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2008年12月

2008.12.29

夢 1990 黒澤プロ


監督・脚本 黒澤明

撮影 斎藤孝雄
   上田正治

音楽 池辺晋一郎

出演:
寺尾聰 (私)
倍賞美津子 (母)
原田美枝子 (雪女)
根岸季衣 (子供を抱いた女)
井川比佐志 (背広の男)

夏目漱石の「夢十夜」風に、黒澤明が描いた不思議な夢のアンソロジー。
とくに映像が美しい。

「日照り雨」
出演:倍賞美津子
少年と狐の嫁入り行列。

「桃畑」
出演:伊崎充則
切られてしまった桃の精の話。伊崎充則は上手だが、子供らしくないcoldsweats01

「雪あらし」
出演:寺尾聰、原田美枝子
雪山で遭難した「私」は雪女と出会う。

「トンネル」
出演:寺尾聰、頭師佳孝
抑留から帰国した私がトンネルを越えると、かつて戦死した部下たちが追ってくる。
黒澤明は徴兵逃れをしたらしく、負い目に感じていた。

「鴉」
出演:マーチン・スコセッシ、寺尾聰
「アルルのはね橋」の絵の中でゴッホと出会う。

「赤富士」
出演:井川比佐志、寺尾聰、根岸季衣
原発がメルトダウンして、富士山が真っ赤に溶けていく。

「鬼哭」
出演:いかりや長介、寺尾聰
“私"の前に鬼が現われる。彼は人間だったが、放射能で奇形化したのだ。

「水車のある村」
出演:笠智衆、寺尾聰
美しい水車村で老人と出会う。老人は年を取って死ぬことはめでたいことで、人間も自然の一部と説く。



この映画を見た誰かが、黒澤も老けたと言っていた。
私はそうは思わない。
黒澤明は変わらない。
見る側の我々が変わっただけである。




夢という形式のために、戯画化されて描かれている。
監督は絵コンテ的に、好き勝手に撮っている。
ゴッホ、円谷英二、中川信夫、ゴダールらに影響を受けている。

それでも見る方は、小難しく考えてしまい、本質を見失いがちである。
難しく考えることはない。
好きなものを好きに撮ってるだけだ。

素直に受け止めればよい。
素直でなければ、映画は分からないbleah


2008.12.28

青春歌謡ゴーゴー(1) ティーン・ポップス大図鑑


クラウンレコードの1964年から1965年までのアンソロジー。

青春歌謡リズム歌謡エレキ歌謡が集められている。
短い間に流行が替わっていくのが、よく分かる。
西郷輝彦、山田太郎の楽曲が中心である。


1. 君だけを (西郷輝彦)
「いつでもいつでも君だけを〜♪」
クラウンレコードと言えばこの人。
デビュー曲。


2. 清らかな青春 (山田太郎)
後発だったクラウン・レコード最初の歌手山田太郎のデビュー曲。
現在は村田英雄を育てた、名門新栄プロ社長。また、冠名「ウェスタン○○」の馬主でもある。


3. 星空のあいつ (西郷輝彦)
西郷の3曲目。


4. 仲よし三人お友達 (後藤久美子)
天才少女歌手ゴクミ。
子供だとは思えない、強烈なこぶしである。
62年にコロムビアからデビューするが、64年にクラウンに移籍、
これは移籍後、4枚目のシングル。


5. 十七才のこの胸に (西郷輝彦)
紅白歌合戦初出場曲。

6. そよ風デイト (高石かつ枝)
「ランララ、ランララ、ランラララン♪」
彼女もコロムビアから移籍してきた。
移籍後6枚目のドーナツ盤。

7. 私の恋人 (東山明美)
フジテレビのドラマ「お嫁さん」(第二シリーズ)で有名だが、
元々は日本テレビ「ホイホイミュージックスクール」出身歌手だった。

8. バラ色の朝 (浅野順子)
浅野順子と言えば、鈴木清順監督、高橋英樹主演の日活映画「けんかえれじい」(1966)での好演が忘れられない。
これは64年のデビュー曲。


9. 銀色のバレエ (高石かつ枝)
バレエの歌ではない。アイススケートの歌だ。
作曲は世界の富田勲。


10. 東京スカ娘 (中川ゆき)
「スーカー、夢を見なくちゃダメよー♪」
東宝の準主役級女優。
スカと言う言葉を、普及させたんじゃないかな。


11. ママがお出かけした留守に (後藤久美子)
子供らしくないせいか、この曲でクラウンと契約打ち切り。
現在もジャズシンガーとして活躍しているとか。


12. 俺の涙は俺がふく (美樹克彦)
ビクターの目方誠が65年にクラウンへ移籍して、美樹克彦と改名した。
そのデビュー曲である。
テンポの良い、リズム歌謡。


13. 新聞少年 (山田太郎)
「ボクのあだ名を知ってるかい♪」
山田太郎の大ヒット曲。
社長業の傍ら、いまだに懐メロ番組に呼ばれる。
ヒットしなかったが、「牛乳少年」も聞きたいな。


14. 女の子だもん (東山明美)
麻丘めぐみとは何の関係もない。
「風の中をひとり」のB面。

15. だけどだけどだけど (美川憲一)
美川さんのデビュー曲。
売れなかった。


16. 6番のロック (美樹克彦)
これもリズム歌謡だ。
美樹克彦はクラウンのリズム歌謡をリードしていた。


17. 高校生マーチ (山田太郎)
軍歌調のマーチ歌謡。
青春映画の挿入歌だ。


18. 恋人ならば (西郷輝彦)
この曲は大ヒットしていないが、
西郷がリズム歌謡を歌うきっかけになった。


19. これが若さだ青春だ (山田太郎)
やはり青春ドラマ風マーチだ。
「ああ俺たちの鐘が鳴る」のB面。


20. 星娘 (西郷輝彦)
紅白にも出場した、テケテケテケテケのエレキ歌謡だ。
1965年、浜口庫之助作詞作曲のヒット曲。
この曲があって浜庫の傑作「星のフラメンコ」につながる。


