420.イギリス映画(~69年)

2009.03.23

オリバー! 1968 英国


アカデミー賞で作品賞、監督賞、美術賞、作曲賞、音響賞の5部門を獲得している。
勢いで作品賞まで取ってしまったので、その後いつしか忘れられてしまった。
当時のライバルは「ファニーガール」「冬のライオン」「レイチェル・レイチェル」「ロミオとジュリエット」だから、ラッキーと言えば、ラッキー。
(この年の作品賞を、いまから選び直せば、ダニエル・キース原作「アルジャノンに花束を」だろうか。)


監督 キャロル・リード(第三の男)
製作 ジョン・ウルフ
原作 チャールズ・ディケンズ
脚色 ヴァーノン・ハリス
撮影 オズワルド・モリス
音楽監督 ジョン・グリーン
作曲作詞 ライオネル・バート
美術 ジョン・ボックス

配役:
マーク・レスター (Oliver 「小さな恋のメロディ」
ロン・ムーディー (Fagin) TV「デビッド・カッパーフィールド」のユーライヤ・ヒープ役
オリヴァー・リード (Bill Sikes) 「砂漠のライオン」
シャニ・ウォリス (Nancy)
ジャック・ワイルド (Artful Dodger) 「小さな恋のメロディ」
ハリー・シーコム (Mr. Bumble)

いまにして思えば、「オリバー!」は最後の大作ミュージカルだったかもしれない。
その後、「ハロー・ドーリー」や「屋根の上のバイオリン弾き」が作品賞にノミネートされたが、豪華さでは敵わない。

僕の好きな作品でもある。
主役のマーク・レスターの歌が慥かに下手かもしれないが、脇が見事にしまっている。
悪役をやらせたら右に出るもの無しのオリバー・リード、
ミュージカル・スターのロン・ムーディーとシャニ・ウォリス、
後に傑作映画「小さな恋のメロディ」で再びマーク・レスターとコンビを組むジャック・ワイルドと、非常に渋みのある配役だ。

群舞のシーンは効果的。
「ウェストサイド・ストーリー」「マイ・フェア・レディ」に続く、賑やかなミュージカルだ。

ラスト・シーンのロン・ムーディーとジャック・ワイルドが再会する場面も印象的だった。


ちなみにマーク・レスターは芸能界から引退して、現在、夫婦で接骨院を営んでいるそうだ。

シャニ・ウォリスの歌う、次の曲はスタンダードになってます。


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2009.02.01

A Contess from Hong Kong (チャップリンの伯爵夫人) 1967 Universal

チャップリン最後の監督作品。
自らも給仕長役でちょっとだけ出演。

1967年上映時に、この映画は古くさく感じられたのか、ヒットしなかった。
結果的にチャップリンは、唯一のカラー作品を我々に残してくれたわけだ。

見事なほど「古典的に」構成された作品だ。
(いくつか編集の穴はあったけれど。)
ブランドとローレンが、チャップリン流のドタバタコメディを演じるなんて、
今となっては考えられないことだ。

チャップリンを私淑する萩本欽一が、フジテレビの土曜バラエティ「欽ちゃんのどんとやってみよう」で一世を風靡した頃だ。
年末スペシャルか何かで、豪華ゲストを大勢使ったことがあった。
欽チャンは、凄いなと思った。

でもこの映画のキャスティングは、その比じゃない。
しかもヒッチコック映画でおなじみのティッピ・へドレン(「鳥」「マーニー」)が愛人ローレンと対立する、嫌みな女房役なのだ。

また音楽が素晴らしい。
映画がヒットしなかったので、チャップリンが作曲した挿入曲にチャップリン自身が作詞して、隣人に歌わせたら、世界的大ヒットになった。
隣人とは Petula Clark であり、曲は “This is my Song (C’est ma chanson)”

Director: Charles Chaplin
Writer: Charles Chaplin (original)
Music by Charles Chaplin
Cinematography by Arthur Ibbetson

Cast:

