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224.東宝(戦後成瀬作品)

2005.11.28

山の音 東宝 1954

川端文学の映画化である。
川端康成は好きな作家だ。
しかし文体の美しさで読ませる人だから、映画化はいつも難しい。
この映画も成瀬監督は父と嫁の関係にフォーカスを当てて、余計なものは捨象している。
それでうまくいったであろうか?

息子役の上原謙は父役・山村聰の一つ年上である。
山村聰の老け役がうまいのか、上原謙が永遠の青年なのか、
しかし成瀬監督の配役は当たっている。

嫁役の原節子はピタリである。
長岡輝子、小姑中北千枝子も父の手前、つらく当たれないけれど、子供を産まない嫁を小ばかにしてる点は、良く出ていた。

家庭内の人間関係は完全なのだが、長編小説をはしょりながら、急ぎ足でゴールに向かって行くと、どこかで足がもつれる。
脚本の失敗だと思う。

原作のもう一つのテーマ・老醜を映画では切り捨てているが、現代ではこちらの方が大きな問題である。

杉葉子が暗そうな秘書役を好演している。
なくなった角梨枝子も、上原の愛人役でちょっとだけ顔を出した。
丹阿弥谷津子が二人をつなぐ戦争未亡人の役。

監督 : 成瀬巳喜男
製作 : 藤本真澄
原作 : 川端康成
脚色 : 水木洋子
撮影 : 玉井正夫

2005.11.13

女が階段を上る時 東宝 1960

成瀬巳喜男監督作品。
主演の高峰秀子をキャメラの玉井正夫が美しくかっこよく撮っている、佳作だ。

高峰秀子は衣装も兼任である。
粋でいてあでやかな着物姿に目を奪われる。

音楽の黛敏郎も良かった。
しかし脚本(プロデューサー兼任)の菊島隆三が物足りない。
何かとってつけたような台詞が多かった。
生活の重みを感じさせる、さりげない一言がなかった。


高峰秀子はバーのママ。
表向きは死んだ亭主に操を立てているが、裏ではいろいろあったんではないかと想像する。
最初に声をかけてきたのは小沢栄太郎と中村鴈治郎だ。
これは趣味が合わず袖にした。
おかげで小沢栄太郎は女給の淡路恵子に店を持たせて、中村は新人の団令子に小さな店を持たせた。

次に加東大介がママに接近してくる。
ちょうど占いで、高峰はママより家庭の主婦が向いていると言われたところだ。
さらに兄織田政雄が息子の手術代をせびりに来る。
ママでいることが嫌になった。
加東はさえないやもめの工場主という話だった。
優しい男だったのでつい、抱かれてしまう。
しかしその直後、加東に奥さんがいることを知る。

愛していた、銀行支店長森雅之と、ついに一夜を共に過ごすが、森は大阪へ急に転勤すると言う。
高峰は寂しさで泣き崩れる。
それを見てマネージャーで性格の陰険そうな仲代達矢が結婚してくれと迫るが、高峰に職場結婚する気はないのだった。
いろいろ男を試してみて、やっぱり女の生きる道は仕事しかないと言うことだ。

男優ではどれも期待通りの働きで、言い換えれば意外性はなく、先が読めてしまった。
しかし高峰が着替えて出てくるシーンは、いつも引きつけられるものがあった。
男優は着物の引き立て役でしかない。

次は女優だ。バー・カールトンのオーナーは細川ちか子、好きな大女優である。
最初に藤木悠と結婚して静岡に行ってしまうのが、横山道代。これも大好き。
女給たちも多士済々、鴈治郎をたらし込んで店を出させた団令子北川町子中北千枝子柳川慶子若林映子まで揃っている。
忘れるところだったが、塩沢登代路(とき)もいた。
こんなに個性的な女の子を揃えていて、ママはする仕事がなかっただろうか。
いや、客あしらいは若い子に任せて、ママは人望でチームをまとめていた。