21. 恋のエレキ (高木たかし)
コロムビアからの移籍組。
文字通り、エレキ歌謡。
「俺の涙とあの娘の涙」のB面。


22. ペダルに生きるやつ (西郷輝彦)
通産省ご推奨の競輪応援歌。
この時代は、青春スターも競輪ソングを歌っていたのだ(笑)
ぱっと聞くと、「どてらい男」の挿入歌かと思ってしまう。


23. あの娘が好きと云った花 (美川憲一)
2曲目のシングルだ。梶光夫風だったが、これもヒットせず。
翌年、歌謡曲に転向して、「柳ヶ瀬ブルース」の大ヒットが生まれる。


美川憲一のブレーク前の青春歌謡が珍しかった。
それから、高石かつ枝、東山明美の若い頃の歌も聞き物だった。
中川ゆきの「東京スカ娘」もいいんだが、他のコンピ盤にも収録されていた。

有馬記念反省

Sp20081228023101







今年の皐月賞勝ちのジョッキーが、殿人気に反発した。

川田が穴をぶっこ抜いた。

それにしても、枠連8−8の{逃げー殿一気}の組合せとはなあ。wobbly

ダイワスカーレットかマツリダゴッホのどちらかは飛ぶだろうと思ったが、

その通りだった。

マツリダは内には入れず、外に出すと、向こう正面で掛かっていた。

これでは惨敗しても仕方がない。

ダイワスカーレットは強かったが、それ以上にG1好位勢のだらしなさが目立った。foot

ジャパンカップを勝ったスクリーンヒーローはあの程度の馬だが、
アサクサとサムソンが並ぶところまで行かないとは情けない。

馬券的にはエアシェイディを軸に、

エアジパングはダイワスカーレットと基本的には同形だから、印を下げた。

ドリームジャーニーを対抗に格上げしたが、無駄なことだった。horse

有馬記念予想

1062






今年も大波乱horse

◎エアシェイディ


○エアジパング


▲ドリームジャーニー


捕らぬ狸の皮算用では3連単が、

18910.8倍!

宝くじとして持っている値打ちはある。



連下は、当たり前だが人気勢と外人3騎。

△ダイワスカーレット

△マツリダゴッホ

△スクリーンヒーロー

注アルナスライン

注フローテーション

taurus

Ap300230

2008.12.27

The Drowning Pool (新・動く標的) 1975 Warner

051119


監督 スチュアート・ローゼンバーグ

製作 ローレンス・ターマン
デイヴィッド・フォスター

原作 ロス・マクドナルド

脚本  トレイシー・キーナン・ウィン
ロレンツォ・センプル・ジュニア

出演:

ポール・ニューマン (Harper)
ジョアン・ウッドワード (Iris)
アンソニー・フランシオーサ (Broussard)
マーレイ・ハミルトン (Kilbourne)
ゲイル・ストリックランド (Mavis)
メラニー・グリフィス (Schuyler)
リンダ・ヘインズ (Gretchen)




「動く標的」に続く、第2弾。
この原作は「動く標的」ではなくて、「魔のプール」(未読)という。
ポール・ニューマンは奥さんジョアン・ウッドワードと共演。
若いメラニー・グリフィスが重要な役で出演。
原作の主人公リュー・アーチャーは、前作同様にルー・ハーパーという名になっている。


ルーは、ルイジアナ州の良家の夫人から脅迫事件の解決を依頼されるが、
夫人の姑の殺人事件に巻き込まれる。
どうやら石油利権が絡んでいるらしい。
ルーは犯人と目されるパットをニュー・オーリンズで確保する。
しかし護送中、なぞの仮面集団に襲われ、パットは殺される。


大して面白くないなあ、なんて油断していたら、まんまとしてやられた。
ルーが敵に捕まって、水治療室に閉じ込められ、拷問される。
その部屋から脱出するシーンで思い切り盛り上がる。
原題名を直訳したタイトルならば、ネタバレになっていた。

(水治療室というのがあるのを初めて知った。)

2008.12.26

Royal Engagement(プリティ・プリンセス2) 2004 Disney

監督 ゲイリー・マーシャル

製作 ホイットニー・ヒューストン他

原案 メグ・キャボット

脚本 ションダ・ライムズ

衣装  ゲイリー・ジョーンズ


出演:
アン・ハサウェイ
ジュリー・アンドリュース
ヘクター・エリゾンド
ヘザー・マタラッツォ
クリス・パイン


前作の後、プリンストン大学を卒業した王女ミアは、いよいよジェノビア王国に渡る。
しかし、マブリー子爵が法により未婚の王女は王になれない、私の甥が真の王位継承者だと言い出す。
果たして、ミアは女王になれるのか?


