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2013年7月

2013.07.30

アイリス 2001 イギリス

自由な感性を持ちイギリス20世紀を代表する女性作家アイリス・マードックとの生活を夫ジョン・ベイリーが赤裸々に描いた回想録の映画化。
老いたジョン・ベイリーを演じた当時52歳のジム・ブロードベントがアカデミー助演男優賞を受賞している。

監督脚本
リチャード・エアー

出演
ジュディ・デンチ
ジム・ブロードベント
ケイト・ウィンスレット
ヒュー・ボネヴィル


奔放な妻を持って、夫の心労はたいがいではなかったと思う。
でも彼女が天才作家だとすると、耐えるしかないかなあ。
二人の間には、子供はできなかった。
若い頃の遊びが祟ったのか、子供嫌いだったのか。

でもその夫がアルツハイマーになった妻を介護して見送るとは運命は皮肉なものだ。
最後に彼女の愛を独占できたのかも知れないけれど。

2013.07.29

喜劇にっぽんのお婆ぁちゃん 1962 M.I.I.プロダクション(松竹)

監督 今井正
原作脚本 水木洋子
音楽 渡辺宙明
撮影 中尾駿一郎

出演
ミヤコ蝶々(サト)
北林谷栄(くみ)
飯田蝶子
浦辺粂子
原泉
村瀬幸子
岸輝子
東山千栄子
斎藤達雄
十朱幸代
市原悦子

すごい婆さん爺さんパワーを描いた作品。

どら焼きを盗んだと疑いを掛けられて老人ホームを脱走した北林谷栄(どう見ても70歳だが、当時の実年齢は51歳)。
彼女は、ぶらりと浅草仲見世に出てきたミヤコ蝶々と橋幸夫の「木曽節三度笠」の踊りで意気投合する。
二人は、若い店員十朱幸代に声をかけられて、焼き鳥屋でビールをあおる。
再び町に出た二人は、中年セールスマンの田口と出会う。
人の良さそうな田口は、二人に女房とのおのろけを聞かせる。

しかし暗くなってきて、ミヤコ蝶々は嫁にいびられたため死に場所を探していると打ち明ける。
北林も視力が失われつつあり、一緒に死のうと決心する。
ところが、元気な田口が交通事故に遭い、ぽっくり死んでしまった。

根深い老人問題を主題にしている。
喜劇と銘打たれているが、腹を抱えて笑うような作品ではない。

北林谷栄とミヤコ蝶々だけでなく、老人ホームで北林を心配する老人たちも名優ばかり。
すごい作品を今井監督は撮った。


他の国の映画でも、老人問題を描いた映画はよく見ている。
しかし、この時期(1960年代前半)にこういう映画を撮ったことが素晴らしいと言おうか、日本だけ高齢化が進んでいたのか。

いやおそらく、日本人は昔から「楢山節考」のような問題意識を持ち続けていたのだろう。

2013.07.23

ボン・ヴォヤージュ 2003 フランス

フランス発のちょっとコミカルなスパイ映画。

第二次世界大戦前夜、小説家志望のオジェは幼なじみの映画女優ヴィヴィアンヌに呼び出される。
誤って人を殺したため、死体を始末してほしいと彼女は懇願する。
彼女に惚れているオジェは快諾するが、運転中に事故を起こし、警察に逮捕される。

服役中ドイツ軍が侵攻してパリは陥落し、人々はボルドーに逃げる。
また、オジェは囚人仲間のラウルも脱走してボルドーへ向かい、
途中で原子核物理学者のコポルスキ教授と美人助手のカミーユと一緒になる。
彼らは原爆製造に欠かせない減速材の重水を持っていた。
ナチスのスパイも原爆には興味津々でボルドーに集結しつつあった。

ボルドーでオジェたちはボーフォール内務大臣とその愛人におさまっていたヴィヴィアンヌに再会。
ヴィヴィアンヌの伝でコポルスキ教授の海外逃亡の許可を得ようと運動するが、ボーフォールは逆に
ナチスとの講和条約の材料に重水を利用しようとして教授を拘束する。
ヴィヴィアンヌが殺人を犯した事実もボーフォールに知られ、捨てられてしまう。

