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222.東宝(60〜79年)

2013.08.26

ブルークリスマス 1978 東宝

洋画「未知との遭遇」「スターウォーズ」のヒットを受けて、東宝がすごい顔ぶれを揃えたSF大作。
特撮や謎解きはほとんど使わず、人間ドラマ中心に描く。
興業収入的にはこけたはずだが、永くカルト人気を得ているのですでに元は取っただろう。


監督 岡本喜八
脚本 倉本聰
撮影 木村大作
美術 竹中和雄
音楽 佐藤勝
主題曲/主題歌 チャー

出演
勝野洋
竹下景子
仲代達矢
岡田英次
八千草薫
新井春美
高橋悦史
沖雅也
岡田裕介
中条静夫
大滝秀治
天本英世
岸田森
神山繁
稲葉義男
大谷直子
草野大悟
小沢栄太郎
芦田伸介
中谷一郎
島田正吾
田中邦衛

ある日、世界中の夜空にUFOが出現して、それを見たものは血液が青くなった。
しかし世界の国々は彼らがいずれノーマルな(赤い血の)人間に害をなすモノとして抹殺する計画を立てている。
青い血の人間の行方を追う独立ジャーナリストはUFOを見たアイドル女優とともに暗殺される。
ジャーナリストの残した手がかりを持ってアメリカに飛んだテレビ局報道局員は日本から拉致された血液学研究者に接触したが、彼はロボトミー手術を受けていた。
自衛隊員(勝野洋)は散髪屋で働く女性(竹下景子)とつきあっているが、彼女もUFOを見ていた。
自衛隊で青い血の人間をクリスマスに抹殺する計画を進めていることを知った勝野は彼女を守ろうと決心する。


当時の評判では、岡本喜八監督と倉本聰に大作を任せたのが間違いだということだった。
確かに大スクリーンで見ると、しょぼいのだが、ビデオで見ると、オールスター映画だからリッチな気分になる。
しかし岡本喜八監督作品というより、倉本聰脚本作品というべきだ。

訴えていることはユダヤ人問題をベースにしていて、荒唐無稽とは言い切れない。


なお岡田裕介は元東映社長岡田茂の息子で現在の東映社長であるが当時本人は東宝に所属していた。


2013.02.06

血と砂 1965 東宝・三船プロ

戦争ものにジャズの要素を加えた岡本喜八監督作品。

戦争末期、小杉曹長は少年軍楽隊を最前線に派遣することを反対して、軍楽隊ともども北支の最前線に送り込まれた。
ちょうどそのとき、見習い将校は敵前逃亡の罪で銃殺されたところだった。
曹長は怒り、大尉を殴り飛ばすが,重営巣入りを命じられる。
しかし知り合いの従軍慰安婦のお春が大尉に泣きついたおかげで、曹長は奪われたヤキバ砦を奪取する命令を受ける。
彼は戦闘経験のない軍楽隊を二三日で立派な兵士として育て上げ、砦を奪い返す。
しかし、援軍は来ず、八路軍は数にものを言わせて、ふたたび砦に襲いかかる。

ジャズと戦争をうまく組み合わせた作品で、おしゃれな佳作だと思う。
お姉ちゃんトリオを解消したあと、40年代に入ってからの団令子って、演技力に開眼していたな。

しかし銃殺された見習い将校の謎など、回収が遅れた伏線が多かったのは気になる。
仲代達矢の見せ場もほとんど無かった。

現代から見ると、八路軍の中国人が日本兵に対して音楽を通して好意を持ったかも疑問だ。
50年前の認識が正しくて、現代のそれが誤っているか、はたまたその逆なのか?
中国の教育のために現代の敵愾心の方が増幅されているかも知れないな。


監督 岡本喜八
脚本 佐治乾 岡本喜八
製作 田中友幸
撮影 西垣六郎
美術 阿久根巖
音楽 佐藤勝

出演
三船敏郎
伊藤雄之助
佐藤允
天本英世
団令子 (金春芳)
仲代達矢
名古屋章
樋浦勉
阿知波信介

2013.01.09

続社長漫遊記 1963 東宝

同年正月映画の続編。
出光興産の日章丸や佐世保重工など実際にある会社が登場してリアリティを持たせながら、大手ペンキ会社の社長の休日を描く。
本当にあの頃のサラリーマン社長のいる会社はこんな緩いものだったのだろうか?

