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2012年9月

2012.09.27

海女の戦慄 1957 新東宝

新東宝が日活アクションを意識して作った映画(だと思う)。
さらに「喜びも悲しみも幾歳月」と同じ1957年に作った海上保安庁が活躍する映画(「喜びと~」の主役の灯台守も海上保安庁の役人である。)だが、こうまで違うものか。

ヨシとチエの姉妹は海辺の町で海女をしている。
ある日、チエが雑誌社に美人海女として選ばれて東京に招待される。
しかし何日経っても帰ってこない。
浜には怪しい四人組の男たちが出没し、それを追うようにしてマドロス姿であるが時代劇から出てきたような色白男が現れる。
四人組は沈んだ日本海軍の宝物を探し、色白男は海上保安庁の調査官だった。

昭和30年代に入っても、新東宝はこういう映画を作っていたのか。
女優は個性派揃いなのだが、少しスタッフが弱くなると編集も撮影も美術もショボクなってしまう。
男優でも一番様になっているのが、子役の太田博之だった。

最初のシーンの前田通子の手ブラがなかったら、この映画は歴史に名前を残さなかっただろう。
それにしても若杉英二は時代劇向きの顔だ。
明智小五郎もやっていたが、化粧が濃すぎる。


監督 志村敏夫
脚本 内田弘三 坂倉英一
原案 志賀弘
企画 小野沢寛
撮影 岡戸嘉外
美術 朝生治男
音楽 レイモンド服部
主題歌 前田通子「海女の慕情」

出演
前田通子 (宮川ヨシ)
三ツ矢歌子 (チエ)
太田博之 (健一)
若杉英二 (波野俊介)
小倉繁 (いかり亭主人)
松本朝夫 (良一)
万里昌子

東海道四谷怪談 1959 新東宝

倒産前の大蔵貢映画にしては歌舞伎を範とした由緒正しい時代劇。

備前岡山浪人伊右衛門はお岩さんほしさに父を斬り直助に他に犯人がいると証言させ、敵討ちとしてお岩さんと江戸で暮らす。
しかし伊藤家の一人娘に見初められて心変わりしたので、お岩さんに毒を盛ると顔がただれていまい、お岩さんは自刃に追い込まれる。
早速伊藤家に婿入りするが、夜になって気が触れて見るもの全てお岩さんに見えてしまい、お梅はじめ家族全員を惨殺してしまう。
寺にこもるがそこも安住の地ではなかった。
最後はお岩さんの妹お袖が許嫁の与茂七により敵討ちとして成敗される。

戸板返しや髪梳きなど歌舞伎の有名なシーンを中川監督がカラー画面に美しくもおどろおどろしく描いている。
今から見ると、あまり怖くはないが、アトラクションの幽霊屋敷や最近のホラー映画の基礎を作った名作である。

天知茂は中川信夫に強く影響されて芸風を完成したという。
三島由紀夫はこの作品で天知茂を認めて、美輪明宏主演「黒蜥蜴」の明智小五郎役に抜擢したそうだ。
それが天知茂の大ヒットドラマシリーズ「明智小五郎・美女シリーズ」につながる。
若杉嘉津子も中川信夫には私淑していて、中川信夫の法事には顔を出すそうである。

カワイコチャん女優の北沢典子もこの映画が代表作に一つである。
このあと、大洋ホエールズの近藤昭仁と結婚して新東宝の倒産騒ぎで東映に移籍し出産、自然引退の形になった。

監督 中川信夫
脚色 大貫正義 石川義寛
原作 鶴屋南北
企画 小野沢寛
製作 大蔵貢
撮影 西本正
美術 黒沢治安
音楽 渡辺宙明

出演
天知茂 (民谷伊右衛門)
若杉嘉津子 (お岩)
江見俊太郎 (直助)
中村竜三郎 (佐藤与茂七)
北沢典子 (お袖)
池内淳子 (お梅)

2012.09.24

ゲソラ・ガニメ・カメーバ決戦!南海の大怪獣 1970 東宝

円谷英二が亡くなった直後の夏休み東宝チャンピオン祭りの怪獣映画。

太平洋セルジオ島は戦争中日本軍が占領していたので島民は日本語を話すことができる。
その島に日本のリゾート開発会社が目を付け開発準備を始める。
一方、宇宙無人探査機ヘリオスがセルジオ島付近の海域に落下して以来、イカやカニ、カメが巨大化するという怪現象が続発する。
開発業者は調査隊を組んで送り込むが、そこで彼らが目にしたものは・・・


巨匠が亡くなって予算削減するためか安易な作りだ。
確かに怪獣のデザインは凝っているが、アクションが手抜き。
ゴジラやウルトラマン、セブンに見られた愛嬌がない。
怪獣映画の原点回帰を目指したと言うが・・・

またせっかく宇宙スケールの話なのに、いつの間にか太平洋の孤島の密室に話は置き換えられていた。
宇宙人ももう少し地球侵攻戦略を立ててこい。

やはりこの時代にはヒーローが必要だったろう。
それともガメラに対抗し東宝のカメ怪獣を出すことによって、大映の怪獣ファンを引き戻したかったのか?