オジェはヴィヴィアンヌとともに逃げるか、コポルスキ教授の脱出を手助けするかで板挟みになってしまう。


監督 ジャン=ポール・ラプノー
脚本 ジャン=ポール・ラプノー 、 パトリック・モディアノ
出演
イザベル・アジャーニ(女優)
ジェラール・ドパルデュー(大臣)
ヴィルジニー・ルドワイヤン(助手)
イヴァン・アタル(ラウル)
グレゴリーデランジェール(オジェ)
ピーター・コヨーテ(ナチス)
ジャン=マルク・ステーレ(教授)

なかなか小粋な映画だった。
アジャーニは馬鹿なだけの女優役だが、出番が多いのだけが救い。
ヒロインは新しい世代のヴィルジニー・ルドワイヤンだった。
映画「8人の女たち」のときは、まだ青臭そうだったが、いまやインテリ美人役はぴったりだ。
ポスト・イザベル・ユペールだろう。
逆に言えば、アジャーニの得意とする役は無理だ。

実話に基づいているそうだが、どこからどこまでがそうなのか、全然わからない。
古いハリウッドタイプの映画だという人もいるが、そうは思わない。
フランス映画らしいと思った。


2013.07.18

110番街交差点 1973 20世紀フォックス

イカしている黒人ハードボイルド映画だった。
それをイタリア人が撮っているあたりが面白い。

製作総指揮 主演 アンソニー・クイン
監督 バリー・シアー
音楽 J.J.ジョンソン、ボビー・ウーマック

出演
ヤフェット・コットー(ポープ)
アンソニー・フランシオサ(ニック)
リチャード・ワード(ドク・ジョンソン)


舞台はニューヨークのハーレム。
イタリア人マフィアの地下銀行が集金した30万ドルを黒人ギャング三人組が強奪する。
マフィアのボスは怒り狂い、女婿ニックに示しをつけるように命ずる。
ニックは、ハーレムで力をつけ今やマフィアの下請けを務めるドク・ジョンソンにギャングの探索を命じる。

一方、ニューヨーク市警ベテラン警部のマテリ(イタリア系)は当然自分が担当するものと思って現場に乗り込むが、市警察幹部は警部補になって二年目の黒人ポープに任せてしまう。
両者は事件について、ことごとく対立する。

ギャングはニューヨークを離れていなかった。
ひとりは酒と女とドラッグでバカ騒ぎをして、マフィアに捕まり、タマを切られて、殺される。
また一人もニューヨークから逃げ出そうとしたところを、ドク・ジョンソンの非常線に引っ掛かり、20階から落とされて死ぬ。
最後に残ったジムの居場所もドク・ジョンソンはつかむが、マフィアに知らせた後、何故か警察にも密告する。

「黒いジャガー」より後の映画。
一見イタリア人のアンソニー・クインが主役のようだが、最後に笑うのは警察もマフィアも両方とも黒人である。
ゴッドファーザーが長年苦労して守ってきたニューヨークのシマは、こうやって次第に黒人やプエルトリコ勢力に浸食されていったのだろう。

サントラ盤はイマイチらしいが、有名なジャズトロンボーン奏者J.J.ジョンソンの音楽はファンキーだったりメローソウルだったりで、かっこよかった。
主題歌はボビー・ウーマックが歌い、後にタランティーノ監督の映画「ジャッキー・ブラウン」でも使われた。


2013.07.17

熱いトタン屋根の猫 1958 MGM

監督脚本 リチャード・ブルックス
原作 テネシー・ウィリアムズ

出演
ポール・ニューマン
パール・アイブス
エリザベス・テイラー
マドレーヌ・シャーウッド
ジャック・カーソン

テネシー・ウィリアムズにしてはラストがハッピーエンド。
原作ではブリックの同性愛が匂わされていたが、映画ではその部分はカット。


ブリックは南部の大金持ちの次男坊でフットボールの元スター選手。
しかし引退後、なにをやってもうまくいかず、酒浸りになり、妻のマギーに当たり散らして触れもしない。
先日も酔ってハードルを跳んで足の骨を折る。
一方、父のビッグダディは病で倒れ、長男のグーパーは医者から余命幾ばくもないと宣告される。
グーパーの妻メイは早速、遺産を独り占めしようと目論んで、夫をたきつける。
父の帰宅の日、無事を祝う振りをして、母に財産を譲るように説得にかかる。

