悪い奴ほどよく眠る 1960 東宝
前秘書課長はトカゲのしっぽ切りだ。
でも選挙前だけに、現在の事務次官も与党に見捨てられて斬られるだろう。
51歳で秘書課長とは、厚生労働省もよくわからない人事だ。
大蔵省なら普通、現在の僕と同じぐらい(45~50歳)で秘書課長になって、その後、事務次官から日銀総裁になるのが超エリートコースだった。
知り合いに役人は多いが、僕の友人でそこまで偉くなる奴はいない。
だから悪い奴もいないだろう。
☆
「悪い奴ほどよく眠る」は、1960年製作の第一回黒澤プロ作品。
公団汚職をめぐる社会派サスペンスだ。
シェークスピアの「ハムレット」をベースにしている。
最初から犯人が明らかであり、このまま終わるのかな、と思っていたら、最後にどんでん返しがある。
アカデミー賞名誉賞とヴェネチア映画祭を獲得した名作「羅生門」の主役コンビ(三船敏郎、森雅之)が再び対照的な役柄を演ずる。
この作品は悩めるハムレット役の三船敏郎でなく、公団副総裁の老け役(クローディア)を演じた森雅之の方がはるかに美味しい。
なかなかの怪演である。
児玉清が若い記者役を力みかえって演じている。
女優では香川京子が、けなげできれいだった。