製作 田中友幸 / 田中文雄
監督 本多猪四郎
脚本 小川英
撮影 完倉泰一 / 真野田陽一
美術 北猛夫 / 井上泰幸
音楽 伊福部昭
特撮 有川貞昌

出演
久保明
高橋厚子
土屋嘉男
佐原健二
小林夕岐子
佐藤宜丈
中村哲
堺左千夫
藤木悠
当銀長太郎
大前亘

2012.09.22

おはん 1984 東宝

宇野千代の原作にマーラーの五番はかまわないが、五木ひろしの主題歌はやめて欲しい。

幸吉はおはんと夫婦だったが、芸者のおかよと懇ろになり、いまはおかよは芸者屋の女将で、自分は売れない雑貨古物商を営んでいる。
そんなある日七年ぶりに、おはんが幸吉と再会する。
話を聞くと、別れたとき幸吉の子を宿していて、その子も今では尋常小学校に上がったという。
幸吉はおかよとも別れがたいのだが、親子三人の暮らしもしてみたい。
おかよの目を盗んで家を借り、おかよと引っ越すその日に息子が事故に遭う。

原作は読んでいるが細かいところは忘れていた。
具体的にはおかよの一家の様子だ。
おかよの姪お仙のことは全く記憶にない。

ただし、おかよのことを忘れていたおかげで、おかよの主演シーンとくにおはんとの対決シーンは新鮮に見ることができた。
吉永小百合は顔で演技をして、大原麗子は背中で演じていた。
吉永の方が印象に残る人は多いと思うが、映画出演の少ない大原麗子の演技の方が僕には印象深かった。

明治生まれの祖父が存命中最後に映画館に行った作品らしい。
吉永小百合は世代を超えて惹き付けるものがある。

でも僕は大原麗子の強くはかない生きざまを愛する。
そして吉永小百合との間で揺れる石坂浩二の気持ちもわかる。

最後に、ミヤコ蝶々の演技にも敬服した。
舞台ばかり出ずに、浪花千恵子みたいに映画にもっと出て欲しかった。


監督 市川崑
脚本 市川崑 日高真也
原作 宇野千代
製作 田中友幸 市川崑
撮影 五十畑幸勇

出演
吉永小百合 (おはん)
石坂浩二 (幸吉)
大原麗子 (おかよ)
ミヤコ蝶々
香川三千

2012.09.20

日本橋 1956 大映

市川崑監督と和田夏十脚本が描く泉鏡花の妖艶なロマンチシズム。
淡島千景が珍しく主演して、山本富士子、若尾文子という二大大映女優と絡む。


明治時代の日本橋元大工町。
お考ときよはは日本橋で長年競い合う売れっ子芸者。
海産物問屋を経営していた五十嵐はきよはに振られたところを、お考に不憫に思われ拾われるが、やがて追い出され家屋敷も家族も失う。
医学者の葛木も身持ちの堅いきよはに振られるが、お考と偶然出会い愛し合う。
五十嵐はそれが恨めしい。
葛木は五十嵐にお考と後生だから別れてくれと懇願されて、葛木は去って行く。
しかしその日からお考は気が触れてしまう。


ややホラー風味がある部分は泉鏡花の世界である。
また花柳界も泉鏡花の得意とした分野。
何しろ奥さんが芸者さんだから。

しかしこの映画は泉鏡花よりも淡島千景の美を描いた作品である。
彼女の気っぷの良さがもっとも良く出た映画だと思える。
山本富士子でさえ江戸っ子の淡島の前では当て馬になってしまう。
なぜこういう映画を大映で撮れて、東宝で撮れなかったのか?

やはり女優力のちがいだろう。
1950年宝塚退団後、松竹に入社して当時は32才で脂がのりきった時期だ。
フリーになっていたのか各社映画に引っ張りだこだった。
そういう一番美しい時期に、江戸っ子にしかできない艶技を見せてくれた。

二年後には「喜劇駅前旅館」に出演しているから、東宝に移籍したようだが、プロパーでなかったためか主演をめったに張れなくなってしまった。
しかし1961年の「妻として女として」だって森雅之の正妻を演じ愛人の高峰秀子とぶつかる演技を見せたのだ。
惜しい女優をなくしたものだ。

死後、噂されている借金騒動も女優業に命をかけていたからこその勲章である。
どうせ周囲の人間が借金を膨らませたのだろうし、債権者も彼女に金返せとは言えなかったのだろう。

あと一つ、柳永二郎が松竹から客演している。
柳と言えば1952年の「本日休診」で町医者として主演していた。
そのとき、淡島千景は角梨絵子より目立たない役で出ていたと思う。
「君の名は」「真実一路」もそうだけど、松竹映画では淡島千景の素晴らしさは出なかった。


監督 市川崑
脚色 和田夏十
原作 泉鏡花
企画 土井逸雄
製作 永田雅一
撮影 渡辺公夫

出演
淡島千景 (おこう)
山本富士子 (きよは)
若尾文子 (千世)
品川隆二 (葛木)
柳永二郎 (五十嵐)
船越英二 (巡査)