長男の嫁メイ役のマドレーヌ・シャーウッドの鬼嫁ぶりがすごい。
富士真奈美も真っ青だ。表情からして毒々しい。
エリザベス・テイラーは彼女の演技に救われただろう。

エリザベス・テイラーは演技派だから、たしかに欲求不満がたまっているような感じが出ていた。
ただ、シャーウッドのすごい顔の前に目立たなかったが、若い頃の美しさも色あせてきた。
まだ26歳だったが、プロデューサー・マイケル・トッドと三度目の結婚をして引退して来日したりしていたが、夫が急死してすぐ復帰したのがこの作品。
美しくいてくださいという方が難しいだろう。



また、この頃から豊満になりはじめたようだ。
エキゾチックな顔立ちの人は年を取っても太りにくいのだが。
酒の飲み過ぎかな。


2013.07.14

三等重役 1952 東宝

監督 春原政久
原作 源氏鶏太
脚本 山本嘉次郎、井手俊郎
撮影 玉井正夫

出演

河村黎吉 桑原社長
沢村貞子 千里夫人
森繁久彌 浦島人事課長
千石規子 同夫人
小林桂樹 若原
島秋子  久保青子
進藤英太郎 藤山社長
岡村文子 夫人・京子
藤間紫   おこま
小野文春 田口出張所長
越路吹雪 道子

映画史に輝くあの東宝社長シリーズの原形になった作品。
元は源氏鶏太がサンデー毎日に連載した企業小説だった。

森繁久弥はここでは主演でも社長役ではない。
河村黎吉演ずる社長の忠実な人事課長でありコバンザメみたいな役である。
言わば社長シリーズにおける三木のり平だ。

河村は真面目な社長として会社の業績増進に向けて努力している。
しかしサラリーマン社長だけに、オーナー一族から社長職を返せと言われるのではないかと恐れている。

河村を見ていると後の社長シリーズでの森繁と少し似ている。
たとえば行き違いで藤間紫と同宿することになって浮気したい。
しかし進藤英太郎のたびたびの妨害が入って据え膳を食えない。
社長の後任人事が取りざたされて、誰もが次期社長になびいているのに、小林桂樹が仲人をやって欲しいと言って来て、社長夫人は喜んで引き受ける。

作品としては、まあまあのものだった。
越路吹雪など、豪華な顔ぶれを見るだけでも価値はある。

社長シリーズの元の形は、このように当時の人気小説家源氏鶏太が作り上げたものだった。
しかし、それをワンパターンであってもあれだけ長く引き継いだのは、森繁以下東宝スタッフの腕だろう。

このあと、森繁が主役になって人事部長を再び演ずる「続三頭重役」が上映されたようだ。


2013.07.13

警察日記 1955 日活

監督 久松静児
脚色 井手俊郎
原作 伊藤永之介
撮影 姫田真佐久
音楽 団伊玖磨

出演
森繁久彌 (吉井巡査)
三島雅夫 (署長)
十朱久雄 (主任)
織田政雄 (主任)
殿山泰司
三國連太郎
宍戸錠
伊藤雄之助

小田切みき 
東野英治郎
岩崎加根子
飯田蝶子
杉村春子
多々良純
沢村貞子
二木てるみ (子役)
千石規子

裕次郎が入ってくるまでの日活映画は実に渋い。
ときに傑作を作る。

会津の田舎警察署で起こる群像劇。
事件らしい事件は起きない。
無銭飲食、違法労働斡旋、政治家の接待そして迷子。

森繁久弥巡査は、ずっと迷子の二木てるみの世話を見ている。
沢村貞子が経営する旅館が預かってくれることになったが、そこへ実の母が現れる。
しかし彼女は貧しくて名乗りを上げられないという。
そこで森繁が娘をちょっとだけ連れだし、新米巡査宍戸錠運転の車に同乗している母に見せてやる。

今の地方警察にこんな情があるだろうか?
いや、当時からほとんどなかったのだろう。
だから映画になったのだ。

モグリの労働斡旋業者を労働局と警察が取り合いをするあたり、昔から縦割り行政があったのだなと感じさせる。
一度は村娘岩崎加根子を違法労働から救ってやった三國連太郎巡査だったが、結局はやはり工場に安い金で売られていく。
三國が自分の無力を痛感するシーンも印象的。

なにしろ森繁久弥と三國蓮太郎が共演しているのだ。
出来が悪いわけがない。



愛の泉 1954 20世紀フォックス

原作 ジョン・セコンダリ
監督 ジーン・ネグレスコ
脚色 ジョン・パトリック
出演
クリフトン・ウェッブ
ドロシー・マクガイア
ジーン・ピータース
ロッサノ・ブラッツィ
ルイ・ジュールダン
マギー・マクナマラ
主題歌
フランク・シナトラ