Marlon Brando (Ogden Mears)
Sophia Loren (Наташа)
Sydney Chaplin (Harvey)
Tippi Hedren (Martha)
Patrick Cargill (Hudson)
Margaret Rutherford (Miss Gaulswallow)
Charles Chaplin (An old steward)

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2008.12.13

Murder at the Gallop(寄宿舎の殺人) 1963 英国


監督 ジョージ・ポロック
脚本 ジェームズ・キャベノー
原作 アガサ・クリスティ (『葬儀を終えて』)


出演
マーガレット・ラザフォード (ミス・マープル)
ロバート・モーレイ (ヘクター・エンダビー)、
フローラ・ロブソン (ミルクレスト、同じ年の「北京の55日」で西太后役、「嵐が丘」、「黒水仙」)
チャールズ・ティングウェル (クラドック警部)
ストリンガー・デイヴィス (ストリンガー)
カーチャ・ダグラス (ロザムンド・シェーン)
ロバート・アーカート (ジョージ・クロスフィールド)


マーガレット・ラザフォードのミス・マープル・シリーズ第二弾だ。
とはいえ、原作はエルキュール・ポワロが登場する「葬儀を終えて」


ミス・マープルは裕福な老人エンダビー氏に寄付を依頼するが、氏は階段から落ちて死ぬ。
猫嫌いの老人に猫をけしかけて、ショック死させた事件ではないか、とミス・マープルは考える。
殺人だと主張するマープルに対して、クラドック警部補は相手にしない。

エンダビー氏の遺言が公開される。
彼の甥ジョージ、姪ロザムンド、甥ヘクター、そして30年ぶりという妹コーラが集まる。
その場で、コーラは爆弾発言をする。
「兄は殺されたのよ。」

大物俳優が一人しか出ていないので、犯人当ては容易だ。

コーラが爆弾発言してくれる(原作通り)のだから、
ミス・マープルはエンダビー氏の死の現場に居合わせない方が良かった。

このように脚本の安易さが目立っている。
俳優も必ずしもキングズ・イングリッシュを使ってないし、
この映画は、てっきりアメリカ製作だと思った。

しかし当時の英国も、テレビドラマみたいな映画を作っていたのだ。


乗馬の腕を披露したり、ラストにプロポーズされるなど、ミス・マープルは大活躍だった。
わざわざE.ポワロを使わないことからわかるように、
この時代は、ミス・マープルの人気が高かったようだ。

イタリア版やスペイン版の原書カバーにも、マーガレット・ラザフォードを描いたものがあるほどだ。


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2007.02.17

空軍大戦略 1969 英国 UA

1940年フランス戦が終ったとき、(如何にメッサーシュミットがスピットファイアに劣っていようが)ゲーリングの独空軍は英空軍と比較して数の上で圧倒的優勢だった。
ドイツは英空軍基地やレーダー網を攻撃して、ボディーブローのように体力を奪う。
しかしたった一回のベルリン爆撃が、ヒトラーを慌てさせ、形勢を逆転させる。


監督 ガイ・ハミルトン
脚本 ジェームズ・ケナウェイ
ウィルフレッド・グレートレックス
 
出演
ダウディング ローレンス・オリビエ
キャンフィールド マイケル・ケイン
ハーベイ クリストファー・プラマー
ハーベイ夫人 スザンヌ・ヨーク
パーク トレヴァー・ハワード
アンディ イアン・マクシェイン
スキッパー ロバート・ショー
アーチー エドワード・フォックス
リヒター クルト・ユルゲンス

オールスター映画であり、群像劇でもあり、しかも叙事詩だ。
メカも実物を使っており、格好良い。

飛行隊長にしてもマイケル・ケインはあっさり戦死し、クリストファー・プラマーは大やけどして、アンディは妻子を失い、スキッパーだけが最後まで現役で生き残る。
誰が死んだのか、よく見ていないと、わからなくなる。