2012.09.18

落葉の炎 1965 日活

日活映画にしては変わった作りの映画。
前半はとても良かったのだが、後半はだれてしまったのが残念。

学生信次が不良娘冬子と出会ったのは外人クラブ。
そこでやり合う白人と黒人の間に割って入ったのが冬子。
そして踊り狂っていた。
その姿にうっぷんを晴らし信次は冬子に一目惚れするのであった。
互いに接近して、ある日お互いの影の一面を見せ合おうと約す。
信次は冬子をバーへ連れて行った。彼の母がそこのマダムで夜な夜な別の男と寝ていることを明かす。
しかし冬子は激しく踊り狂うだけであった。
しばらくして彼女も自分の正体を明かした。
実は暴力団親分の娘で親に背き、日々ヤクを打ち、外人相手に寝ていたのだ。


前半はフィルムノワールの音楽映画の乗りであった。
ロックンロール以前のジャズ系の音楽だ。
日活映画を見直した。
それだけに冬になってからの静かな北海道の修道院シーンは音楽的にもクラシック中心で残念。
原作がそうなっているのだからしょうがないが。


監督 前田満洲夫
脚色 星川清司 山中耕人
原作 黒岩重吾
企画 浅田健三
撮影 間宮義雄

出演
山内賢 (鈴掛信次)
和泉雅子 (間柄冬子)
丹阿弥谷津子 (信次の母)
小高雄二 (黒眼鏡)
藤竜也
松尾嘉代
二本柳寛 (冬子の父)

2012.09.15

愛染かつら 1954 大映

川口松太郎原作の雑誌連載小説「愛染かつら」は働く子持ち女性を描いた先駆的作品である。
映画は戦前に松竹、終戦直後に大映で制作されている。
今回は大映二度目の映画化。
戦前松竹の総集編をやや長くした演出になっている。

高石かつ江は津村浩三に娘のことを言えず、駆け落ちに失敗して津村病院の看護婦の職を辞した。
しかし看護婦時代に書き綴った曲を、コロムビアの作詞作曲コンテストに応募して優勝した。
コロムビアでは歌手として認められ、デビューしてヒット曲を重ねる。
津村浩三は娘のことを聞きショックを受けるが、たまらず看護婦とともにコンサートに駆けつける。

なぜ大映は鶴田浩二(当時松竹の二枚目俳優)を起用したのか?
松竹的二枚目が伝統的に大映にはいなかったからだろう。
とはいいつつやはり京マチ子と鶴田浩二の組み合わせは微妙。
田中絹代の線の細さと京マチ子の濃厚さでは,あまりに違う。

岡村文子は1938年の松竹版でも佐藤看護婦長を演じているがここでも同じ役を演じている。
役の年令が近づいたせいか、今回の方が様になってきた。


監督 木村恵吾
脚色 木村恵吾 田辺朝二
原作 川口松太郎

出演
京マチ子
三宅邦子
鶴田浩二
船越英二
月丘千秋
江川宇礼雄
岡村文子(看護婦長)

2012.09.14

ALWAYS三丁目の夕日 2005 東宝

日本アカデミー賞を総なめにした作品だが、CG特撮を多用してノスタルジーを演出する映画は好きではない。
いくら精度を上げても、アラが見えてしまうのだ。

昭和33年のお話。
夕日町の自動車修理工場「鈴木オート」に集団就職で六子が上京してきた。
一方、文士の茶川は飲み屋の女将に子供を押しつけられるが、その子が自分のファンだと知ると悪い気がしない。
力道山の世紀の試合の日、鈴木オートにテレビがはじめて届くが、近所の人を集めて観戦する最中に故障してしまう。茶川は修理するが、一層悪化させる。


多くのエピソードが並んでいるが、ばらばらでぶつ切れ。
ただ、CG技術の粋を見せられただけだ。
しかも、それも時とともに古くさくなって見られなくなる。
最新技術なんてそんなものなのだ。
映画に最新技術は必要ない。


監督 山崎貴
特撮監督/特技監督 山崎貴
脚色 山崎貴 古沢良太
原作 西岸良平

出演
吉岡秀隆
堤真一
薬師丸ひろ子
小雪
堀北真希
三浦友和

ハイフィデリティ 2000 ブエナビスタ

人気作家ニック・ホーンビー原作のアナログレコード屋のお話。
主演のジョン・キューザックが深く入れ込み、脚本も参加している。

中古レコード屋店主ロブは同棲相手との失恋の痛手に苦しみ、過去の恋人を次々と訪ねて、どこが問題だったのか問い質す。
しかし彼は万引きしようとした二人組をプロデュースすることになり、人生に前向きな姿勢こそが自分に欠けていたと気づく。

アメリカ人は中古レコード屋のマニアたちも前向きに生きることを求める。
だいたいそんなマニアが敏腕弁護士とつきあうわけがないではないか?
オタクがオタクでなくなることが是とされる世界は日本人にとって奇異なものだった。


監督 スティーブン・フリアーズ
脚本 ディー・ヴイ・デヴィンセンティス スティーヴ・ピンク ジョン・キューザック スコット・ローゼンバーグ
原作 ニック・ホーンビィ