"Royal Wedding"とは王室のご結婚だが、映画では邦題「恋愛準決勝戦」のことで、フレッド・アステア、ジェーン・パウウェル主演スタンリー・ドーネン監督の名作だ。
壁歩きのシーンが超有名である。

一方、この作品の原題は、"Royal Engagement" すなわち、王室のご婚約。
それだけで、中身がだいたい分かってしまう。
問題はラストで、ダスティン・ホフマン主演映画「卒業」みたいに、男が王女をかっさらうのか、どうか。

前作は面白いと思ったが、この作品は脚本がダメ。
何が言いたいのか、わかりにくい。

あえて考えれば、王位のために結婚が必要なんて、このフェミニズム時代にナンセンスということか。
でも結婚せず子供がいないままだと、次の王位継承で揉めないか?
我が国も孝謙・称徳天皇のときに道鏡事件が起きている。



プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング(2004) - goo 映画

2008.12.25

人情紙風船 1937 PCL


監督:山中貞雄(当時29歳)
脚本:三村伸太朗
撮影:三村明
美術:岩田専太朗
原作:河竹黙阿弥 歌舞伎「梅雨小袖昔八丈」

出演:
中村翫右衛門 (髪結新三)
河原崎長十郎 (海野又十郎)
助高屋助蔵 (家主長兵衛)
霧立のぼる(白子屋の娘お駒)
加東大介 (猪助)

戦死した山中貞雄監督の遺作。
中村梅若の祖父・中村翫右衛門(前進座)と河原崎長十郎(前進座、毛沢東を支持したため、戦後日共から除名)がW主演している。

江戸の長屋で首つり自殺が発生。
世知辛い世の中には厭世観が充満している。
髪結いの新三は大家に取り入って、お弔いの酒を出してもらい、長屋の一同大騒ぎ。
浪人の海野又十郎は、知人に就職を掛け合うが、取り合ってもらえず、
新三も賭場を開いてやくざの大親分ににらまれる。
何をやってもうまくいかない二人だった。
それが、ある雨の夜、ひょんなことから大きなチャンスをつかむ。



最初、落語のようなお笑いムードで始まったのが、
最後は意外な結末で、ほろ苦映画になってしまう。
さらに最初のシーンとラストシーンが、うまくリンクしている。
今ではハリウッド映画でも珍しくないが、1937年当時としては世界的にも画期的なエンディングだった。

編集時点では監督の下に召集令状は来ていなかった。
それでも「戦争に行けば、必ずおれは死ぬ」と、予想はしていたんだろう。
だから、こんな一世一代の傑作を生み出したのだ。


2008.12.24

Princess Diaries(プリティ・プリンセス) 2001 Disney


監督:ゲイリー・マーシャル
製作:ホイットニー・ヒューストン他二名
原作:メグ・キャボット
脚本:ジーナ・ウェンドコス
撮影:カール・ウォルター・リンデンローブ
音楽:ジョン・デブニー
衣装(デザイン): ゲイリー・ジョーンズ


出演:
ジュリー・アンドリュース (クラリス女王) (メアリー・ポピンズ、サウンド・オブ・ミュージックなどミュージカルの女王)
アン・ハサウェイ (ミア) ポスト・ジュリア・ロバーツも今年はいよいよオスカー候補か?
ヘクター・エリゾンド (ジョー) (プリティ・ウーマン以来の常連)
ヘザー・マタラッツォ (リリー) 
マンディ・ムーア (ラナ)

高校生ミア(アン・ハサウェイ)はアーティストの母とサンフランシスコで暮らしている。
ある日、父方の祖母クラリス(ジュリー・アンドリュース)が、スペインとフランスの国境にある小国ジェノビアから会いにやって来た。
実はクラリスは女王陛下で、しかもミアに王位を継いで欲しいという。
ミアは絶句する。
一度は断ろうと思うが、亡父のため時間をおいて、決断を下すことにする。
有名になったミアに様々な事件が降りかかる。


この映画がもし1950年あたりに作られたら、もっと評価されただろう。rain
時期が悪すぎた。
2001年という、テロの時代にちょっと脳天気すぎた。
DisneyやFox など、共和党系白人メディアはこういう時代には不利だ。

脚本はやや手抜きを感じた。
あまりにご都合主義に走りすぎている。
ヘクター・エリゾンドとジュリー・アンドリュースの組合せもちょっと異様だhappy02

文句ばかり付けているが、個人的には面白かったbleah
アン・ハサウェイが、思った以上によく頑張っていたからだ。

彼女は目がくりくりした、昔のかわい子チャンタイプ。
実は、将来は伸びないだろうと思っていた。

しかし、大ヒット映画に続々登場し、今やハリウッドになくてはならない顔になっている。
こういう顔が今では珍しくなったのかな?bell

原作はニューヨークの高校生の日常を描いているが、映画ではサンフランシスコへ舞台を移した。
監督ゲイリー・マーシャルの孫がサンフランシスコに住んでいたからだそうだ。
というが、そんな私的な理由で設定を動かしていいのかいなcatface


ジェノビアは架空の国だが、だいたいアンドラあたりのことだと思う。
ただ、アンドラは王国ではないそうだ。
フランス大統領とスペイン司教が共同統治しているそうだ。

2008.12.23

Murder Most Foul(最も卑劣な殺人) 1964 UK

監督:ジョージ・ポラック
脚本:デビッド・パーソル

出演:
マーガレット・ラザフォード ... Miss Jane Marple(チャップリンの伯爵夫人)
ロン・ムーディ ... H. Driffold Cosgood
チャールズ・ティングウェル ... Inspector Craddock
アンドリュー・クリュックシャンク ... Justice Crosby
メグ・ジェンキンス ... Gladys Thomas
ラルフ・マイケル ... Ralph Summers
ストリンガー・デイビス ... Jim Stringer