この時代の映画は、脚本が落ちても、役者の魅力だけで十分見せられる。


2005.08.12

娘・妻・母 1960 東宝

家族映画だが、成瀬らしく音楽にピアノ曲を使っている。
三益愛子、娘原節子、妻高峰秀子の三大女優・顔見せ映画である。

母あきは長男勇一郎、その妻和子一家と同居している。
長女早苗は夫と死別し、子供がいなかったため実家に帰ってきた。
勇一郎は和子の叔父に融資しているが、叔父はさらに追加融資を頼んできた。
勇一郎は、早苗が夫の死によってもらった、保険金を融通するが、叔父は事業に失敗して蒸発する。
債務を負った勇一郎は、母の名義の土地を手放さなければならない。
そのことで他の兄弟たちは兄を責める。

これを見て驚いた。
戦後15年経って新民法は、この程度しか行き渡っていなかったのか
いささか、大人しすぎる決着だ。
まだ実質的に旧民法の戸主制度が残っていたのだ。
兄弟が5人もいて、現在なら、裁判沙汰か骨肉の争いになってるところだ。


三大女優の顔見せはあくまで顔見せでしかなかった。
原節子と高峰秀子にとっては、最後の共演作らしい。
せっかく嫁と小姑なのだから、もっと見せ場がほしかった。

キャスト(役名)
三益愛子 (坂西あき(母)、子供に恵まれた母だったが、最後は老人ホームの世話に?)
原節子 (早苗(長女)、有閑マダムだったが、夫が死に婚家に出され、急に人生の荒波をかぶることになる。。)
森雅之 (勇一郎(長男)、サラリーマン)
高峰秀子 (和子(長男の嫁)、子供一人を持つ主婦。)
団令子 (春子(三女)、ワイン会社につとめ、独身。)
草笛光子 (谷薫(二女)、幼稚園の保母で、既婚。)
杉村春子 (谷加代(薫の姑)、強力な婆で、別居を拒否。)
宝田明 (坂西礼二(二男)、カメラマンで、既婚。)
仲代達矢 (黒木信吾(醸造技師)、原節子と付き合っていたが、彼女の母のために別れる羽目に。)
加東大介 (鉄本庄介(和子の叔父)、お金を借りるだけ借りて、逃げてしまう。)
中北千枝子 (戸塚菊(早苗の友人)、証券会社の外交員)
上原謙 (五条宗慶(早苗の見合の相手)、最後は原節子と結ばれる。)
笹森礼子 (モデル、日活女優だが、東宝に貸し出された。)

スタッフ
監督 : 成瀬巳喜男
製作 : 藤本真澄
脚本 : 井手俊郎 / 松山善三
撮影 : 安本淳
音楽 : 斎藤一郎

2005.07.28

おかあさん 1952 東宝

戦災で焼け出された一家は、やっと元のクリーニング屋を開くことができた。
しかし長男に続き夫も病気で死んでしまった。
店はシベリア帰りの木村が手伝ってくれることになった。
未亡人は幼い甥を抱え、木村の手ほどきを受けながら女手一つで馴れない店を切り回すことになる。

見ようによっては、少し物足りなく感じる。
しかしこの映画は当時流行した大映の母物(三益愛子)に対する成瀬巳喜男の解答だろう。
たしかに、大映はやり過ぎている。
なお、この翌年には松竹の重要な母物「日本の悲劇」(木下恵介監督、望月優子主演)が上映される。


当時の若い香川京子には難しい役かと思ったが、そつなく演じている。
母が木村と仲よくなると嫉妬して二人の邪魔をして、しかし二人が別れる段になって、母の幸せとは何だろうかと、考えてしまう。
小津監督の「東京物語」の娘役より幼いが、内面はしっかりしていて、成長を感じさせる娘の役だった。

田中絹代は熱くならず、かといって冷めすぎず、名演だと思う。

配役:
田中絹代 (福原正子)
三島雅夫 (夫福原良作)
片山明彦 (長男福原進)
香川京子 (長女福原年子)
榎並啓子 (次女福原久子)
三好栄子 (おばあさん)
中北千枝子 (妹栗原則子)
岡田英次 (年子の恋人平井信二郎)
加東大介 (夫の弟子木村庄吉)
沢村貞子 (おせい)