出演
ジョン・キューザック
イーベン・ヤイレ
トッド・ルイーゾ
ジャック・ブラック
リサ・ボネー
キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
ティム・ロビンス


ラブソングができるまで 2006 ワーナーブラザーズ

落ちぶれた80年代のポップスターとトラウマで文章が書けなくなった作家の卵のラブコメディ。

ヒュー・グラントとドリュー・バリモアが二人揃ったら、こういう映画が作られるだろうと思っていたら、ほんとうにその通りの映画だった。

筋書きも結果もわかりきった作品で、あえて言えばオードリー・ヘップバーンの「おしゃれ泥棒」かな。

主演にとうがたってしまっているから、見ていてだれる。

もうそろそろこんなことはやめて、新しいことに挑戦した方がいいと思うよ。


監督 マーク・ローレンス
脚本 マーク・ローレンス

出演
ヒュー・グラント
ドリュー・バリモア
ブラッド・ギャレット
クリステン・ジョンソン
キャンベル・スコット
ヘイリー・ベネット

ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ 東宝 2010

フジテレビドラマ「ライアーゲーム」の映画オリジナル版。

リンゴ三つの内からどれを選ぶかというゲーム。
全員一致すれば、全員一億円獲得だが、一人だけ裏切ると裏切り者は賞金獲得し、残ったメンバーは-1億円。
-5億円になれば敗退である。
ナオと秋山は勝ち抜けるのか。


ナオ役の戸田恵梨香はSPECなど人気作品に出演しているが、若い頃とはだいぶんイメージが違ってしまった。
この作品は顔が変わる以前にパート1が始まり、顔が変わったあとにパート2が放送された。
だからイメージが整合していない。
2012年の次回作「ライヤーゲーム-再生-」では戸田は降板して多部未華子が主演している。


劇場で見たが、脚がしびれるほど長かった。
だめ押しされたような気がする映画だった。


監督 松山博昭
脚本 黒岩勉 岡田道尚
音楽 中田ヤスタカ
撮影 宮田伸


出演者
戸田恵梨香
松田翔太
鈴木浩介
吉瀬美智子
渡辺いっけい

安城家の舞踏会 1947 松竹

吉村公三郎、新藤兼人の近映コンビでお送りする松竹映画。
終戦直後、斜陽貴族のお話。


安城家の家屋敷が人手に渡ることになった。
最後に娘の敦子は栄華を誇った古き良き時代の思い出に舞踏会を開く。
当日、家を売らずに済ませたい安城家当主忠彦は資本家の新川を招待して、何とか借金を肩代わりしてもらおうと画策する。
しかし新川は没落した安城家にとっくに見切りを付けていて、安城家の長男と娘の婚約を破棄する。
息子の正彦は新川への復讐に燃え、新川の娘を温室に連れ出し、貞操を奪ってしまう。


滝沢修の老人ぶりが目を見張らせる。
原節子はいつもの通りだっただけに劇団民藝や吉村新藤組ともギャップが凄い。


監督 吉村公三郎
脚色 新藤兼人
原作 吉村公三郎
製作 小倉武志
撮影 生方敏夫

出演
滝沢修 (安城忠彦)
森雅之 (正彦)
逢初夢子 (昭子)
原節子 (敦子)
津島恵子
日守新一
清水将夫
神田隆
殿山泰司
空あけみ

ジョゼと虎と魚たち 2003 アスミックエース

障害者の恋愛を真正面から描いたなかなかの名作。
脚本の勝利だろう。


学生で麻雀屋でアルバイトしていた恒夫は、謎の老婆が何か乳母車のようなものを押しているという話を聞く。
はじめは都市伝説だろうと思っていたが、ある朝実際にその老婆を見る。
あとを付けると、乳母車に乗っていたのは同年配の若い女性だとわかる。
娘はジョゼと名乗る。彼女は脚が不自由だった。


二人が別れるわけは描かれていない。
しかしその前の旅行のシーンで別れそうだなと思った。
男は疲れ切ったのだろう。


監督 犬童一心
脚本 渡辺あや
原作 田辺聖子
プロデューサー 久保田修 小川真司
撮影 嶌井孝洋
音楽 くるり

出演
妻夫木聡 (恒夫)
池脇千鶴 (ジョゼ)
新屋英子 (ジョゼの祖母)
上野樹里 (香苗)
SABU
大倉孝二
荒川良々
西田シャトナー
真理アンヌ

人間失格 2010 角川映画

生田斗真って誰だか知らなかった。
テレビドラマ「花ざかりの君たちへ~イケメンパラダイス」や「ハチミツクローバー」に出演していて、若い女の子には人気だそうだ。
しかし映画は初出演で初主役というのは重荷だったろう。


ストーリーは原作におおよそ沿っている。
太宰治自身をモデルにした主役大庭が学生時代から画家になって自堕落な生活をし、心中騒ぎを繰り返す。
脳病院へ入院させられ、最後は津軽で療養する。


この作品を読んだときはサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」との相似点が気になったものだ。
それを私小説でやり、最後に作者自身が心中するのだから、日本の文学者は凄いと思ったものだ。