スザンヌ・ヨークのシャツだけの姿が、昔テレビで見たとき、子供心に刺激的だった。
ただ、彼女の歩行シーンは様になっていなかった。
この歩き方は、士官ではない。


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2005.05.24

落ちた偶像 1948 イギリス

ロンドンのフランス大使の息子フィリップは執事のベインズになついているが、ベインズ夫人には厳しく扱われる。
夫婦仲はすでに冷めきっていたのだ。
ベインズがジュリーと逢引をしているところを偶然フィリップに見られる。
ベインズは口止めするが、夫人の誘導でフィリップは口を割る。
ベインズ夫人は旅に出るという。
実は家の中に隠れていて浮気の現場を押さえようと言う魂胆だ。
そうとも知らず、ベインズとジュリー、フィリップは三人だけでパーティーを開く。

「第三の男」の監督原作コンビが、その前にとったサスペンス作品。
今の感覚で言うと、ぬるいだろう。
しかし子供の視点をどれだけ重視するかで、この映画の面白さは変わってくる。
私は佳作だと思う。
何せ子供は最後まで、殺人があったと信じているのである。

ミッシェル・モルガンはよく見る人(実は大スター)だが、イマイチ印象に残らない顔だ。
一方、ソニア・ドレスデルは美人だし、悪女もできる。子供部屋に忍び込んで、フィリップに浮気してる二人は何処へ行ったと形相で問うあたり、怖かった(笑)
ラルフ・リチャードソンは当時の二枚目俳優だ。ローレンス・オリビエの「リチャード3世」では腹心のバッキンガム卿を演じている。

監督キャロル・リード 「第三の男」
原作、脚本 グレアム・グリーン 「第三の男」
撮影ジョルジュ・ベリナール 「巴里の屋根の下」
出演 ラルフ・リチャードソン{執事ベインズ;「アンナ・カレーニナ」の夫カレーニン)、ミッシェル・モルガン{ジュリー;「田園交響楽」)、ボビー・ヘンリー(フィリップ)、ソニア・ドレスデル(ベインズ夫人)

画質がチンケだと一部で言われている500円DVDで見た。
たしかに画質はしょぼい。
しかし我々が名画座で見たって、フィルムがすり切れていることはあった。
これで十分だと思う。
これを叩く人は、よほどこの映画に思い入れがあって、最高画質で見なきゃいけない人じゃないかな。立派なホームシアターにこの画質では寂しいかもしれない。
でも質の悪いフィルムを再生するのも腕の見せ所です。

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2004.09.04

赤裸々な事実 1957 英国

有名人のスキャンダルを脅迫するデニス・プライス
コメディアン・ピーター・セラーズは、そんなデニスの標的にされた。
ピーターはデニスを殺そうと決意する。
しかし貧乏貴族テリー・トーマスとミステリ作家ペギー・マウントもデニスに脅され、彼を殺そうとしていた。

英国得意のブラック・コメディだ。
まあ面白かった。

ピーター・セラーズが得意の変装芸を披露している。
ペギー・マウントの役はドロシー・セイヤーズだろうか?
他にアガサ・クリスティそっくりさんが出てきた。

監督製作はオードリー・ヘップバーンのデビュー作「天国の笑い声」を演出したマリオ・ザンピ

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2004.08.11

ワンプラスワン 1968 イギリス

2003/11/05(Wed) 10:20
監督
ジャン=リュック・ゴダール
出演
ローリング・ストーンズ
アンヌ・ヴィアゼムスキー
イアン・クォリアー
フランキー・ダイモンJr.

五月革命のさなか、ゴダールがフランスを離れ、ローリングストーンズのために、撮った記録映画。
ストーンズの練習風景(「悪魔を憐れむ歌」)と、アナーキストが処刑しているシーン、女優のインタビュー(のようなシーン)などが、交錯する。
つながりはなく、感動はゼロだ。
イギリス人にこれがヌーベルバーグだぞと言いたかったんだろうが、ビートルズの「ハードデイズナイト」の方が良かった。
しかし、ブライアン・ジョーンズがギターを弾いているシーンは、ファン必見。

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2004.08.05

寒い国から帰ったスパイ 1965 英(The spy who came in from the cold)

●2003/06/04 Wed  
監督 マーティン・リット
脚本 ポール・デーン、
原作 ジョン・ルカレ

リチャード・バートン .... Alec Leamas
クレア・ブルーム .... Nan Perry
オスカー・ワーナー .... Fiedler
ピーター・ファンアイク .... Hans-Dieter Mundt
サム・ワナメイカー .... Peters
ジョージ・ヴォスコヴェック .... East German Defense Attorney