スタッフ
監督 : 成瀬巳喜男
製作 : 永島一朗
脚本 : 水木洋子
撮影 : 鈴木博
音楽 : 斎藤一郎

2005.05.20

妻 1953 東宝

原作林芙美子の三角関係ものを成瀬巳喜男が映画化。


上原謙、高峰三枝子のフルムーンコンビが中年の子なし夫婦を演ずる。
その間に割り込んでくるのが、未亡人役の丹阿弥谷津子である。
上原謙は当然によろめいてしまい、そのうえ妻にばれてしまう。
上原もこの気持ちは本物ではないかと思い始めて、妻を避けるようになる。
妻は愛人と直談判に出る。

作品としてはあまり評価されていないが、個人的には同じ成瀬作品「めし」{原作:林芙美子)よりはいい出来だと思う。
結論を決めないエンディングに余韻が残る。

新珠三千代が高峰の若い妹役で登場、ずいぶん若い頃だ。
はじめのうちは誰だか分からなかった。
なかなかの美形である。

他では三国連太郎がいい味を出していた。

配役:
上原謙 (中川十一、サラリーマンの夫)
高峰三枝子 (中川美種子、妻)
丹阿弥谷津子 (相良房子、愛人)
伊豆肇 (松山浩久、元間借り人)
中北千枝子 (松山栄子、元間借り人、美穂子の相談相手)
高杉早苗 (桜井節子、美穂子の友人)
三國連太郎 (谷村忠、間借り人)
新珠三千代 (新村良美、美穂子の妹)
坪内美子 (新村妙子、美穂子の母)
谷晃 (鬼頭、間借り人のスポンサー)

監督 : 成瀬巳喜男
製作 : 藤本真澄
原作 : 林芙美子
脚色 : 井手俊郎

2004.10.09

夜の流れ 1960 東宝

成瀬巳喜男監督のカラー作品。
若い司葉子と母親の山田五十鈴のそれぞれのシーンをダブルシステムで撮った実験的作品でもある。
共演陣も三橋道也、宝田明、草笛光子、市原悦子、水谷良重、横山道代、星由里子、志村喬、白川由美、北村和夫、中丸忠雄、岡田真澄、越路吹雪と東宝らしく超デラックス。


山田五十鈴は料亭の雇われマダム、スポンサーにしつこく口説かれる。
彼女は板前の三橋達也といい仲である。
そうとは知らず娘の司葉子も三橋に入れあげる。
ところが病院で母親と三橋が抱き合っているところを見てしまう・・・

市原悦子の自殺未遂事件あり、草笛光子の無理心中事件あり、水谷良重の集団強姦事件ありとエピソードには事欠かない。
いつもの成瀬とは違ってテンポは良い。
しかしイマイチまとまりに欠ける。
ダブルシステムでストーリーが細切れになっているせいもあるだろう。


芸者衆の草笛光子らの水着シーン(お宝映像だ)がある。
水谷良重は昔はずいぶんとポッチャリしていたのだなあ。
それでいて背が高い。
白川由美はやっぱり怒り肩だ。


司葉子は作品によって美人にもなるしブスにもなる。
この映画はブスな方だ。


山田五十鈴はおばさん顔してるが、腹の底ではメスである役どころだ。
娘の司葉子もその毒気に当てられたのだろう。
せっかく芸者になるラストシーンも残念ながら、あまり美しくなかった。


goo:夜の流れ

2004.08.22

舞姫 1951 東宝

川端康成原作を新藤兼人が脚色して、成瀬巳喜男が監督した作品。

山村聡、高峰三枝子が不仲な中年の夫婦を演じる。
妻はよろめき夫婦に決定的な危機が訪れるが・・・

片山明彦、田中(岡田)茉莉子が二人の子供役だ。
二本柳寛が高峰三枝子の初恋の人、見明凡太朗が横恋慕するマネージャーを演ずる。
ほかに岡田茉莉子に恋する青年に木村功、岡田茉莉子が憧れる元バレーダンサーに大川平八郎


クレジットとあらすじ

成瀬はこの作品のあとに林芙美子の名作「めし」(林が亡くなったため、川端康成が監修している。)を撮っている。
原節子が主演して、二本柳寛は両方で同じような役回りだ。

高峰三枝子を「舞姫」というハードなメロドラマに起用して、原節子を地味な「めし」に起用したのは何故だろう。
年上の高峰三枝子にはこの方が合うと考えたのかな?