ミス・マープル・シリーズ第四弾。
原作は「マギンティ夫人は死んだ」
ミス・マープルではなく、エルキュール・ポワロが登場する長編小説だ。



マギンティ夫人殺人事件の陪審員となったミス・マープルは独自に捜査を開始する。
早速、夫人の遺品から脅迫状を見つける。
犯人は脅迫されていた劇団員らしい。

続いてミス・マープルは女優として潜入する(笑)
途端に劇団員ジョージが毒殺される。
さらにミス・マープルと間違われて、ドロシーが青酸ガスで殺害される。



やはり映画は、原作を大きく改変している。
それが今回は、うまくいっていない。

原作は、死刑囚が本当に犯人でないのか?はたして糸口がどこにあるのか?
わかるまで相当に時間を要した。
自分がどこにいるか、分からないような感覚が、この作品の大きな魅力だ。

映画では、そのあたりがさらりと流される。
そしていきなり、核心に突っ込んでいくのだ。
これでは、原作の味わいは消えてしまう。

その上、劇団を舞台とする連続殺人事件は、当時でも陳腐だったろう。




今回のミス・マープルは、女優に挑戦している。
ラストには、1924年射撃大会優勝の腕前を披露する。
このシリーズのミス・マープルは、万能おばさんという設定だheart

2008.12.22

Murder, she said (ミス・マープル 夜行特急の殺人) 1961 UK

監督: ジョージ・ポロック

出演:
マーガレット・ラザフォード (ミス・マープル)
アーサー・ケネディ (クインパー)

マーガレット・ラザフォード(「チャップリンの伯爵夫人」)のミス・マープル・シリーズ第一弾。
原作はアガサ・クリスティの「パディントン発4時50分」

これを大胆に脚色している。
原作とは違う作品だが、これはこれで面白かった。

たとえば原作では、友人のマクギリガティ夫人が殺人を目撃するが、
映画では、ミス・マープルが直接見てしまう。
おかげで原作と映画でラストが違う。

また原作では、若く賢いヒロイン役はルーシー・アイレスバロウだが、
映画では、これもミス・マープルがやっている。

彼女が、メイドに化けるのだ。
だから、ゴルフのシーンもミス・マープルがナイスショット(笑)
ラストにアッケンソープ氏(原作ではクラッケンソープ)にプロポーズされるのも、シリーズのお約束。
全くのコメディだ。



"Murder, she said" と言う題は、
アンジェラ・ラズベリー演ずるドラマ「ジェシカおばさんの事件簿」の原題
"Murder, she wrote"とそっくりだ。
それだけ、この作品が欧米人に浸透しているということか。

だから「クリスタル殺人事件」でのアンジェラ・ラズベリーを見ても、
わかるように、アメリカ人はミス・マープルを誤解している。
原作を読まずに、子供の頃に見た、この映画でミス・マープル像を作っている。

(ジェラルディン・マッキーワンの新ミス・マープルでも、アメリカが資本参加している。)


アメリカ(他のヨーロッパ諸国も含めて)でのミス・マープルは、アガサお墨付きのジョーン・ヒクソンではなく、

モノクロ時代の少々お下品なマーガレット・ラザフォードなのである。

アーサーケネディは、「アラビアのロレンス」、「ミクロの決死圏」に出演した名優。

マーキーワン版パディントン発4時50分

八千草薫版パディントン発4時50分

クリスタル殺人事件(1980) - goo 映画

2008.12.20

The Secret War of Harry Frigg (脱走大作戦) 1968 Universal

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監督 ジャック・スマイト(動く標的)
製作 ハル・E・チェスター
脚本 ピーター・ストーン、 フランク・ターロフ
撮影 ラッセル・メッティ
音楽 カルロ・ルスティケリ (ブーベの恋人)



出演:
ポール・ニューマン Harry Frigg (熱いトタン屋根の猫、ハスラー、暴力脱獄)
シルヴァ・コシナ Countess di Montefiore (魂のジュリエッタ、黄金の七人エロチカ大作戦)
アンドリュー・デュガン General Armstrong (電撃フリント・アタック作戦)
トム・ボスレー General Pennypacker (名探偵ダウリング神父)
ジョン・ウィリアムス General Mayhew (麗しのサブリナ)
チャールズ・グレイ General Cox-Robert (シャーロック・_ホームズの冒険のマイクロフト兄)
ヴィト・スコッティ Colonel Ferrucci (ゴッドファーザー)



第2次大戦時、間抜けな連合国の准将5人がイタリア軍の捕虜となる。
彼らは将軍であるため、捕虜でありながら大邸宅にとどめられ、ホテルマン上がりのイタリア軍将校から丁重なサービスを受ける。
彼らは軍人ではあるが、会計や法務の専門家なので、脱走の知識がなかった。
邸の女主人である伯爵夫人フランチェスカ(シルヴァ・コシナ)が若く美人だったことから、彼らは骨抜きにされる。

そこで司令部は、脱走マニアのハリー・フリッグ二等兵(ポール・ニューマン)に命じた。
「偽将軍に化けて、5人を連れて脱走せよ」

邸へもぐり込んだフリッグも、フランチェスカの魅力に籠絡される。
偽将軍はいち早く脱出ルートを発見しながら、フランチェスカとの情事にふけってしまう。

6人がのんびりしているうちに、イタリアが連合国に降伏する。
彼らは世にも恐ろしいドイツ軍捕虜収容所に送られる。
天国から地獄である。




戦争コメディだ。
私はこの手の映画が好きだ。
何度も見ているが、毎回同じところでゲラゲラ笑っている。

ポール・ニューマンのすっとぼけたコメディ演技がいい。
また准将五人組(とくにトム・ボスレー)がいい味を出している。




中でもフランチェスカ役のシルヴァ・コシナが最高である。
彼女はインテリなので、英語が巧みだ。
旧ユーゴスラビア出身だが、戦争でイタリアに移った。
ナポリ大学医学部に通っていたところを、イタリア芸能界にスカウトされる。
ピエトロ・ジェルミの傑作映画「鉄道員」でデビュー。

