(「破戒」は恥ずかしながら見ていない。)
代表作は何と言っても「喜びも悲しみも幾年月」
しかし代表作が高峰秀子主演作というのが、美人女優の限界だったのだろう。
個人的には、「番場の忠太郎」(新東宝、主演若山富三郎)の日本髪姿が忘れられない。


桂木洋子のフィルモグラフィー

当時のグラビアで、若山セツ子(東宝)と並んで写真に写っていたのが印象的。
年齢が年齢だけに、桂木は大往生を遂げたのだろう。
合掌。


2007.04.27

雪国 川端康成 新潮CD

加藤剛の朗読である。

前半は、金持ちのボンボン島村と湯沢の芸者駒子の会話が多い。
加藤剛は女セリフが下手だ。
後半は描写文が多くなり、加藤の朗読も様になってくる。

この小説は、女性朗読者向きだと思う。
男性の島村がたしかに主人公だが、彼の内面は最初から最後まで冷えきっている。
むしろ駒子の内面の動きが主題だから、女の立場から読んだ方がわかりやすい。

(懐音堂から再掲示)

原作:

飛び降りた恋人の冒険  エラリー・クイーン 1975

資産家のステファニー・ケンドリックの死体が、自宅のバルコニーの下で見つかる。
彼女は死の直前、エラリーの小説を読み、その主人公と全く同じ行動をとっていた。

大物女優二人(アン・フランシススーザン・ストラスバーグ)の顔合わせだ。
ドン・アメチーも戦前からの大物俳優であり、怪しい。
結果はみんなの考えている通り、もっとも大物が犯人だった。

第二作(パイロット版を入れると第三作)にしてラジオ俳優サイモン・ブリマー役でジョン・ヒラーマン(「チャイナタウン」)が初登場する。
エラリーのライバル役だ。
彼がいる方がアメリカ人には楽しめるのだろう。
僕はライバル役は父親がやればいいのだから、わざわざ別に作る必要はないと思った。

脚本 ロバート・ピロシュ
ゲスト
マーシュ博士 ドン・アメチー (「三銃士」「コクーン1・2」)
チャンドラー看護婦 アン・フランシス (「禁断の惑星」)
被害者の義娘キャシー・ケンドリック スーザン・ストラスバーグ (「女優志願」「ピクニック」「マニトウ」、アクターズスタジオ主宰者リー・ストラスバーグのお嬢様)
被害者ステファニー アイダ・ルピノ(刑事コロンボ「白鳥の歌」)
被害者の夫ジョナサン クレイグ・スティーブンス 

レギュラー
エラリー ジム・ハットン
リチャード デビッド・ウェイン

2007.04.26

巻頭句の女 松本清張 市原悦子朗読 新潮CD

市原悦子の朗読だ。
さすが名人芸と言うか、職人芸と言うか、素晴らしいできだ。

事件は、療養所から俳句雑誌に投稿していた、女性読者が結婚したことから始まる。
表面的には幸せな結婚だった。
これに疑問を感じた雑誌の編者と弟子が内情を調べてみる。


男芝居である。
事件の傍観者である二人の人物、
つまり主人公の医者とその俳句の弟子だけで進行する。
犯人や被害者のセリフは、一切ない。

市原の話芸は、男だ女だという域を超越してる。
浜村淳さえも超えている。

ただし、安楽椅子探偵物で最後の解決は強引である。
市原が、これを選んだ理由がよくわからない。
清張のなかでも、それほど有名ではない作品をなぜ選んだのだろうか?
案外、こういう作品が好きなのかな、市原は。

(懐音堂から転載)

被害者はガンであった。
自分がそのガンになって、この作品の凄さがまたわかったような気がした。

2007.04.25

張込み 松本清張 新潮CD

張込みは映画やドラマ、もちろん原作でも読んでいるが、何度でも聞きたい朗読だった。
渋いのだ。

有川博という役者が、これほどまでに朗読がうまいとは思わなかった。
間の取り方が凄い。
またほとんど主役の刑事のモノローグドラマである点も、この短編を朗読向きにしている。
女のセリフが、ほとんど出てこないのだ。

主役柚木刑事の温情に対して、「それでよかったのか」と、いつまでも疑問が残る。
それがこの作品の余韻だ。

テーマだって不偏なものがある。
前途を絶望した犯人が昔の女のところに現れる。
彼女は不幸な結婚をしているものだから、一瞬にして焼けぼっくいに火がつく。
しかし情死寸前のところで刑事が・・・

「だった」で押し切る、清張の文体も、凄いと思った。
図書館で借りて聞く値打ちはある。

(懐音堂から転載)