パラマウントの「ローマの休日」にあやかって、20世紀フォックスが作ったテクニカラーのローマ観光映画。
トレビの泉の最初のシーンは有名。
一部ベネチアのシーンもある。

初めてこの映画を見たのは子供の頃でサンテレビの昼の洋画劇場だったか。
そのときはイタリア人ロッサノ・ブラッツィの濃さに当てられて、圧倒されたと思う。
もしかしたらフランス人ルイ・ジュールダンもイタリア人と誤解していたかも知れない。

その後、主題歌をよく聞くことはあった。
しかし本編を見ることはなかった。

40年たって再び見たが、演出といい、脚本といい思ったほどの出来ではなかった。
さらにセット撮影が多くて、急いで作ったというのが丸出しである。

若いカップル(マギー・マクナマラ、ルイ・ジュールダン)のシーンが大変地味に見えた。
ルイ・ジュールダン(恋の手ほどき)は撮影当時まだ若かった。
マギー・マクナマラは1953年アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされるほどだったが、オードリー・ヘップバーンの「ローマの休日」の前に敗れ去った。
そこで翌年この作品でリベンジを図ったのかも知れないが、地味だったためにますます差を広げられた。
これ以降はスクリーンから次第に遠ざかってしまう。

またジーン・ピータースとロッサノ・ブラッチ(旅情)のカップルも目立っていない。
普通に考えたら、すごく濃いカップルなんだけど。
短時間で三つのカップルをまとめるのは、無理だったのだろう。

クリフトン・ウェブ(ローラ殺人事件)とドロシー・マグワイヤ(紳士協定)の熟年カップルが一番輝いていた。
カラーフィルムもびくともしない。
脚本や演出がダメでも、演技力だけで何とかした好例。

クリフトン・ウェブは当時ですでに65歳。
9年後まで映画に出演し続け、12年後に亡くなる。
ちなみに「ローラ殺人事件」のときは55歳だった。
ブロードウェイで若い頃から鍛えてきたから、演技力がその辺の映画俳優とは全く違う。
ホモセクシャルのため、結婚はしなかったそうだ。

2013.07.09

川の底からこんにちは 2010 ユーロスペース・ピア

監督・脚本 石井裕也 (ブルーリボン監督賞)
出演
満島ひかり(二年連続モントリオール・ファンタジー映画祭主演女優賞)
志賀廣太郎
岩松了

石井裕也が初の商業映画で史上最年少受賞した作品。

どこか自主映画の味わいを残していて、脱力系だ。

佐和子は生まれ故郷を家出して上京し5年、5度仕事を変えて、5人目の彼氏とつきあっている。

今は玩具メーカーの契約社員で、子持ちの男新井とつきあっている。

娘は加代子といい、子供嫌いの佐和子になかなか、なつかない。

佐和子はそんな自分を「中の下だから」と万事についてあきらめている。

ある日、叔父(岩松了)が「父(志賀廣太郎)が倒れた」と連絡してくる。
酒飲みが祟って肝硬変になり長くないらしい。

父は地元でシジミをパックする工場を営んでいた。

佐和子は父の抜けた工場をイヤイヤ手伝う羽目になる。

しかし、従業員は地元のおばちゃんばかり。
佐和子が男と駆け落ちしたことも知っていて、彼女に辛く当たる。

やがて自暴自棄になった佐和子に恋人新井は嫌気が差し、女と逃げてしまう。

新井の娘加代子、病人の父とともに後に残された佐和子。
工場の業績も落ちるところまで落ちた。
そこで彼女はやっと開き直り、会社を建て直しはじめる。

ようやく目覚めた佐和子の姿におばちゃん達も心を開き、新しいシジミパックは売上を倍増する。

しかし、ついに父に最期の時が来た。

満島ひかりはテレビの主演だと一つしか引出を開けないが、映画だと、役に応じて変幻自在だ。

石井の脚本も脱力+コミカルでいい。

メジャー級の役者は満島しか出ていないが、どの俳優の持ち味も生かされていて、実に楽しかった。


この映画が封切られてから、石井と満島は結婚した。
結婚後は石井映画に満島が主演することはないそうだ。
それだけが残念である。

2013.07.07

高慢と偏見 1940 MGM

ジェーン・オースティンの代表作を初めて映画化したもの(テレビドラマはイギリスですでに作られていた)。

監督 ロバート・レナード

主演
ローレンス・オリビエ
グリア・ガースン
モーリン・オサリバン(ジェーン)