また前年、新東宝小津安二郎大佛次郎原作「宗方姉妹」を撮っている。
田中絹代主演作だが、山村聡が同じような嫉妬深い夫役で出ている。

何故に新東宝で似たような映画を撮っているのに、東宝で再び撮ったのだろうか?
成瀬巳喜男は、やりにくかったのではないか。


この映画での岡田茉莉子はまだまだ子供だ。
ぼくはやはり高峰三枝子の方がいい。
バレー教師の姿はなまめかしく、意外とスタイルが良かった(笑)

バレー映画(谷桃子バレー団協力)だが、岡田茉莉子のバレーシーンは吹き替えになってる。


2004.08.01

浮雲 1955 東宝

●2002/12/01 Sun   ☆☆☆☆☆
成瀬巳喜男監督 
水木洋子脚本 
林芙美子原作
出演
高峰秀子 (幸田ゆき子)
森雅之 (富岡兼吾)
山形勲 (インチキ宗教家・伊庭杉夫)
岡田茉莉子 (向井の妻おせい)
加東大介 (向井清吉)

高峰秀子主演の傑作映画。

戦時中、農林省技師の富岡(森)とタイピストのゆき子(高峰)は仏印で出会い愛し合った。
しかし引き上げてくると、二人はなかなか一緒になれない。
富岡は妻と別れられず、その上、彼女に病気になられてしまい見捨てるわけに行かない。

絶望したゆき子は外人相手のパンパン生活に入る。
そんなゆき子を慰めようと、富岡は三島の温泉に連れて行く。
そこで富岡は人妻おせいと出会い、色目を使ったばかりに、またゆき子と揉める。
ゆき子は妊娠していたが、これをきっかけに下ろしてしまう。

しばらくゆき子は、インチキ宗教家伊庭の世話になっていた。
そんなある日、富岡の妻がなくなったという。
葬式のあと、ゆき子は富岡が屋久島へ赴任することを知る。

ドロドロの、どうしようもない男と女の世界だ。
女のせりふはリアルで、妙に恐ろしく感じられる。
高峰秀子はちっとも不潔感が無く、それだけが救いだった。

海外とくにヨーロッパで絶賛された映画で、日本映画のベストワンに上げる人は多い。
カヤックスとか、カウリスマキとか、大物監督が信奉者している。
この人たちの映画も、そういわれてみて見れば成瀬作品にそっくりだ。


2004.07.23

女の中にいる他人(1966)東宝

小林桂樹は美しい妻新珠三千代と母長岡輝子
幼い息子と娘に囲まれ郊外の一軒家を持って、何不自由ない生活。
しかし裏では親友三橋達也の妻若林映子とのSMプレイを楽しんでいる顔もあった。

その若林映子が殺された。
三橋達也草笛光子から妻が小林桂樹と一緒に歩いていたことを聞かされ、疑惑を抱く。
停電の晩、小林は新珠に浮気をしていたが、殺人事件とは関係がないと告げる。
新珠は浮気のことは許すから、もうあの話は忘れてと言う。

しかし小林の体調はすぐれず、転地療養に出る。
療養最後の日、新珠を呼んだ彼はすべてを告白する。
実は彼が犯人だったのだ。
新珠は子どもたちのためにも隠し通してくれ、と言う。