映画はジャニーズファン向けのものだ。
アイドルのイメージを崩すような、どす黒い表現はできない。
はっきり言って、友人役の伊勢谷友介の方が主役には向いていた。
でも同じジャニーズ事務所では森田剛の中原中也が、思ったより良かった。


監督 荒戸源次郎
原作 太宰治
製作総指揮 角川歴彦
企画 角川歴彦
撮影 浜田毅


出演
生田斗真 (大庭)
伊勢谷友介 (堀木)
寺島しのぶ (常子)
石原さとみ (良子)
小池栄子
坂井真紀
室井滋
石橋蓮司
森田剛 (中原中也)
大楠道代
三田佳子

暖流 1957 大映

戦後の大映映画の暖流である。
松竹が戦前、高峰三枝子と水戸光子で撮っていたと記憶しているが、内容は忘れていた。


日疋は恩人である志摩に請われて病院の建て直しをすることになる。
病院はジュニアの泰彦が医者であると言うだけで、真面目に働かないので、立ちゆかなくなっていた。
日疋は院長の娘啓子を愛していたが、看護婦のぎんをスパイにして病院内部情報を手に入れる。
二人は女学校での友人だった。
しかし院長がとうとう亡くなり病院乗っ取り派は関西の資本家と結びつき、日疋を病院から追い出す。


左幸子がエネルギッシュな女性役を好演。
増村保造らしい演出で、松竹とはちがう好印象を持った。


監督 増村保造
脚色 白坂依志夫
原作 岸田国士
製作 永田秀雅
撮影 村井博


出演
根上淳 (日疋祐三)
左幸子 (石渡ぎん)
野添ひとみ (志摩啓子)
小川虎之助 (志摩泰英)
村田知栄子 (志摩滝子)
船越英二 (泰彦)
品川隆二

初恋・地獄編 1968 ATG

シュンとナオミの青春残酷物語。
素人出演のドキュメンタリータッチかと思うと、途中から精神分析シーンや回想シーンがふんだんに取り入れられている。

教護院上がりのシュンは少年愛嗜好がある彫金師に引き取られ、集団就職で上京したナオミはヌードモデルをやっている。
ある日、二人は出会いラブホに入るが、シュンの方が何もできなかった。
彼は少年愛の被害者であり、自らはロリコンだったのだ。
シュンは少女を裸にしたことを通報され精神病院に入れられる。
退院後、ナオミを探すと、彼女は変態レズビアンショーで働いていた。


救いのない話だ。
羽仁進作品はジョン・カサベテスに通じるところがある。

しかし道の真ん中でラーメン屋が丸裸になってポーズを取るシーンは、ゲリラ撮影だったようだから、あとで警察に払い下げに行ったんだろう。
ドキュメンタリータッチは羽仁進のものだが、回想シーンが何か見覚えがあると思ったら寺山修司が脚本参加していた。

中学生日記の風間先生が、ひげの変態愛好者の役で登場する。
演技は先生のときと同じだった。

それから眉毛の濃い養父役の満井幸治、どう見ても素人出演だが、少年愛嗜好者を演じている。
ほんとうにその気がある人だろうか?


監督 羽仁進
脚本 寺山修司 羽仁進
製作 藤井知至
撮影 奥村祐治


出演
高橋章夫 (シュン)
石井くに子 (ナナミ)
満井幸治 (養父)
福田和子 (養母)
宮戸美佐子(実母)
湯浅実 (安国寺)

2012.09.12

転校生 1982 松竹

新春期男女の入れ替わりコメディの名作。
原作は山中恒のジュヴナイル小説。

尾道の中学生の一夫のクラスに一美が転校してくる。
実は一美は昔尾道に住んだことがあり、一夫とは幼なじみ。
その二人が階段を踏み外した途端に、人格が入れ替わってしまう。

一夫が転校することになって、元に戻らない焦りから、船で旅行に行くシーン。
大林監督と言えば船の乗降シーンが多いが、ここでも登場する。
青春の出会いと別れ、道行きなどを想像させる重要なシーンだ。

尾美としのりも小林聡美も才能は認めるが、この映画の成功があったから今まで俳優業を続けている。
それぐらい、われわれにも印象深い作品だったのだ。


監督 大林宣彦
脚本 剣持亘
原作 山中恒
製作 佐々木史朗
プロデューサー 森岡道夫 大林恭子 多賀祥介
撮影 阪本善尚 大林千茱萸


出演
尾美としのり (斉藤一夫)
小林聡美 (斉藤一美)
佐藤允
樹木希林
宍戸錠
入江若葉
志穂美悦子

2012.09.11

下妻物語 2004 東宝

各種映画賞を受賞して海外でも公開された作品。
見てみると確かに下妻には無国籍の香りがする。
嶽本野ばらの原作は読んだことがなかったけど、見た通りのコメディタッチの作風だろうと想像される。


ロリータファッションに身を包む桃子はふとしたことからヤンキーであるイチゴの戦闘服の刺繍をしてやる。
それが縁で二人は親友になる。
やがてレディースの集会より桃子と会うことを優先したイチゴはレディースのメンバーにリンチされる。
それを見た桃子は両親の血のスイッチが入ってしまい、レディースを蹴散らす。


深田恭子の出世作だ。
このおかげでホリプロでも綾瀬はるかはいまだに深田にかなわない。
(石原さとみは綾瀬はるかより格下である。)
男は見て面白いと思ったが、多少冗長に感じた。
女性は楽しめたのだろうか?