2005年の「プライドと偏見」よりコミカルに仕上がっている。昔の方が誰も芸達者だったんだなあ。

ツンデレ文学の走りのような作品だが、そもそも男の方が身分を鼻にかけているのだから、今風のツンデレとは少し違う。

身分の高いことを鼻にかけて口が悪いダーシーと、思ったことをズケズケいうエリザベス・ベネット。
身分こそ違え、似たもの同士だが、姉ジェーンとビングリー氏の仲を取り持つうちに打ち解けて行く。

しかしその間に邪魔が入った。親戚のコリンズ氏がベネット家の相続権を手に入れたのだ。

順番から言って、二女のエリザベスがコリンズと一緒にならないと、立ち退かなくてはならない。

しかし勝ち気なエリザベスはのらりくらりと交わしている内に、友人のシャルロットがコリンズと結婚してしまう。

さらに悪いことは続くもので、末娘のリディアが将校ウィッカムと駆け落ちしてしまう。

ウィッカムはかつてダーシーのあることないことを吹聴していたが、ようやくエリザベスにも正体がわかった。

ダーシーはロンドン中、手を尽くして二人を探し出して何とか結婚させた。

最後は最も難関と思われたダーシーの叔母にして保護者キャサリン夫人がエリザベスをいたく気に入り、ダーシーが改めてプロポーズして、ハッピーエンド。

ロンドン大学出のグリア・ガースンがロンドンの舞台演劇からハリウッドに進出して3作目(デビュー作は「チップス先生さようなら」の奥さんの役)。
ロンドンから鳴り物入りでアメリカにやって来たのだが、それにしても立派なものだ。
イギリス人のローレンス・オリビエ相手に呼吸もぴったり。
貫禄さえ感じる。(当時、既にガースンは36歳)
キーラ・ナイトレイと比べても、グリア・ガースンの方が気品も高い。
ナポレオン戦争の最中の話だが、全くそんな空気は感じさせない。
でも当時の20歳の娘は今の35歳ぐらいには老成していたのではなかろうか?


この映画の封切りが戦争中だったにせよ、2006年にパブリックドメインになるまで日本で見られなかったのは残念としか言いようがない。


華麗なるギャツビー 1974 Paramount

アメリカじゃ高校の教科書にも載っている英文学の古典「華麗なるギャツビー」がまたまた映画化された。
今回ギャツビー役はディカプリオ、語り手のニック役はトビー・マグワイヤ、そしてヒロイン・デイジー役はオスカーに近づいた英国女優キャリー・マリガン。
でも見る気がしない。
ディカプリオやトビーって子役のイメージが強くて「ちびっ子ギャング」のような感じがするのだ。

ロバート・レッドフォード主演の「華麗なるギャツビー」(1974年)で、誰がデイジーを演じたのか、ど忘れしてしまった。
DVDを取り出して見てみると、ミア・ファローだった。
ギャツビーが身代わりに犠牲になるほどの美形とは思えないのだけど、たで食う虫も好き好きかな。

1974年映画として原作に加えているのは、ギャツビーの死後ニックがジョーダンに別れを告げているラストシーンで、トム・デイジー夫妻を登場させる。
そこでデイジーはニックを新居に誘っているが、その眼が何かを懇願するようだった。


2013.07.06

類猿人ターザン MGM 1932

監督 W.S.ヴァンダイク
出演
モーリン・オサリヴァン
ジョニー・ワイズミュラー


ワイズミュラー版ターザンの第一弾
ワイズミュラーは1924年のパリ五輪、1928年のアムステルダム五輪で合計5個の金メダルを獲得した水泳自由形の選手。
もともとオーストリア・ハンガリー帝国の出身(ドイツ系)で幼いときに親と一緒にアメリカに渡った。
顔を見ればわかるとおり、同国出身のアーノルド・シュワルツネッガーに似ている。