ソフィア・ローレンほど大物感はなく、クラウディナ・カルディナーレほど美人でもない。

しかし何より、お色気むんむんである。


フランチェスカは普段は伯爵夫人らしい服装に身を包んでいる。
フリッグを連れて駅に出かけるシーンがある。
彼女は膝丈のスカート姿を見せる。
そこで不覚にも私はお色気を感じ、骨抜きにされてしまった。heart02



(日本でいえば、テレビ女優の本阿弥周子か。)

Honnami02

2008.12.18

フラワー・ポップス・シリーズ6 ガール・グループ天国

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ナベプロ系女性グループのレーベル横断的コンピレーション。
新星堂が発売している。
CDにしては音は悪いが、てっとりばやく日本のガール・グループを概観するにはよい。

1. 可愛い花(クッキーズ) 
安井かずみの訳詞を歌う、歌謡曲デュオ。実は、のちの「じゅんとネネ」 
なお彼女たちの歌う「プリーズ・プリーズ・プリーズ」(第三回ポプコン・グランプリ)は、JPOPとして傑作。

Please Please Please

2. 涙の街角(スクール・メイツ) 
ソフトロック系。実は男女混成チームでした。

3. 恋はひまわりのように(ルリーズ) 
双子デュオの歌謡ポップス。ザ・リリーズのライバル。

4. つらい時代の娘たち(ザ・シュークリーム) 
北原由紀、ホーン・ユキ、清水クーコらが在籍した四人組のグループ。
スケバン系歌謡曲。

5. ラッキーチャンスを逃がさないで(キャンディーズ) 1976年。
「のっぽのあいつ、太めのあいつ、はずかしがりやのあいつにあいつ〜♪」
「春一番」のB面で、朝日放送「プロポーズ大作戦」の主題歌。
ナベプロ・ガールグループは、1975年あたりからアイドル路線に走り始めた。


6. 太陽がいっぱい (ザ・リリーズ) 1978年。
ザ・ピーナッツの後継者。
疾走感がある、この曲は9枚目のシングル。


7. ひげのおまわりさん(アップルズ) 
沖縄出身の三姉妹。ソウル系の歌唱は絶品。
でも、この曲はプロデューサーの失敗だ。
現在は「EVE」として活躍中。


8. ドン・ファン(EVE) 
そのEVEが、神田広美の「ドンファン」をカバー。
ハーモニーの凄い。
でもやはり、この曲はソロで歌うべきでないか。


9. アバンチュール (キャッツ・アイ) 1977。
「ダメダメその手はダメよ〜♪」
テイチクからデビュー。
お色気路線に走った、ピンク・レディ・フォロワーの一組。
注目していたが、トラブルを起こして引退。

10. 愛のときめき (クーコ&エンジェルス) 
早くなくなった、清水クーコのグループ。
やはりお色気路線。

11. あまったれ(アパッチ) 1977年。
「あまったれ あまったれ!あまったれちゃイヤ!」
「ソウルこれっきり」の大ヒットに便乗して、キャンディーズ・フォロワーに名乗りを上げた、日テレ音楽学院出身の三人組。
トライアングルの方が好きだったが、この曲はなかなかいい。

12. 恋はてっきりパ・ピ・プ・ペ・ポ (トライアングル) 1980年。
キャンディーズも推薦のフォロワーだった。
クーが脱退してアキが参加している。ラストシングル。


13. ユー・アー・セクシー (フィーバー) 1979年 
「見ごろ食べごろ笑いごろ」でのキャンディーズの後継者。
「悪魔にくちどけ」でデビューした。
玄人筋には受けがよいグループ。


14. 誘われてスキャンダル (ペティ&ベティ) 
関西系グループ。歌は上手いが地味。
のちにキャンティとなる。
キャンティのピーナツ・ピーナツ


15. ハートブレイクホテルは満員 (春やすこ・けいこ) 1980年。
「アカン・アカン・アカン・アカンタレブー♪」
漫才ブームで松田聖子の鳴き真似をして一世を風靡。


16. LOVE GAME (アンジュネッツ) 1981年。
スージー上原がいた外人サントリオ。
寄せ集めらしく、歌は下手。


17. それ行け!サマー・ビーチ (よめきんトリオ) 1983。
「笑っていいとも」で結成された、松金よね子、渡辺めぐみ、キンヤの三人組。
これもガールズなのかよ?


18. クラスメート失踪事件 (ソフトクリーム) 1984年。
遠藤由美子がいたトリオ。
やったね!春だね!!


そして1985年以降、ガールグループは、おニャンコクラブやモーニング娘。と大人数化する。
一方、ガールバンドはSHOW-YAや、プリンセス・プリンセスなど、次々と台頭してくる。

19. 暑中お見舞い申し上げます Part2 (キャンディーズ)  1977年
最後はやはりナベプロ最大のガール・グループでしめる。

渡辺プロの節操のなさ、ではなく、守備範囲の広さを思い知らされる一枚だ。

新星堂からはガールグループものの続編、続々編が発売されている。

2008.12.16

アイ・ラヴ・ユー 1999 こぶしプロ


監督 大澤豊、米内山明宏

原作脚本 岡崎由紀子

音楽 佐藤慶子

主題曲 稲垣潤一

出演

忍足亜希子 (オシタリ) (朝子)
岡崎愛(愛)
田中実 (隆一)
不破万作 (森田)
高野幸子 (勝子)
関千里 (小百合)
砂田アトム (崇)
植村梨奈 (夏実)
西村知美 (朝子の妹)
久保明 (朝子の父)
高田敏江 (母)
新克利 (夏美の父)
根岸季衣 (母)