太陽ペイントの堂本社長は九州へ出張。
いつもの山中部長、木村秘書課長も付いてくる。
木村は「見合い結婚なんてする物ではない」とアメリカかぶれした社長にいわれて断った若松のタミエを忘れられず親戚である山中に再び取り持ってもらいたがっていた。
出張先でアメリカジュピター社のウィリーとライバル社が佐世保重工に向かったという話を聞きつけ、一行も長崎へ向かう。
そこで堂本社長は芸者桃竜と仲良くなり、ウィリーを巻いて二人きりで島原に宿泊するが桃竜が胃痙攣を起こして、浮気はお流れ。
東京へ帰ると、木村のもとにタミエがやってきて結婚に同意してくれた。
しかし浮気ばかりする堂本社長の媒酌は嫌だという。
一方、堂本はホステスと芸者が正妻の前で鉢合わせして、すっかり妻にやり込められ、大人しく孫のお宮参りにに付いていくのだった。

この頃の森繁は笑いの壺を決して外さない。
同じ東宝映画でもクレージーキャッツが無理矢理笑わせるコメディーなのに対して、こちらは間合いのコメディ。
だから色あせない。

監督 杉江敏男
脚本 笠原良三
製作 藤本真澄
撮影 完倉泰一
美術 村木忍
音楽 神津善行

出演
森繁久彌 (堂本)
久慈あさみ (あや子)
中真千子 (娘)
江原達怡 (娘婿)
加東大介 (山中部長)
東郷晴子 (山中の妻)
小林桂樹 (木村課長)
英百合子 (母)
三木のり平 (多胡九州支社長)
淡路恵子 (マダム)
藤山陽子 (木村の婚約者タミエ)
雪村いづみ (OG勝子)
フランキー堺 (ウィリー)
ジョージ・ルイカー (ジュピター支社長)
河津清三郎 (権藤)
草笛光子 (桃竜)
浜美枝 (ぽん太)

2012.12.18

六條ゆきやま紬 1965 東宝

白黒だが、映像が実に美しい嫁姑映画。
松竹出身の松山善三らしく、松竹ヌーベルバーグ的な作品でのちのATG映画を見ているようだった。

湯元の芸者いねは、中越の紬織り旧家六條家の主人久右衛門に請われて嫁ぐ。
しかし姑や親戚から苛められ、久右衛門が相場に失敗して借金を作り自殺してからは、
ひたすら堪え忍ぶ日だった。
そんな彼女の心の支えは息子の成長と使用人治郎の励ましだった。
しかし雪国の冬は陰鬱であった。
姑はいねと治郎の噂を流して、村人はおもしろおかしく広めた。
借金の期限が月末に近づき、いねは夫が命を賭けて作った紬織り工場を守るため、自ら六條家から去ることを条件に姑に田畑を抵当に出してもらう。
そんなとき治郎の恋人乃里子は噂を気に病んで自殺した。
親戚一同が集まる法事の席で、いねはとうとうぶち切れて酒をあおって歌い始める。

この作品のことは知らなかったが、凄い作品だった。
まず雪国の白黒映像が不気味なほど美しい。
破れ障子から覗いている眼球が人の噂を表現しているのも当時としては斬新だ。
演技では毛利菊枝のいじめが見事。
大女優高峰秀子相手にこれでもかとばかり、憎まれ役を堂々と演じている。
大空真弓も嫉妬深い視線の演技が良かった。

高峰秀子はこの後も夫である松山善三の作品にいくつか出ているが、実質的に主演作品はこれが最後だ。
これこそ松山善三が描く高峰秀子の最高傑作。
久しぶりに後味を引く映画に出会えた。


監督 松山善三
脚本   松山善三
撮影   岡崎宏三(傑作)
音楽   佐藤勝
美術   小島基司

出演
六條いね            高峰秀子
六條美乃          毛利菊枝
三宮治郎          フランキー堺
大崎仁兵衛       小林桂樹
大中彦太郎       石山健二郎
須山昭一          大辻伺郎
須山乃里子      大空真弓
六條久右衛門匡弘 神山繁


次は映画の製作後二年たってから製作されたイメージソング。

2012.12.17

つづり方兄妹 1958 東宝

昭和32年当時の大阪の子供はよく知っていた実話。

中学生の圭一は香里小学校に通う姉弟まち子と文雄とともどもつづり方兄妹として枚方では有名人だった。
三人が書く作文が全て賞を獲るのだ。
台湾からの引き揚げ者である父母は貧乏のどん底生活をしていたが、六人もいる子供たちはのびのびと育っていた。
近所からは子供を賞金稼ぎしていると妬まれることもあったが、父母は賞品には手を付けなかった。
モスクワの作文コンクールに三人は作文を送ったが、二人は入賞したのだが文雄だけ返事がなかった。
文雄は来る日も来る日も返事を待っていたが、大雨に打たれた日、腹痛を訴え床に伏せる。
主治医は儲け主義の内科医で高い薬しか出さず、父母の外出中に容態が急変し死んでしまう。
葬式の後、モスクワから文雄が受賞した知らせが届く。