モーリン・オサリヴァンはアイルランド出身でイギリスではヴィヴィアン・リーの同級生だった。
のちにハリウッドにわたって、ターザン女優として売り出した。
現代の基準で見ると、おそらく30年代随一の美人女優だが、当時はグレタ・ガルボが全盛で、彼女のようなタイプは色物的に扱われていたみたいだ。
1936年に結婚して、子供を7人もうけた。
それ以来仕事量はセーブしてしまい、主役でなくても演技力を要求される映画だけを選んで出演した。
女優ミア・ファーロウは娘である。
ミア・ファーロウもアンドレ・プレビンとの間に6人の子供を産んでいる。この家系は多産系なのだ。


映画はジェーン(モーリン・オサリヴァン)が父を追ってアフリカを訪問するところから始まる。
ジェーンは父に頼み込み、象が死ぬとき姿を隠すという謎の山の探検に参加させてもらう。
行程は過酷で、奴隷黒人は次々死んでいく。
そんなとき、彼らは白人男性の雄叫びを聞く。
はたして敵なのか、味方なのか?

やがて姿を現したターザン(ジョニー・ワイズミュラー)は初めてみる白人女性のジェーンに興味を持ち、さらってしまう。
言葉の通じないターザンを野蛮人だと思っていたジェーンは露骨に嫌悪を示すが、ターザンが案外紳士的な態度もとることを知り、次第に親しみを抱くようになる。
しかし、ジェーンの父が病を押して、探索に来たのを知って、泣く泣くターザンに別れを告げる。
ところがジェーンと父はピグミーに拉致されてしまい、従者は一人ずつ殺され、次はジェーンの番になる。
そこに雄叫びとともにターザンと象の大群が現れ、ピグミーを全滅に追い込む。


ピグミーのかわりに、黒人のフリークスの皆さんを使っていたために、この映画はなかなか放送できなくなっている。
しかしモーリン・オサリヴァンの美貌だけは残したいものだ。

2013.07.05

夕凪の街桜の国 2007 アートポート

「夕凪の街桜の国」という6年前のDVDがレンタル落ちで安く出ていたので、買い求めた。
好きな田中麗奈と中越典子が出ている反戦映画である。
訴えたいことはそれだけではない。
被爆者の子供にDNA異常が遺伝しているかも知れないことから来る結婚差別問題だ。
考えたことがなかったので、虚を突かれた思いがした。

遺伝は医学的には否定できないようだ。
それでも後天的に三大成人病が起きる確率と比べて、有意かどうかわからないのかな。
もちろん広島大学原爆放射線医科学研究所と長崎大学原爆後障害医療研究所、福島大学環境放射能研究所では日夜研究が行われているだろう。
とくに長崎は他人事ではないから、早期解明を望む。

ショックだったことは別にもある。
この映画を家族に見せてやろうと思ったが、みんなが拒否したと言うことだ。
差別がある事実を知るより、そんな事実すら耳に入れたくないのだ。
知らない方が幸せかも知れない。
でも私は知らないわけにいかない。損な性分だ。

あらすじ

映画はまず昭和33年の広島から描いている。
前半の主人公皆美(麻生久美子)は復興の進まない広島のあばら屋で母と暮らしていた。
ともに被曝しており、父と妹を失っていた。
弟の旭だけは千葉に疎開していて無事で、そちらで養子になっている。
ある日、皆美に原爆症を症状がとうとう現れる。
終戦後、一度も広島に顔を出さなかった旭が見舞いにやって来て、広島大学へ進学することを決めたという。
しかし皆美は入学式を待たずなくなった。
時代は変わって平成19年の東京。
旭(堺正章)は定年を迎え、最近挙動が不審である。
長女の七波(田中麗奈)は旭を尾行する。


原作 こうの史代(2004年文化庁メディア芸術祭漫画部門大賞)
監督 佐々部清
脚本 佐々部清、国井桂
配給 アートポート

出演

石川七波 田中麗奈
平野皆実 麻生久美子
打越豊     吉沢悠
石川旭(青年期)伊嵜充則
利根東子 中越典子
太田京花 粟田麗
平野フジミ 藤村志保
石川旭     堺正章

映画受賞歴

第32回報知映画賞主演女優賞(麻生久美子)
第81回キネマ旬報ベストテン第9位
第62回毎日映画コンクール女優主演賞(麻生久美子)
第50回ブルーリボン賞主演女優賞(麻生久美子)
第17回日本映画批評家大賞作品賞、審査員特別賞(堺正章)

予告編
http://www.youtube.com/watch?v=K3bW_I9bC2w

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