監督 中島哲也
脚色 中島哲也
原作 嶽本野ばら
撮影 阿藤正一
美術 桑島十和子
音楽 菅野よう子
音楽プロデューサー 金橋豊彦

出演
深田恭子 (桃子)
土屋アンナ (白百合イチゴ)
樹木希林 (祖母)
宮迫博之 (父)
篠原涼子 (母)
阿部サダヲ
岡田義徳
小池栄子
矢沢心

2012.09.10

嫌われ松子の一生 2006 東宝

53才で殺されたおばの謎の人生を甥がひもといていく。
ミュージカル部分を含め昭和テイストをたっぷり込めて送る異色作。
中谷美紀が日本アカデミー主演女優賞を獲得した。


中学教師の松子は教え子龍の万引きに絡んで退職させられる。
その後、堕落を続けた松子は雄琴のソープ嬢にまで落ちる。
そこで同棲していた男が浮気したので、かっと来て殺してしまい、懲役刑となる。
刑期を終えて出てきた松子を支えたのは、かつての囚人仲間めぐみだった。
やがてヤクザになった教え子龍と再会し愛し合うが、龍の逮捕で二人の関係は終わる。
以来、俗世との関係を断ち、光GENJI内海光司の熱狂的おっかけとなった松子だったが、ある夜不良中学生に絡まれ無残な最期を遂げる。


殺人事件という重いテーマなのにミュージカル手法を用いるという変わったタイプの映画。
中谷美紀の鬼気迫る演技に圧倒される。
瑛太も良い味を出していた。
反面、それ以外の有名俳優陣が演技で抑えすぎている。
2時間10分という長丁場の映画なのだから、各人の個性を生かして欲しかった。


監督 中島哲也
脚本 中島哲也
原作 山田宗樹
エグゼクティブプロデューサー 間瀬泰宏 小玉圭太
撮影 阿藤正一
美術 桑島十和子
音楽 ガブリエル・ロベルト
音楽プロデューサー 金橋豊彦


出演
中谷美紀 (川尻松子)
瑛太 (川尻笙)
伊勢谷友介
香川照之
市川実日子
黒沢あすか
柄本明
木村カエラ

2012.09.08

クレイジーのメキシコ大作戦 1968 東宝

メキシコの秘宝をめぐってヤクザのハナ肇、詐欺師植木等、刑事犬塚弘、銀行員谷啓が東京からアメリカ、メキシコへ繰り広げる珍道中もの。
実際にサンフランシスコ、メキシコシチーやアカプルコで派手に撮影している。


出所した清水(ハナ)は親分からメキシコの秘宝を奪うよう命令される。
ところが清水は詐欺師の酒森(植木)にその宝を奪われてしまう。
酒森は偽物を親分に売りつけ、恋人とアメリカに逃げてしまった。
彼を追ってクレイジーの他の面々もアメリカへ。
現地でマフィアに追われた一行はメキシコに渡るが金がなくてメキシコ国立劇場でショーをはじめる。


ドタバタ喜劇で上映時間2時間40分は長すぎる。
いくらミュージカル部分が挿入されているとは言え。
この頃のクレイジー映画には、併映映画がなかったのだろうか。
ラストでは、ナベプロつながりで沢田研二がノンクレジットながら登場する。


監督 坪島孝
脚本 田波靖男
製作 渡辺晋 大森幹彦
撮影 内海正治
音楽 宮川泰 萩原哲晶


出演
植木等 (酒森進)
ハナ肇 (清水忠治)
谷啓 (鈴木三郎)
犬塚弘 (塚田刑事)
石橋エータロー
桜井センリ
安田伸
浜美枝
園まり
大空真弓
春川ますみ
ザ・ドリフターズ
田武謙三
中丸忠雄
沢田研二

本日休診 1957年 松竹

井伏鱒二の人情ものを原作に、普段は越後屋的商人役が多い柳永二郎を主役に抜擢した松竹と渋谷実監督の傑作映画。

戦後のドサクサ期の「赤ひげ」ものだ。
本日休診の札を掲げて一日のんびりしようとしても、急患は次から次へと絶えない。
そして、病人それぞれに人生の問題も抱えていて、先生はカウンセリングまでしなければいけない。

実際は小津監督の「東京物語」の山村聰のように人生にくたびれた医者ばかりだったはずだが、
柳永二郎の三雲先生に限ってはどんなにくたびれても希望を失わない。
最後に、戦争のおかげで気が変になった勇作に号令を掛けさせて飛んでいく雁に敬礼するシーンは印象的。

佐田啓二と鶴田浩二の共演も珍しい。


監督 渋谷実
脚色 斎藤良輔
原作 井伏鱒二
製作 山本武
撮影 長岡博之

出演
柳永二郎 (三雲八春)
増田順二
田村秋子 (湯川三千代)
佐田啓二 (湯川春三)
角梨枝子 (津和野愁子)
鶴田浩二
淡島千景
中村伸郎
十朱久雄
長岡輝子
三國連太郎 (傷痍軍人)
岸惠子
多々良純