松竹映画「張込み」の主役高峰秀子を、イメージしながら、読んでいるような気がする。

2007.04.20

闇に消えた怪人 一橋文哉 新潮社

真犯人はもと警官、韓国人、組織Xの三つだそうだ。
裏取引はたしかにあった。
グリコハムの合併に関してトラブルが起き、その恨みによるものと思われる。
ここまで言ったら、もうXも関西人には有名な団体だし、犯人を指名しているようなものだ。

てっきり、これが真相だと思っていたら、2007年になって週刊朝日が新しい説をスクープした。
福徳銀行5億円強盗事件の犯人が、グリコ森永犯だという。
しかもキツネ目の男は自殺したことになっている。

でも、これでは三億円事件と同じ脚本ではないのか?

2007.04.11

キリマンジャロの雪 1952 20世紀フォックス

妻ヘレンとアフリカへ旅行している作家ハリーは壊疽にかかり、生死の境をさまよう。
そんな中で彼は、スペイン戦線で死んだ最初の妻シンシアのことを思い出す。

この映画を最初に見たのはいつのことだったか。
たしか読売テレビ・土曜昼の洋画劇場だった。

あの頃は主人公の心理を理解できなかった。
しかし、生死の境をさまよった経験から、今では彼の気持ちがよくわかる。

男は常に最初の女を忘れない。
でも同時に最後の女も思い出すのなら、その人生は幸せだったのかも知れない。

監督 ヘンリー・キング
脚色 ケイシー・ロビンソン
音楽 バーナード・ハーマン
テナーサックス演奏 ベニー・カーター

出演
グレゴリー・ペック(作家ハリー)
スーザン・ヘイワード(後妻ヘレン)
エヴァ・ガードナー(前妻シンシア)
ヒルデガルド・ネフ(伯爵令嬢リズ)
レオ・G・キャロル(ビル叔父)

2007.04.09

風変わりな技師の冒険 エラリー・クイーン 1976

The Adventure of the Eccentric Engineer

元会社社長で発明家ラモンの銃殺体が、自宅裏にある鉄道模型の工房で見つかる。
当日の昼間にラモンの義弟・ダグが工房を訪れ、口論していたと判明する。


警官が監視している犯行現場から、次から次へと物がなくなるから不思議だ(笑)
ディック・ヴァン・パタンが逃げ出したおかげで、隠し扉が分かり、容疑者が増える。

被害者が発明家らしく、プログラムを使った犯罪だ。
そうなると犯人は仕事関係者に限定されてしまう。
しかしそれでは、オスカー女優の立場はどうなる?
あまりにも簡単ではないか!

脚本
ブッカー・ブラッドショウ
デビッド・ルイス

ゲスト
ドロシー・マローン 被害者の妻キャロル(「三つ数えろ」「夜も昼も」「風と共に散る」で1956年アカデミー助演女優賞)
ディック・ヴァン・パタン 被害者の助手ビリー 
デビッド・ヘジソン 友人ロジャー・ウッズ (「眼下の敵」「失われた世界」「原子力潜水艦シービュー号」の艦長)
ボビー・シャーマン 妻の弟
アーサー・ゴッドフリー 現社長シットウェル (テレビショー司会者、パット・ブーン、マリリン・モンロー、ナンシー梅木を世に出したことで知られる。)
エレン・マディソン ロジャーの妻

そして
アン・レインキング エラリーのGFミス・ファーンズワース
今回はミステリに珍しくお色気が加わる。
エラリーを頼って作家志望のメガネっ子が現れる。
はじめはしつこくつきまとって、うっとうしがるエラリー。
しかし彼女がメガネをとると、川崎カイヤ似のナイスバデーだった・・・

エラリーも独身なのだから、たまには良かろう。
でも彼女みたいなタイプが、エラリーの好みなのかな。

レギュラー
ジム・ハットン エラリー・クイーン(作家であって名探偵) 
デビッド・ウェイン リチャード・クイーン警視 
トム・リース ベリー巡査部長 

2007.04.07

バルジ大作戦 1965 ワーナー

2時間49分。
バルジ大作戦自体は1944年12月16日に始まって、年明けまで続いた。
映画はドイツ軍が連合軍の補給基地を襲い初年兵たちが阻止するという、一作戦をテーマにしている。

その割に上映時間が長すぎる。冗長に感じた。
間延びしたカットは、英国映画の「空軍大戦略」(4年後の作品)のように、叙事詩的に描きたかったのだろう。

しかし空軍ものと戦車戦では全く違う。
美しいカラー映像の戦車戦は、まるで巨大なカブトムシ同士の戦いを観ているようだった。
実物を使ってるのに、何故か嘘っぽい。
撮影期間が長すぎて、雪が積もったり溶けたりするのも変だ。
モノクロ画面にすれば少しはドキュメンタリー的な映像になり、成功した筈だ。