聾者の朝子、聴者の夫と娘の愛は、幸せな生活を送っていた。
朝子は、自分が原因で娘が学校でいじめを受けていることを知った。
そこで演劇を通して、みんなに手話を知ってもらおうと、聾者劇団「HANDS」に入団する。
メンバーは小百合と勝子、夏実、崇、聴者の森田、そして愛も加わった。

HANDSは静岡県舞台芸術祭に参加することになった。
そこには様々な困難が待ち受けていた。
一つ一つ乗り越えるが、公演当日に大事件が起きる。


感動作だ。
聾者と聴者が力を合わせて、いい作品を作った。
ここに出ている聴者俳優が、皆いい人に見える。

とくに娘(岡崎愛)が、いい味を出している。
無邪気でけなげな演技は、主演忍足の好演を引っ張り出した。
助演賞ものだ。


ゴジラで活躍していた、久保明も父親役で出ている。
悪役で時代劇に出ているのはよく見るが、彼のいい人役は懐かしい。


主演の忍足亜希子は美人だが、実際に聾者である。
この作品でデビューした。
現在では、聾者女優の第一人者だ。

しかし既に30代後半に入り、役柄が限られるため、出演作は少ない。
ハリウッド映画「バベル」で聾者の女子校生役オーディションを受けたが、
20代の聴者・菊池凛子(アカデミー助演女優賞ノミネート)に敗れたそうだ。


日本で「(聾者版)暗くなるまで待って」( Wait until Dark)のようなドラマを作れないものか。

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2008.12.14

JESSE STONE: NIGHT PASSAGE(警察署長 ジェッシイ・ストーン 暗夜を渉る) アメリカ 2006

監督: ロバート・ハーモン
原作: ロバート・B・パーカー
脚本: トム・エッパーソン
出演: トム・セレック(「ミスター・ベースボール」)  ・・・ジェッシイ・ストーン
   ソウル・ルビネック                  ・・・ヘイスティ
   スティーヴン・ボールドウィン
   ポリー・シャノン
   コール・サダス


田舎町の警察署長に就くことになった元LAPDの刑事が、町を支配する悪に立ち向かう。
DVDとしてはシリーズ第二弾だが、原作はシリーズ第一作である。
ロバート・B・パーカーは、現代アメリカでもっとも有名なハードボイルド作家である。
「探偵スペンサー」シリーズや、「女性探偵サニー・ランドル」シリーズが有名。


刑事ジェッシイは妻と離婚したことで、酒に溺れていく。
彼はロス市警を退職して、パラダイスという小さな町の警察署長に就いた。
町は行政委員長のへイスティによって支配されていた。
そして、ジェッシイの前任者が殺害される。
ジェッシイは謎を追うと、ヘイスティの影が・・・


映画ではなく、テレフィーチャーだろう。

全体(一時間半)のうち、一時間十分過ぎまでは、いい感じで原作をなぞっていた。
しかし、最後になって、盛り上がりに欠けた。





---ネタバレ


原作では、ヘイスティが洗脳した大衆を率いて、ジェッシイを暗殺しようとする。
ところが、ジェッシイとしっくり来なかった警察官たちが、いつの間にか、ジェッシイの味方について、
ヘイスティに逆襲するというオチ。


それがドラマでは、対決シーンに登場したのは、わずか4人。
予算の問題だろうか。
それともアメリカでも、こういうオチはさすがにまずいのだろうか。
どちらにしろ原作を知ってる人間は、肩すかしを食わされた。


2008.12.13

Murder at the Gallop(寄宿舎の殺人) 1963 英国


監督 ジョージ・ポロック
脚本 ジェームズ・キャベノー
原作 アガサ・クリスティ (『葬儀を終えて』)


出演
マーガレット・ラザフォード (ミス・マープル)
ロバート・モーレイ (ヘクター・エンダビー)、
フローラ・ロブソン (ミルクレスト、同じ年の「北京の55日」で西太后役、「嵐が丘」、「黒水仙」)
チャールズ・ティングウェル (クラドック警部)
ストリンガー・デイヴィス (ストリンガー)
カーチャ・ダグラス (ロザムンド・シェーン)
ロバート・アーカート (ジョージ・クロスフィールド)


マーガレット・ラザフォードのミス・マープル・シリーズ第二弾だ。
とはいえ、原作はエルキュール・ポワロが登場する「葬儀を終えて」


ミス・マープルは裕福な老人エンダビー氏に寄付を依頼するが、氏は階段から落ちて死ぬ。
猫嫌いの老人に猫をけしかけて、ショック死させた事件ではないか、とミス・マープルは考える。
殺人だと主張するマープルに対して、クラドック警部補は相手にしない。

エンダビー氏の遺言が公開される。
彼の甥ジョージ、姪ロザムンド、甥ヘクター、そして30年ぶりという妹コーラが集まる。
その場で、コーラは爆弾発言をする。
「兄は殺されたのよ。」

大物俳優が一人しか出ていないので、犯人当ては容易だ。

コーラが爆弾発言してくれる(原作通り)のだから、
ミス・マープルはエンダビー氏の死の現場に居合わせない方が良かった。

このように脚本の安易さが目立っている。
俳優も必ずしもキングズ・イングリッシュを使ってないし、
この映画は、てっきりアメリカ製作だと思った。

しかし当時の英国も、テレビドラマみたいな映画を作っていたのだ。


乗馬の腕を披露したり、ラストにプロポーズされるなど、ミス・マープルは大活躍だった。
わざわざE.ポワロを使わないことからわかるように、
この時代は、ミス・マープルの人気が高かったようだ。