戦前の高峰秀子主演映画「綴方教室」と違い、この映画の結末はかなり重い。
作文がうまくたって何も良いことはないと結んでいる。
昭和33年という時代にしては、ずいぶんニヒルな映画だ。
それだけ物が市場にあふれ、貧富の差が拡大し始めた証拠だろう。
文章なんか書いているより、革命だったのだろう。

単に名子役が主演しているだけなら、地味な映画だったが、
森繁や乙羽が脇を締めて、引き締まった佳作になった。


監督 久松静児
脚色 八住利雄
原作 野上丹治 野上洋子 野上房雄
撮影 高橋通夫
音楽 斎藤一郎

出演
織田政雄 (野村元治)
望月優子 (みつ)
藤川昭雄 (圭一(長男))
竹野マリ (まち子(長女))
頭師孝雄 (文雄(次男))
香川京子 (杉田(文雄の先生))
津島恵子 (井東(まち子の先生))
森繁久彌 (ブリキ屋の親方)
乙羽信子 (みつの妹)
左卜全
二木てるみ

2012.12.13

宇宙大怪獣ドゴラ 1964 東宝

ヒーローでなくハチ毒にも詳しい物性論研究者が地球を救う非ゴジラ系怪獣映画。
併映は「喜劇駅前音頭」。


ダイヤ盗難事件が世界で続発する。
日本の強盗団がダイヤを盗んでいる最中、不思議な物体に襲われ、ダイヤを奪われる。
警視庁外事課駒井刑事は謎の外人を宗方博士の研究所で追い詰めるが、逃げられる。
宗方博士が持っていたダイヤはまんまと盗まれていた。
しかしそれは人工ダイヤであった。博士は結晶学の権威だったのだ。
駒井刑事は博士に一連の奇妙なダイヤ盗難事件について意見を尋ねる。
北九州の炭鉱が謎の物体に襲われたが、博士は何故か自衛隊の西部方面総監と顔見知りで、レーダーや観測結果を見せてもらい、謎の物体とハチとの関係について仮説を立てる。


強盗団が最後に怪獣騒ぎで吹っ飛ばされるという、ありきたりな筋書き。
いかにもご都合主義な映画だが、ガス人間のごとく怪獣を表面に出さない演出は気に入った。
怪獣は着ぐるみではなく、珍しくアニメで処理されている。

怪獣が退治された後、中村伸郎が秘書役の藤山陽子と笑顔を見合わせるシーンで、大ベテラン中村の笑顔が引きつっているのが見所。
新劇の重鎮も特撮映画ではデビュー3年目の若手女優に敵わなかった。


監督 本多猪四郎
特撮監督  円谷英二
脚色 関沢新一
原作 丘美丈二郎 (「スペース・マンモス」)
製作 田中友幸 田実泰良
撮影 小泉一
美術 北猛夫
音楽 伊福部昭

出演
夏木陽介 (駒井)
ダン・ユマ (マーク)
中村伸郎 (宗方博士)
藤山陽子
藤田進
河津清三郎
若林映子


2012.12.10

国際秘密警察 指令第八号 1963 東宝

和製ジェームズ・ボンドの第一作。
最近の007シリーズ同様、シリアスなハードボイルド路線だ。


北見次郎は国際秘密警察官。
今回の任務は、死の商人ケントの行方を追うこと。
一方、羽田空港ではサイゴンからケントの陰謀を録音したテープを持つ商社マン秋元が拉致される。
同僚の江崎が代わりにサイゴンへ派遣されることになるが、彼も拉致される。
秋元と江崎をサイゴンへ送る輸送船に北見が潜入する。
秋元は脱走を試み殺されるが、江崎と北見はケントの恋人冴子の裏切りにより無事脱出する。
二人は急ぎ東京へ戻るが、意外にも内通者は秋元の恋人美恵だった。
ケントは冴子と生き証人美恵を抹殺しようと廃ビルの地下室に閉じ込め時限爆弾を仕掛ける。