その後小林は三橋の家を訪れ、すべてを打ち明ける。
三橋は驚いたが、子どもたちのために黙っていろ、と言ってくれる。
しかし良心の呵責は日に日に大きくなり・・・

クレジットとあらすじ

小林桂樹新珠三千代といえば、岡本喜八監督「江分利満氏の優雅な生活」コンビだが、
この映画は成瀬巳喜男監督のサスペンスもの。

モノクロ映画だが、ちょっとしたサスペンスシーンで白黒は生きただろう。
しかしビデオ録画では白が浮いていた。

林光の音楽もクライマックスが現代音楽風でまずまず。
原作はエドワード・アタイヤの「細い線」、井出俊郎が脚色している。

しかしどうして新珠三千代が嫁さんなのに、浮気しなければならないのだろう?
清楚で愛おしくて、俺だったら絶対に浮気はしないぞ。
どうしてこんなに可愛い嫁さんがいて、他の女を抱けようか?


2004.05.28

晩菊 1954 東宝

2004年01月26日(月) 
No.123
監督 : 成瀬巳喜男
製作 : 藤本真澄
原作 : 林芙美子
脚色 : 田中澄江 / 井手俊郎 ◎
撮影 : 玉井正夫
音楽 : 斎藤一郎
美術 : 中古智
録音 : 下永尚

杉村春子 (倉橋きん)
見明凡太朗 (関)
上原謙 (田部)
加東大介 (板谷)
鏑木はるな (静子)
細川ちか子 (小池たまえ)○
小泉博 (小池清)
坪内美子 (岩本栄子)
望月優子 (鈴木とみ)
有馬稲子 (鈴木幸子)
沢村貞子 (中田のぶ)
沢村宗之助 (中田仙太郎)

芸者上りの倉橋きんは何より金が第一で、高利貸しをやったり不動産の売買をしていた。

昔の芸者仲間たまえは近所の旅館で仲居をやって生計を立てている。
息子清がひとりいるが、未だプータローだ。
しかもどこかの妾といい仲になってしまった。

とみは近所の会社で雑役婦をやって貧しい生活をしている。
競輪やパチンコが大好きでたまには勝つこともあるが、だいたいいつもからっけつだ。
だから麻雀屋に勤める娘幸子にせびっている。

のぶは亭主と飲み屋をやってる。
のぶは子どものある二人がうらやましくて仕方がない。
これから子供を作るんだと意気盛んだ。

きんは、旧友たまえやのぶにも金を貸していて、きっちり利子をとりたてる。
また若い頃きんと刃傷沙汰を起こした、関が会いにきても相手にしない。
しかし田部から会いたいと手紙を受けると、彼女はうきうきと化粧して男を待った。
だが田部は金を借りに来た。
きんはたちまち冷くなる。

幸子は母とみの言うことも聞かず、中年の男と結婚することに一人で決めていた。
無視されたとみは、酔いつぶれた。
幸子はとみの留守に部屋に入り込んで荷物をまとめ、新婚旅行に出かけた。
北海道に就職する清は、いい仲だった栄子と別れの酒をくみ交わした。

子供たちは母親のもとを離れたが、清を上野駅へ見送ったたまえととみは、子供を育てた喜びに充実感を覚えるのだった。
きんは関が警察へ捕まったと聞いても、私は知らないと冷たく云いすて、不動産物件を見に出かけた。

凄い!
杉村、細川、望月、沢村の四婆パワー全開だ。

一番若い望月が一番はしゃいでる。
杉村の冷めた目が印象的ね。
それから最大の収穫は藤山愛一郎夫人の細川ちか子だ。
品の良いおばさんで、昔は相当浮き名を流したことと思う。
しかし息子を思いやる気持ちの表出は一番だった。
お金持ちの奥方というだけでは済まない、演技力を感じた。

脚本もイイ。
林芙美子の三つの短編「晩菊」「水仙」「白鷺」を織り合わせて、一本の映画を作るワザには参った。
母として女として中年過ぎた女がいかに生きるか、
考えさせられる映画だった。

坪内美子がちょい役で出ていた。
ちょうど「浮草物語」を見たばかりだが、あれから19年経っていた。
化粧が変わったから、前もって情報を持っていなければわからなかったかも知れない。

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