ジョン・ル・カレの「寒い国から帰ってきたスパイ」の映画化。
スパイのスマイリー・シリーズの一編だが、主役はアレックである。

イギリスは東ドイツに自国スパイを暗殺され、東側のスパイ網を壊滅させられてしまう。
そんななか、アレックはイギリス諜報部を解雇され、失業の身になる。
そんな彼に東ドイツ諜報部が触手を伸ばす。


ずっと昔、カットだらけの作品を地上波で見た事がある。
筋書きはすっかり忘れていた。
リチャード・バートンもクレア・ブルームもとうが立っていたが、映画自体は面白い物だった。
さすがル・カレ原作だ、よく考えられている。
最後の筋は寸前に読めてしまったが、そこはご愛敬だろう。


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2004.08.02

赤い靴 1948 UK

●2002/11/12 Tue   ☆☆☆☆
監督エメリック・プレスバーガー、マイケル・パウエル
出演モイラ・シアラー、アントン・ウォルブルック、マリウス・ゴーリング

何度か見ている。アンデルセン童話を基にしたバレエ悲劇。
バレエと家庭の間で翻弄される女性の物語だ。
最後は赤い靴を履いて列車に飛び込む。
評判の色彩は衛星放送になると、さっぱりだった。

しかし、バレエシーンは実に美しい。
劇場でみるバレエは大して面白く感じないが、この映画のバレエはとても楽しい。

モイラ・シアラーは、マーゴット・フォンテーンの後輩らしい。
マーゴットより彼女の方が映画向きのバレエをしているように思えた。

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2004.06.28

トライアルアンドエラー 1962 英国

ピーター・セラーズリチャ−ド・アッテンボローの実質的二人映画。
ピーター・セラーズ扮する弁護士と殺人犯リチャード・アッテンボローが裁判を前に熱心に弁護作戦をたてる。
実際の裁判では、ピーター・セラーズは一言も口を聞けなかった。
いよいよ死刑の日が近づく。


二人の芸達者が競演する裁判コメディー。
ジョン・モーティマーの戯曲をピエール・ルーヴが脚色している。
その脚本と演出(ジェームズ・ヒル「野生のエルザ」)が面白くない。
おそらく舞台劇としては面白かったのだろう。


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2004.06.11

ワルツ・オブ・ザ・トレアドールズ 1962 英国

ピーター・セラーズ主演の将軍物コメディ

監督ジョン・ギラーミン
脚本ウォルフ・マンコビッツ

ピーター・セラーズ Gen. Leo Fitzjohn
ダニー・ロビン Ghislaine (ヒッチコック「トパーズ」の主演女優)
マーガレット・レイトン Emily Fitzjohn
ジョン・フレイザー Lt. Robert Finch
シリル・キューザック Dr. Grogan

退役将軍レオは、かつての恋人ジレーヌと出会った。
17年前、二人は舞踏会の夜に出会った。
そのとき流れていたのが、「闘牛士のワルツ」である。

17年後、彼は彼女と再会して、興奮する。
ところが、妻が自殺騒ぎを起こしたり、軍隊の連中がやって来たりで、彼は思いを遂げられない。
彼女は彼と別れてパリへの列車に乗ると、フィンチ中尉に求愛される。

げらげら笑う作品ではないが、ピーター・セラーズがでっぷり腹が出た老将軍に扮して、ファンにはマストの作品。
シリル・キューザックが、老医師に扮して良い味を出している。
ダニー・ロビンは既におばさんだった。
マーガレット・レイトンはグレン・クローズみたいな顔をしてる。

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2004.06.02

バグダッドの盗賊 1940 英

監督 : Ludwig Berger / Michael Powell
製作 : Alexander Korda
原作 : Lajos Biro
脚本 : Miles Maleson
撮影 : Georges Perinal

Conrad Veidt (Jaffar)
Sabu (Abu)
June Duprez (Princess)
John Justin (Ahmad)
Rex Ingram (Djinni)