東宝には珍しく、ずいぶん渋いスパイ映画だ。
子供の頃の三橋達也というとバラエティの司会であり、亀井刑事に任せっきりであまり仕事をしない十津川警部だったのだが、実はバーサタイルな俳優だった。
この作品では気障でニヒルな芝居に徹している。
ただし北見次郎もシリーズが進むにつれ、くだけてくるのだが。

東京のシーンで車があまり映っていない。
工事中の道だらけなのだ。
当時はオリンピック直前で道路工事ばかりしていたのだが、その雰囲気がよくわかった。


監督 杉江繁男
脚本 小川英 間藤守之
製作 田中友幸 三輪礼二
撮影 完倉泰一
音楽 神津善行

出演
三橋達也 (北見次郎)
佐藤允 (江崎)
夏木陽介 (秋元)
水野久美 (冴子)
若林映子 (美恵)
ジェリー伊藤 (ケント)

2012.11.29

奇巌城の冒険 1966 東宝

東宝・三船プロ共同製作の怪作。
谷口千吉監督で、三船敏郎主演、舞台は遣唐使の頃のタクラマカン砂漠。
しかし原作は太宰治の「走れメロス」、そのうえ特撮映画と来ている。
はたしてターゲットは大人なのか子供なのか。
併映が駅前シリーズだと言うからある程度大人向けなのだろうが、内容はどう見ても子供向けだ。
若大将と併映していたマタンゴ路線なのか。

大角は敦煌で奴隷商人に売られているところを、遣唐使とともに中国に渡った円済が持ち金をはたいて助ける。
円済は仏舎利を日本に持ち帰るため、シルクロードを目指していた。
らくだを失った彼らはキャラバン隊についていき、円済と大角はついに砂漠の真ん中で仏舎利を見つけるが、隊は盗賊に襲われ、町に逃げ込むと円済は役人に捕まってしまう。
大角は彼を助けようと王宮に忍び込むが、やはり捕まり投獄される。
円済は大角とともに王に謁見して仏舎利を隣町にいる大角の弟に渡すことを許して欲しいと願う。
国王は極度の人間不信で、大角が明後日までに戻らないと代わりに円済を火あぶりの刑に処すと言う。

仙人や山婆が出てきて、妖術を使うあたりに、派手な特撮を用いている。
しかし谷口監督は似合わないことをやるから、何かおかしい。

町のセットは、そのままウルトラマン第七話「バラージの青い石」に流用されたそうだ。
そういえば黒部進、桜井浩子、平田昭彦というウルトラマン・ファミリーが出演していた。


監督 谷口千吉
脚本 馬淵薫
製作 田中友幸 根津博
撮影 山田一夫
美術 植田寛
音楽 伊福部昭

出演
三船敏郎 (大角)
中丸忠雄 (円済)
三橋達也 (王)
白川由美 (王妃)
佐藤允 (盗賊)
平田昭彦
若林映子
田崎潤
浜美枝
有島一郎 (仙人)
天本英世
黒部進
桜井浩子 


2012.11.21

「挑戦より」愛と炎と 1961 東宝

今をときめく石原慎太郎原作を、先日100歳の天寿を全うされた新藤兼人が脚本化した作品。
今でこそまるで右翼と左翼で立場を異にするが、昭和31年時点では、二人とも反安保、民族自決主義で呉越同舟していた。
1951年イランが石油の国有化を宣言したことに対抗して英国海軍がホルムズ海峡を封鎖する中、1953年出光興産の日章丸がイラン(映画の中ではアラクと呼ばれている)から石油を運び出した事件を軸に、太平洋戦争で傷ついた人々が懸命に立ち直ろうとする姿を描く。

戦後、伊崎は沢田社長の息子恭の戦友で介錯した間柄だったため、沢田の経営する極東興産に入社した。
しかし、生きる目標を失っていた彼は支社に左遷されそこでも心中事件を起こす。
沢田社長は石油メジャーと対立し銀行にも見放された本社へ伊崎を呼び戻す。
伊崎は沢田の娘早枝子と出会い、自らの手で死なせた恭の面影を彼女の横顔に見る。
やがて早枝子と愛し合うようになった伊崎は、民族主義の高まりを受け石油国営化を宣言してメジャーに海上封鎖を受けているアラクに興味を持ち、現地へ石油買い付け交渉に飛ぶ。

早枝子役の司葉子が美しい。
耐える女、まもる女のイメージが強い彼女だが、この映画ではそのイメージをひっくり返している。
美人は飽きやすいものだが、彼女も生きる情熱を取り戻してデートに遅刻する伊崎をつまらないと言い放つ。
そのシーンが何故か心に残った。
司葉子にそう言わせた脚本家はいなかったのではないか。