イタリア版やスペイン版の原書カバーにも、マーガレット・ラザフォードを描いたものがあるほどだ。


2008.12.12

Дерсу Узала(デルス・ウザーラ) ソ連 1975


監督: 黒澤明
製作: ニコライ・シゾフ
    松江陽一
原作: ウラジミール・アルセーニェフ
脚本: 黒澤明
    ユーリー・ナギービン
撮影: 中井朝一
    ユーリー・ガントマン
    フョードル・ドブロヌラーボフ
音楽: イサーク・シュワルツ

出演: ユーリー・サローミン  ウラディミール・アルセーニエフ
    マクシム・ムンズク デルス・ウザーラ
    スベトラーナ・ダニエルチェンコ アルセーニエフ夫人

シベリアと満州の国境地図を作ったロシアの探検家アルセーニエフと、ゴリド人の老猟師デルス・ウザーラの友情を描いた作品。
広大なシベリアの大自然が美しい。


ロシア文学青年だった黒澤明が、長年暖めていたアルセーニエフの原作を映画化した。
自然の中で育まれる、男の友情がテーマだ。
ソ連時代の映画だが、プロパガンダ臭はない。


久しぶりに、この作品を見た。
これほどの傑作なのに、ほとんど忘れていた。
昔はそれほど感動しなかったのだろう。
自然との共生なんて考えもしなかったのだろう。
デルスが河に流されそうになる、危機一髪のところでようやく思い出した。


黒澤明作品全般に言えることだが、話が少し長い。
本来、二時間で納まったはずだ。
とくに都会での話はカットできた。
それだけが残念。

2008.12.07

Somebody Up There Likes Me (傷だらけの栄光) 1956 MGM

Pierangeli


監督:Robert Wise (「トロイのヘレン」「ウェストサイド・ストーリー」「サウンド・オブ・ミュージック」)
製作:チャールズ・スクニー
原作:ロッキー・グラジアノ(自伝) ロウランド・バーバー(伝記作家)
脚色:アーネスト・リーマン
撮影:ジョセフ・ルッテンバーグ
音楽:ブロニスロー・ケイパー

出演:
Paul Newman (ロッコ・バルベラ、ロッキー・グラジアノ)
Pier Angeli (ノーマ)
Everett Sloane(コーエン)
Sal Mineo (ロモロ)
Eileen Heckart (ロッコの母)


1956年の「傷だらけの栄光」は、イタリア系の不良少年が更生し、ボクシングでアメリカン・ドリームをつかむ話だ。
20年後に作られた「ロッキー」も同じボクシング映画だが、Poor White が黒人に勝つストーリーだ。

映画「ロッキー」のタイトルの元は、無敗の王者ロッキー・マルシアノ(ヘビー級)である。
しかしロッキー・グラジアノ(ミドル級)の方がマルシアノより早く世界チャンピオンになっている。
しかも無敗ではない。負けたり勝ったりである。
傷だらけだったのだ。
シルベスター・スタローンが「ロッキー」を作るとき、当然この映画も意識したと思う。



ロッコ(ポール・ニューマン)はブルックリンの不良だ。
家庭は崩壊していて、父親はボクサー崩れで、飲んだくれ。
母親は精神病院へ入院を繰り返す。

ついにロッコは軍隊から脱走して、軍法会議で懲役刑を食らう。
父親は息子を見放し、母(アイリーン・ヘッカート)もどうすることもできない。
しかし、ロッコは刑務所でボクシングに目覚める。

出獄後、ニューヨークのミドル級でプロデビューしてからは、連戦連勝だ。
恋人ノーマ(ピア・アンジェリ)とも結婚して、一子をもうける。
そして世界戦に挑戦するまで出世するが、惜しくも敗れる。

傷が癒えて再起戦が決まったとき、昔の知人が八百長を持ちかける。
ロッコは断るが、出場停止処分を受けてしまう。

それでも、神様はロッコを見捨ててはいなかった。
ニューヨークを離れて、イリノイ州でチャンピオンに挑戦することが認められる。



この映画でポール・ニューマンが登場した時の演技は、とても堅い。
まるで、アクターズ・スタジオの学生みたいだ。
途中から出てくる、恋人のピア・アンジェリもガチガチだ。


クランクイン当時、二人はジェームズ・ディーン・ショックから抜けきっていなかったのではないか。
ジェームズ・ディーンが最初、このロッコ役を演じる予定だった。
彼が自動車事故でなくなったため、急遽ポール・ニューマンが抜擢された。
ポールは、ジミーを意識しないわけがない。

ピア・アンジェリも宗教的理由でジミーと別れてしまったが、
別れずにいれば彼も自動車に熱中することはなかった、と罪の意識にさいなまれていただろう。



それが二人とも後半、結婚してから、どんどん上手になっていく。
がらりと変わってしまう。


後半のピア・アンジェリに関しては、生涯最高の演技だと思う。

その上、最高に美しい。
相変わらず、Donald Duck Voice だが。

彼女も実生活でジェームズ・ディーンと別れてから、既にヴィック・ダモンと結婚していたから、
結婚生活の方が演じやすかったのだろう。


ポール・ニューマンも後半には、ジミーの呪縛から逃れることができた。
この映画に好演したため、その後、次々と映画に主演して、スターダムを上っていった。

ポール・ニューマンはイスラエルの独立を描いた「栄光への脱出」“Exodus”にも主演した。
ハンガリー系ユダヤ人を父に持つ、ポール・ニューマンがイタリア人で、
イタリア人(ミス・ローマから芸能界入り)のピア・アンジェリがユダヤ人とは、不思議な配役だ。


主題歌はペリー・コモ。
実にかっこいい。


ロッコは再戦を前にして、父親と和解することにより人間的に成長する。
父子の和解というと、志賀直哉の私小説「和解」がある。
あれは志賀直哉自身が格好つけすぎで、かえってみっともない。
映画だけあって、リアリティはないが、やはりロッコの方がはるかにかっこいい。


A girl can lift a fellow to the sky.