バグダッド王アーマッドは宰相ジャファル(実は魔法使い)のたくらみで投獄される。
「バグダッドの盗賊」(アブウ少年)に助けられ南の港町バスラへ。
そこで彼は絶世の美女(と言う設定)と出会う。
アーマッド王はたちまちその姫と恋に落ちる。

そこにもジャファルが来て、嫌がる姫と婚約する。
しかもジャファルの魔法で王は盲目にされ、アブウは犬にされる。
姫は船で連れ出され、愛するアーマッド王の魔法を解くためジャファルに身を委ねる。
元に戻った王とアブウは姫を追うが、難破して、アブウだけ海岸に漂着した。

彼は巨人ジニーに出会い、千里眼が隠されているという寺へ。
見事千里眼を盗み出したアブウは、王を見つけることが出来た。
王は、巨人にのって宮殿にかけつけたが、捕えられる。
千里眼で見ていたアブウは、千里眼を岩に投げつけた。すると・・・

アラビアンナイトもの。
ダグラス・フェアバンクスの名作無声映画をリバイバルしたものらしい。

イギリスお得意の色彩映画。
ご存じパウエル・バーガーのコンビだ。
当時はどういう世代がこの映画を楽しんでいたのだろうか?
もうじきドイツからミサイルが飛んで来るというのに。

王様お姫様はイラク人という設定だが、もちろん俳優は白人。
サブウは名前からして印度系かな。
でもこの時期の英国映画は、なぜか発音に癖を感じない。

2003年12月31日(水)  No.84

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2004.05.28

ホフマン物語 1951 英国

2004年01月27日(火) 
No.124
監督 : Michael Powell / Emeric Pressburger
製作 : Michael Powell / Emeric Pressburger
原作 : Jacques Offenbach
脚本 : Emeric Pressburger
脚色 : Michael Powell
撮影 : Christopher Challis
指揮 : Thomas Beecham
音楽演奏 : The Royal Philharmonic Orchestra
美術 : Arthur Lawson
セット : Hein Heckroth

Robert Rounseville (Hoffmann)
Pamela Brown (Nicklaus)
Monica Sinclair (Song Nicklaus)
Robert Helpmann (Lindorf)
Moira Shearer (Stella)
Ludmilla Tcherina (Giulietta)
Ann Ayars(Antonia)

マイケル・パウエルとエメリッヒ・プレスバーガーの作品(他に「黒水仙」「赤い靴」など)。
全編を歌でつづるオペラ映画だ。
赤い靴に出演したバレエダンサーをこの映画でも多数起用しており、オペラ歌手の吹き替えを多用している。
ホフマンとアントニアだけが本職のオペラ歌手(共にアメリカ人)である。
原作のオッフェンバッハのものより、一時間近く短縮されている。

どうもこのオペラは苦手だ。
1人の女が3つの顔を持つことはわかるが、それを三人の女性に演じさせるのは無理がある。
オランピア(オペラならナタリー・デッセーのようなコロラトゥーラソプラノの担当)だけ共感を抱くが、他の二人は全く興味すら沸かぬ。
映画でもモイラだけは良いが、他の二人は記憶に残らない。

そのモイラも「赤い靴」の頃と比較すると、線は細くなってるが、動きが重くなった気がする。
その間に結婚したらしいが、それが影響したか。
「赤い靴」のときはポッチャリしていながら、バレエに切れがあって、艶もあった。
サドラーズウェルズ・バレエ団のプリマ・マーゴット・フォンテーンより上だと思っていた。
それも「赤い靴」の時だけだったようだ。

映画の造りにしてもオペラ形式を取ったのは如何か?
以後、オペラ映画が作られるが、これだけケバイ原色系の映画はこれだけだろう。
台詞の映画にしてもミュージカルにしても、いくらでも脚本の作り方はあったような気がする。


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2004.05.26

アンナ・カレニナ 1948 英

2004年01月14日(水) 
No.108
監督 : Julien Duvivier
製作 : Alexander Korda
原作 : Leo Nikolaevich Tolstoy