監督 ケン・アナキン
出演
ヘンリー・フォンダ カイリー中佐(刑事出身。クリスマス前で浮かれる中、ドイツの奇襲作戦があると上司に述べる。)
ロバート・ショー ヘスラー大佐(ドイツの戦車隊長、「空軍大戦略」では英国空軍パイロットだったが、がらりと変わった。ドイツ軍人に化けるコツは髪形だな。他に「ジョーズ」)
ロバート・ライアン グレイ将軍(カイリーの理解者、「無法の拳銃」「拳銃の報酬」「北海の果て」)
ダナ・アンドリュース プリチャード大佐(カイリーの上司、「我等が生涯最良の年」「ローラ殺人事件」))
ジェームズ・マッカーサー ウィーヴァー中尉(はじめはひよっこの将校だったがマルメディの虐殺を生き延びて、成長する。彼が一番美味しい役だった。他にTV「ハワイ5−0」)
ジョージ・モンゴメリー ドゥケイン軍曹(マルメディの虐殺で命を落とす。西部劇に多数出演。)
チャールス・ブロンソン ウォレンスキ少佐(歩兵隊を率いるが捕虜になる。)
タイ・ハーディン シューマッハ中尉(MPに化けて連合軍を混乱させる。)
テリー・サバラス ガフィー軍曹(荒井注にそっくりな戦車長)
ピア・アンジェリ ルイーズ(何故かテリー・サバラスの恋人、史実ではアンブレーブの町唯一の生き残り。)
バーバラ・ヴェルレ エレナ(ヘスラーに提供された高級娼婦)

ジェームス・ディーンの恋人だった、イタリア人女優ピア・アンジェリは1シーンの登場だった。
(ピアが不安定なジェームスを振ったとも、カソリックであるピアの母親がクエーカー教徒であるジェームスとの仲を割いたとも言われている。)
年を取っていた(33歳)が、やはり美しい。

この映画は中途半端に終ったが、唯一の成功は彼女の起用だ。
彼女にとっては、最後のアメリカ映画でもある。
(でも最後のキスの相手をテリー・サバラスにすることはないではないか。)

こういう人が数年後に、自ら命を絶ったとは信じられない。


2007.04.02

栄光への脱出 1960 UA

あらすじ:
前半は、英国軍に対して、ハンストをして国際世論を味方につけて、オリンピア号でキプロス島を脱出しパレスチナへ入るまで。
後半はユダヤ穏健派ハガナと過激派イルグンの対立から始まる。
英軍に逮捕された叔父アキバの脱走をアリが助けるが、アキバは銃弾に倒れる。
国連でようやくパレスチナ分割(イスラエル独立)が認められた瞬間、アラブとの終りなき戦いが始まる。
第一次中東戦争である。(1948〜1949)

原題「エクソダス」は、旧約聖書の出エジプト記のこと。
これはイスラエル万歳の国威高揚映画である。
アメリカが赤狩り(ユダヤ人狩り)の直後であり、ユダヤ系の映画人は協力してこの作品を作った。
(ポール・ニューマンは父親がユダヤ人だが、本人は宗旨替えしたようだ。)
果して、現在の中東情勢を彼らはどう見ているか?

監督 オットー・プレミンジャー
脚本 ダルトン・トランボ
撮影 サム・リービット
音楽 アーネスト・ゴールド

キャスト(役名)
ポール・ニューマン (アリ・ベン・カナン)元英国大尉で、ユダヤ穏健派の英雄。
エヴァ・マリー・セイント (キティ・フリーモント)夫を忘れるため、キプロスを旅行する看護婦。
ラルフ・リチャードソン (サザランド将軍)親ユダヤの英国将軍。
ピーター・ローフォード (コールドウェル少佐)ユダヤ人に嵌められる間抜けな将校。
リー・J・コッブ (ユダヤ人の指導者でアリの父バラク・ベン・カナン)1900年頃、ソ連からの移民でパレスティナにやってきた。
サル・ミネオ (ドヴ・ランダウ)過激派イルグンに参加する少年。
ジョン・デレク (親ユダヤのアラビア人タハ)理想主義者だが最後はアラブに殺される。
ヒューゴー・グリフィス (マンドリア)親ユダヤのキプロス人
フェリックス・エイルマー (リーバーマン医師)
デイヴィッド・オパトシュ (アリの叔父で過激派のリーダー・アキヴァ)
ジル・ハワース (ユダヤ科学者の娘カレン)金髪の可愛い子だが、最後にアラブに殺される。


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