のだめカンタービレ最終楽章 前後編 2009~2010 東宝 

有名漫画のドラマ化したものの最後の部分を映画化して、だめ押しのボロ儲けしようとしたフジテレビの陰謀うごめく作品。

パリ・コンセルバトワール留学したのだめと千秋先輩のお話。
ピアニストであるのだめの夢は指揮者である千秋とのラベルのピアノ協奏曲の共演。
しかし千秋は一足先に孫Ruiとその曲を公演してしまう。
失意ののだめにシュトレーゼマンはショパンのピアノ協奏曲の共演を持ちかける。


二人の監督を使って、しかも総監督まで置いて、撮るほどの映画かなと思う。
パリまで行って、フランス人俳優をわずかしか使わず、使っても全員吹き替えという手法にはあっけにとられたが、
コメディーだと割り切れば結構なことである。
しかし後編は監督が替わってシリアスパートになるのだ。
いっそのこと配役からがらりと変えた方が良かったのでは?


上野樹里についてわかったことは、少なくとも演技は下手じゃない。
でもNHKが時代劇のお姫様をやらせるのは無謀だった。
タイプじゃない。


総監督 武内英樹
監督 武内英樹(前編)/川村泰祐(後編)
脚本 衛藤凛
原作 二ノ宮知子
撮影 山本英夫


出演
上野樹里 (野田恵)
玉木宏 (千秋真一)
瑛太 (峰龍太郎)
水川あさみ (三木清良)
小出恵介 (奥山真澄)
ウエンツ瑛士 (フランク)
ベッキー (ターニャ)
山口紗弥加
山田優
谷原章介
なだぎ武
福士誠治
竹中直人 (フランツ・フォン・シュトレーゼマン)

乱れる 1964 東宝

森田家は酒屋を営んでいる。若くして長男が亡くなり未亡人となった嫁礼子が姑ともに支えてきた。
義弟幸司がいるが不良でまともに働いてくれない。
ある日、嫁は妹夫婦によってスーパーマーケットに改造する計画があること、実家で再婚話が進んでいることを告げ、森田家を出ると宣言する。
森田家を去る日、義弟は送っていくと言うが駅までではなく電車にまで乗り込んでくる。
最後だからと許した礼子は、その寝顔を見ていて、ふと山間の宿に幸司を誘う。


成瀬作品にしては人間心理を深い場所まで食い込んだ作品。
結末は悲劇的である。
家を出た未亡人とは言っても、これから重い十字架を架せられて生きていく礼子の心が悲しい。

石原裕次郎にこの役ができたかな?と思う。
思った以上に加山雄三は器用なのかも知れない。


監督 成瀬巳喜男
脚本 松山善三(オリジナル)
製作 藤本真澄 成瀬巳喜男
撮影 安本淳


出演
三益愛子 (森田しず)
高峰秀子 (礼子)
加山雄三 (幸司)
草笛光子 (久子)
白川由美 (孝子)
北村和夫

ゼロの焦点 2009 東宝

昭和30年代、ようやく戦後も落ち着きを見せ始めた時代、新妻禎子は鵜飼を出張で北陸路に送り出す。
しかし夫は帰ってこなかった。
禎子は金沢に入るが、そんな彼女を待っていたかのように、義兄の殺人事件が起きる。
夫の北陸での生活をよく知っているという佐知子と禎子は知り合うが。


友人は主演の広末涼子がイマイチといっていたが、僕はそうは思わなかった。
彼女は彼女なりに良く演じている。
それより全体にホラー色があり、それに合わせて中谷美紀がやり過ぎているのだ。
まるで松本清張を横溝正史の様に扱う、監督の演出にこそ問題があると思う。

前回の61年の映画と比較すると、
久我美子<広末涼子
高千穂ひずる>中谷美紀
有馬稲子>木村多江


監督 犬童一心
脚本 犬童一心 中園健司
原作 松本清張
製作総指揮 島本雄二 島谷能成

出演
広末涼子 (鵜原禎子)
中谷美紀 (室田佐知子)
木村多江 (田沼久子)
杉本哲太
西島秀俊
鹿賀丈史

空気人形 2009 アスミックエース

アイデアが凄いし、韓国人を主役に起用するのも凄い。
日本人だとどうしても生々しさが感じられるので、人形に感じられない。


ファミレスのダメ店員秀雄のストレス解消法はダッチワイフとの会話。
しかしダッチワイフはある朝自分の体が人間のように動くことに気づく。
持ってはいけないと言われる心を持ってしまったのだ。
やがて服を着こなして外出するダッチワイフ。
一軒のレンタルビデオ店を見つけ、そこでアルバイトすることになった。