Vivien Leigh (Anna Karenina)
Ralph Richardson (Karenin)
Kieron Moore (Count Vronsky)
Hugh Dempster (Stepan Oblonskey)
Mary Kerridge (Dorry Oblonsky)

モスクワ駅でアンナとウロンスキー伯爵は出会った。
アンナは舞踏会で彼と親密さを増したが、彼に夢中になる自分が怖くなり、ペテルスブルグに戻る。
アンナの夫カレーニンはロシアの宰相だった。
アンナは満たされなかった。
息子までもうけたが、心は夫から離れていた。
そこへウロンスキーと再会し、二人は燃え上がった。
夫は離婚を持ち出し、息子の親権を求めた。
アンナは抵抗し、病に倒れる。
アンナも病気が治るまでは、家に引き込もって誰とも会おうとしない。
追いつめられたウロンスキーは、自殺を図った。

3度目の映画化はビビアン・リーが主役のアンナだが、演出が悪いのか、単にわがままな女としか感じなかった。
若いキティに嫉妬もあった。
子どもが可愛いのに、子どもを見捨てる。
女として生きていくのであれば、どっちかはっきりと覚悟を決めて欲しい。
おそらくアンナは阿片中毒になっていて、情緒不安定だったと思う。

ウロンスキーは優柔不断な、しかし未来ある若者。ちょっとアバンチュールな役だ。
ラルフ・リチャードソンは難しそうなウロンスキー役をらくらく演じていた。

しかし5回も6回も映画化されているが、どれも大した出来では無さそう。
ウロンスキーを主役に据えるとか、カレーニンを主役におくとか、男中心の芝居にした方が今どき受けるのではないだろうか?

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2004.05.25

ハードデイズナイト 1964(2000) 英国

2004年02月01日(日)  No.133
「ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」の邦題で1964年に公開されたビートルズの映画初主演作。
当時人気絶頂だった彼らの、 ある1日半の様子を追った擬似ドキュメンタリーだ。
「ナック」でカンヌグランプリをとったリチャード・レスター監督の作品。
当時の最先端を行く、ニューシネマだ。
ビートルズは音楽界はもちろん、イギリス映画界にも新しい時代をもたらした。
劇中で 「A Hard Day's Night」、 「I Should Have Known Better」、 「Can't Buy Me Love」を始めとする全11曲を披露している。

オリジナル・フィルムのネガを完全修復して、デジタル・リマスターを施した本作は、 2000年に再公開された。
ポールの爺さんがいい味。
リンゴ・スターはいつも虐められているな。

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ヘンリV世 1945 英国

2004年02月01日(日)  No.134
Directed by Laurence Olivier
Writing credits Dallas Bower Alan Dent

Felix Aylmer Archbishop of Canterbury
Leslie Banks Chorus
Robert Helpmann Bishop of Ely
Vernon Greeves English herald
Gerald Case Earl of Westmoreland
Griffith Jones Earl of Salisbury
Laurence Olivier King Henry V

シェークスピア劇を元にした映画。
最初はシェークスピア時代の劇場で幕を開ける。
二幕以降は観客もなく普通の映画のシーンになった。

1415年、ヘンリ5世は国内の治安を確保したため、中断していた百年戦争を再開しフランス出陣を決める。
カレーを足場にアザンクールの戦いで圧倒的勝利を収める。
前夜王は兵隊に化け、兵たちの気持ちを聞いて回った。
そのために戦いの直前に兵の気持ちをひとつにすることができたのだ。

1420年、トロワの和約でフランス王女カトリーヌを妃に迎え、フランス王位継承権とフランスの西半分を正式に手にいれた。
(実際はフランス王になる前に赤痢でなくなった。)