友人(水野久美)を死に追いやった伊崎を恨みに思っていた高峰役の白川由美も仕事に打ち込む伊崎を見て、別の気持ちがわいてくる。
彼女と伊崎が二人で夜の道を歩いているとき、右隣を歩いていた白川がある拍子に左隣を歩くようになる。
近づきかけていた二人の距離が結局交わらないと思い知らされる瞬間だ。

三橋達也は二人の女に翻弄されながら、日本とイランの独立に命を賭ける伊崎を好演。
「廓より」無法一代、洲崎パラダイス赤信号に続く代表作だと思う。

森雅之が出光佐三という日本の大経営者を演じるため、いつもより色黒にメイクして正義漢あふれる精悍なイメージを出していたのも新鮮で良かった。
黒澤明監督「悪い奴ほどよく眠る」(高齢の公団副総裁役)の撮影が先行していただろうから、意識して真逆な路線にとったようだ。

しかし総じて見ると、脚本と演出は成功したと言いがたい。
実話の映画化にもかかわらず上映時間が短く、はしょりすぎている。
したがって編集で相当な量がカットされているはず。
完全版があるのであれば、復活させてもらいたい。
山崎豊子「不毛地帯」(伊藤忠商事に関する実話をベースにしている)をはるかに上回る経済映画になる資格があっただけに惜しまれる。


監督 須川栄三 (「きみも出世ができる」)
脚色 新藤兼人
原作 石原慎太郎
製作 藤本真澄
撮影 小泉福造
美術 阿久根巖
音楽 佐藤勝

出演
三橋達也 (伊崎)
司葉子 (沢田早枝子)
白川由美 (高峰啓子)
森雅之 (沢田社長)
藤田進 (船長)
久保明 (内海)
志村喬
田島義文

最近、再び出光興産初代社長出光佐三(さぞう)が注目されている。
百田尚樹が伝記「海賊と呼ばれた男」を出版した。
好評だ。

2012.11.18

独立愚連隊西へ 1960 東宝

不良映画だとばかり思っていたら、戦争映画だった。
加山雄三の記念すべき初主演作。
正直言って、当時の方が格段に演技がうまかった。

太平洋戦争中、中国で戦死公告が出てしまいながら、生き残っていた左文字少尉以下の小隊は厄介者扱いをされて戦地から戦地へと追いやられる。
行軍中、八路軍に四方を囲まれる。両軍ともマラソン状態になってしまう。
疲れ果てた八路軍の梁隊長は軍使を出して、また元気なときに戦おうと左文字少尉と別れる。
今回の任務は壊滅した日本軍の軍旗と旗手の行方探しである。
八路軍の攻撃を受けながら、何とか旗手と軍旗を見つけ、旗手を世話をしてくれた中国娘と逃がしてやる。
なおもゲリラの包囲を受けるが、左文字少尉と戸山軍曹の機転で切り抜ける。
夜が明けて彼らを待っていたのは、八路軍の大部隊と梁隊長だった。

何人かは死ぬけれど、あまり殺し合いをする映画ではない。
岡本監督らしいコメディタッチだ。
加山雄三も良かったが、当時大人気だった連続テレビドラマ「コンバット」のサンダース軍曹(ヴィック・モロー)を意識したのか、佐藤允がやたらと格好良い。
さらに堺左千夫、江原達怡、山本廉にとっても代表作と言える出番、台詞の多さだった。
このように女っ気が少ない男臭い映画だが、さすがは岡本監督、戦争批判を込めた秀作である。

でも滑稽で人間味のある梁隊長役を、外人物まねを得意としていたフランキー堺が好演している。
たとえばタモリを梁隊長役にしていま、こんな(中国から見た親日的)映画を作ったら、中国は怒るだろうな。

なお、岡本監督の前作「独立愚連隊」とは話のつながりはない。


監督 岡本喜八
脚本 関沢新一 岡本喜八
製作 田中友幸
撮影 逢沢譲
美術 阿久根巖
音楽 佐藤勝

出演
加山雄三 (左文字少尉)
佐藤允 (戸山軍曹)
堺左千夫 (神谷)
江原達怡 (小峯衛生兵)
山本廉 (関曹長)
中谷一郎 (早川)
平田昭彦 (大江大尉)
久保明 (旗手)
フランキー堺 (梁隊長)
田島義文 (参謀)
中丸忠雄 (八路軍に投降した中尉)
水野久美 (従軍看護婦)
横山道代 (従軍慰安婦)

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