最後の終わり方をどうするかと思ったが、刃傷沙汰で終わった。
要するに無理心中だ。
日本的な終わり方だった。


しかし全体的に優秀な作品だ。
空気のような存在に過ぎない我々、しかしそんな我々も何かを感じて生きている。


監督 是枝裕和
原作 業田良家
撮影監督 李屏賓
美術監督 種田陽平


出演
ペ・ドゥナ (空気人形)
井浦新 (レンタルビデオ屋店員・純一)
板尾創路 (ファミレス従業員・秀雄)
高橋昌也
余貴美子 (受付嬢・佳子)
岩松了 (スケベな店長・鮫洲)
柄本佑
星野真里
寺島進
オダギリジョー (人形師)
富司純子

2012.09.07

「廓」より無法一代 1957 日活

日露戦争の好景気に沸く伏見でベンチャービジネスとして遊郭を開いた男のロマン。
伏見は淀川を利用した交通の拠点として栄えたが、その中書島には戦後まで続いた赤線地帯があった。


福井から伏見へ出てきた貫太は妻の銀とともに300円の金で空き家を借り受け、遊郭「貫銀楼」として商売をはじめる。
はじめは三人の娼婦ではじめるが、一人は脚抜けして(逃げ出して)一人は入院する。
結局、若い菊奴一人に負担が押しつけられる。
そんなとき救世軍が娼婦解放を訴え、菊奴の心は揺れる。
ある日、救世軍をリンチしたとして警察が遊郭の席主たちを追求するが、貫太は身代わりになって自首する。
貫太はこれを機会に存在を示して、貫銀楼をより広い場所に移転する。


1958年に売春防止法によって赤線は廃止されたが、その前年の上映だったから、最後のクレジットに遊郭の悲劇はいつまでも続く旨が書かれていた。
たしかにいつの時代も悲劇は終わらないものだが、主人側の立場でしかもベンチャーとして肯定的に描けたのはこの時代が最後なのかも知れない。

珍しい日活の明治ものだ。
三橋達也の日活主演作は「洲崎パラダイス赤信号」以来久しぶりに見た。
実に色気のある演技を見せていた。
「洲崎パラダイス赤信号」同様に、この映画でも新珠三千代が別れそうで別れられない妻を演じていた。
芦川いずみは普段のヒロイン役と全くちがうが、女の弱さをうまく表現した。
八住利雄の脚本も立派な出来で、脇役に回った凄いメンツをうまく御していた。
石原裕次郎以前の日活の面白かった頃の映画だ。


監督 滝沢英輔
脚色 八住利雄
原作 西口克己
製作 高木雅行
撮影 横山実
音楽 佐藤勝


出演
三橋達也 (鰐口貫太)
新珠三千代 (銀)
宇野重吉 (勢五郎)
芦川いづみ (菊奴)
利根はる恵 (竹奴)
清水将夫 (碇川)
宍戸錠
佐野浅夫
澤村國太郎
芦田伸介
浜村純
天草四郎
殿山泰司

トプカピ 1964 UA

政治的な傑作を撮り、赤狩りでハリウッドを追われたジュール・ダッシン監督が、「日曜はダメよ」から四年後に撮った娯楽盗賊映画。
当時はピンクパンサーのような、ヨーロッパ的なおしゃれクライムストーリーが流行っていた。

メリナ・メルクーリが、マクシミリアン・シェル、ロバート・モーリーと組んで、宝石を散りばめた王家の短刀を狙う。
しかしトルコ国家警察はメリナたちをテロリストとしてマークし、冴えない英国人ピーター・ユスチノフをスパイとして送り込む。

昔は吹き替えで見たのだろう。
字幕番だとメリナがしわがれ声で、あまり色気を感じなかった。

ロバート・モーリーが好演。


この二年後の1966年、監督はメリナと再婚する。

監督 ジュールス・ダッシン
脚本 モンヤ・ダニシェフスキー
原作 エリック・アンブラー
撮影 アンリ・アルカン
音楽 マノス・ハジダキス

出演
メリナ・メルクーリ
ピーター・ユスティノフ
マクシミリアン・シェル
ロバート・モーレイ

2012.09.06

北村透谷 わが冬の歌  1977 ATG

「やまぐちさんちのつとむ君」で一世を風靡した直後のみなみらんぼう主演作品。
ややマイナーな明治の文豪北村透谷が夢破れて自ら命を絶つまでを描いている。
正直言って知らないエピソードばかりだったので、感情移入する隙がなかった。

しかし田中真理ファンにはたまらない一般映画だろう。
彼女のラブシーンがふんだんである。

北村透谷という人は自由民権運動から流れて世界平和主義、自由恋愛主義に走り、日清戦争に国家が走り出す中、理想と現実のギャップに押しつぶされて、自殺したのだ。

ただ、どうして自由民権運動から彼だけそういう方向へ走ったか、彼の文章を読んでいないからピンとこなかった。

共演陣と音楽監督は豪華である。


監督 山口清一郎
脚本 菅孝行
撮影 田村正毅
音楽 高橋悠治


出演
みなみらんぼう (北村透谷)
田中真理 (北村美那、蝶)
石橋蓮司
河原崎次郎
西塚肇 (島崎藤村)
堀内正美
なぎらけんいち (川上音二郎)
沖雅也 (妻の弟)
藤真利子 (樋口一葉)
萩尾みどり
鳥居恵子
伊豆田依子

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