彫りの深いローレンス・オリビエは、平面的に見えるメイクを工夫していた。

戦時中ということで、当時観客はこの映画を楽しんだんだろうな。


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間諜最後の日 1936 英国

2004年02月04日(水)  No.137
出演: ジョン・ギールグット, マデリーン・キャロル, その他
監督: アルフレッド・ヒッチコック

第一次大戦の最中、スイスに潜むドイツスパイを探すため、英国軍人アシェンデンと殺し屋「将軍」が派遣される。
現地にはアシェンデン夫人に扮した女スパイ・エルサと、彼女を追いかけ回しているマービンがいた。
オルガン奏者がドイツスパイの情報を持っているはずだった。
教会へ会いに行くと、一足先に彼は殺されていた。
次いで怪しいと思われた人物をアルプスに誘い出して殺すが、とんだ人間違いだった(笑)
ついにチョコレート工場で、スパイの正体がわかる。

トーキーだが、凄いご都合主義映画だ。
ヒッチコックは初期には相当酷い映画を作っている。
これは名作「バルカン超特急」の習作と言うところか。

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2004.05.24

セントマーティンの小径 1938 英国

2004年02月11日(水)  No.148
Directed by Tim Whelan
Writing credits Bartlett Cormack Clemence Dane

Charles Laughton Charles Staggers
Vivien Leigh Libby
Rex Harrison Harley Prentiss
Larry Adler Constantine
Tyrone Guthrie Gentry

ビビアン・リーが、「風と共に去りぬ」出演直前に英国で撮った作品。
気の強いキャラクターを、この作品の時点で既に確立している。


大道芸のチャールズは40前の独身親父。
リビーという小娘を拾う。
彼女は踊りと歌にいいものがあり、主演女優に仕立て上げられる。
しかし作曲家ハーリーに見いだされ、彼女だけ大劇場にスカウトされる。
やがてリビーはスターダムを上り詰めた。
リビーはある日、めくらの格好をして乞食の真似をして歩いているチャールズと出会う。

チャップリンの「街の灯」をベースにしたお話。
レックス・ハリスンは若い!
ヴィヴィアン・リーも悪くない。


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赤い風車 Moulin Rouge 1952 英

2004年02月22日(日)  No.158
監督 : John Huston
アソシエイト・プロデューサー : Jack Crayton
原作 : Pierre La Mure
脚色 : Anthony Veiller / John Huston
撮影 : Oswald Morris
音楽監督 : Lambert Williamson
作曲 : Georges Auric
美術 : Paul Sheriff
セット : Marcel Vertes
編集 : Ralph Kemplen

Jose Ferrer (Henri de Toulouse Lautrec、The Count His Father二役)
Colette Marchand (Marie Charlet)
Zsa Zsa Gabor (Jane Avril)
Suzanne Flon (Myriamme Hayem)○

十九世紀末パリ、小人の画家がモンマルトルのムーラン・ルージュでフレンチ・カンカンを写生している。
彼はアンリ・ドゥ・トゥルウズ・ロートレック(ホセ・フェラー)である。
伯爵家に生れたが、両脚の成長が止まり、身長が1m50cm足らずしかなかった。
若い頃、娼婦マリイ(コレット・マルシャン)と出会い、彼女と同棲したが、彼女は金を使うばかり。
高級レストランへ行くが雰囲気にいたたまれず、彼を侮辱して去った。
ロートレックは酒に浸って苦しみから逃れようとしたが、母の愛情にはげまされ、マリイを探し求めた。
マリイは場末の安カフェにいたが、所詮彼とは別世界の人だった。
彼は絶望の余りガス自殺を計る。

ロートレックの伝記映画だが、女の趣味が悪すぎる。
彼は芸術家だから気位ばかり高くて、女と心からつきあえないタイプだ。
最初の恋愛は良いところのお坊ちゃんが急に、色気づいて道を踏み誤った感じ。
そして二度目の恋愛も失敗する。
こういう人は最初の失敗が、ずっと尾を引くのだ。

脚を短く描いているが、膝のところで曲げているようで、歩き方に多少違和感がある。
他人との身長差も一定しない。
父親と一人二役というのも安っぽくて嫌だ。

ジャン・ルノアールのフランス映画「フレンチカンカン」と比較すると、映像が汚かった。
英国映画は保存が悪いのだろう。
(ただし同じイギリスの「赤い靴」は綺麗な発色を保っている。)
アカデミー美術監督賞とベネチア映画祭銀賞獲得!

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