Somebody down here too.



2008.12.06

Zwartboek(ブラックブック) 2006 オランダ


監督:ポール・ファーホーフェン
(「ロボコップ」「トータルリコール」「ショーガール」「氷の微笑」「スターシップ・トゥルーパーズ」「インビジブル」など)

脚本 ジェラルド・ソエトマン(原案)、ポール・ファーホーフェン
撮影監督 カール・ウォルター・リンデンローブ(「インデペンデンス・デイ」)
プロダクション・デザイナー  ウィルバート・ファン・ドルプ
音楽 アン・ダドリー(「フル・モンティ」)

出演:
ラヘル:カリス・ファン・ハウテン
ルドウィグ・ムンツェ:セバスチャン・コッホ
ハンス:トム・ホフマン
ロニー:ハリナ・ライン
フランケン:ワルデマー・コブス



少し拍子抜けした。
ミステリータッチの戦争映画+「愛の嵐」(1974)と聞いていた。
「シンドラーのリスト」や「戦場のピアニスト」に匹敵するという人もいた。

たしかに面白かったのだが・・・
期待があまりにも大きすぎたのだろう。


巨匠ファーホーフェン監督が、「インビジブル」の大失敗でハリウッドから干されてしまったが、
ついにオランダへ帰ってきた。

この「ブラックブック」は、オランダで作られた、彼のエロチシズム趣味がふんだんに盛り込まれた作品だ。
2時間20分という時間内に収めたせいか、残酷さはほとんどなかった。

でも、裸のシーンが過剰だ。
日活ロマンポルノでも、こうは乱発しない。
いい加減、飽きてしまった。


主演はオランダの黒木瞳、カリス・ファン・ハウテンだ。
この映画で3度目のオランダ映画祭主演女優賞を獲得した。
ポスターは美人なのだけれど、映像ではそれほどではない。
また「氷の微笑」のシャロン・ストーンとは体格が違う。
シャロンほど魅力的なヌードではない。


脚本のミステリー味も、あまり利いていない。
ブラックブックなるものは最初のうちに出てくるのだが、映画最後の方でこれが事件を解く重要な鍵になる。
しかしそこまで待たなくても、たいていの人は犯人を当ててしまう。
要するにブラックブックは必要ないのだ。

SFX、VFX等の効果を使わず、黒を基調にした映像は非常に綺麗だ。
しかし、美しすぎて汚ない物が汚ない物として見えなかった。

けなしすぎた(笑)
何の期待も持たずに、この映画を見るのであれば、DVDのレンタル料は取り戻せる映画だ。
劇場の大画面で見る必要はないと思う。

戦後、戦争に批判的なドイツ軍将校が、ドイツ軍によって処刑されたことや、
生きるために戦争に協力したユダヤ人が戦後、オランダ人に迫害された点は、新鮮だった。

オードリー・ヘップバーンはオランダでレジスタンス活動に従事していたが、
イギリス人である父親がナチス協力者だったため、戦後、父親の存在を必死に隠していた。
その気持ちがよくわかった。

2008.12.03

Swimming Pool (スイミングプール・無修正版) 2003 UK & France

フランソワ・オゾン監督・脚本

出演
シャーロット・ランプリング ( サラ)
リュディヴィーヌ・サニエ (ジュリー)
チャールズ・ダンス (ジョン)
ジャン=マリー・ラムール (フランク)

rainサラは英国の人気推理作家。
最近、介護の悩みもあり、スランプだ。
編集者ジョンはフランスの別荘を提供して著作に専念するように勧める。

sun別荘で執筆をはじめると、ジョンの娘ジュリーが現れる。
ジュリーは夜な夜な男を引きずり込み、サラは仕事が手に付かない。
しかしジュリーの奔放な姿に、昔の自分を重ね合わせたとき、サラは彼女の過去に興味を抱く。lovely


てっきりエロティック・ミステリーかと思ったが、これは男性向けの映画ではない。
完全な女性映画だ。
女性心理を描いてるわけだから、裸が次から次へと出てきてもおかしくない。

男性の目から見ると、
リュディヴィーヌ・サニエの体当たり演技はすさまじいが、
ここまで裸をさらされると、食傷気味だ。

シャーロット・ランプリングは、1973年映画「愛の嵐」のときから、もともと老け顔だった。
あれから30年だ。
お色気を振りまくのも、如何なものか。

オゾン監督の前作「8人の女たち」の方が、男性にも楽しめた。

ネタバレあり・・・

ミステリー映画だと思っていたが、どうも一人二役のファンタジーらしい。
しかし実際に殺人が起きたかどうか、見た人の意見が分かれるようだ。

殺人はなかった、というのが多数説だ。
でもそうなると、余韻に残らない。
私としては、もう少しはっきりと犯罪性を示唆してほしかった。


詳しいあらすじはこちら。
スイミング・プール - goo 映画


おまけ
・・・

サラ役は、英国推理作家のルース・レンデルをイメージしているのかな。

監督の前作は全編で女しか出てこず、この作品では出てくるフランス人男優はかっこ悪い。
おそらく監督の性向を表している。

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